2016.07.18更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.面会交流とは?


 

 面会交流(めんかいこうりゅう)という言葉は普段耳にしないと思いますが、ご夫婦(または元夫婦)の一方がお子様を育てている場合に、他方配偶者がそのお子様と会って交流することを意味します。以前は「面接交渉」という用語を用いることが多かったのですが、最近は「面会交流」という用語を用いるのが一般的です。

 

例えば、夫婦の折り合いが悪くなって、奥様がお子様と一緒にご実家に別居しているときに、旦那様がそのお子様と会って話をしたり、一緒に遊んだりすること等を「面会交流」と呼びます。

 面会交流は、ご夫婦が別居されている時にも問題になりますが、離婚した後の面会交流の方が問題は深刻化しやすい傾向にあると言えます。

 

2.私が担当した事件


 

・ご依頼者様:30歳代後半の女性(Nさんとします)

・ご依頼内容:旦那様からの暴言がひどいので離婚したいが、親権はこちらが確実に取得したい、面会交流についてもきちんと条件を取り決めて離婚したいとのご依頼内容でした。

 

 なお、この事件の旦那様:30歳代後半、お子様:保育園に通うご長男のお一人、婚姻期間:5年以上10年未満、家庭環境:ご依頼時別居中というケースでした。

 

3.私の弁護活動


 

 Nさんのお話では、旦那様が直接の暴力はしないものの、暴言がヒドイとのお話しでしたので、どのようなシチュエーションでどのような暴言を発したのか、頻度はどの程度だったのかと言った点をしっかりとNさんからお伺いしました。

 

 このような話を踏まえて離婚の希望条件を整え、旦那様宛に通知を送りました。この通知は、内容証明郵便という郵便方法でお送りしました。

 

 すると、旦那様も弁護士を立ててきて、弁護士同士での話し合いが行われましたが、親権の帰属について折り合いがつかず、家庭裁判所の調停手続で話し合いが行われることになりました。

 

4.調停手続での旦那様の言い分


 

 調停手続で、旦那様は、自分が親権者にふさわしいと言うことを主張すると同時に、ご長男様に会えていないということを強くクローズアップしてきました。

 この点は、旦那様が主張するとおりで、Nさんの希望もあってご長男様との面会交流は禁止していました。

 

 旦那様は、調停委員に対して「今ですら長男と自由に会えることができないのだから、離婚後はもっと会えなくなる。これでは長男があまりに不憫である」といった形でクローズアップしてきたのです。また「このように長男の自由を束縛するような女性に親権を委ねることはできない」などと主張してきました。

 

 これに対しては、Nさんとしても旦那様との面会交流をさせてこなかったのは、別居後長男が生活に馴染むまでの間は面会交流を控えさせたかったからであっても、ずっと面会交流させないというわけではないと言うことを主張しました。

 そして、現実にも調停手続中の面会交流を認めるようにしました。

 

5.面会交流での行事参加


 

 このようにして調停期日間の面会交流を認めつつ、離婚調停手続を進めていったのですが、その中で悩ましかったのが、行事参加の問題でした。

 

 Nさんは、旦那様からの暴言がひどいので転園したこと、旦那様が迎えに来ても長男を引き渡さないように予め保育園に話をしていましたので、旦那様が積極的に保育園の行事に参加することは好ましくありませんでした。

 

 そのため、離婚成立までは旦那様の保育園行事への参加は控えてもらい、その代わり、離婚後の行事参加については柔軟に対応する旨を明示する形にしました。

 

6.調停成立


 

 調停期日を繰り返していくにあたり、旦那様もお子様と直接会って話をするなどして親権については最終的に諦め、Nさんを親権者とする形での調停が成立しました。

 

 この調停の際には、上記の通り行事参加を認める旨を明記しました。

 具体的な調停条項は以下の通りです。

「相手方は、申立人に対し、申立人が2ヶ月に1回程度長男と面会交流することを認める。面会交流の日時、場所、方法等の具体的な内容については、当事者双方で事前に協議して定める。

 申立人は、長男が通園する保育園の、運動会、発表会、父兄参観、遠足、夏祭り、卒園式等の行事(保育園により父親の参加が認められているものに限る。)に参加することができる。」

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2016.07.11更新

 

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1.一般的に面会交流の回数ってどのくらい?


 

(1)離婚成立前

離婚成立前で、離婚事件が家庭裁判所の調停手続に入っている場合、旦那様との面会交流の回数は、調停期日間に1回ずつというケースが多いように思われます。

 

 例えばですが、4月10日に第1回調停、5月15日に第2回調停、6月22日に第3回調停が開催されるという場合、2回目の調停日よりも前の4月30日に1回、第3回調停の前の6月7日に1回といった頻度で面会交流させるということになります。第4回目以降の調停期日についても同様になります。

 

 もちろん、調停手続は、裁判所を利用しますが、お互いの話し合いを基本とする手続になりますので、面会交流を一切拒否するというケースもあります。

 

(2)離婚成立後

 離婚問題の解決の仕方としては、大きく分けて協議離婚、調停離婚、裁判離婚があります。いずれにしましても、弁護士が間に入っている場合には、面会交流の頻度についても取り決めるケースが多いです。

 

 その頻度ですが、一概に「○ヶ月に1回」と断定はできないのですが、私が取り扱ったケースを見ておりますと「1ヶ月に1回」か「2ヶ月に1回」という頻度に落ち着くことが多いように思われます。もちろん、旦那様が結婚生活中お子様に暴力をふるっていたと言った事情がある場合には、面会交流の取り決めをしないといった対応をすることもあります。そのため、最終的にはケースバイケースということになると思います。

ただし、お子様への暴力といった特別の事情がない限り、面会交流を一切認めないという形で離婚するケースは稀だと思います。

 

2.私が担当した事件


 

ご依頼者様:20歳代後半の女性(Lさんと言います)

ご依頼内容:旦那が浮気したので離婚を切り出したが、相手が応じる様子がないので、間に入って離婚問題を解決して欲しい、娘達は今の生活に慣れているので、極力面会交流させたくない、というご依頼内容でした。

 

なお、この事件の相手方:20歳代前半の男性、お子様:保育園に通う娘様お二人、婚姻期間:5年程度、ご家庭環境:ご依頼時別居中というケースでした。

 

3.私の弁護活動


 

私は早速、旦那様に対して、Lさんが希望する離婚の条件を記載した内容証明郵便を送付しました。2度ほど内容証明郵便をお送りしたのですが、全くお返事がなく、お電話も繋がりませんでしたので、家庭裁判所に対して離婚調停を申し立てました。

 

4.旦那様の言い分


 

 旦那様は、内容証明郵便には返事をしなかったものの、家庭裁判所の調停手続には参加してきました。

 

 旦那様は、浮気を認めた上で、離婚にも応じるという姿勢でした。

 

 こちら側としては、旦那様が離婚を争ってくると予測していましたので、意外でしたが、こちらにとって有利な話ですので歓迎すべき話でした。

 ただ、旦那様は面会交流については、娘様が可愛いので、Lさんの許しが得られるなら面会交流をしたいということを話してきました。

 

5.Lさんの返答


 

 旦那様は浮気と同時に自宅を出て戻ってこなくなってしまったという経緯があり、旦那様の家出当初下の娘様が随分取り乱してしまったとのことでした。現在は下の娘様も落ち着きを取り戻しているものの、面会交流を実施することで下の娘様の情緒が不安定になることは避けたいとのことでした。

 また、Lさんは結婚生活中、旦那様から暴言を浴びせられることも多かったため、面会交流という形で旦那様と接触することは耐えられないとのことでした。

 

 このようなLさんの要望はストレートに調停委員に伝え、協力を求めました。

 

6.最終解決


 

 この事件では、旦那様が反省している姿勢は見せつつも、慰謝料や養育費を払えるだけの給料がないということで紛糾し、数回調停期日を重ねました。

 

 面会交流に関しては、Lさんの意向を踏まえ、面会交流の頻度を明記しない形で調停が成立しました。

 

具体的には、調停調書には「申立人は、相手方が前項記載の子らと面会することを認め、その日時・場所・方法については、子らの福祉に配慮し、当事者双方で協議して定める」と記載されました。

通常の場合「申立人は、相手方が前項記載の子らと月1回程度面会することを認め、その日時・場所・方法については、子らの福祉に配慮し、当事者双方で協議して定める」と記載されますので、違いがよく分かるかと思います。

 

このようにすることで1ヶ月に1回とか、2ヶ月に1回という形で面会交流させる義務を負いませんので、Lさんにとっては大きな負担軽減になります。

 

7.その後


 

この事件では、結局もと旦那様がLさんに対して面会交流を求めることはなく1年以上が経過したと言うことでした。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2016.06.27更新

 

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1.面会交流実施にあたっては事前準備が肝心


 

面会交流とは、現在お子様を養育されている親御様が、他方の親御様にお子様を会わせて、お子様と接触する機会を与えることを言います。

 

面会交流は、お子様を会わせるだけと誤解されている方が多く見られますが、注意すべき点が何点かありますので、注意深く進めて行く必要があります。

 

事前準備として肝心なのは、以下の点をキチンと取り決めておくことです。

①面会交流開始時刻

②面会交流終了時刻

③お子様の受け渡し場所

④お子様との面会交流の場所

⑤面会交流の注意事項(食事やおやつの回数、プレゼントの許否等)

 

特に離婚についてのご夫婦の意見が激しく対立している場合には、キチンと条件を取り決めておきませんと、面会交流実施時に思わぬアクシデントが生じかねません。

 

そのため、私が弁護士として関与している事件では、上記の①から⑤の点を綿密に取り決めた上で面会交流を実施します。

 

2.弁護士が面会交流に立ち会うメリット・デメリット


 

(1)【メリット1】連れ去りの防止

結婚生活の中でも旦那様がお子様を勝手にどこかに連れて行ってしまうだとか、暴力をふるったことがあるといったケースでは、面会交流時に、旦那様がお子様を連れ去ってしまう危険性があります。

 

通常初回や2回目の面会交流では、奥様が面会交流に立ち会うケースが多いと思いますが、旦那様は男性なので、力づくで連れ去りを実行した場合に対抗することが難しいことが多いと思います。

男性の弁護士が立ち会えば、連れ去り防止への牽制効果があります。

 

(2)【メリット2】旦那様のお子様への接し方を直接確認できる

弁護士が立ち会う面会交流にて、旦那様がお子様に対して暴力をふるうというケースは稀だと思いますが、そうではなくとも、実際に接している場面を見ることで、普段の関わり方の一端を垣間見ることができます。

このことは、今後の面会交流の頻度や方法の見直しの参考にもなります。

 

(3)【デメリット1】お子様との自然なふれあいを阻害する可能性

弁護士が面会交流に立ち会う場合、弁護士はスーツ姿で立ち会うことになりますので、「ママの仕事のお友達」といった紹介をすることが多いです。

ただ、お子様にとっては今まで見たこともない男性が同席することになりますので、緊張してしまい、父親との面会交流で自然なふれあいがしにくくなるというケースもあります。

 

(4)【デメリット2】日程調整に時間がかかる可能性

面会交流の場所にもよりますが、通常は公園その他他人の目もある場所で面会することが多いと思います。

そうすると弁護士事務所から遠い場所での面会交流となることも多いのですが、弁護士のスケジュールとの調整をしていると面会交流の日時がかなり先の日にちになってしまうというケースも生じます。

 

このように弁護士が立ち会うことにはメリットとデメリットがありますので、ケースに応じて弁護士立ち会いの要否を慎重に検討する必要があります。

 

3.私が担当した事件


・ご依頼者様:40代前半の女性(Bさんとします)

・ご依頼内容

旦那と離婚したいが、親権をどちらが取得するかで激しい対立があるため、こちらが親権を取れるように弁護して欲しい、面会交流時の連れ去りの危険があるので、初回面会交流に立ち会って欲しいというご依頼内容でした。

 

なお、この事件の相手方:30代後半の旦那様、お子様:保育園に通うご長女様お一人、婚姻期間:5年程度、家庭環境:ご依頼時別居中というケースでした。

 

4.公園での面会交流への立会い


 

このケースでは、旦那様がBさんのことを精神障害者のような言い方をしており、突飛な発言も多かったことから、初回の面会交流に限り、私も立ち会うことにしました。

 

面会交流の場所は、婚姻生活中もよくお子様を遊ばせていたという公園に決まり、初回の面会交流と言うこともあって面会交流時間は1時間にしました。

 

また、旦那様が面会中にBさんの悪口を言う危険性が高かったため、事前にその様なことがないように強く釘を刺しました。

 

当日は曇り空で、気温はちょうど良い具合でした。旦那様は娘様を抱き上げ、ブランコに乗ったり肩車をして公園をぐるりと回ったり、大きな問題もなく面会交流は終了しました。懸念されたBさんへの悪口もなく、終了しました。

別れ際娘様が寂しがらないかが心配でしたが、特にその様なこともありませんでした。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2016.02.24更新

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1.面会交流はどこまで拒否できる?


 

 奥様から離婚問題のご依頼を受ける場合、「夫がお子さんに会いたいと言ってくる可能性が高いが、これを拒否することはできますか?」とのご質問を受けることがあります。

 

 もちろん、奥様がお子さんと同居して生活していることが前提の質問なのですが、交渉・調停の段階でしたら基本的に面会交流を拒否できるというのが回答になります。

 

 ただ、お子様との面会交流を通じて意固地になっていた夫側の態度が柔軟化するというケースもありますし、一般的にはお子様がお父様と接することはお子様にとっても良い効果があることが多いのが現実かと思います。

 

 ですので、特別な拒否理由がなければ面会交流をさせた方がよいケースも多いのではないかと思います。

 

 

2.私が担当した事件        


 

・ご依頼者様 : 30代後半の女性(Iさんと言います)

・ご依頼内容 : 夫のモラハラに耐えられないので離婚したい、夫の気性が荒いので絶対にお子様に会わせたくないとのご依頼内容でした。

 

なお、この事件の相手方 : 40代後半の夫 、お子様 : まだ乳児のご長男お一人 、婚姻期間 : 5年未満 、家庭環境 : ご依頼時別居中でした。

 

 

3.私の弁護活動          


 

 Iさんからは、夫が弁護士の話に耳を傾けるとは到底思えないので、いずれ調停になるのでしたら、最初から調停の申立から進めて欲しいとの意見がありましたので、特に事前交渉はせずに調停を申し立てることにしました。

 

 

4.夫側の言い分        


 

 調停の席で夫側は、Iさんが突然別居したことに対して怒っており、お子様の連れ去り・誘拐行為だと厳しい口調で詰問してきました。

 

 また、調停委員も、お子様をお父様に会わせることは、お子様にとっても父性に接することになるので、良い効果があることが多いということで、Iさんを説得してきました。

 

 

5.こちら側の反論         


 

 上記のような話に対しては、以下のように反論して、お子様との面会を断固拒否しました。

 

・お子様はまだ乳児であり、夫側と会っても全く分からない。そのため、お子様が夫側に会って良い効果があるという話は当てはまらない。

 

・Iさんは、夫側からのモラハラに悩まされ続けてきたところ、面会交流にはIさんが立ち会わなければならないが、これにIさんは耐えられない。

 

 調停委員からは、「面会交流を拒否し続けると親権取得にも不利になる」と半ば脅しのようなことも言われましたが、面会交流には断固応じない姿勢を崩しませんでした。

 

 そもそも、夫側はお子様が生まれた際にもお子様にほとんど関心を示しておらず、面会交流の申込は、Iさんを困らせたいだけだと思われる節がありました。

 

 このような事情もあったため、調停中面会交流を断固拒否し続ける態度を貫きました。

 

 ただ、面会交流を一切拒否すると、夫側から面会交流の調停を申してられる危険性もありましたので、お子様の写真を送るなどして、硬軟織り交ぜる作戦を取りました。

 

 

6.調停中、一度も面会させずに離婚成立


 

 この調停では、夫側が養育費などについて細かく反対意見を述べてきたため、調停申立から調停成立までに1年近くを要しました。

 

 しかし、前述のように面会交流を強く拒否する姿勢を貫きましたので、調停中は一度も面会交流させずに離婚成立とすることができました。

 

 ただ、離婚成立後も一切お子様と会わせないというのはIさんも行き過ぎであると考え、離婚の後は2か月に1回は面会交流を認めるという内容を盛り込むことにしました。

 

 

7.後日談                


 

 上記のように2か月に1回は面会交流を認めるという内容で離婚調停が成立したのですが、離婚後一度面会したいとの話があったきり、先方からは面会交流の申し入れがないまま1年が経過したとのことでした。

 

 Iさん曰く、先方は土日も関係なく仕事に忙殺されている様なので、最初から2ヶ月に1回の頻度で面会交流を要求してこないのではないかと思っていたとのことでした(もちろん、離婚調停の席では、夫側の方から頻繁に子供に会わせて欲しいと主張されていたのですが、現実問題難しいのではないかと思っていたとのことです)

 

 

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2015.07.08更新

 

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1.面会交流とは? 


 

 

 面会交流(めんかいこうりゅう)という言葉は普段耳にしないと思いますが、ご夫婦(または元夫婦)の一方がお子様を育てている場合に、他方配偶者がそのお子様と会って交流することを意味します。以前は「面接交渉」という用語を用いることが多かったのですが、最近は「面会交流」という用語を用いるのが一般的です。

 

 例えば、夫婦の折り合いが悪くなって、奥様がお子様と一緒にご実家に別居しているときに、旦那様がそのお子様と会って話をしたり、一緒に遊んだりすること等を「面会交流」と呼びます。

 面会交流の問題は、ご夫婦の間で離婚について協議している時にクローズアップされることが多いので、お互いに感情的になり、なかなか話し合いが進まなかったり、条件面で折り合えないと言うことも多々あります。

 

 

2.面会交流への立会い


 

 私は、様々な離婚事件を取扱い、何度か面会交流の現場に立ち会ったこともあります。なお、面会交流の条件について詳しく取り決めをしたケースについては、「面会交流について詳細に定めて和解した離婚事件」のブログでご紹介しました。

 

 弁護士が面会交流に立ち会うのは、依頼者である奥様からご依頼されることが多いです。特に、別居後何か月間か旦那様にお子様を会わせていないケースでは、面会交流時に旦那様がお子様を連れ去る危険もあり、その際、奥様の女手だけでは連れ去り防止に不安があると言うことで面会交流の立会を要望されるのです。

 

 弁護士としても、お子様が父親と接触している様子を見れば、一定程度父親の人柄やお子様の反応を見ることもできますので、その後の親権の主張や、面会交流の条件決めにも参考になると言うメリットがあります。

 

 私が面会交流に立ち会ったケースとしては、公園で父親がお子様と面会交流(一緒に遊具等で遊ぶ)するのを見届けたり、喫茶店で父親とお子様が面会交流(一緒に軽食などを頂く)する席に立ち会ったり、私の弁護士事務所の会議室で面会交流(お子様と一緒にお話しされます)を実施したこともあります。

 

 たまに誤解されている方もいらっしゃって、「秦先生が立ち会って下さるので、私は立ち会わなくても良いのでしょうか?」とご質問を受けることがありますが、奥様にも立ち会っていただく必要があります。

 

 奥様からしますと、旦那様に対する恐怖感をお持ちの方もいらっしゃいますので、面会交流に立ち会うイコール旦那様とも一定の時間顔を合わせなければならないと言うことを強く不安に思われるのはよく分かります。

ただ、面会交流中、お子様の体調が急変するといった事態もゼロとはいえませんので、そのような場合に、私だけで対応することは困難です。また、奥様にも旦那様とお子様との面会交流の様子は直接見ていただくことは、お子様の意外な一面を見ることができることもあって、有益なことが多いです。

そのようなことから奥様の立ち会いも必要になります。

 

 

3.面会交流に立ち会って思うこと


 

 私が面会交流に立ち会ったケースでは、特に旦那様がお子様を連れ去ろうとしたことはなく、その意味では大きなトラブルもなく経過しています。

 

 また、事前に奥様から得ていた情報では、旦那様がお子様ときちんとコミュニケーションが取れるか心配していたケースでも、実際にはきちんとコミュニケーションを取れているケースが大半だと思います。その意味では、お子様の成長にとってはプラスになったことが多いようにも思えます。

 

 このようなことも、現実に私自身が面会交流に立会い、短くとも30分、長い時には2時間程度同席してお子様の表情や会話を直接見聞きしているからこそ分かることでもあると思っております。

 

 なかなか弁護士も多忙なものですから、このような面会交流には一切立ち会わないという弁護士もいると思いますが、私は、その様な方針はとっていません。

 

 ただ、依頼者様の強い要望があり、私が立ち会った方が望ましいというケースかどうかは良く見極めるようにしております。お子様にとって、私は全くの他人になりますので、私が立ち会うことでお子様が強く緊張してしまうということも多いからです(なお、面会交流に立ち会う際には、奥様のお友達と言った形で立ち会わせて頂くことが多いです)。

 

 

4.児童養護施設でのお子様との面会


 

 なお、面会交流時の立会とは異なりますが、依頼者様のお子様が児童養護施設に保護されており、同施設内でお子様と面会したこともあります。その際には担当の児童福祉士、児童心理士も立会って面会を実施しました。

 このように通常の環境とは異なる環境にいるお子様と面会することは、依頼者様に親権を取得させる動力源にもなり、極めて有意義な機会であったと思いました。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2015.07.06更新

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1.面会交流とは?


 

 面会交流(めんかいこうりゅう)という言葉は普段耳にしないと思いますが、ご夫婦(または元夫婦)の一方がお子様を育てている場合に、他方配偶者がそのお子様と会って交流することを意味します。以前は「面接交渉」という用語を用いることが多かったのですが、最近は「面会交流」という用語を用いるのが一般的です。

 

 例えば、夫婦の折り合いが悪くなって、奥様がお子様と一緒にご実家に別居しているときに、旦那様がそのお子様と会って話をしたり、一緒に遊んだりすること等を「面会交流」と呼びます。

 面会交流は、ご夫婦が別居されている時にも問題になりますが、離婚した後にも問題になります。

 

 

2.私が担当した事件 


 

・ご依頼者様 : 30代前半の女性(Iさんと言います)

・ご依頼内容 : 旦那様からの暴言に耐えられず離婚したい、旦那様も離婚には応じる姿勢だけれども、娘様の親権を譲る意思はないとのことでしたので、親権を獲得して欲しい、親権獲得時には、面会交流についてもきっちりと約束したいとのご依頼内容でした。

 この事件は、離婚協議、離婚調停がいずれもまとまらず、離婚裁判に発展して争われました。

 

なお、この事件の相手方 : 30代前半の男性、お子様 : 保育園に通う娘様お一人、家庭環境 : ご依頼時別居中でした。

 

 この事件は最終的には裁判所が仲介する形で和解が成立し、事件解決したのですが、この事件では和解の際に面会交流の条件をきめ細かく定めた事が特徴的な事件でした。

 

 

3.この事件で面会交流の条件を、きめ細かくした理由


 

 Iさんの旦那様は、結婚生活の中で、Iさんに対してだけではなく、娘様に対しても暴言を発することがあり、また、そのことを誤魔化す傾向がある、嘘をつくことも多いという事情がありました。

 

 このような事情がありましたので、Iさんは、旦那様に対する強い不信感を持っており、面会交流の条件をきめ細かく取り決めて欲しいと強く希望していました。

 

 また、Iさんがおっしゃっていたのは「旦那は、ずる賢いので、口約束だけでも離婚して暫くは約束を守るけれども、期間が経つと、約束を守らなくなるのではなないかと不安です」ということでした。その意味では単なる口約束よりも、裁判所の公的な書類である和解調書に約束事項をきちんと書き込んで欲しいと話していました(裁判中の和解手続きで、当事者間の話し合いがまとまった場合、その内容は、「和解調書」という書類にとりまとめていくことになります。)

 

4.実際の面会交流条項


 

 実際の裁判の和解条項では、以下のような形で面会交流の条項が盛り込まれました。

 

■原告(旦那様)と○○(お子様)との間の面会交流について、以下のとおり定める。

(1)頻度           1ヶ月に1回

(2)時間           1回につき9時間以内、終了時間は午後7時以前とする。

(3)場所           (2)の時間帯でおさまる限度で移動可能な場所

(4)方法       原告(旦那様)が被告(奥様)方に○○(お子様)を迎えに行き、面会交流ができる場所に移動する。面会交流終了時には被告(奥様)が原告方(旦那様)に○○(お子様)を迎えに行き帰宅する方法

(5)連絡方法 日程の連絡は、原告(旦那様)が被告(奥様)に対して、実行日の2週間前までに連絡する。その上で、面会交流の日時や面接場所等について、協議を行う。

                             なお、協議については、メールを用いて行なうこととする。

(6)その他      

①原告(旦那様)は面会交流の実施にあたっては、○○(お子様)の年齢、性別、体調、意思、保育園・学校等の行事に配慮しなければならない。

②当事者は、協議により、前記日時、場所、方法等必要な事項を変更することができる。

 

 

5.面会交流の条件は細かい方が良いのか簡単な方が良いのか。


 

 当職の長年の弁護士経験からしますと、上記のように面会交流の条件を事細かに定めることは稀で、もっと簡単な形で合意することの方が多いように思われます。例えば、簡単な面会交流条項とする場合には、「被告(奥様)は、原告(旦那様)に対し、月1回程度○○(お子様)との面会交流を認める。原告(旦那様)は面会交流の実施にあたっては、○○(お子様)の体調、意思、行事等に配慮しなければならない。」といった表現しか盛り込まないということもあります。

 

(1)面会交流の約束を簡単にするメリット

 面会交流の条件を簡単にするメリットは、今後のお子様の成長に応じて面会交流の条件を柔軟に変更することが可能になるというのが最大のメリットといえます。「月1回程度」としておけば、必ず1ヶ月に1回面会交流させなければならないと言うこともないので安心でもあります。

 また、離婚の際には、養育費や財産分与と言った様々な問題を議論していることが多いので、面会交流の条件を細かくしますと、その条件の当否が新たな火種になることがあり、問題を複雑化しないために、面会交流の約束は簡単にすると言うことがメリットになり得ます。

 

(2)面会交流の条件をきめ細かく約束するメリット

 他方、簡単な条件しか決めませんと、実際面会交流させる際に、詳しい条件などについて細かなやり取りをしなければならなくなってしまいます。そのため、あらかじめ面会交流の骨組みを決めておけば、その都度の面会交流で細かいやりとりをする必要がなくなります。

 また、離婚後の面会交流において、面会交流の条件などを電話などで伝えるだけですと、後から「言った」「聞いていない」の論争が起きる可能性があります。そのため、あらかじめ面会交流の条件をきめ細かく決めておきますと、その内容は、和解調書にきちんと書いてありますから、約束に違反したのかしていないのかが明確になります。

 

5.面会交流の条件の決め方


 

 上記は、面会交流の条件について詳しく定めたケースですが、面会交流の定め方は、そのご夫婦が抱えている問題点等を考慮して、総合的かつ漏れがないように定める必要があります。もちろん、上記のように面会交流の定め方は簡単に定める方法の方が一般的ではあるのですが、簡単な定め方では不安があるという方も多いと思います。

 

 その様な方は、是非、面会交流の条件付けについてノウハウのある弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

 

 

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