2021.09.01更新

弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)真太郎です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、モラハラ情報盛りだくさん!弁護士秦のモラハラ総合サイトは>>こちら<<になります。

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1.モラハラとは何だ?


 

 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。


今回は、このようなモラハラ夫の中でも「ともかく外面が良いモラハラ夫」を取り上げて、その夫との別居や離婚を決意した時、どのように対応すればよいのかについて解説します。
ここでの「ともかく外面が良い」というのは、
①家庭内では自分が一番なのに、職場では、非常におとなしい、とか
②家庭内では平気で暴言を浴びせてくるのに、友人が来たときには終始穏やかに接してくる、とか
③妻側の親族や親戚に取り入ることが非常に上手である、とか
の例があります。

このようなモラハラ夫との円満生活を目指すということではなく、当該モラハラ夫と別居・離婚する決意を固めた方向けのブログになります。要するに、モラハラ夫と多少なりとも良好な関係を維持したいということでは「なく」、どのようにして円滑に「別れる」のかということを解説していますので、そのような観点から、お読みください。

 

 

2.モラハラ夫の中で「ともかく外面が良い」という夫はかなり多い


 私がモラハラ夫と対峙した時の印象として、その仕草や話しぶりから穏やかな夫に見えるというケースはかなりの数ありまして、モラハラ夫の共通項の一つとも言い得るものです。
 どうしてこのようなことが起きるのかと言いますと、私なりに分析しますと、モラハラ夫は独自の考え方を持っている人物が大半で、職場での仕事やその他の社会生活の中で、様々なストレスを抱えていることが多いです。そのようなストレスを抱えたままだと生活がしづらいので、そのようなストレスを家庭内で発散するため、家庭内ではモラハラ夫、家庭の外では「良い夫に見える」という構造に陥っているように感じます。


 もちろん、家庭の外でストレスを抱えているからと言って、それを家庭内に持ち込んで良いことではありませんが、家庭の外と内とで、まるで別人のように見えるのは、上記のような構造が影響しているケースが多いように感じます。
 このように夫が外面が良いと、あなたが友人や場合によっては親族に相談した場合でも、友人や親族があなたの味方をしてくれずに、そのことで余計に苦しむというケースも多くあります。そのことで、あなた自身自信を無くしてしまうということもあるかもしれませんが、夫の家庭内の言動に深く悩まされ続けてきたような場合には、別居や離婚をためらうべきではないと思います。

 

 

3.モラハラの証拠集めのポイント


 夫側が「ともかく外面が良い」というモラハラ夫の場合、家庭の外で「外面が良い」ことの証拠を集めても、夫側に有利になるだけで、あまり有効ではありません(要するに、「外面が良い」というだけですと、裁判所から見ても「社会生活をしっかりと送っている」と見られてしまうので、夫側に有利になってしまうという意味です)
 そのため、モラハラの証拠集めという場合には、家庭の「中」ではこのような異常な行動や言動に出ると言った、家庭内での行動等についての証拠集めが必要になります。
 このようなモラハラ夫は、自分のモラハラ発言の証拠を残したがらないので、LINEやメールにモラハラ発言が書かれることは少ないのですが、感情的になった際には、夫が自分の考えをメールやLINEで爆発させるケースもありますので、そのようなLINEやメールは、モラハラの直接の証拠になり得ます(但し、LINEなどですと、モラハラ夫は後から自分の投稿を送信取消してくることも多いので、このようなLINEは早めにスクショを取るなどして証拠化しておくことが重要です)。

 外面が良いモラハラ夫も、家庭内では口頭でモラハラ発言を連発するという人も多いので、そのようなケースですと、その都度録音しておくということが最も有効な対処方法になります。
 いずれにしましても、証拠集めのことなどで迷うようなことがあれば、遠慮なく弁護士秦まで直接ご相談ください。

 


4.自分で別居・離婚を切り出すべきか


 奥様自身でモラハラ夫に対して別居や離婚を切り出したほうが良いのかについては、家庭内でのモラハラの内容次第というところかと思います。
 モラハラの内容が悪質なケースですと、奥様自身から別居や離婚を切り出すことは基本的にお勧めしません。

 

 他方で、家庭の外と内とで態度が180度違うとしても、具体的モラハラ被害が極端なものではない場合、一度は奥様自身から別居や離婚を切り出したほうが良いかと思います。奥様が今後弁護士を雇うことを考えていたとしても、一度は奥様の考えを伝えておくことで、モラハラ夫側も多少は、こちらの意思を認識するので、その後の手続が円滑に進む可能性が高まるからです。

 ただ、世間体を非常に気にするモラハラ夫の場合には、「別居」や「離婚」というキーワードに強く反応する場合もありますので、あなた自身がモラハラ夫と話をすることで、夫側をるよく刺激しそうだと感じるようであれば、直接伝えることは避けたほうが良いかもしれません。

 

 

5.親族等を交えて話をすることは効果的か?


(1)親族等が騙されてしまわないかの問題

 前述の通り、あなたと夫の二人での話し合いでは、話が進捗しなさそうだという場合には、次に、あなたのご両親や夫側の両親、その他兄弟姉妹等を交えて話をするという方法もあります。
 ただ、外面が良いモラハラ夫の場合には、あなたの親族ですら、あなたではなく、モラハラ夫側の味方をしてしまうというケースも多いので、誰を交えて話をするのかという点は慎重に検討する必要があります。


 ましてや、共通の友人を間に入れると、その友人から、あなたの方が「我慢が足りない」とか「あなたにはもったいないくらいの良い旦那さんなのに、どうして別れたいというのかが分からない」と逆に責められてしまう結果にもなりますので、注意が必要です。
 特に外面が良いモラハラ夫は、有名な大企業に勤めていたり、一定の社会的ステータスを持っていることも多いため、友人等は騙されがちです。

 

(2)あなたの気持ちに親身に寄り添ってくれる親族等であれば、有効打になることも

 前述の通り、あなたの親族等が、夫の外面に騙されてモラハラ夫の味方をしないということが大前提になるのですが、親族等が入ることで大きく離婚に向けた話し合いが進むというケースもあります。

 即ち、モラハラ夫は外面を良くしようとするので、例えばあなたのお母様の前では、モラハラ発言などを控えて冷静に話を聞くということもあり得るのです。

 但し、モラハラ夫は、前述の通り、一定の社会的ステータスを有することも多く、そのような場合、家庭内ではあなたの立場やあなたの親族側の立場も下だと考えていることも多いです。そうだとすると、あなたのご両親等が間に入っても、交渉が難航してしまうというケースもあります。

 

 

6.別居のタイミングは?


 前述のように、あなた自身がモラハラ夫と直接話をするか、親族を交えた話をすることが可能な場合には、その話し合いの進捗を見つつ、別居のタイミングを検討していくことになります。話し合いが順調に進むようでしたら、先に離婚届を提出して、その後に別居するという手順になることもあります。
 逆に、モラハラ夫と直接話をすることが難しいような場合には、まずは、何も告げずに別居するところからスタートするというケースの方が多いと思います。その場合の別居のタイミングについては、①あなた自身が今の生活にどの程度の期間耐えられるのかという点と、②別居後の生活を経済的にどのように成り立たせるのか、③お子様への説明等との兼ね合いで時期を検討していくことになります。②の経済面については、夫側から婚姻費用を得られるという点を考慮しても良いのですが、モラハラ夫は、こちらの別居後は生活費を出し渋るケースが非常に多いため、少なくとも別居後数か月の生活は維持できる経済的基盤を整えておく必要があります。


 

7.弁護士はどのような進め方をするのか


(1)全体的には早めに調停を起こすケースが多い
 このように外面が良い夫は、調停や裁判という裁判所の手続を嫌う傾向が強いので、調停といったフレーズを最大限に活用して、「裁判所の調停手続きを経ずに解決できるように、協議離婚で話し合いができませんか?」という伝え方をすることも多いです。
 外面が良い夫は、最初の内は、弁護士に対しても「穏やかな人物」であろうとするのですが、なかなか離婚の決断をしてくれないとか、徐々に本性を現してくるというケースも多いです。
 そのため、協議離婚の交渉が長期化しそうな場合には、早めに調停を起こしてしまうことが多いです。こうすることで、モラハラ夫側にも、現実に調停手続きが開始してしまったというプレッシャーを与えることができるからです。


(2)調停委員が騙されてしまった時の対策
 このようにモラハラ夫がともかく外面が良いという場合、残念ながら、裁判所の調停委員もモラハラ夫の穏やかな話し方や仕草に騙されてしまうこともあります。
 そのような場合には、別居前のモラハラ夫からのあなたに向けられた誹謗中傷メールだとか、暴言の録音だとか、何かしら夫側のモラハラを端的に証明できる資料を見せて、「外面は良いが家庭内ではモラハラ夫なんだ」ということを調停委員に理解してもらう形が端的です。

 

 

8.まとめ


・モラハラ夫の中で「ともかく外面が良い」という夫はかなり多い
・今回のようなケースでのモラハラの証明は、「外面が良いこと」ではなく「家庭内の様子がひどいこと」の証拠集めということになる。
・家庭内でのモラハラがそこまで重度ではない場合には、あなた自身の口から別居や離婚を伝えたほうが良いことの方が多い。
・夫の外面が良い場合には、親族や友人も騙されてしまうことが多いので、親族等を交えた話し合いをするかは慎重に検討したほうが良い。
・弁護士が対応する場合には、調停や裁判というフレーズを効果的に使うことが多い。
・夫の外面が良いと調停委員も騙されてしまうことがあるので、そのような場合には、客観的証拠を示して誤解を解く必要がある。

 

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