2022.01.17更新

弁護士秦


こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかり勝つ」をモットーに、分かりやすく解説していきます。

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1.離婚の際に親権のことが一番心配


 夫婦喧嘩の中などで離婚や別居を口走ったとき、旦那側から「お前ひとりで出ていけ」とか「親権は絶対渡さないからな」と言われる経験をしたことがある方も多いと思います。
 そうでなくとも、旦那側の普段の様子から、簡単に親権を諦めないと強く予想されることもあります。
 旦那との普段の生活を顧みるとこれ以上一緒に生活できない、離婚は覚悟しているという場合でも、親権のことが非常に心配に感じるという方は多いと思います。
 今回は親権のことで、特に、お子様の心情調査にスポットライトを当てて解説していきます。

 



2.子の心情調査って何だ?



 子の心情調査が不可避なものかについて解説する前に、まずは、「心情調査」というのがどのようなものなのかについて解説します。
 子の心情調査とは、お子様の意向を家庭裁判所調査官が直接顔を合わせて確認する手続きのことを言います。
 「心情調査」と堅苦しい言い方をしますと、何かの脳波検査等をするのかとか、うそ発見器をつけられて話をするのか、とか色々と心配になってしまうかもしれませんが、要するに、お子様と調査官が面接をして、その内容を調査官が聞き取る・書き取るという手続きになります。

 私もこのような事件の担当をしておりますと、ご依頼者の方からいろいろとご質問を受けるものですから、その中から特によく質問を受ける内容等について、解説していきます。

 

(1)何歳くらいから心情調査を行うのか?
 実務の様子を見ておりますと、手続きが調停中と裁判中とでは、心情調査を行う年齢に開きがある印象です。
 東京家庭裁判所の調停事件での運用を見ておりますと、就学年齢(既に小学校に通っている年齢)に達した後ですと、一般的に心情調査を行っていると思います。
 これに対して、東京家庭裁判所の訴訟事件での運用を見ておりますと、10歳以上に達した後ですと心情調査を実施することが多くなっているという印象です。
 なお、お子様が15歳以上の場合には、必ず、そのお子様の意思を確認することが法律上義務付けられています。

 

(2)どのように行うのか?
 一般的には、お母様とお子様とで裁判所に来てもらい、家庭裁判所調査官とお子様の二人だけで話をして確認するケースが多いです(つまり、お母様はその場に立ち会えず、お母様だけ裁判所の待合室等で待っているという形をとる)。なお、お子様の様子の確認等の目的で調査官補が一緒に立ち会うこともあります。
 お子様がお二人、三人というケースでも、心情調査は、個別面接で行うことが多く、兄弟姉妹全員が一緒に調査官と面談するということは基本的にしません。

 

(3)どんなことを聞かれるのか?
 一般的には現在の生活状況のこと、別居の経緯とそのことについてのお子様の認識、別居前の生活状況、今後のこと等を尋ねられることが多いです。
 調査官はご夫婦のお互いの言い分を踏まえたうえで、お子様に確認したい事項をその場で全て確認することになりますので、所要時間は1時間程度になることが多いです(但し、心情調査の直前に交流場面調査を行っている場合や別居経緯等について夫婦の意見対立が少ないなどの事情がある場合には、30分程度ということもあります。一般的にはお子様の年齢が小さいほど調査時間を短めにしようと努める調査官が多い印象です)。



(4)学校を休まなくてはいけないのか?
 一般的には、①長期休暇(夏休みとか)が近い時期に心情調査を実施する場合には、長期休暇中に心情調査するという形が多いですし、②夕方の時間に心情調査を行うという形にして、極力通学に影響しない形で日程調整することが多いです。なお、裁判所は土日祝日は開いていませんので、平日での日程調整ということになります。


(5)事前にレクチャーしておいたほうが良いのか
 たまに、どのようなことを聞かれるのかを事細かに想定して、「こう聞かれたらこう答えて」というようにきめ細かく準備しようという方もいらっしゃいます。
 ただ、このようにきめ細かい準備をすると、お子様は調査官に対して「事前に決まっていること、覚えていることを話そう」と必死に考えてしまいますので、そのことを調査官に見破られてしまうことの方が多いです。
 心情調査は、お子様の面接試験ではありませんので、①今お父さんがあなたと一緒に暮らしたいということで裁判所の手続きになっている、②そのことで調査官という人があなたの気持ちを聞きたいと言っているので、思っていることを話してね、という程度の伝え方のほうが良いと思います。

(6)家庭訪問の時に一緒にやるのか?
 一般的には家庭訪問とは別日に、裁判所の一室で実施するケースの方が多いです。
 お子様もいきなり初対面の家庭裁判所調査官に対して、率直な意見を述べることは難しいと思いますので、家庭訪問の時に、いわゆる「顔合わせ」をし、その後に「別日」で改めて詳しい事情を確認するという形を取るということです。

 




3.子の心情調査は避けられないのか?



 前述の通り、お子様が既に小学校に通う年齢(または、10歳以上)に達している場合には、通常心情調査を行います(逆に、未就学(又は10歳未満)という場合には、お子様も自分の意思等を正確に表明できないことも多いので、心情調査は行わないということの方が多いです)。
 ただ、「お子様が調査官と面接する」と聞くと、面接試験を受けるようにイメージしてしまうかもしれませんが、特に調査官もお子様を問い詰めたりはしませんので、面接試験というのとは異なります。
 お子様にとっては心理的負担となる手続きではありますが、親権者が決まると、お子様は父親と母親どちらかと一緒に暮らしていかなければならず、このことは、お子様にとっても非常に大事なお話になります。そのため、裁判所も、お子様の意向を確認しておきたいということになるのです。

 




4.まとめ



・お子様が就学年齢に達していると、通常心情調査が実施される。
・心情調査は、お子様の面接試験というのとは性格が異なる。
・心情調査は、裁判所内の一室で調査官とお子様の二人が面接して行う形がオーソドックスである。
・心情調査の所要時間は1時間から1時間半程度のことが多い。
・心情調査の日程は学校の予定等にも極力配慮してくれる。
・心情調査はお子様の面接試験ではないので、細かいレクチャーはしない方が良い。

 

 

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