2018.07.10更新

弁護士秦 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 

1.婚約履行請求調停って何だ?


 

 婚約履行請求調停とは、一般的には、婚約者が当人同士でお話し合うことが難しい時に、家庭裁判所の調停委員を間に入れて話し合いを円滑に行いお互いの合意を目指す手続などと言われたりします。

 しかし、この説明だけでは漠然としていて婚約履行請求調停のイメージを掴むことは難しいと思いますので、できる限り具体的に婚約履行請求調停というものがどのようなものなのかをご説明します。

 

 

2.そもそもこの調停は何を目指す調停なのか?


 

 通常この調停を起こす場合、婚約は成立しているけれども、相手が急に態度を豹変させたとか、連絡が取れなくなってしまったという場合に、相手の真意を確認したり、婚約者間のとげを取り除いてやり直すために行われる手続になります。

 調停の席での話し合いが順調に進めば、挙式の日取りや婚姻届の提出日等についても合意できる可能性があり、最終的にはその様な婚姻届の提出までを目標にした手続にはなります。

 ただ、相手が頑なに婚約関係の継続を拒否する姿勢の場合、婚約解消に向かって話が進んでしまうリスクはあります。

 

 

3.調停を申し立てる前にすべきこと


 

(1)相手に最後通告を送る

 いきなり調停を起こしますと、裁判所からの封書が来て相手は驚いてしまうと思います。そのため、相手には最低1回は婚約履行請求調停を起こす旨の最後通告はしておいた方が良いと思います。

 このような最後通告を行うことによって、相手が話し合いに応じてくる可能性もありますので、極力事前に通告をしておいて下さい。

 

(2)相手が婚約を否定してきた場合に備えて証拠の準備

 相手が調停の場で、婚約の存在そのものを否定してくる可能性もあります。そのため、婚約を証明できる証拠があれば、事前に証拠集めをして、調停の場でも調停委員に見せられるように準備しておいた方が良いと思います。

 

 

4.調停委員ってどんな人?


 

 婚約履行請求調停は、裁判官1名と調停委員2名(男性1名、女性1名)の合計3名が間に入って執り行われます。と言っても、裁判官は複数の事件を担当していますので、実際に調停室で直接話をするのは基本的に調停委員2名と言うことになります。

 

 では、この調停委員というのはどういう人なのかと言うことですが、原則として40歳以上70歳未満の人で、社会生活上の豊富な知識経験や専門的知識を有する裁判所職員になります。弁護士、大学教授や裁判所書記官OBなどが調停委員になるなどしています。

 

 

5.婚約履行請求調停ってどこで行うの?


 

 婚約履行請求調停は家庭裁判所の建物内の一室で行われます。調停委員に、こちらの自宅などに出向いてもらって話し合いをするということはできません。

 

 テレビのドラマなどを見ていますと、いわゆる裁判所の法廷の場面が映し出されていますが、調停が行われるのは一般的な法廷ではなく、イメージとしては会議室のような場所で行われます。

 会議室と言っても何十人も座れるような広い会議室ではなく、6人掛け(いわゆる誕生日席2席を加えると8名が座れる程度)のテーブルが入って多少余裕がある程度の部屋とイメージしていただければ分かりやすいと思います。

 

 

6.婚約履行請求調停って何時行うの?


 

 調停が開催される期日は完全事前予約制なので、予め日時を決定しておき、その日に裁判所に足を運ぶという方式になります。

 調停が行われるのは平日の日中ということになりますので、土日祝日や夜間に調停を行うことはできません。そのため、平日お仕事をされている方は、調停の日はお仕事を休むか早退するなどして出席することになります。

 

 この調停期日は一方的に裁判所から決められることはなく、基本的にはご本人の都合を聞いて日時が決定されます(但し、第1回調停期日については、相手方の都合は聞かずに日時が決定されます)。

 

 ただ、担当調停委員によって担当曜日が決まっているのが一般的ですので、その曜日の中から日時を選択するという形式が一般的です。つまり、担当曜日が月曜日と木曜日というように決まっているという場合、月曜日か木曜日の中から期日を選択して行くことになります(逆に言うと水曜日を希望しても水曜日に調停を開催することは難しいということになります)。

 

 

7.1回の調停はどのくらいの時間がかかるの?


 

 1回の調停は2時間程度で終わります。ただ、話し合いの状況に応じて2時間よりも長くなったり短くなったりすることもありますので、2時間というのは一つの目安だと考えて下さい。

 

 

8.当日の調停の流れは?


 

 調停の流れは裁判所や調停委員によって差があるので画一的ではないのですが、一般的には以下のような流れで進むケースが多いです。

①婚約者はそれぞれ別々の待合室で待機

        ↓

②調停委員に事件番号(またはお名前)を呼ばれるので、調停委員の案内で調停室に入室

        ↓ 

③婚約者双方が揃った調停室にて調停委員から調停手続の概要を説明(第2回目の場合、前回の調停での話し合いのおさらい及びその日の調停での目標等の確認)

        ↓

④申立人のみが調停室に残って調停委員と話し合い(30分程度が目安)(相手方は待合室で待機)

        ↓

⑤申立人が調停室を退室し、入れ替わりで相手方が調停室に入室、相手方のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(申立人は待合室で待機)

        ↓

⑥相手方が調停室を退室し、入れ替わりで申立人が調停室に入室、申立人のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(相手方は待合室で待機)

        ↓

⑦申立人が調停室を退室し、入れ替わりで相手方が調停室に入室、相手方のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(申立人は待合室で待機)

        ↓

⑧婚約者双方が揃った調停室にて調停委員と次の調停の日時を決定し、同時に次回までの宿題などの確認をする。

 

 なお、上記の③と⑧については、調停委員によっては婚約者別々で確認を行うということもあります。

 

 

9.調停室内に入れるのは誰?


 

 よく自分一人で調停室に入っても上手に話ができるか不安があるので、ご自身のお姉様やお母様も同席させて欲しいとおっしゃる方もいます。

 しかし、調停の手続は非公開の手続(御本人以外の方の傍聴などが認められていないということです)ですので御本人以外が入室することはできません。

 なお、弁護士に事件を依頼した場合には、弁護士も調停室に同席することができますので、その面では安心です。

 

 

10.調停が開催される頻度は


 

 調停の期日の間隔は1か月程度になります。ただ、夏期や年末年始は調停を行わない時期がある関係で、この時期の調停の間隔は1か月以上空くことが多いです。

 

 

11.そもそも相手は調停に来るか?


 

 調停把握まで裁判所を利用した話し合いの場になりますので、相手が法律的な出席義務を課されることはありません。

そうすると、相手が欠席するのではないかと不安に思われる方もいますが、家庭裁判所から封書が届きますので、相手も出席してくることの方が多いと思います。そのため、最初から「相手が出てこないかもしれない」と考えて調停を起こさないのではなく、相手も来る可能性が高いものとして調停は活用して行ければと思います。

 

 

12.調停が成立した場合の拘束力は?


 

 よく「調停が成立すると判決と同様の拘束力がある」と言われたりします。

 ただ、これは調停の内容次第です。

 

 例えば、相手に金銭を支払わせるという内容の調停調書には、強制力がありますが、「今後互いを尊重し、コミュニケーションを絶やさず円満な夫婦関係を築くことができるように努力する」と言った条項は、ある意味精神論を謳った条項に過ぎず、この内容に強制力を認めることはできません。

 婚約履行請求調停にてお互いの話がまとまった場合「当事者双方は、平成○年○月までに結婚式を挙行し、平成○年○月○日に婚姻届を提出することを合意する」と言った合意をしますが、この合意には残念ながら強制力はありません。

 

 強制力とは「相手が反対しても無理矢理実行させる」という効力になりますが、国家権力が相手を無理矢理区役所の戸籍課まで連れて行って、婚姻届にサインさせると言うことは人権上問題になりますので、認められないのです。

 ただ、このように約束すれば、相手もなかなかその内容を反故にすることは難しいと思います。

 また、あまり期間が空いてしまうと相手が婚姻届の提出を渋る可能性があるという場合には、上記のような調停成立の日に、その足で区役所まで行って婚姻届を提出してしまうと安心です。

 

 

13.まとめ


・婚約履行請求調停とは、最終的には婚姻届の提出を目指した調停手続である。

・調停を申し立てる前に相手に最後通告をした方がよく、また、婚約の証拠準備もしておいた方がよい。

・調停委員は40歳以上の学識経験者が選ばれる。

・調停は家庭裁判所の一室である調停室という打合室の様な場所で行われる(法廷では行わない)

・調停は平日の日中に開催される。

・1回の調停は2時間程度を目安とする。

・調停期日は交互に調停委員に話をする順番で進めることが多い。

・調停室には本人のみしか入れない(弁護士がいれば弁護士は入室可) 

・調停は約1ヶ月おきに開催される。

・調停がまとまった場合、その内容には確定判決と同様の効力が認められるが、常に強制できるわけではない。

 

 

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