2015.12.11更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

 

1.私の担当した事件


 

 

・ご依頼者様 : 20代後半の女性(Dさんとします)

・ご依頼内容 : 旦那様からの暴言に耐えられないので離婚したいということで、離婚問題のご相談を受けていたのですが、Dさんが他の男性とのお子様を妊娠してしまい、出産することになってしまいましたので、そのお子様との親子関係不存在の事件も担当することになりました。

なお、この事件の相手方 : 20代後半の旦那様、お子様 : 高校に通う息子様、中学校に通う娘様、小学校に通う娘様の合計3人、家庭環境 : ご依頼時別居中でした。

 

 この事件の親子関係不存在の問題は既に別のブログにてご説明済みですので、今回は、慰謝料の支払いを免れたという意味で離婚事件の切り口でご説明いたします。

 

 

2.婚姻関係破綻後の不倫では慰謝料は発生しない


 

 そもそも、不倫によって慰謝料が発生するのは、不倫によって夫婦の関係が悪化または破綻し、そのことで精神的に強いショックを受けるからです。

 

 このように夫婦の関係悪化・破綻が慰謝料の発生原因なのですから、既に(不倫以外の理由で)婚姻関係が破綻している場合には、事後の不倫によっても慰謝料は発生しないのです。

 

 ここでの婚姻関係の破綻とは、ご夫婦の関係が修復不可能なほどにうまく行かなくなることを意味します。そして、このような婚姻関係の破綻後の不倫については慰謝料が発生しないのです。

 

 

3.婚姻関係の破綻と認められるためには?


 

 離婚の裁判などでも婚姻関係の破綻時期が問題になることは多々あり、家庭内別居の開始時を破綻時と見るべきだと主張されることもあります。

 

 ただ、家庭内別居というのは物理的にはご夫婦が同じ建物の中に居住していると言う状況にありますので、「家庭内別居」であることの証明は困難なことが多いです。

 

 そのため通常は別居開始時もしくはその数か月前程度が破綻時と捉えられることが多いです。

 

 

4.この事件で問題になったこと


 

 上記の私が担当した事件で問題になったのは、旦那様の方が執拗に、Dさんと関係を持った男性の情報を知りたがっていたと言うのもあるのですが、その点のみならず、①別居前からDさんの男性関係は不審に思っていたとの点、②別居の経緯でした。

 

 この事件は、相手にも弁護士が就き、弁護士同士で話し合いをしていたのですが、交渉が決裂してしまい、当方から家庭裁判所に離婚調停を申し立てました。

 そのため、上記の①、②の点について、どうやって調停委員の理解を得るのかという点が大きな課題になりました。 

 

 まず、①の別居前の男性関係については、このような離婚トラブルになり始めてから初めて旦那様が言い始めたことでしたので、そのことを率直に調停委員に伝えました。調停委員が旦那様に確認したところ、旦那様も別居前はあまり不倫のことをDさんに確認していなかったとのことでしたので、旦那様の言い分にはあまり信憑性がないという話の流れを作ることができました。

 

 次に、②の別居の経緯について、旦那様側は、奥様が駆け落ちしたような言い方をしていましたので、旦那様側からの暴力が原因であるという事実を指摘して、この点も大きなトピックにはせずに済みました。

 

 

5.最終的には別居後の男性関係と認められた


 

 上記のようなやり取りを調停にて繰り返し、最終的には慰謝料の支払いをしない形での調停成立にこぎ着けることができました。

 

 不倫・浮気の問題はデリケートな問題でもありますので、きちんと作戦を練ったうえで調停に臨みませんと、相手の感情を逆撫でし、手続きがうまく進まなくなってしまうケースが多い様に思われます。

 

 そのため、婚姻破綻後の不倫・浮気かどうかが争われると言った事件では、早いうちに弁護士に依頼して手続きを進めることをおすすめします。

 

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弁護士 秦(はた) 真太郎

TEL03-3666-1838|9:30~18:00

東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 

 

投稿者: 弁護士秦真太郎

2015.12.04更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

 

1.私の担当した事件

・ご依頼者様 : 20代後半の女性

・ご依頼内容 : 旦那様からの暴言に耐えられないので離婚したいということで、離婚問題のご相談を受けていたのですが、奥様が他の男性とのお子様を妊娠してしまい、出産することになってしまいましたので、そのお子様との親子関係不存在の事件も担当することになりました。

 

なお、相手方 : 20代後半の旦那様、お子様 : 高校に通う息子様、中学校に通う娘様、小学校に通う娘様の合計3人、家庭環境 : ご依頼時別居中でした。

 

 

2.嫡出否認は旦那様から訴えるもの

 

 前週のブログにて「嫡出否認」のケースをご紹介しましたが、嫡出否認は、奥様が勝手に出生届を提出した場合に、旦那様の側から、「自分の子供ではない」と訴えるケースになります。

 そのため、奥様の側から訴える場合には、嫡出否認の調停、裁判を起こすことはできず、親子関係不存在の調停や裁判を起こしてゆくことになります。

 

 今回のケースでは、奥様が出生届を役所に提出してしまいますと、旦那様との子供として受理されてしまいますので、出生届は提出せずに、親子関係不存在の調停を申し立てました。

 

 

3.親子関係不存在の調停

 

 今回の親子関係不存在の調停申立時に一番懸念していたのは、旦那様が出席しないのではないかという点、お子様との父子関係についてDNA鑑定に協力しないのではないかという点でした。

 

 しかし、旦那様としても明らかに自分の子供ではない者が、自分の子供として戸籍に登録されることを非常に嫌がっており、DNA鑑定等には積極的に協力を得ることができました。

 

 その当時のDNA鑑定の費用は、5万円程度で済みました。

 

 DNA鑑定の実施には、裁判所の協力を得ることができ、裁判所の調停室を利用して、鑑定業者を介して、円滑に鑑定資料の採取を行うことができました。

 

 

4.旦那様からの主張

 

 上記の通り、旦那様は、DNA鑑定には協力したものの、奥様と関係を持った男性を明らかにするよう執拗に迫ってきました。

 

 この点は、ご夫婦の別居から5年以上が経過しており、浮気にはならないことを理由として、相手の男性の情報を公開せずに済みましたが、この部分に関する旦那様とのやり取りには非常に神経を遣いました。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2015.11.27更新

 

こんにちは東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

 

1.嫡出否認ってなんだ?

 

 嫡出否認と言う言葉は聞き慣れない言葉だと思いますので、簡単にこの用語についてご説明します。

 

 奥様が旦那様と婚姻し、離婚する前に身籠もった子供については、民法上旦那様の子供と推定されています。このことを嫡出推定と表現し、そのお子様のことを「嫡出子」と呼んだりします。

 

 嫡出否認は、このように自分の子供として届けられた子について、旦那様の側から実際には自分の子ではないと主張することを指します。

 

2.私が取り扱ったケース

 

 私が取り扱ったケースは、依頼者が60歳代後半の男性、奥様が30歳代前半のフィリピン女性で、奥様が旦那様に無断でお子様の出生届を提出したという事件です。

 

 この事件では、依頼者も奥様が別居を開始してから暫く経っていたこともあって、奥様の所在を確認することが容易ではありませんでした。

 

 そして、このように奥様の所在すら確認が困難なのですから、お子様と連絡を取ることなどほぼ不可能に近く、お子様のDNAを採取し、親子関係の存在しないことを客観的に裏付けることも困難なケースでした。

 

3.まずは、調停を申し立てた

 

 前述のように、お子様との親子関係の不存在について客観的証拠がございませんでしたので、まずは、家庭裁判所に調停を起こし、奥様が出席すれば、DNA鑑定の実施をすることも視野に入れて手続を進めました。

 

 なお、弁護士の調査権限にて奥様の所在はほぼ特定することができていました。

 

 この調停には奥様は結局出席せず、奥様欠席のまま手続は終了しました。

 

4.嫡出否認の訴えの提起

 

 前述のように、奥様が調停にも出席しなかったため、訴訟に出席する可能性はそれほど高くないと考え、親子のDNA鑑定は行えないことも視野に入れて裁判に臨みました。

 

 この裁判では、依頼者様の子供ではないことを、きめ細かく事実関係を重ねて主張してゆくことで説明してゆきました。

 つまり、ご夫婦が出会ったきっかけ、結婚の経緯から夫婦としての同居生活の実態、別居の経緯、別居後の交流頻度、奥様からの妊娠の報やその経緯等について、きめ細かく事実を述べてゆきました。

 

 裁判にまでなったため、奥様もマズイと思ったのか、裁判所に出席はしないものの、裁判所宛に主張書面は提出してきました。奥様の書面では、依頼者に対する不平不満が綴られていましたが、そのことが逆に夫婦の関係がぎくしゃくしていることの根拠になりましたので、このような記述は最大限活用しました。

 

 このようにきめ細かな裁判進行を行ったこともあって、この裁判では嫡出否認の訴えが認められ、奥様の方も控訴しなかったため、判決は確定しました。

 

5.雑感

 

 嫡出否認の訴えは、認められると、自動的に奥様の浮気も証明できてしまうため、浮気を否定する奥様は、嫡出否認の訴えにおいても積極的に争ってくるケースの方が多いように思われます。

 

 そして、裁判実務としては父子のDNA鑑定が決定的に重要な意味を持ちますので、裁判官もDNA鑑定の実施を強く求めてくる傾向があるものと言えます。

 

 上記のようにDNA鑑定なしに嫡出否認を認めてくれたのは、ケースとしては稀な方ではないかと思いました。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2015.11.20更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

 

1.離婚後のお子様の生活費のことはきちんと話し合いましたか? 


 

 

 ご夫婦が離婚する際、離婚すること、親権者をいずれにするかについては離婚届に記載しなければなりませんから、ご夫婦でもきちんと話し合いをすると思います。

 

 離婚しますとご夫婦は、法律上は「他人」となりますが、仮に奥様がお子様の親権者となって引き取ることになった場合でも、旦那様とお子様との父子関係がなくなるわけではありません。

 

 そのため、旦那様の収入が奥様の収入よりも高額であるような場合には、離婚後もお子様の養育費を請求することができます。

 早めに離婚したいし、旦那様も養育費を払うと口約束しているのだから、と言って離婚届けにサインをもらうだけではなく、きちんと養育費をいくらにするのか等についてご夫婦で話し合い、文書に残すことを強くおすすめします。

 

 

2.旦那様側がお子様の養育費として学費全額の支払いに合意したケース 


 

 

 養育費の金額をいくらにするのかを話し合う際には、お子様の高校・大学の入学金や学費をいずれがどの程度の割合で負担するのかという点も争われるケースが多いです。

 

 お子様が小学校にも進学していない年齢などの場合には、「長男○○の進学・病気・事故等特別の出費を要する場合には、その負担につき甲乙間で別途協議する。」といった約束をすることが多いと思います。現時点では、お子様が今後どのような中学校、高校に進学し、どのくらいの入学金・学費がかかるか分からないため、このような定め方をすることが多いのです。

 

 これに対して、中学・高校・大学などに既に通学しており、毎年の学費が現実に発生しているという場合には、学費の分担についての話し合いが重要な問題になります。

 

 

3.私が担当した事件        


 

・ご依頼者様 : 50代後半の女性(Jさんと言います)

・ご依頼内容 : 旦那様が浮気を繰り返しており、注意しても浮気が収まらないために離婚したい、目下、大学在学中のお子様の学費の支払いがあるため、学費の納付期限までの間に速やかに学費分の養育費を受け取りたいとのご依頼内容でした。 

 

なお、この事件の相手方 : 60代前半の旦那様、お子様 : 就職済みの息子様と大学3年生在学中の息子様の合計お二人、家庭環境 : ご依頼時別居中でした。

 

 

4.養育費は何歳まで支払うのか。


 

 まず、この事件で議論の対象になったのが、二男はもう成人しているので養育費を支払う必要があるのかという点でした。

 

 この離婚の問題が浮上する前は、旦那様も二男に対して仕送りをしていましたのですが、Jさんから離婚を切り出した途端、養育費の支払いを渋るようになっていました。

 

 この点については、二男が成人後も仕送りを続けていたことを論拠として、22歳までの養育費の支払いを約束させることができました。

 

 

5.学費の負担について 


 

 より大きな問題になったのが、二男の学費の負担でした。旦那様が二男の大学3年次の前期授業料は支払っていたのですが、後期授業料の支払いはしていなかったため、その負担が問題となったのです。

 

 当初旦那様側は、授業料の半額を支払うと主張していたのですが、Jさんのパート収入では残りの授業料半額の支払いが難しいこと、二男の通う大学の入学は旦那様の推薦もあったので志望したといった事情を繰り返し説明し、大学3年次の授業料全額及び4年次の授業料全額の支払いを約束させることができました。

 

 

6.養育費を獲得するコツ

 


 

 旦那様が養育費の支払いを渋る最も多い理由は、「そのお金が結局妻の生活費に充てられる危険性があるから」という点かと思われます。

 

 特に離婚するかしないか、離婚の条件等で激しく争った場合、旦那様は、奥様に対して極力金銭を支払いたくないと考える傾向が強いように思われます。

 

 ですので、その様な場合に養育費を支払わせるコツは、お子様の生活費に利用されるという点を旦那様に十分に理解してもらうことですが、具体的には、お子様との面会交流を活用することが多いです。

 

 旦那様からしてみれば、お子様に十分に会うこともできないのに、養育費を支払わなければならないというのは納得しがたいと言うことが多いので、逆にある程度面会交流を大目に見ることは、養育費の支払いを引き出す重要な要素になるように思われます。

 

 もちろん、法律的には養育費と面会交流は別の問題ですし、本来両者を絡めて議論する話ではないのですが、面会交流を通して旦那様もお子様への愛情を再確認することになりますので、養育費支払いに応じやすくなる傾向があると思います。

 

 また、養育費の振込先口座をお子様名義の口座に指定するという方法も、旦那様の感情に配慮した手法ではないかと思われます。

 

 さらに、お子様が通う学校について旦那様の意見が反映されている場合には、授業料等の支払いに応じやすくなると思われますので、ご夫婦の関係があまり良好ではない場合であっても、お子様の志望校については十分に相談して決めておいた方がよいように思われます。

 

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2015.08.10更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

 

1.親権とは?


 

 ご夫婦が円満な婚姻生活を送っている間は、「親権」という言葉を意識することは少ないと思います。それが、夫婦生活に亀裂が生じ始め、離婚を意識するようになった時、ご夫婦のお子様をどちらが育てて行くのか、ということで、「親権」というものを意識し始めるのかと思います。

 

 では、このあまり聞き慣れない「親権」とはどのような権利なのでしょうか。

 

 多くの方は、(未成年の)「お子様を育てて行く権利」とお考えですが、親権の内容の半分のみ理解されているということになります。

 すなわち、親権とは、(未成年の)お子様を養育し育てて行くという意味の「身上監護権」と、お子様の財産を管理して行くという意味の「財産管理権」の2つの権利から構成されています。

 

 

2.親権をどちらが取得するか。


 

 ご夫婦が離婚する場合には、未成年のお子様の親権者をどちらかに決定したのかを離婚届に書かなければなりませんので、親権者を決定しないまま離婚するということはできません。

 

 そして、親権をご夫婦のどちらが取得されるかは、第1次的には、ご夫婦の話し合いで決めるものとされていますが、話し合いがうまく行かないことも多くあります。

 

 離婚の事件は、ご夫婦の話し合いがうまく行かない場合、いきなり裁判を起こすことができず、まずは、家庭裁判所に調停の申立をしなければなりません。この調停が上手くまとまればよいのですが、調停もまとまらず、裁判に発展することもあります。

 

 

3.親権の帰属につき最高裁判所まで争われたケース

 


 

・ご依頼者様 : 30代後半の女性(Fさんといいます)

 

・ご依頼内容 : 旦那様が家庭のことを一方的に決めてしまうので離婚したい、親権は必ず獲得したいとのご依頼内容でした。

 

なお、この裁判の相手 : 40代前半の旦那様、お子様 : 小学校に通う息子様のお一人、家庭環境 : ご依頼時別居中でした。

 

 

4.私の弁護活動        


 

 この事件は、奥様の強い希望もあって、ほとんど離婚協議をせずに、離婚調停を申し立てました。このように離婚協議をほとんど行わなかったのは、旦那様は独自の価値観を持っており、自分と違う意見には全く耳を貸さないという性格の持ち主だったからです。

 

 調停の席では、Fさんの着るものに至るまで旦那様が一方的に決めてしまっており、Fさんとしては結婚生活が窮屈で仕方なかったこと、このようながんじがらめの対人関係では、息子にとっても悪影響しかないと思い、もう旦那様とヨリを戻す意思は全くないので離婚したいということを強く打ち出しました。

 しかし、旦那様は、Fさんの言い分は事実無根で、誤解が解ければやり直せるので、ヨリを戻したいということで一歩も譲りませんでした。

 

結局、離婚するかしないかという点についてお互いの言い分が平行線でしたので、調停は不成立になり、この離婚の問題は裁判で争われることになりました。

 

5.裁判で相手は親権を強くクローズアップしてきた


 

上記の通り、離婚調停の席で、旦那様は「離婚したくない」の一点張りでしたので、親権をどのようにするのかについて十分な議論はなされませんでした。ただ、調停の席で旦那様が、Fさんの育児に問題があるのかどうかについて大きくクローズアップしてくることはありませんでしたので、私の目算としては、親権はあまり大きく争われない可能性もあるとも思っておりました。

 

しかし、離婚裁判では、旦那様側は、離婚したくないという主張を展開した他、仮に離婚するにしても、息子の親権は自分が取得するという形で争ってきました。裁判になって突如旦那様が「Fは息子に対して児童虐待をしていた」などと主張し始めましたので面食らってしまいました。

 

旦那様側が親権について一歩も譲らない姿勢でしたので、これまでの養育環境やご夫婦のお子様への接し方、現在のお子様の養育環境・生育環境、今後の育児の方針等々ご夫婦で激しい主張の応酬をしました。特に旦那様が言う様な児童虐待など存在しないことを丁寧に説明しました。

その後、家庭裁判所調査官によるお子様の生育環境等の調査も行われました。このようにして、第1審である家庭裁判所だけでも、2年以上の審理期間を経て、判決が言い渡されました。

 

 第1審の判決では、奥様の養育環境・生育環境は、お子様の福祉にかなっているということで、こちらの言い分が認められ、奥様が親権を取得するという判決を得られたのですが、相手方である旦那様が納得されずに、高等裁判所への控訴、その後は最高裁判所への上告までされました。

 

 なお、日本の裁判は三審制になっておりまして、1回判決が出ても、判決に不満がある当事者は、2回不服申立をすることができます。最初の判決に対する1回目の不服申立を、法律用語としては「控訴(こうそ)」と言い、この控訴審の判決に対する不服申立(2回目の不服申立)を、「上告」と言います。

 

 「上告」は、判決に憲法違反があるといったケースしか認められませんので、「控訴」よりも格段に要件が厳しいこともあって、離婚の事件で最高裁まで争われるケースは稀だと思います。

 

 最終的には、上告事件は上告の要件を満たしていないという結論で終了しましたので、結局、こちらの言い分が認められ、奥様が親権を取得することができましたが、最終解決までに4年半程度を要しました。

 

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2015.08.05更新

 

こんにちは、日本橋の弁護士秦(はた)です。

 

1.親権とは? 


 

 

 ご夫婦が円満な婚姻生活を送っている間は、「親権」という言葉を意識することは少ないと思います。それが、夫婦生活に亀裂が生じ始め、離婚を意識するようになった時、ご夫婦のお子様をどちらが育てて行くのか、ということで、「親権」というものを意識し始めるのかと思います。

 

 では、このあまり聞き慣れない「親権」とはどのような権利なのでしょうか。

 

 多くの方は、(未成年の)「お子様を育てて行く権利」とお考えですが、親権の内容の半分のみ理解されているということになります。

 

 すなわち、親権とは、(未成年の)お子様を養育し育てて行くという意味の「身上監護権」と、お子様の財産を管理して行くという意味の「財産管理権」の2つの権利から構成されています。

 

 

2.親権をどちらが取得するか。 


 

 

 ご夫婦が離婚する場合には、未成年のお子様の親権者をどちらかに決定したのかを離婚届に書かなければなりませんので、親権者を決定しないまま離婚するということはできません。

 

 そして、親権をご夫婦のどちらが取得されるかは、第1次的には、ご夫婦の話し合いで決めるものとされていますが、話し合いがうまく行かないことも多くあります。

 

 それでは、ご夫婦の言い分が対立した時、最終的にはどちらが親権を取得する可能性が高いのでしょうか。

 もちろん、ご夫婦のお子様へのこれまでの接し方や養育方法、経済的自立性等々様々な要素が絡みますので、個別の事情によりますが、一般的には奥様が親権を取得されるケースの方が多いのが現状です

 

 

3.父親が親権を取得したケース


 

・ご依頼者様 : 40代前半の男性(Gさんと言います)

・ご依頼内容 : 奥様の浮気をきっかけにして夫婦関係がうまく行かなくなり、奥様に対して慰謝料を請求したいというご要望とともに、浮気を繰り返す様な女性に子供達を引き取らせることはできないので、親権を取得したいとのご依頼でした。

 

なお、この事件の相手 : 40代前半の奥様、お子様 : 小学校に通う娘様と保育園に通う娘様の合計お二人、家庭環境 : ご依頼時別居中でした。

 

 

4.私の弁護活動         


 

 このケースでは、Gさんは調停や裁判と言った大がかりな手続きは踏みたくないので、できる限り協議離婚で解決したいと強く希望されていました。そして、弁護士をつけたことはGさんから奥様に直接お話しされたとのことでしたので、私の方から直接奥様にお電話を差し上げてお話をさせていただきました。

 このケースでは、奥様も浮気を全面的に認めていましたので、Gさんの方で浮気の証拠を集めるといった作業は必要なく、離婚についても争いはありませんでした。しかし、慰謝料の金額と、お子様の親権が激しく争われました。

 

5.奥様の言い分         

 


 

 

 このご家庭では、Gさんがお仕事をされており、日中お子様の面倒を見ることができないことから、奥様からは、Gさんが親権を取得するとお子様に目が届かなくなるということをしきりにおっしゃっていました。

 

 ただ、このケースでは、Gさんのお母様がこれまで同居して生活しており、お子様も、このお婆さまに懐いているという事情もあり、旦那様も休日は積極的にお子様の世話をしていたという事情がありましたので、それらの点を丁寧にご説明し、また、今回の離婚の発端が奥様の浮気にあることも強く主張させて頂きました

 

 さらに、旦那様が親権を取得しても、奥様が希望する場合には柔軟にお子様との面会交流を認める意向であることもお伝えしました。

 

 これに対して、奥様は、浮気については申し訳ないことをしたけれども、今後二度と同じ過ちを繰り返さないので、お子様の幸せを第一に考えて親権者を決めてほしいと言ってきました。奥様の話しぶりは、自分の言い分を強く主張してくるというよりも、Gさんに考え直してほしい、お願いしたいという論調でした。

 

 Gさんとも再度お話ししましたが、お子様の幸せを第1に考えるのであれば、簡単に浮気などするはずがない、そのことをきちんと反省しているのであれば、きちんと責任を取って早めに離婚問題を解決させて欲しいとのご意見でした。

 そのため、その旨を奥様にも直接お伝えしました。

 最終的には、Gさんの意思が固いことが分かったからでしょう、奥様もGさんが娘様お二人の親権を取得することに同意して下さり、協議離婚が成立しました。なお、平行して慰謝料の額についても交渉を続けておりましたが、この点もお互いの同意が得られました。

 

 お互いが合意した内容を離婚協議書にまとめ、双方が署名押印して、協議離婚が成立しました。

 

6.親権の取得が本格的な紛争になりそうな事件はお早めに弁護士にご相談下さい。


 

 

 ご夫婦のいずれが親権を取得するのかについては、色々な要素が絡まって決定しますので、一般の方には理解しにくいものがあります。

 

 また、ご夫婦の間で話し合って決定するのなら良いのですが、裁判に発展する可能性があるような場合には、特に慎重に対応して行く必要があります。

 このような親権紛争の問題になりそうな事件については早めに専門の弁護士にご相談下さい。

 

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2015.07.15更新

 

こんにちは、日本橋の弁護士秦(はた)です。

 

1.そもそも「破産」って何なの?

 

 ニュースなどを見ていると「○○株式会社倒産」といったニュースを見ることも多いと思います。このようなニュースをご覧になると、一般の方は、「この会社はもう潰れてしまうんだな」とか「この会社は、もう事業を停止するんだな」といった程度にご理解されると思います。

 

 では、個人の方が、自己破産の手続きを取るというのはどういうことなのでしょうか。もちろん、個人なので、会社のような「店じまい」とは違いますし、今後生活して行くためには何らかのお仕事をしなければなりません。

 敢えて俗な言い方をさせて頂くと、破産というのは、裁判所に破産の申請をして、主だった資産を提供した上で、法律的に借金の支払義務を免れる手続になります。

 

 たまに、弁護士が独自に借金の支払を免除してくれる手続だと誤解されている方もいますが、あくまで法律の効果を発生させてくれるのは裁判所になります。そして、弁護士の仕事は、裁判所に提出する破産申立書をきちんと整備して行く作業になります。

 

2.多額の浪費をした場合には免責が受けられない

 

 それでは、破産の手続きを踏めば、借金の原因が何であろうと簡単に借金の支払義務を免れることができるのでしょうか。

 

破産の手続については破産法という法律が定められているのですが、破産法上、①飲食②風俗③買物④旅行⑤パチンコ⑥競馬⑦競輪⑧競艇⑨麻雀⑩株式投資⑪商品先物取引によって過大な債務を負担した場合、免責(借金をチャラにすることを、法律用語としては「免責」という言い方をします)を受けることができないものとされています。

 

3.私が担当した事件

 

 私が担当しましたのは、30歳前半の男性の破産申立の事件で、上記の飲食、風俗、買い物で合計1000万円ほどを浪費してしまったという方でした。この方は、ホストをされていましたので、仕事の兼ね合いもあって多額の浪費をしてしまったというケースになります。

 

 このケースでは、まず、自己破産によって債務整理を処理するか入念に依頼者と検討しました。と言いますのは、ホストをしていたといっても、多い時にはホスト仲間と1日10万円以上の飲食をするなどしており、免責を受けられるかどうかについては、非常に困難を伴うと感じたため、破産ではなく、個人再生の手続きを取った方がよいのではないかと検討したのです。

 

 しかし、個人再生手続ですと原則借金の5分の1の金額を支払わなければならいところ、依頼者様の方で親族からの支援等を考慮しても、とても支払いきれないとの結論に至りました。

 そこで、結局免責を受けられない可能性があることも本人に伝えた上で、破産の申立をすることにしました。

 

4.やはり破産管財人は厳しい見方をした

 

 当初の予想通り、破産管財人は、浪費の額が多額であるため、そのことに強い懸念を示していました。具体的には、私に対して「これだけ多額の浪費があると、免責は過去の判例から見ても難しいと思うので、覚悟しておいて欲しい」と明確に伝えてきたのです。

 

 このような破産管財人の意見を受け、私は、本人の経済的更正を強くアピールする作戦をとりました。

 といいますのは、このケースでは、依頼者様がホストをしていた期間もあったのですが、私に相談に来られた時には会社員をしていましたし、最近はほとんど浪費をしていないという事情がありました。このような事情を強くアピールするとともに、依頼者様の父親がきちんと監督して行く旨の上申書を提出するなどしました。

 

5.最終的には免責が認められた

 

 上記のような努力もあって、最終的には破産管財人も免責を認めてくれました。このケースでは、債権者が、依頼者様の免責に対して意見をおっしゃらなかったという点も、こちらに有利に働きました。

 

 

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雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

TEL03-3666-1838|9:30~18:00

東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 

 

投稿者: 弁護士秦真太郎

2015.07.08更新

 

こんにちは、日本橋の弁護士秦(はた)です。

 

1.面会交流とは? 


 

 

 面会交流(めんかいこうりゅう)という言葉は普段耳にしないと思いますが、ご夫婦(または元夫婦)の一方がお子様を育てている場合に、他方配偶者がそのお子様と会って交流することを意味します。以前は「面接交渉」という用語を用いることが多かったのですが、最近は「面会交流」という用語を用いるのが一般的です。

 

 例えば、夫婦の折り合いが悪くなって、奥様がお子様と一緒にご実家に別居しているときに、旦那様がそのお子様と会って話をしたり、一緒に遊んだりすること等を「面会交流」と呼びます。

 面会交流の問題は、ご夫婦の間で離婚について協議している時にクローズアップされることが多いので、お互いに感情的になり、なかなか話し合いが進まなかったり、条件面で折り合えないと言うことも多々あります。

 

 

2.面会交流への立会い


 

 私は、様々な離婚事件を取扱い、何度か面会交流の現場に立ち会ったこともあります。なお、面会交流の条件について詳しく取り決めをしたケースについては、「面会交流について詳細に定めて和解した離婚事件」のブログでご紹介しました。

 

 弁護士が面会交流に立ち会うのは、依頼者である奥様からご依頼されることが多いです。特に、別居後何か月間か旦那様にお子様を会わせていないケースでは、面会交流時に旦那様がお子様を連れ去る危険もあり、その際、奥様の女手だけでは連れ去り防止に不安があると言うことで面会交流の立会を要望されるのです。

 

 弁護士としても、お子様が父親と接触している様子を見れば、一定程度父親の人柄やお子様の反応を見ることもできますので、その後の親権の主張や、面会交流の条件決めにも参考になると言うメリットがあります。

 

 私が面会交流に立ち会ったケースとしては、公園で父親がお子様と面会交流(一緒に遊具等で遊ぶ)するのを見届けたり、喫茶店で父親とお子様が面会交流(一緒に軽食などを頂く)する席に立ち会ったり、私の弁護士事務所の会議室で面会交流(お子様と一緒にお話しされます)を実施したこともあります。

 

 たまに誤解されている方もいらっしゃって、「秦先生が立ち会って下さるので、私は立ち会わなくても良いのでしょうか?」とご質問を受けることがありますが、奥様にも立ち会っていただく必要があります。

 

 奥様からしますと、旦那様に対する恐怖感をお持ちの方もいらっしゃいますので、面会交流に立ち会うイコール旦那様とも一定の時間顔を合わせなければならないと言うことを強く不安に思われるのはよく分かります。

ただ、面会交流中、お子様の体調が急変するといった事態もゼロとはいえませんので、そのような場合に、私だけで対応することは困難です。また、奥様にも旦那様とお子様との面会交流の様子は直接見ていただくことは、お子様の意外な一面を見ることができることもあって、有益なことが多いです。

そのようなことから奥様の立ち会いも必要になります。

 

 

3.面会交流に立ち会って思うこと


 

 私が面会交流に立ち会ったケースでは、特に旦那様がお子様を連れ去ろうとしたことはなく、その意味では大きなトラブルもなく経過しています。

 

 また、事前に奥様から得ていた情報では、旦那様がお子様ときちんとコミュニケーションが取れるか心配していたケースでも、実際にはきちんとコミュニケーションを取れているケースが大半だと思います。その意味では、お子様の成長にとってはプラスになったことが多いようにも思えます。

 

 このようなことも、現実に私自身が面会交流に立会い、短くとも30分、長い時には2時間程度同席してお子様の表情や会話を直接見聞きしているからこそ分かることでもあると思っております。

 

 なかなか弁護士も多忙なものですから、このような面会交流には一切立ち会わないという弁護士もいると思いますが、私は、その様な方針はとっていません。

 

 ただ、依頼者様の強い要望があり、私が立ち会った方が望ましいというケースかどうかは良く見極めるようにしております。お子様にとって、私は全くの他人になりますので、私が立ち会うことでお子様が強く緊張してしまうということも多いからです(なお、面会交流に立ち会う際には、奥様のお友達と言った形で立ち会わせて頂くことが多いです)。

 

 

4.児童養護施設でのお子様との面会


 

 なお、面会交流時の立会とは異なりますが、依頼者様のお子様が児童養護施設に保護されており、同施設内でお子様と面会したこともあります。その際には担当の児童福祉士、児童心理士も立会って面会を実施しました。

 このように通常の環境とは異なる環境にいるお子様と面会することは、依頼者様に親権を取得させる動力源にもなり、極めて有意義な機会であったと思いました。

 

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東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 

 

投稿者: 弁護士秦真太郎

2015.07.06更新

弁護士秦 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

 

1.面会交流とは?


 

 面会交流(めんかいこうりゅう)という言葉は普段耳にしないと思いますが、ご夫婦(または元夫婦)の一方がお子様を育てている場合に、他方配偶者がそのお子様と会って交流することを意味します。以前は「面接交渉」という用語を用いることが多かったのですが、最近は「面会交流」という用語を用いるのが一般的です。

 

 例えば、夫婦の折り合いが悪くなって、奥様がお子様と一緒にご実家に別居しているときに、旦那様がそのお子様と会って話をしたり、一緒に遊んだりすること等を「面会交流」と呼びます。

 面会交流は、ご夫婦が別居されている時にも問題になりますが、離婚した後にも問題になります。

 

 

2.私が担当した事件 


 

・ご依頼者様 : 30代前半の女性(Iさんと言います)

・ご依頼内容 : 旦那様からの暴言に耐えられず離婚したい、旦那様も離婚には応じる姿勢だけれども、娘様の親権を譲る意思はないとのことでしたので、親権を獲得して欲しい、親権獲得時には、面会交流についてもきっちりと約束したいとのご依頼内容でした。

 この事件は、離婚協議、離婚調停がいずれもまとまらず、離婚裁判に発展して争われました。

 

なお、この事件の相手方 : 30代前半の男性、お子様 : 保育園に通う娘様お一人、家庭環境 : ご依頼時別居中でした。

 

 この事件は最終的には裁判所が仲介する形で和解が成立し、事件解決したのですが、この事件では和解の際に面会交流の条件をきめ細かく定めた事が特徴的な事件でした。

 

 

3.この事件で面会交流の条件を、きめ細かくした理由


 

 Iさんの旦那様は、結婚生活の中で、Iさんに対してだけではなく、娘様に対しても暴言を発することがあり、また、そのことを誤魔化す傾向がある、嘘をつくことも多いという事情がありました。

 

 このような事情がありましたので、Iさんは、旦那様に対する強い不信感を持っており、面会交流の条件をきめ細かく取り決めて欲しいと強く希望していました。

 

 また、Iさんがおっしゃっていたのは「旦那は、ずる賢いので、口約束だけでも離婚して暫くは約束を守るけれども、期間が経つと、約束を守らなくなるのではなないかと不安です」ということでした。その意味では単なる口約束よりも、裁判所の公的な書類である和解調書に約束事項をきちんと書き込んで欲しいと話していました(裁判中の和解手続きで、当事者間の話し合いがまとまった場合、その内容は、「和解調書」という書類にとりまとめていくことになります。)

 

4.実際の面会交流条項


 

 実際の裁判の和解条項では、以下のような形で面会交流の条項が盛り込まれました。

 

■原告(旦那様)と○○(お子様)との間の面会交流について、以下のとおり定める。

(1)頻度           1ヶ月に1回

(2)時間           1回につき9時間以内、終了時間は午後7時以前とする。

(3)場所           (2)の時間帯でおさまる限度で移動可能な場所

(4)方法       原告(旦那様)が被告(奥様)方に○○(お子様)を迎えに行き、面会交流ができる場所に移動する。面会交流終了時には被告(奥様)が原告方(旦那様)に○○(お子様)を迎えに行き帰宅する方法

(5)連絡方法 日程の連絡は、原告(旦那様)が被告(奥様)に対して、実行日の2週間前までに連絡する。その上で、面会交流の日時や面接場所等について、協議を行う。

                             なお、協議については、メールを用いて行なうこととする。

(6)その他      

①原告(旦那様)は面会交流の実施にあたっては、○○(お子様)の年齢、性別、体調、意思、保育園・学校等の行事に配慮しなければならない。

②当事者は、協議により、前記日時、場所、方法等必要な事項を変更することができる。

 

 

5.面会交流の条件は細かい方が良いのか簡単な方が良いのか。


 

 当職の長年の弁護士経験からしますと、上記のように面会交流の条件を事細かに定めることは稀で、もっと簡単な形で合意することの方が多いように思われます。例えば、簡単な面会交流条項とする場合には、「被告(奥様)は、原告(旦那様)に対し、月1回程度○○(お子様)との面会交流を認める。原告(旦那様)は面会交流の実施にあたっては、○○(お子様)の体調、意思、行事等に配慮しなければならない。」といった表現しか盛り込まないということもあります。

 

(1)面会交流の約束を簡単にするメリット

 面会交流の条件を簡単にするメリットは、今後のお子様の成長に応じて面会交流の条件を柔軟に変更することが可能になるというのが最大のメリットといえます。「月1回程度」としておけば、必ず1ヶ月に1回面会交流させなければならないと言うこともないので安心でもあります。

 また、離婚の際には、養育費や財産分与と言った様々な問題を議論していることが多いので、面会交流の条件を細かくしますと、その条件の当否が新たな火種になることがあり、問題を複雑化しないために、面会交流の約束は簡単にすると言うことがメリットになり得ます。

 

(2)面会交流の条件をきめ細かく約束するメリット

 他方、簡単な条件しか決めませんと、実際面会交流させる際に、詳しい条件などについて細かなやり取りをしなければならなくなってしまいます。そのため、あらかじめ面会交流の骨組みを決めておけば、その都度の面会交流で細かいやりとりをする必要がなくなります。

 また、離婚後の面会交流において、面会交流の条件などを電話などで伝えるだけですと、後から「言った」「聞いていない」の論争が起きる可能性があります。そのため、あらかじめ面会交流の条件をきめ細かく決めておきますと、その内容は、和解調書にきちんと書いてありますから、約束に違反したのかしていないのかが明確になります。

 

5.面会交流の条件の決め方


 

 上記は、面会交流の条件について詳しく定めたケースですが、面会交流の定め方は、そのご夫婦が抱えている問題点等を考慮して、総合的かつ漏れがないように定める必要があります。もちろん、上記のように面会交流の定め方は簡単に定める方法の方が一般的ではあるのですが、簡単な定め方では不安があるという方も多いと思います。

 

 その様な方は、是非、面会交流の条件付けについてノウハウのある弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2015.06.29更新

 弁護士秦

  こんにちは東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。モラハラ・DV情報盛りだくさん!弁護士秦のモラハラ・DV総合サイトは>>こちら<<になります。

 

 

1.私が担当した事件 


  

①ご依頼者様 : 60代前半女性(Eさんとします)

②ご依頼内容 : 夫が酒びたりであり、しかも飲酒すると暴力をふるってくるので怖い、離婚話を持ち出す逆上するため、当人同士での話し合いができないので、離婚の道筋をつけてほしいというご依頼内容でした。

 

③その他関係者概要等

交渉相手: 60代前半の旦那様 、 お子さん: すでに成人したご長男様とご長女様 、 家庭環境: ご依頼時別居中

④モラハラ・DV概要

モラハラ)1日中飲酒しており飲酒代が嵩むため、生活が常に苦しい、飲酒を制限する様に言うと凶器を持ち出して脅してくる、飲酒中こちらを侮辱する様な発言をしてくる、怒鳴ってくる、こちらを困らせるために出て行けとか離婚しろと言ってくる。

DV)酔った勢いで家具などを壊す、飲み過ぎを注意すると殴る蹴るの暴力をふるってくる。 

 

 私がEさんから相談を受けた際には、旦那様が奥様への傷害事件で逮捕されている状態でした。

 

 

2.まずは、Eさんからしっかりお話を聞くこと


 

 モラハラ・DVの案件では、Eさんの被害の全容を解明するため、まずは、Eさんから詳しくお話を聞く必要があります。モラハラ・DV被害を受けた方にとっては話しづらい部分もありますが、被害全容が分かりませんと、的確に事件処理できませんので、じっくりとお話をお伺いします。

 

 Eさんは、私が詳しくご質問をしても、特に言葉に詰まられると言うこともなく、はっきりとお話をしていただきました。なるべく、私の方もEさんが緊張しない様にゆっくり・じっくりとお話を聞かせてもらいました。

 

 

3.Eさんからのご相談に対する対応


 

 Eさんとじっくりお話をさせていただいて、Eさんの一番の心配事は、まずは、モラハラ・DV夫が釈放された場合に、奥様の住まいについてどうすればよいのかということと、これを機に夫側と離婚したいので、その手助けをして欲しいということが分かりました

 

 お住まいについては、奥様のご親戚の家に居候させてもらうことにしました。DVの被害を受けている場合には、シェルターに避難するという方法もあるのですが、長期間シェルターに避難しておくことはできず、いずれは、どこかしらの住まいに引っ越さなければなりません。そこで、新しい転居先の目星がついているのであれば、そこに避難するようにご助言致しました。

 

 

4.Eさんとの連絡のシャットダウン


 

 まず、私は、モラハラ・DV夫が警察留置場から釈放される頃を見計らって、夫宛に内容証明郵便を送り、奥様を探すような行動を取らないこと、奥様宛に直接連絡を取らないことを要求するとともに、私の法律事務所を唯一の連絡手段としました。

 

 当然、Eさんの方では、今まで利用していた携帯電話を解約し、新しい携帯電話を利用するようにして、物理的にも、夫側から連絡が取れないようにしました。

 

 

5.モラハラ・DV夫が必死にEさんの所在を探り始めた


 

 上記の通り、Eさんが私の所にご相談に来られた時には、相手は警察署に拘束されていましたので、その間こちらでも準備を調えることができました。

 

 具体的には、相手が自宅に戻ってくる前に、Eさんの引越は全て済ませておきました。

 

 普段から暴力をふるうようなDV夫様は、奥様のことが思い通りにならないと怒り始めてしまうという人間が多いので、奥様が弁護士を雇ったことに対して非常に憤慨しているケースが多いです。そのため、奥様に対して問いただしたいという様な気持ちで探し回るケースも多いです。

 

 今回のケースでも、モラハラ・DV夫は、私からの警告にも拘わらず、お子様(既に成人しております)やEさんの親戚などに電話をかけて、Eさんの住まいを探ろうとしました。ここは、お子様やご親戚とも十分連携することができましたので、ご親族は皆様口を揃えて「私の所には来ていない。どこで暮らしているのか私も分からない」との返事を繰り返してもらいました。

 

 そうすると、連絡窓口が私の所しかありませんので、モラハラ・DV夫は、私の所に毎日のように電話をしてくるようになりました

 

 

6.モラハラ・DV夫との話の概要


 

 暴力をふるうようなDV夫との話し合いでは、私は心がけていることが一つあります。それは、冷静かつ根気強く対応すると言うことです。

 

 暴力をふるうようなDV夫は、弁護士が相手でも、私のことを脅してきたり、暴言を吐いてきたりということも当然にあります。ただ、これに対して、こちらも声を荒げてしまうと、話し合いをすることができなくなってしまいます。

 

 もちろん、事前に夫側と話をして約束などをしているのに、夫側がそれを平気で破るような場合には、必要な注意はいたしますし、その際に声が大きくなってしまうこともありますが、なるべくこちらが感情的にならない様注意して話をします。

 

 今回のケースでも、夫側は、普段は穏やかな話しぶりなのですが、明らかに飲酒して電話をかけている様子の時には、私もかなりの暴言を受けました。

 

 特に、このケースでは、夫側が奥様に会いたいという希望が非常に強く、毎日の様に電話をしてくるのですが、毎日の電話の内容はほぼ、奥様に直接会って話がしたいというものでした。具体的には、自分が反省しており、気持ちを入れ替えたので帰ってきてほしいと言うことを奥様に伝えて欲しいという話から始まり、その話を私が奥様にきちんと伝えてくれているのか、奥様はどのように反応したのかといった話、結局直接会うことができないのかといった話が延々と続きました。また、奥様宛の郵便物が届いたから、直接本人に会って渡したい。子供のことで相談事があるから自宅まできて欲しい等々様々な理由をつけて奥様に会いたいという話をしてきました。

 このような話に対しても根気強く「奥様はあなたには会えない。怖がっている」という返答を繰り返しました。

 夫側も飲酒していないときには、話がくどい程度で声を荒げることは少ないのですが、飲酒しているときには、「俺が心を入れ替えたことをあんたはちゃんと家内に伝えているのか」と言った形で私のことを怒鳴ってくることも何度かありました。

 

 そんなときにも、丁寧かつ根気強く説明することを心がけ、電話を切る時には夫側もだいぶ落ち着いた様子で受話器を降ろされることが多かったように思います。

 

 

7.スピード離婚


 

 前述の様に夫側は、奥様に一目でよいから会いたい、ボタンの掛け違いになっているだけで本当は奥様も旦那様のことを愛しているんだといった話が延々とありましたが、私は奥様のお気持ちを丁寧に粘り強くご説明しました

 夫側からは毎日のように電話があり、長い時には2時間近くも電話で話をしました

 

 しかし、夫側は、離婚は絶対にしたくないとの一点張りでしたので、私も離婚調停の準備に取り掛かっていました。

 

 モラハラ・DV夫は私に対しては、離婚したくないとの意思を強く言っていましたが、私の方から奥様の意向を強く伝えていましたので、内心では離婚しなければならないとの気持ちは芽生えていたようです。

 夫側は息子様にご相談されたようで、息子様からの話も受けて、離婚届にサインすることに同意してくれました。

 

 奥様とは慰謝料を請求するか話し合ったのですが、夫側は年金暮らしで預貯金もほとんどありませんでしたので、慰謝料を要求して時間がかかるよりも、早く離婚してこの問題から解放されたいということで、慰謝料は要求せずに離婚することにしました。

 

 奥様が初めて私にご相談をされてから2ヶ月でのスピード解決でした。

 

 

8.あと書き


 

 今回のケースでは、息子様の協力もあってスピード離婚に結びつきましたが、実際には、モラハラ・DV夫が復縁の意思を崩さずに手続が長期化することの方が多いと思います。

 

 ただ、今回のように、短期間の間にも、私が夫側と長時間話をする機会がありましたので、その様な話を通じて夫側も復縁を諦めざるを得なかったのだと思います。

 

  

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