2020.10.19更新

弁護士 秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

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 本年(令和2年)は、コロナウイルス感染拡大の影響で、夫婦関係が悪化し、離婚が増えるのではないかとの予測も出ています。そこで、奥様から離婚等の申し出があったケースを前提として、改めて、あなたが置かれた状況を踏まえた復縁難易度の一つの目安とすべく、整理をいたしました。

 

1.ケース別復縁難易度って?



 私は、旦那様の側から復縁のご相談を受けることも多いのですが、ご相談を受けた時点で、どこまで状況が悪化しているのか、一定のケース分けができることに気付きました。
 もちろん、以下は、ケースごとの難易度を一つの目安としてお示しするものであって、「このケースであれば復縁確実」などと保障するものではありませんので、この点はご留意の上ご覧いただければと思います。

 




2.ケース分け




 あなたが起こっている事態に応じて、離婚に向けての深刻度を類型化することができますので、具体的には以下のようにケース分けして解説していきます。

①家内から別居の提案があった(実際にはまだ別居していない)
②家内から離婚の提案があった(まだ家内は別居もしていない)
③家内から別居の提案があって、こちらも応じたので、家内は現在別居中
④家内から別居の提案があって、話し合いが決裂、家内が突如別居を開始した
⑤家内から何の提案もなく突如別居を開始した
⑥家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(家内は弁護士を付けていない)
⑦別居中の家内の弁護士を名乗る人物から書留郵便(内容証明)が届いた
⑧家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(家内は弁護士を付けている)



 なお、これら①から⑧は奥様が順を追ってこのような手続きを踏むというわけではなく、いきなり⑤と⑧から手続が進むと言うこともあります。そのため、現在あなたが置かれている状況が①から⑧のどの状況なのかを確認して、該当の解説をご覧下さい。

 




3.【ケース①または②】家内から・別居または離婚の提案があった



 上記のケース分けで①または②に該当するケースです。実際に奥様が別居を開始していない段階ですので、上記のケース分けの中では深刻度が一番低い類型になります。
 上記の③から⑧にまで発展していない段階ですので、あなたが対応を誤らなければ十分奥様との仲直りも期待できる段階と言えます。



 ただ、この段階でも、真剣に奥様が離婚を切り出してきている場合や、奥様が両親等も交えた話し合いを提案してきているような場合には、あなたも奥様の声に真剣に耳を傾けないと、奥様は別居を実行してしまうリスクもありますので、その意味では慎重な対応が必要になります。
 また、ここでのあなたの対応が奥様を更に傷つけてしまいますと、奥様が別居や離婚を決断する引き金になってしまう可能性もありますので、その点に注意する必要があります。



 なお、奥様から別居の提案が出されただけというケース(①のケース)と、更に踏み込んで離婚の提案までなされたケース(②のケース)とでは、②の方が多少深刻度が高いということになります。
 また、奥様からこのような提案がなされるのが今回が初めてではない、という場合には、深刻度は増しますので、この点にも注意が必要です。

 

 本年は、コロナウイルス感染拡大の影響で、夫婦が一緒にいる時間が長くなった結果、奥様がストレスを貯めやすいと言われることもあります。そのため、奥様が別居や離婚という言葉を言い放ったものの、本気ではないというケースも出てくると思います。
ただ、安易にコロナウイルスのせいにしてしまいますと、奥様側からは「反省していない」とか「真剣に聞いてくれない」と感じてしまい、奥様は次のアクションを起こす危険性が高まりますので、そのようなことがないよう注意する必要があろうかと思います。

 

4.【ケース③】家内から別居の提案があって、こちらも応じたので、家内は現在別居中



 何か別居の引き金になるような出来事が起こって、お互いに冷却期間を置いた方が良いということで、あなたも承諾して奥様が別居を開始したというケースです。
 本年はコロナウイルス感染拡大の影響で、夫婦が一緒にいる時間が長くなる結果お互い窮屈に感じるとか、ストレスを抱えやすいということも多くなっているかと思います。そのようなこともあって、一時的に奥様が実家で暮らすことにしたというようなケースがこれに当たります。
 いわゆる「コロナの問題が一段落するまで別居する」という内容ですので、あなたが対応を誤らなければ奥様との仲直りも期待できる段階と言えます。

 ただ、奥様の方も表向きはコロナウイルスを理由にしていたとしても、実際には、長期別居を予定しているというケースもありますので、これまでの奥様の言動等をしっかりと振り返り、本当の別居の理由が何なのか思い返してみたほうが良いケースもあります。




5.【ケース④】家内から別居の提案があって、話し合いが決裂、家内が突如別居を開始した



 このケースは、奥様から別居の提案があったという点ではケース③と同じですが、話し合いが上手く行かず、奥様が別居を独断で実行したケースになります。
 このような奥様の行動心理としては、「旦那と話をしていても埒があかないので、最終的には旦那の承諾を得ずに別居を始めた」という心理だと思いますので、上記ケース①から③よりも慎重な対応が必要になります。

 このようなケースでは、あなたが直接奥様と話をすることが奥様を刺激する危険性もありますので、奥様のご両親や共通の知人と話をするなど交渉窓口を変更することも視野に入れた方が良いかもしれません。
 もちろん、別居後も奥様から連絡があり、あなたからの連絡に対して奥様からの返答もあるようでしたら、奥様との直接の話し合いを模索してみても良いかもしれません。それが逆効果になりそうな場合や、奥様との直接の話し合いを模索してみたけれども、なかなか難しいという段階で他の方を間に入れることを検討してみて下さい。




6.【ケース⑤】家内から何の提案もなく突如別居を開始した



 このケースは、奥様が突如別居を始めたという点はケース④と同じですが、奥様が事前に別居の提案をしてこなかったケースになります。
 このような奥様の行動心理としては、「旦那と話をしていても埒があかないので、最終的には旦那の承諾を得ずに別居を始めた」という心理だと思いますので、上記ケース④よりも慎重な対応が必要になることが多いと思います。

 ただ、ケース④よりも深刻度が高いかというと、事前に話し合いをするかは、奥様の性格やこれまでのご夫婦での話し合いや夫婦関係等による影響もありますので、あまり深刻度はケース④と変わらないというケースもあります。
 このケースでも、あなたが直接奥様と話をすることが奥様を刺激する危険性もありますので、奥様のご両親や共通の知人と話をするなど交渉窓口を変更することも視野に入れた方が良いかもしれません。

 なお、あなたとしては、奥様が何の相談もなく勝手に出ていったことに対する怒りの感情を持つかもしれませんが、そのような怒りの感情に支配されて行動してしまいますと、夫婦仲はより一層悪化してしまうと思いますので、冷静な対応が必要かと思われます。

 



7.【ケース⑥】家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(家内は弁護士を付けていない)



 このケースは、あなたが普段通りに生活していたところ、突如離婚調停の通知が郵便で届いてしまったというケースになります。
 このケースは更に、①奥様が別居した上で、暫くしてから裁判所の書類が届いたケースと、②奥様が同居しながら(家庭内別居のまま)裁判所の書類が届くケースに分けることができます。このケース⑥-①の方が、⑥―②よりも深刻度が高いことの方が多いのですが、奥様としては色々な事情があってケース⑥-②を選ばざるを得なかったということもあります。例えば、別居資金が不足しているとか、お子様の学区を変更しない場所で別居先を見付けることができなかった当時宅に住み続けたいとの要望が強いといった事情が考えられます。そのような事情がある場合には、ケース⑥-①もケース⑥-②も深刻度はあまり変わらないと思います。

 このケースでは奥様が弁護士を立てていないものの、裁判所での話し合いを希望している段階ですので、離婚意思が強いケースが多いと思います。
 この段階にまで発展してしまっていますと夫婦のヨリを戻すことの難易度はかなり高いと思いますので、夫婦円満を希望するのであれば、誠意をもって調停に臨むことをオススメします。

 なお、奥様が調停の申し立てまでしているケースでは、コロナウイルスの問題のみならず、コロナウイルスの問題以前から不満等を持っていたケースの方が多いと思いますので、調停申立書2ページ目下の方の「申立の理由」の欄をしっかりと確認して、思い当たるところがないかを思い起こす必要があります。

 

 

8.【ケース⑦または⑧】家内が弁護士を付けた



 奥様が弁護士を付けて離婚を要求してきたケースです。弁護士が手紙を送ってくるケース(ケース⑦)と、弁護士の判子が押された調停書類が裁判所から届くケース(ケース⑧)とがあります。
 ケース⑦とケース⑧どちらの深刻度が高いのかという点ですが、一般的にはケース⑧の方が深刻度が高いのですが、事件の方針として交渉から着手するか調停から着手するかは弁護士の普段の事件処理方法によるところも大きいので、必ずしも深刻度に差があるとは限りません(より分かりやすく言いますと、弁護士によっては「離婚事件は常に離婚調停の申立からスタートする」という事件処理をしている弁護士もいるということです)。

 このケース⑦または⑧になりますと、奥様は弁護士にお金を払ってでも離婚したいという決意を持っているわけですから、離婚の覚悟は相当固いと考えた方が良いと思います。
 また、この段階にまで発展してしまっていますと、奥様が専門家である弁護士を付けているので、あなたとしてもミスが起きないよう弁護士を立てることを考えた方が良いと思います。

 この段階になってしまっておりますと、復縁の難易度は非常に高くなってしまっていますが、離婚するかどうかはあなたの人生に関わる重要な話ですから、離婚に応じてよいかは慎重に検討してみてください。

 

 


9.まとめ


・夫婦関係の悪化の状況に応じて復縁難易度には差が生じる。
・一般的には以下の数字が大きくなるほど復縁難易度は上がる傾向がある。
①家内から別居の提案があった(実際にはまだ別居していない)
②家内から離婚の提案があった(まだ家内は別居もしていない)
③家内から別居の提案があって、こちらも応じたので、家内は現在別居中
④家内から別居の提案があって、話し合いが決裂、家内が突如別居を開始した
⑤家内から何の提案もなく突如別居を開始した
⑥家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(家内は弁護士を付けていない)
⑦別居中の家内の弁護士を名乗る人物から書留郵便(内容証明)が届いた
⑧家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(家内は弁護士を付けている)
・上記の①から⑧はあくまで目安なので、ご家庭の状況によっては復縁難易度に差が生じ得る。




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