2022.02.21更新

 弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかり勝つ」をモットーに、分かりやすく解説していきます。

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1.離婚の際に親権のことが一番心配


 夫婦喧嘩の中などで離婚や別居を口走ったとき、旦那側から「お前ひとりで出ていけ」とか「親権は絶対渡さないからな」と言われる経験をしたことがある方も多いと思います。
 そうでなくとも、旦那側の普段の様子から、簡単に親権を諦めないと強く予想されることもあります。
 旦那との普段の生活を顧みるとこれ以上一緒に生活できない、離婚は覚悟しているという場合でも、親権のことが非常に心配に感じるという方は多いと思います。
 今回は親権のことで、特に、「夫側が育メンの場合」にスポットライトを当てて解説していきます。

 

 

2.育児負担がほぼ夫婦対等という場合、徹底的な準備が必要


 一概に育メンと言っても、実際には夫側の関わり方は多様でしょうし、その割合にも差が大きいのが一般的かと思います。
 例えば、週末の土日のどちらかは、夫側が食事の支度も含めてすべて担当するという関わり方であったり、共働きなので平日も含めてほぼ育児負担は対等だというケースもあると思います。
 特に、共働きで、かつ、平日も含めて育児負担がほぼ対等だというケースですと、親権について夫側が強く争ってくることも想定して、あなたの方でも徹底的に準備していく必要があります。
 なぜなら、別居前の育児の負担度合いが、親権者を決めるに当たって最も重視される要素だからです。


 ただ、具体的に何をどのように準備するのかという点を解説する前に、今あなたが置かれている状況によって、勝率が大きく変わってきますので、その点についてまずは解説します。

 

 


3.あなたが置かれている立場(あなたが現在お子様を育てているのかどうか)



(1)あなた自身がお子様を今育てているケースの場合
 以下は、あなた自身が現在お子様と暮らしており、お子様自身もその暮らしに大きな不満を持っていないという前提でのお話になりますが、しっかりと基本的な準備を整えておけば、勝訴の可能性はかなり高いと考えてよいと思います。

そして、この場合の基本的な対策の最重要ポイントになるのは、この現状の監護状況を極力長期化させることです。もちろん、お子様自身が夫側との生活を強く望んでいるのに、無理やりこちらとの生活を長期化させるようなことはしてはいけませんが、お子様自身も望んでいるようでしたら、現状の状況を長期・安定化させることは、お子様のためにもなります。
特に、夫側は監護者指定審判の申立をしてきたり、面会交流の機会を利用して、連れ去りやお子様への圧力を強めるといったことも考えられますので、夫側の対応に応じて、こちらも対策を練る必要があります。

 

(2)あなたがお子様と一緒に生活していない場合
まず、あなたが現在お子様を育てていない状況になった経緯が非常に重要になります。大きく分けると、①旦那側がお子様を連れ去ってしまったケースと、②(体調や仕事その他の理由で)あなた自身が旦那側にお子様の監護を委ねたケースの二つに分かれると思います。


ア 旦那側がお子様を連れ去ってしまったケース
 この場合、旦那側がお子様の育児を一手に担うという状況が長期化することを防止する必要があります(この状態を認めると、親権紛争で大きく不利になってしまうため)。
 そのため、この場合には、離婚や親権の紛争の前に、まずは、監護者指定・子の引き渡し審判の申し立てをしていくことになります。
 要するに、離婚が成立する前には夫婦がお子様の共同親権をお互いに持っていますが、その中でもお子様の実際の身の回りの世話をする方(監護者)を決めるよう裁判所に求めるのです。
 この監護者指定手続きで勝訴することができれば、今後の親権紛争でも一歩リードすることができます。
 監護者指定手続きの勝率については、①別居前の監護状況(要するに、夫婦どちらがメインで子育てに関わってきたのか)、②連れ去りの経緯、③お子様の意思等を考慮して決定しますので、一概にあなたが有利と言い切れるものではありません。
 いずれにせよ、監護者指定審判を申し立てるにあたっては、弁護士はほぼ必須になりますので、弁護士に頼む前に、あなたの具体的な事情を説明して、勝率等を尋ねてみたほうが良いと思います。


イ あなた自身が旦那に育児を委ねたケース
 この場合には、①あなたが育児を委ねた経緯・理由、②旦那側のみが育児を担ってきた期間がどのくらいの期間に及ぶのか、③現在はあなたがお子様を育てられる事情の詳細、④お子様の意思等を考慮して夫婦どちらが親権者として適格か判断されます。
 特に、旦那側のみで育児をしていた期間が長期間に及べば及ぶほどこちらには不利になっていきます。
 この点も、上記の①から④を含めた様々な事情を考慮して、親権者の適格性が決まりますので、詳しくは弁護士に相談することをオススメします。

 

 

4.どのような対策を取るべきか


(1)どのように対策すべきか
 あなたが現在お子様を育てている場合とそうでない場合の対応は上記の通りです。
 それでは、この点を一旦置いたうえで、どのような対策が必要なのかについて解説していきます。
 親権者指定のポイントは実際には多岐に渡るのですが、その中でも特に重要なポイントは以下の7つの点に集約できると思います。
1)現在の監護状況
2)(別居前の)監護実績
3)連れ去りの違法性
4)過去の児童虐待の有無・程度
5)子供の意思
6)今後の監護計画
7)面会交流の姿勢


 夫側が育メンだという場合でも、上記の7個のポイントが重要になることは変わりありません。
 そのため、それぞれのポイントに応じて対策を取っていく必要があります。
 上記の「1)現在の監護状況」については、既に前述したとおりです(あなたがお子様を育てているのかどうかで場合分けしてご説明いたしました)。
 特に、相手が育メンだという場合の対策では「2)(別居前の)監護実績」と「4)過去の児童虐待の有無・程度」が非常に重要なポイントになります。


(2)別居前の監護実績
 要するに、別居前に、育児をどのように分担して担ってきたのかというお話です。
 この別居前の監護実績の準備にあたっては、(お子様の年齢がまだ幼少の場合には)お子様の連絡帳が非常に重要な役割を果たします。特にきめ細かく保育園・幼稚園との連絡やり取りをしている場合、誰が連絡帳を記帳していたのか、誰が園への送迎をしていたのかといった点がかなり明確に分かるケースも多く、非常に有力な証拠とされることが多いです。
 また、あなただけがお子様と一緒に出掛けた際の写真、お子様に料理その他家事を手伝ってもらったとか、一緒に家事を行った写真などの証拠があれば、あなたの育児の実績を客観的に証明できますので、これも有力な証拠となり得ます。


(3)過去の児童虐待の有無・程度
 夫側が育メンという場合、お子様に熱心過ぎる反面、躾の範囲を超えて手が出るとか、怒鳴りつけるとか、度を越してしまっている場合もあります。
 いくらお子様とのかかわりが深いとは言っても、その関わり方が虐待に陥ってしまっているような場合には、夫側は親権者としてふさわしくありません。
 このような虐待の証明が容易であれが問題はないのですが、その証明が困難な場合、夫側は虐待の事実を認めないことも多いので、要注意です。
 夫側の暴力でお子様が怪我をなさっているのであれば、診断書や痣の写真、夫側が暴言を吐いているようであれば、その録音などがあると、暴力や暴言を直接証明できますので、非常に有力な証拠になります。
 このような明確な証拠がない場合でも、対策の方法はありますので、詳しくは弁護士にご相談ください。

 

 

5.まとめ


・育児負担がほぼ対等だったような場合には、徹底的な準備が必要になる。
・現状あなたが子育てを担っている場合、基本的な準備を怠らなければ勝訴の可能性は高い。
・現状あなたが子育てを担っていない場合には、大きく以下の2パターンがある。
① 旦那側が連れ去った場合→まずは、監護者指定審判事件の対応を要する。
② 旦那側にこちらから委ねた場合→その経緯等の詳しい事情の確認が必要になる。
・そのほかの対策としては「別居前の監護実績」と「過去の児童虐待の有無・程度」が重要なポイントになる。
・この二つのポイントについて、どこまでの証拠を揃えられるのかが非常に重要である。

 

 

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