2021.08.30更新

弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

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1.【今からできる】離婚対策とは?


 今回は、あなたがまだモラハラ・DV夫と同居中だということを前提に、どのような準備をしておけば、早期離婚実現に役立てられるのかという観点から解説していきます。
 既に別居してしまったという方にも参考にはなりますが、主として、今も同居している方を対象にしておりますのでご注意ください。

 

 

2.【対策①】まずは、モラハラがどのようなものなのかをしっかりと知る


 一言で「モラハラ」と言っても様々な形態があります。
 また、モラハラ=暴言と誤解なさっている方も多いです。
 そのため、まずは、モラハラの意味をしっかりと理解することが大事です。
モラハラ夫の行動や言動には共通点も多いのですが、項目が多くなってしまうものですから、まずは、モラハラ夫はどのようなキャラクターの人が多いのかについてご紹介し、その後に、具体的にどんな行動・言動がモラハラにあたるのかをご紹介します。



(1)モラハラ夫の性格(キャラクター)の共通項とは?
 モラハラ夫は以下の様な性格(キャラクター)の方が多い様に感じますので、まずは、あなたの旦那様に当てはまるものがないか確認してみて下さい。

①何でも自分優先である。
②マイルールや独自のこだわりがある(しかも、一般の人が理解しにくいルールであることが多い)
③自分の非を認めない。
④嫉妬深い、執念深い。
⑤あなたやお子様に対する束縛やルールが多い。
⑥他人を信用せず、友人が少ない。
⑦スイッチが入ると急変する。
⑧メンタルが弱い、または、メンタルが弱いふりをする。

 上記の①から⑧のうち、2,3個以上当てはまる場合には注意信号と言えます。

 なお、これらの項目のうち沢山の項目に当てはまる方が、「より深刻」と言えなくもないのですが、あてはまる項目は少なくても、ひどいモラハラ夫ということもありますので、「該当する項目の数が少なければ問題が少ない」というわけではないので、ご留意下さい。


(2)モラハラ夫の「モラハラ発言」「モラハラアクション」とは?
 モラハラの定義である「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」と言われてもピンと来ない方が多いのではないでしょうか。そこで、一定の類型化をするとモラハラとは以下の様に分類できるのではないかと思います。以下のうち、どの項目に該当するかチェックして整理すると、あなたのモラハラ被害を客観視できると思います。

①直接こちらに暴言を吐く(「お前なんかと結婚したのは失敗だった」、「バカが移るから近付かないでくれ」等々)

②こちらに危害を加えるような発言をする(「一度殴られないと直らないのか?」、「むしゃくしゃしてお前を殺してしまいそうだ」等々)

③家事や育児の些細な問題を執拗に責め立てる(「棚に埃が付いてたけど、ちゃんと掃除しているのか?」「いつも言っているけどお前の料理は味が濃すぎて食べれない」「小学校の教科書を忘れて行かせるなんて母親失格だ」等々)

④こちらの容姿を侮辱する(「まるでオランウータンみたいな顔してるよな」「足が太くてドラム缶かと思った」等々)

⑤金銭感覚が自分に甘く、こちらに対しては厳しい(しょっちゅう飲み会に出かけているのに、こちらがランチに行くというと不機嫌な態度を取る等々)

⑥こちらの意見を聞き入れない、自分の考えが正しいと固執する(「お前みたいな考え方する奴今まで見たことがない」「お前の常識、世間の非常識」といった発言等々)

⑦自分の労働や給料を誇示してくる(「誰の給料で飯が食えてると思っているんだ」「俺の仕事は特別なんだからな、そのことに毎日感謝しろよ」等々)

⑧機嫌が悪いと物に当たり散らす。大きな物音を立てる(席を立つ際に椅子を乱暴にテーブルにぶつける、大きな音を立ててドアを閉める等)

⑨唐突に怒り始めるため、その理由が分からない、理由を話してくれないので、いつも旦那の動向を気にしながら緊張感を持って生活しなければならない。

⑩相手の生活態度等を注意すると逆ギレする、聞き入れてくれない(トイレのドアをいつも開けっ放しで出てくるため、注意すると「その方が喚起になって良いんだ」と強弁する等)

⑪友人や親戚の前でこちらの悪口を言う。

⑫子供の前でこちらの悪口を言う(通常はこちらにも聞こえるように言ってくる)

⑬一定期間意図的にこちらを無視してくる。

⑭こちらの行動を制限してくる(門限を23時と決めて、それ以降の帰宅を認めない、生活が苦しいのにパート勤務に出ることを許してくれない、毎日の食事の献立を事細かに指定してくる等々)

⑮気に入らないことがあると舌打ちやため息をついてくる。

⑯家庭の重要事項の決定(住居の購入、引越先の選定、自動車等の大きな買い物、子どもの進学や習い事等)をこちらに任せつつ、後から文句を言う

⑰性交渉の際の要望や要求が多い、性欲が旺盛であり対応に苦慮する。

⑱身内や友人を侮辱する(「お前の親は貧乏人だから価値観が合わない」「お前の友人は知識レベル低いよな」等々)

⑲異常なまでに話を誇張してくる、大げさに言う(風邪を引いただけなのに「俺はもう長くないかもしれないから、娘のことをよろしく頼む」と言ってくるとか、すれ違いで通行人の肩がぶつかっただけなのに「今殺されそうになった。この道は危ないから今後二度と通らない方が良い」と発言する等)

⑳生活費を渡さない。

 この20項目のうち、5,6個以上当てはまる場合には、要注意とお考えいただいた方がよいと思います。直接当てはまらない場合でも、「ニアピン」のような項目が7,8個以上ある場合にも、要注意とお考えいただいた方がよいと思います。

 なお、これらの項目のうち沢山の項目に当てはまる方が、「より深刻」と言えなくもないのですが、あてはまる項目は少なくても、ひどいモラハラ夫ということもありますので、「該当する項目の数が少なければ問題が少ない」というわけではないので、ご留意下さい。
 

 

3.【対策②】説得を試みるべきかを検討する


 夫の側が少しはあなたの言葉に耳を傾けてくれるというような場合には、何も告げずに別居したり、いきなり弁護士を頼んだりせずとも、夫側を説得して離婚できるかもしれません。
 他方で、あなたの方から別居や離婚を口にすると、モラハラ・DV夫が逆上して、モラハラ・DVがより一層悪化する危険性もあります。
 そのため、まずは、あなたの口から直接別居や離婚を夫側に伝えることが良いのかを、あなたの両親等身近な人と相談して検討してみるのが良いと思います。
 その際に、あなたと夫の二人で話し合っても議論が進展しなさそうだと感じるのであれば、お互いの両親を交えたり、知人を間に入れて話し合うほうが良いこともありますので、そのような方法も検討してみてください。

 

 

4.【対策③】離婚に向けての証拠準備


(1)公的機関の記録を収集しておく
 これまでの夫からのモラハラやDVであなた自身身の危険を感じることがあったような場合には、あなた自身病院の受診を受けたり、過去に警察に相談したことがあったかもしれません。
 そのような場合には、別居を待たずに、その病院から診断書をもらっておくとか、警察に110番通報記録や相談記録のコピー開示を要請しておくといった準備をしておいたほうが良いでしょう。これらの記録は保存期間がありますので、あまり古い記録については、年数を経てから開示申請しても、保存期間切れになってしまうこともあります。この点は十分注意が必要です。
 これらの記録を読み返すと、いつどのようなトラブルがあったのかを思い出すきっかけにもなると思います。


(2)公的機関への相談をする
 これまでに公的機関への相談をあまりしてこなかった場合でも、現状あなたやお子様が身の危険を感じるような場合には、その内容を今からでも警察や子育て支援センター等に相談するということも考えてみてください。
 このように相談しておけば、安心感が高まりますし、相手の危険な行動等について公的機関の記録を残すことができます。


(3)録音等の証拠収集
 モラハラ・DV夫の暴言がひどいという場合には、スマートフォンや録音機器でその音声を録音しておいたほうが良いです。
 また、夫からの暴力で怪我をさせられたというような場合には、病院に受診し、その怪我についても写真を撮っておくようにして下さい(なお、怪我の写真は怪我の部位だけではなく、あなたの顔も映るような形にしておくのが良いです)


(4)過去のメールやLINE等の確認
 夫がメールやLINEであなたのことを中傷等してきたというような場合には、そのメールやLINEの内容は証拠になり得ます。
 機種変更する前の携帯電話に保存していたりすることもありますので、遡って確認する必要が出てくることもあります。
 そのようなメールは、スクショを取ってデータとして保存しておくのが良いと思います。LINEについては文字データに変換して保存しておくと便利です。


(5)日記やメモはあまり証拠にならない
 モラハラの証拠といった場合に、手書きのメモを事細かに残している方や、問題行動があった日に日記帳に記載しているという方もいらっしゃいます。
 ただ、これらの証拠はあまり有効打にならないことが多いです。
 なぜなら、その日記をいつ書いたのかの証明ができないからです(極端な話、実際には別居後に思い出しながら書いていても、「当時から記入していたものだ」と豪語することも可能になってしまうからです)

 そのため、証拠が日記やメモだけという場合には、これから別居までの間に他の証拠を集められるようなら集めるようにした方が良いです。

 

 

5.【対策④】夫側が反省しているようであれば誓約書や謝罪文を取っておく


 こちらが強く言うと、夫側が翌日は反省しているというようなケースもあると思います。
そのような場合には、夫自身に自分の問題行動を自筆で書かせて、そのことを反省していることや、二度と同じことをしないといった内容を自筆で書かせておくということも有効です。
 このようなことをしておけば、その時に夫婦間でトラブルになったこと、夫側自身もそのことを自覚していることの証拠になりますし、その後も同様の行動が繰り返されるようであれば、こちらの離婚理由を多少なりとも強める効果が見込めます。

 

 

6.【対策⑤】夫側の財産の在処を確認しておく


 いざ別居をすると、夫側は、財産を隠して、なるべく財産分与の金額を少なくしようとしてくることが多いです。

 そのため、同居中に、夫側の財産の在処を把握しておくことが必要です。

 夫側の財産の把握にあたっては、夫宛の郵便物を確認するのが端的です(郵便物を勝手に開けてしまうことは避けた方が良いのですが、金融機関等からの封筒の外側には銀行名や証券会社名が書かれていることが多いので、どの銀行に預金を預けているのか、どの証券会社で株取引をしているのかが分かることが多いのです)

 

 

7.事前の準備がその後の離婚に向けての活動に活きてくる


以上のような準備を入念に進めておけば、いざ別居をして弁護士に相談する際にも、要点を踏まえた相談ができるようになりますので、弁護士の活動を円滑化できると思います。
また、相手にも自身の問題行動を多少なりとも自覚させておくことができれば、相手が復縁を断念して、離婚に向けての協議に応じてくる可能性も高まります。

 

 

8.まとめ


・【今からできる離婚に向けての対策①】モラハラの意味をしっかりと理解する
・【今からできる離婚に向けての対策②】相手の説得を試みるべきかを検討する
・【今からできる離婚に向けての対策③】モラハラ等の証拠固めをする
・【今からできる離婚に向けての対策④】夫側が反省しているようであれば誓約書や謝罪文を取っておく

・【今からできる離婚に向けての対策⑤】夫側の財産の在処を把握しておく

 

 

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