2018.05.21更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.私が担当した事件


①ご依頼者様: 50代前半男性(Dさんとします)

②依頼内容: 妻が突如別居を開始した上で、弁護士から離婚を要求する書類が届いたが、納得が行かないので、相手の弁護士と話をして欲しい。

③関係者概要等

相手方: 50代前半の奥様 、 子供: いらっしゃらない 、婚姻期間: 5年未満 、 家庭環境: ご依頼時別居中 

 

 

2.DV保護命令事件の概要


 

私が離婚問題の弁護士に就いてから2,3週間もしないうちに、裁判所からDV保護命令の呼出通知が届いてしまいました。

私がDさんから聞いていた話では、DVといわれる様な暴力をしたこともなく、今一離婚理由がはっきりしないという話でしたので、まさに寝耳に水という様な話でした。

 

この保護命令の申立は、客観的証拠としては写真(肩を強く掴まれたと言うことで少しアザができた写真)とLINE(Dさんから多少強迫めいた内容のコメントをしてしまっていました)のみでした。

このように客観的証拠が乏しいことや、相手が主張する事実で虚偽の事実については逐一丁寧に反論をしたのですが、残念ながら裁判官にこちらの主張を受け入れてもらえず、保護命令が発令されてしまいました。

 

この保護命令に対して不服申立をすることも検討したのですが、Dさんとしても、自分から積極的に近づくつもりもないとのことでしたので、保護命令に対しては不服申立をしないこととしました。

 

 

3.そもそも離婚に応じるか

 


 

 

依頼を受けた当初、Dさんは離婚した方がよいのか悩んでいる様子でした。結婚から5年も経ていないため、離婚することがベストな選択なのか決めかねていたのです。

私の方からは、離婚というのは人生に一度や二度しかない重要な問題なので焦らずに結論を出して欲しいこと、悩んでいるのであれば、相手の弁護士にはとりあえず離婚に応じられないという返答をしておこうとお話ししました。

しかし、上記の通り突発的に保護命令の申立を受け、その申立書等には、明らかに虚偽と思われる記載も多数ありましたので、Dさんとしても、「こんな嘘つきと元の生活に戻ることはできない」という気持ちを強くし、こちらも離婚に応じる方向に梶を切ることにしました。

 

 

4.離婚問題については調停からスタートした


 

同時並行して奥さん側の弁護士が離婚調停を申し立てており、離婚の話し合いの場はすぐに調停の席に移りました。

Dさんも離婚の決意を固めておりましたので、私の方からは離婚について交渉での話し合いを要請したのですが、相手の弁護士が一切協議をしないというスタンスでしたので、協議離婚の議論は一切行われませんでした。

 

 

5.調停での先方の言い分


 

離婚調停では、奥さん側から慰謝料300万円の要求がありました。また、奥さん名義の自宅リフォーム代をDさんが負担しているのに、その部分の財産分与は一切しないということで、奥さん側の要求は非常に一方的なものでした。

先方はDVの保護命令が認められているため、慰謝料はもらって当然という態度で、金銭を要求してきました。

また、DVだけではなくモラハラ被害も受けているため、同情して欲しいという様な姿勢でした。

 

 

6.こちらが調停に臨む際に立てた作戦


 

 確かに、先方が言うとおり保護命令が発令されてしまっていることは、こちらにとって不利な事情になりますので、そのことも踏まえた上で作戦を組み立てる必要があります。そこで、調停に臨む際にはDさんとも綿密に打ち合わせをして、以下の様な作戦で臨むことにしました。

 

①Dさんが調停の席で感情的にならないこと

 調停委員は目の前のDさんの様子を見ながら調停を進めますので、Dさんが調停の場で感情的になってしまいますと、調停委員から「乱暴な人間」と評価されてしまう危険性が非常に高いです。

 そのため、私から事前にDさんに対して、調停の席で声を荒げないこと、感情を顔に出さないことを強く指導しました。合わせて、相手はこちらを挑発する様に無理な要求をぶつけてくる可能性が高いので、そのような挑発に乗ると相手の思うつぼであることを伝えました。

 

②保護命令が実質写真1枚だけで発せられたものであること等を丁寧に説明すること

 前述したとおり、保護命令の存在がこちらにとって一番不利な材料ですので、調停委員にも保護命令発令の経緯を丁寧に説明する様に心がけました。

 具体的には、先方の裏付けとして有力な証拠としては写真1枚だけであること、その際にもDさんが奥さん側に挑発されて多少手を出したに過ぎないこと、暴力をふるったのはこの1回のみであることなど詳しくかつ冷静に説明する様にしました。

 

③調停は白黒つける場所ではないこと

 さらに、調停はあくまで話し合いの場であって、夫婦のどちらに否があるのかを決定する場所ではないので、一方的にDさんが悪いというレッテルを貼る様な慰謝料請求には応じられないという論法を展開しました。

 

 

7.調停委員の反応


 

Dさんが調停の席で終始落ち着いて冷静に話をしていることについて、調停委員の印象はかなりよかったようでした。逆に、奥さん側は感情的になって調停委員に話をしていた様子で、印象を落としている様でした。

 

 

8.相手が調停を申し立ててきてから7か月後の決着


奥さん側は慰謝料の要望が強くなかなか妥協してこなかったのですが、途中裁判官が調停の席にはいるなどして説得してくれたおかげで、奥さん側も慰謝料の要望を取り下げました。

ただ、財産分与の話し合いの中で、多少こちらも譲歩する形で折り合いがつきました。

 

調停中、先方は早期離婚に向けて焦っている節がありましたので、逆にこちらは時間をかけてじっくりと臨む姿勢を見せたところ、先方がしびれを切らせて妥協してくるようになったのです。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

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