2018.11.07更新

弁護士 秦

 こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

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1.借金整理の手法は大きく分けて全部で3つ


 

 様々な事情があって、今抱えている借金を今まで通りに返済できないという場合で、既に自分だけでは整理がつかないという場合には、いよいよ弁護士への相談も考えなければいけません。そのような場合、大きく分けて借金整理の手法としては以下の様なものがあります。

①任意整理

②自己破産

③個人再生

 

2.任意整理とは


 

 

 任意整理とは、弁護士が貸金業者等と交渉を行って、借金の返済条件を緩和するものと考えていただくと分かりやすいと思います。要するに、今まであなたは今後2年で完済しなければならなかった借金を、3年での返済まで条件を緩和するといった形になります。

 より具体的に、弁護士が行う事務としては、①利息制限法に違反する利息分を圧縮して、借金残高を減らす、②減らした残高に対して、あなたが支払える月額での返済条件を貸金業者等と交渉する、という流れになります。

 

 まず、①の債務の圧縮ですが、貸金業者が利息制限法を超える利率でお金を貸している場合には、借金がかなり減る可能性もありますが、ここ2,3年前に借り始めたばかりという借金などは、制限利率を超えていないため、ほとんど利息分を圧縮できないというケースもあります。

 

 次に、②の返済条件ですが、一般的には、3年から5年の間に完済するプランにすることが多いです。貸金業者によっては、3年以内に完済してもらわないと困るという業者もいれば、5年でも構わないという業者もいますので、この点は、業者によって対応が分かれてきます。ただ、あなたが月々に支払える額が少額のため、どうしても完済までに10年といった長期間を要するという場合には、任意整理の手法は難しいと思います。

 

 なお、弁護士が間に入って、任意整理を行うという場合には、今後返済していくのは現金残高のみ(または、和解が整った時点までの遅延損害金等を加算した金額のみ)とすることが多いため、将来の利息が発生しないというメリットがあります。

 

3.自己破産とは


 

 これから説明する個人再生と自己破産は、いずれも、裁判所に申立をして行う手続になります。そのため、裁判所を利用しない任意整理と区別されることになります。

 自己破産とは、裁判所の許可を得ることで、借金の支払い義務を法律的に免れる手続などと言われます。このように借金の支払い義務を免れることを法律的に「免責」と呼んだりしますが、要するに、破産時点で抱えている借金を返さなくてよくする手続と言うことになります。但し、公租公課など免責の対象にならないものもありますので、留意する必要があります。

 

 ただ、このような破産を簡単に認めてしまいますと、貸金業者等の債権者からすると、貸し付けたお金を返済してもらえなくなるわけですから、大きな不利益を受けることになります。そのため、破産を申請する際には、いろいろな資料を集めるなどして、裁判所に提出する必要があります。

 また、破産の際に、あなたが資産を持っている場合、その資産は基本的に債権者への配当等に回さなければならなくなります。イメージとしては、持っている財産ははき出す代わりに借金の支払いを免れる手続とお考えいただいた方が正確かもしれません。

 

4.個人再生とは


 

 

 個人再生は、裁判所の手続という点では自己破産と同じなのですが、自己破産と大きく違うのは、一部の借金を返済していくプランだと言うことです。自己破産と個人再生いずれの手続きを取るかといった点は「5」で後述します。

 

 個人再生で支払う額は、借金総額の5分の1になります。但し、以下のいくつかの条件がありますので、注意する必要があります。

①最低支払額100万円

 例えば、借金の総額が300万円の場合、5分の1の金額は60万円になりますから、個人再生で支払わなければならない金額の合計は60万円で済みそうです。

 ただ、この点は個人再生法という法律で最低弁済額は100万円と決まっていますので、借金総額が低かったとしても、少なくとも100万円は弁済しなければいけません。

 

②あなたの資産状況

 例えば、借金総額が1000万円だとすると、5分の1である200万円を支払えばよいと言うことになりそうです。ただ、個人再生には自己破産とは違う「特典」がありますので、返済額に関して、個人再生を自己破産より有利に扱うことは法律が認めていません。より分かりやすく言いますと、前述したとおり、破産した場合にあなたの資産をはき出さなければいけないのですが、個人再生の場合にも、最低限、あなたが現在持っている資産の金額分は支払う必要が出てくると言うことです。

 要するに、先ほどの例だと、あなたが外車を所有しており、その外車が300万円の価値があるという場合、あなたは、200万円ではなく、300万円を返済しなければならなくなるということです。

 但し、この300万円は、3年間の弁済計画の中で払えばよいため、自動車を売却しなければならないと言うことは回避できます。

 

③住宅ローン特別条項を利用した場合

 住宅ローン特別条項を利用した場合、その住宅ローンは、他の借金の弁済計画とは別枠で支払っていく必要が出てきます。

 

 

5.手続の選択


 

 上記の通り、借金整理の手法には3つの手法があるのですが、その検討手順について解説いたします。

 まずは、あなたの資産や収入状況等から、任意整理が可能かどうかを検討します。任意整理の場合、借金の圧縮ができればよいのですが、借金の圧縮が難しい場合には、基本的に借金全額を払わなければいけませんので、今後3年か5年で本当に完済できるのかをしっかりと見極める必要があります。

 

 任意整理が難しそうだという場合には、次に自己破産の方法を検討します。個人再生では、上記の通り借金総額の5分の1を支払わなければならないのに対して、破産の場合は支払を全額免れることができるため、破産の方があなたにとってもメリットが大きいから、自己破産の方を先に検討するのです。

 そして、自己破産をするにあたって支障があるという場合には、個人再生を検討していくことになります。自己破産に支障があるというのは、例えば、借金を多額のギャンブルに使ってしまったといった場合には、免責が認められないリスクがあります。そのような場合には、リスクを負って破産の手続きを踏むのではなく、最初から個人再生の手続を申請すると言うことが考えられます。

 

 また、破産手続きを取っている間は、一定の資格制限があります。身近なものですと、警備員や保険外務員、証券外務員などが資格制限となるのですが、破産手続中もこれらのお仕事を続けていく必要があるという場合には、敢えて破産ではなく個人再生を選択した方がよいということもあり得ます。 

 さらに、自宅を残したいとか、どうしても仕事で車を利用するという場合等では、自宅や自動車を残す手段として個人再生を利用するメリットがありますので、個人再生を検討することになります。

 

6.まとめ


・借金整理の手法には大きく分けて、任意整理、自己破産、個人再生の3つの手法がある。

・任意整理とは、利息制限法に基づく債務の圧縮をして、返済条件を見直す手法である。

・自己破産とは、裁判所の手続きを経て、債務全額の支払いを免れる手続である。

・個人再生とは、裁判所の手続きを経て、債務を基本5分の1に圧縮して返済していく手続である。

・3つの手法のどれを選択するかは①任意整理の可否→②自己破産の可否→③個人再生の可否という順番で検討するのがオーソドックスである。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

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