2018.09.25更新

弁護士秦 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

 内縁継続中(要するに相手との同居解消前)に内縁の夫の不倫が発覚した場合でも、①内縁の証明や②不倫の証明といった問題点があるのですが、内縁関係が解消してしまった後に不倫慰謝料を請求する場合、色々な問題が発生してきますので、注意が必要になります。

 以下では、内縁関係が既に解消した「後」のケースで、どんな問題が発生するのかについて解説していきます。

 

1.内縁関係(事実婚)特有の問題点


 

 

 内縁関係が解消した後の慰謝料請求については、離婚と同じように内縁が解消していることをどう評価するのかといった諸処の問題があるのですが、内縁関係(事実婚)特有の問題もあります。詳しくは以下の様な問題です。

 

(1)内縁の夫が「最初から内縁(事実婚)なんかじゃなかった」と言い始めるリスク

 内縁関係は、結婚の様に入籍届けをしませんので、内縁関係を直接公的に証明する書類は存在しません。

 そのため、内縁の夫が言い逃れのために、最初から内縁(事実婚)なんか存在しなかったと言い始めるケースがあるのです。

 

 そもそも、内縁関係とは、婚姻届を提出していないけれども、婚姻意思を持って、夫婦共同生活を営んでいる関係などと言われたりします。事実上夫婦としての生活を送っているため「事実婚」と言われることもあります。

 要するに、①婚姻意思を持って(要するに「結婚するつもりがあって」)、②夫婦共同生活を営んでいる(同居して夫婦同様の生活を営んでいる)事が必要になります。

 相手が内縁関係を否定しても良い様に、内縁関係にあることの証拠は集めておいた方が無難でしょう。

 

(2)内縁解消の時期についてお互いの言い分が食い違うケース

 内縁解消の際に、お互い協議書や覚え書きといった書面を取り交わしていればよいのですが、そのような書面の取り交わしがない場合には、内縁解消の時期について争いになるケースも多く見られます。

 もちろん、内縁の夫側は、実際の内縁解消時期よりも「もっと前から関係は切れていた」といった主張をしてくることになります。

 LINEやメールでも結構ですので、相手との内縁解消の時期が分かる証拠があると心強いです。

 

 

2.消滅時効のことだけ考えていればよいと勘違いしていませんか?



 

 インターネットでの情報を見ておりますと、

 

質問:既に内縁は解消してしまったのですが、同居中、内縁の夫が浮気していたことが分かったのですが、その場合慰謝料請求できますか?

回答:慰謝料請求権の消滅時効期間は3年間ですので、不倫発覚後3年以内でしたら請求可能です。

 

 といった記載をよく見かけますが、このような記載は非常に誤解を招く回答だと思います。内縁解消後の不倫発覚のケースはそう単純な問題ではありません。

 

 

3.そもそも不倫慰謝料は何故発生するのか


 

 そもそも、相手の不倫で慰謝料が発生するのは、不倫によって内縁関係が破綻し、そのことで大きな精神的痛手を受けるからです。この「内縁関係の破綻」というのは、より砕けた言い方をしますと、「内縁(事実婚)夫婦としてやり直すことが不可能なほどに仲が悪くなっている」ということです。

 そのため、内縁関係が完全に破綻した後(例えば完全に別居してから数年経過後など)の不倫に対しては基本的に慰謝料が発生しません。

 

 

4.既に内縁解消してしまっていることの位置付け


 

 このように不倫慰謝料は、そのことで内縁関係を破綻させてしまうことが大きな要因で発生するものです。他方、既に内縁関係(事実婚)が解消している場合には、不倫以外の原因で内縁関係が破綻していると言うことになりますから、慰謝料の原因にならないのではないかが問題になるのです。

 

 結論から申しますと、内縁夫婦である以上、内縁を解消するまではお互いに貞操義務がありますから、仮に、不倫発覚が内縁解消後であったとしても、その不倫が内縁期間中に行われたものである限り、慰謝料責任が直ちにゼロにはならないと思われます。

 ただ、その場合でも、内縁(事実婚)期間中に不倫が発覚して離婚に至ったケースと比較して、請求できる慰謝料額は低くならざるを得ないように思われます。

 

 内縁解消後に不倫が発覚したケースでは、通常の慰謝料決定要因に加えて、①当初の内縁解消に至る経緯や②不倫発覚の経緯も不倫慰謝料額に影響を及ぼすと思われます。

 

 

5.既に別の理由で慰謝料を貰っている場合


 

 例えば、内縁解消の際不倫が発覚していなかったものの、内縁解消にあたって慰謝料を支払うケースはあります。特に内縁の夫側の一方的な要求で内縁を解消せざるを得なかった様な場合には、慰謝料のやりとりをすることの方が多い様に思われます。

 

 このような慰謝料は、不倫とは全く関係なく支払われたものですが、内縁関係を解消するにあたって慰謝料という名目で金銭の支払いがなされている場合、その金額は、今後の不倫慰謝料請求にも影響を及ぼすことがあり得ます。

 例えば、財産分与とは別に慰謝料名目で1000万円を支払っているというようなケースでは、仮にその時点で不倫が発覚していなかったとしても、追加で不倫慰謝料を請求できないという事態もあり得ると思います。

 

 

6.清算条項があった場合


 

 内縁関係を解消するにあたって、内縁解消の諸条件について話し合って、協議書などを作成している場合があります。

 その様な場合、協議書に「お互いに債権債務がないことを相互に確認する」と言った条項(いわゆる「清算条項」)を入れることが一般的です。これは、お金のやり取りは、この協議書に書いてある事項だけにして、他のやり取りはしないという意味になります。

 

 協議書を作成した際に、相手の不倫について全く気付いていなかったという場合には、協議書作成時に慰謝料請求権を放棄したとまでは言えないでしょうから、慰謝料を請求し得るでしょう。

 他方、相手に女性がいることを薄々分かっていたけれども、早期内縁解消を優先したという場合には、慰謝料請求のハードルは上がると思います。

 

 

7.証明の問題


 

 当然のことですが、正式に内縁解消した後にどのような異性と交際を開始しても、それは自由ですので、交際スタートが内縁解消後の場合、相手に慰謝料を請求することは難しいです。

 そのため、その様な不倫行為が婚姻中に行われていたということを証明しなければなりません。

 内縁解消してから月日が経てば経つほどその証明は難しくなります。

 

 

8.消滅時効


 

 前述の通り、不倫発覚後3年以内という時効期間がありますので、3年以内に請求しなければなりません。

 なお、この場合の請求は、相手にただ書面で請求するだけでは足らず、裁判を起こすなどして裁判所を介して請求しなければ時効は中断しませんので注意が必要です。

 

 

9.まとめ


・内縁の場合には、離婚よりも内縁の夫が内縁を理由とする反論をしてくる可能性があるため、それに備える必要がある。

・内縁解消後の不倫慰謝料請求については、不倫以外の理由で内縁解消しているため、慰謝料が減額される可能性が高い。

・内縁解消の際に慰謝料を貰っている場合、そのことが今回の不倫慰謝料で考慮される可能性がある。
・清算条項がある場合、不倫慰謝料請求できるかは場合分けが必要である。
・内縁解消前に相手が不倫していたことの証明は簡単ではない。
・不倫発覚後3年の消滅時効期間内に請求する必要がある。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2018.09.18更新

 弁護士秦

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1.そもそも同居男性との関係が内縁(事実婚)と言えるか?


 

 あなたと同居男性との関係が内縁関係と言える場合には、お互いに貞操義務を負っておりますので、相手の浮気に対して慰謝料請求と言った法律上の権利が発生しますが、内縁関係にないという場合には、法律上慰謝料と言った権利は発生しません。

そのため、あなたとその男性との関係が内縁と言えるかどうかは重要なポイントになります。

 

 この「内縁関係}とは、婚姻届を提出していないけれども、婚姻意思を持って、夫婦共同生活を営んでいる関係などと言われたりします。事実上夫婦としての生活を送っているため「事実婚」と言われることもあります。

 要するに、①婚姻意思を持って(要するに「結婚するつもりがあって」)、②夫婦共同生活を営んでいる(同居して夫婦同様の生活を営んでいる)事が必要になります。

 

 あなたとその男性との関係が内縁関係にあたるのかについては、様々な証拠を評価して判断する必要がありますので、あなたとして不安がある場合には、弁護士等の専門家に相談なさると安心です。

 以下では、内縁関係(事実婚)にあるという前提で解説いたします。

 

 

2.内縁の夫が浮気しているかもしれない―まずしなければ行けないことは



 

 内縁の夫の出張回数がこれまでよりもかなり多くなった、徹夜仕事と称して朝帰りが多くなったなどなど、内縁の夫の浮気が疑われる事情はいくつかあると思います。

 内縁関係が上手く行っている間は、基本的に内縁の夫の言葉を信じて、「出張なんだ」「仕事なんだ」と自分に言い聞かせていたことと思います。

 

 しかし、ふとしたことから内縁の夫が浮気をしている疑惑が生じた場合、まずは、その裏付けを得ることが非常に重要だと思います。

 単なる疑惑の段階で内縁の夫を直接問いただすという方法もあるのですが、そうしますと内縁の夫はしらを切る可能性もあり、リスクがあります。

 

 そのため、浮気の疑いを持った場合、内縁の夫が本当に浮気しているのか自分でも確証を得られるだけの証拠を掴むのがベストです。

 合わせて、相手が内縁関係を否定する可能性もありますので、その場合に備えて、あなたと男性との関係が内縁と言える様な証拠も集めておくのが無難です。 

 

 

3.その後は内縁の夫との話し合い



 

 内縁の夫の浮気に関する裏付けが取れた後は、直接内縁の夫を問いただすことになります。

 内縁の夫の口から直接浮気していたとの言葉を聞くこと自体が非常にショッキングで、大きな精神的苦痛を伴う作業ですが、この点を確認せずに今後の事実婚生活を送っていくことは難しいので、気力を振り絞って対応して頂ければと思います。

 

 この話し合いでは、ただ単に浮気をしていたかどうかだけではなく、その経緯や浮気の頻度・回数、不倫相手がどのような人物なのかなどについても問いただすことができればベストです。また、内縁の夫側が嘘の説明をしてくる場合もありますので、場合によっては内縁の夫側の携帯電話におけるメールやSNSでの不倫相手とのやり取りを全て開示するよう要求すべきケースもあります。

 

 

4.内縁の夫側との話し合いを進めて行くにあたっては信頼できる人物に相談しながら進めた方が良い



 

 内縁の夫側の浮気という事実は、あなたにとって非常にショッキングな出来事になりますので、通常は冷静に対処することは難しいことが多いです。

 そのため、何かを決断するにあたっても、どのような方法がよいのかについて冷静に判断できないことも多々あります。

 

 そこで、ご実家のご両親や親しい友人など信用できる人物に相談しながら、内縁の夫側との話し合いを進めた方が良いです。

 

 たまに、「こんな話を両親にすると心配をかけるから、話せない」とか「私ももういい歳なので、こんな話を両親にするのは恥ずかしい」というようなことをおっしゃる方もいますが、誰かに話を打ち明けるというだけでも、随分気持ちがスッキリします。

 そのため、自分一人で抱え込まないで信頼できる方一人でよいので、相談しながら進めることをオススメします。

 

 また、内縁夫婦1対1での話し合いが上手く行かない場合には、お互いのご両親も交えて話し合いをするといった方法も検討してみて下さい。

 

 

5.自分の向かうべき方向性を決めること



 

 内縁の夫との話し合いで、浮気の全体像を把握した後は、あなた自身が内縁(事実婚)関係を今後どのようにしていきたいかを慎重に検討する必要があります。

 要するに内縁を解消したいのか、相手の浮気を今回に限って許すのかということです。

 

 これまでの内縁の夫との話し合いの中で、あなた自身も感情的になって内縁解消といった言葉を口にしてしまったり、内縁の夫からも同じような話があったかもしれませんが、その点はまず置いておいて、今のあなた自身の心境として別れたいのかやり直したいのかを慎重に考えて下さい。

 

 このような検討は重要な話ですから、前述のように信頼できる人物とも相談しながら決定するのが望ましいと思います。

 ちなみに、相手の浮気を理由にして内縁を解消する場合、あなたが解消を言い出すことにはもっともな理由がありますので、相手の方から「内縁の不当破棄だ 」といったことを言われてもあまり気にする必要はありません。

 

6.向かうべき方向性が決まったら、その方向に向かって進んでいく


 

 あなた自身が内縁解消をご判断されたのであれば、相手と内縁解消の条件について話し合いをしていくことになります。

 内縁解消の条件は重要な事柄ですから、協議書や覚書といった書面でしっかりとまとめていくことをオススメします。

 他方、あなたが今回に限りやり直すという選択をした場合、内縁の夫側には不倫誓約書を書かせるということになります。

 

 

7.最後に


 

 このような不倫の問題は、発覚に伴ってあなた自身が精神疾患にかかるなど、大きく体調を崩してしまうことも多々あります。

 このような問題はあまりズルズルと引き延ばしたくはないでしょうが、性急に進めると後悔してしまうこともありますので、ご体調にも配慮しながら、じっくりと進めていくことをオススメします。

 

8.まとめ


・ 内縁の夫の不倫が発覚した場合、まずは証拠固めをした方が良い。

・ 内縁の夫と話をする際には、不倫の詳しい内容も確認しておいた方が良い。

・ 信頼できる人物と相談しながら話を進めていくと良い。

・ 今後の方向性をキチンと自分の中で固める。

・ あなた自身の体調面にも気を遣いつつ、焦らずに話を進めない方が良い。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2018.09.11更新

弁護士秦 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

特に内縁関係に問題はないと思っていたのにふとしたことから内縁の夫側の浮気が分かったということもあるかと思います。では、その様な浮気については、どのように証明してゆけばよいのでしょうか。

 

 

1.浮気の証拠って?


 

法律上「浮気」については「不貞」などと表現しますが、これを証拠で証明するためには、端的には、内縁の夫側が不倫相手と肉体関係を持ったことを証明する必要があります。たまに、「内縁の夫からの愛情を感じなくなったのですが、内縁の夫は浮気しているのではないでしょうか?」等抽象的なご質問を受けるときもありますが、肉体関係を伴うかなり決定的な証拠があった方が望ましいものと言えます。

 

しかし、肉体関係の直接の証明として、海外などでは、①ラブホテルの寝室に内縁の夫と他の女性が着衣を纏わずに一緒に寝ている写真や②不倫相手の自宅の隣室から不倫相手と内縁の夫が体を重ねている様子を撮影した写真などが証拠とされることもあります。しかし、プライバシーの問題もありますので、日本でこれだけ直接の証拠を入手することはほぼ不可能と言えます。

 

そこで、実際の裁判などで争う場合にも以下のような証拠が、不倫の証拠になり得ます。

 

○内縁の夫が他の女性と一緒に夜間にラブホテルに入った様子と翌朝出たところを撮影した写真

 

○ひとり暮らしの不倫相手の自宅に内縁の夫が宿泊したことを示す証拠

 

○ラブホテル利用が記載されたLINEやチャット、SNSの不倫相手とのやり取り(内縁の夫のスマホにて)

 

○ラブホテルでの待ち合わせや利用後の感想などについて記載した不倫相手とのメール(内縁の夫のスマホにて)

 

○内縁の夫が不倫相手と二人で宿泊を伴う旅行をしたことを示す証拠

 

○不倫相手が自身の裸等を自撮りした写真付きメールや写真データ

 

○内縁の夫本人が不倫を詳しく告白した録音テープ

 

○内縁の夫本人が不倫の経緯等について詳しく記載して署名押印した謝罪書面や誓約書

 

○不倫相手が不倫を詳しく告白した録音テープ

 

○不倫相手が不倫の経緯等について詳しく記載して署名押印した謝罪書面や誓約書 

 

 

2.不倫の証拠として十分か十分ではないのか


  

このブログをご覧になっている方は、「一度も裁判所に行ったこともない」という方も多いと思います。一般の方が考えているよりも裁判所が不倫の証拠として認めてくれる範囲は厳格ですので、ご自身では不倫の決定的な証拠をつかんだとお考えでも、実際には裁判の証拠としては十分ではないということもあります。

 

また、上述したような証拠をいくつも集められるというケースは非常に少なく、上記で例示した証拠の1つか2つしか集められないというケースが大半かと思われます。

 

その様に不倫の証拠は不倫の被害に遭われた内縁の奥様が集めて下さった貴重な証拠ですから、その証拠が不倫の証拠として十分なのかという点は非常に重要なポイントになります。また、一つのカテゴリーの証拠を大量に入手できる場合もありますが(たとえばチャットの詳細なやりとりを収集できたので、全体で数十ページ分になるとか)、証拠は量よりも質を重視する必要があると思いますので、この点の精査も必要になります。

 

以下では、各証拠の類型に応じて、注意すべきポイントを簡単にご説明いたします。

 

①写真

その写真に写りこんでいるのが誰なのか、どんな体勢なのか(後ろ姿なのか等)、どんな場面なのかという点も重要ですが、その写真の写り具合についても十分に注意を払う必要があります。

 

ホテルへの入退室の写真を例にしてみましても、被写体は歩いていますし、調査会社が撮影した場合には被写体に発覚しないように撮影しますので、一定のブレが生じることがあります。その程度が大きいものですと、裁判の際に、旦那様が髪型等を大きく変更して、「自分の写真ではない」と言い張る可能性が出てきます。

 

また、写真に日付を印字できるようでしたらカメラの機能として、日時を印字しておくと、後から写真撮影日時を争われるリスクは減ります。

 

②LINEやチャット、SNSの不倫相手とのやり取り

こちらについては、もちろん、その内容が非常に重要なのですが、チャット等は相手とのやり取りが重要なので、内縁の夫側のチャット内容だけではなく、不倫相手からの返事等全体の流れにも注意を払う必要があります。

 

また、そのやり取りから想定される場面についても注意して下さい。たまに不倫旅行に出かけたと思っていたら、大学のサークル仲間数人での旅行だったということが分かると言ったケースもあります。

 

さらに、内縁の夫が不倫相手のことをどのように呼んでいるのか、チャットの頻度等チェックすべき項目があります。

 

 

③内縁の夫側からの誓約書や謝罪文

これについては人によって非常に両極端なように思われます。ある方は、内縁の夫がもう不倫をしないと約束しているのだから、1行「もう今後浮気はしません」とだけ書かせたり、そうではなくても、B5便せん1枚程度のもので済ませる方もいれば、10枚以上の謝罪文を要求している方もいらっしゃいます。

 

あまり簡素なものは望ましくありませんが、浮気の経緯、浮気の期間や回数、今後についてどう考えているのかと言った点について具体的に書かせることが必要だと思います。 

 

 

3.迷ったら弁護士に相談してみる


 

ご自身で証拠と向き合っていても、十分なのかどうかの結論が出ないということも多いと思います。

 

相手に対して不倫を理由として離婚を考えているだとか、慰謝料を取りたいという場合には、できる限り早めに弁護士にご相談されることをお勧めします。特にチャットなどについては、内容に応じて不倫の証拠として十分なのかどうかの見極めが難しいケースも多いので、慎重な対応が求められます。

 

私は、初回法律相談を完全無料にて対応しております(ご相談の途中から有料になるとか、ご相談にお見えになったら弁護士に依頼しなければならないということは絶対にありません)ので、是非お気軽にご相談下さい。

 

 

4.まとめ


・浮気の証拠には大別すると以下の様なものがある。

 ①写真(不倫現場への入退室時のもの等)

 ②内縁の夫と不倫相手とのホテル宿泊や不倫旅行の証拠類

 ③内縁の夫と不倫相手とのメール・LINE等のやりとり 

 ③浮気発覚後に内縁の夫や不倫相手に作成させた資料(会話録音や経緯書等)

・浮気の証拠にはその内容に応じて証拠としての価値が大きく異なってくるので注意が必要である。

・浮気の証拠として十分かどうかに迷う場合には弁護士等の専門家に相談してみると安心である。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2018.09.04更新

 

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円満な婚約関係を続けていたつもりだったのに、婚約者が陰で浮気をしていたという場合には、大変な精神的ショックを受けると思います。浮気によってもう相手を信じることができなくなり、婚約解消に発展することも多くあります。その様な場合、浮気の問題は、慰謝料という形で金銭的に精算することになります。

今回は婚約相手に慰謝料を請求するかどうかはともかくとして、婚約相手が浮気をした相手(以下「不倫相手」と言います)に対しても慰謝料を請求できるのかといった問題を解説します。  

 

 

1.まず始めに確認しなければいけないこと 


 

結論から申しますと、婚約者が浮気した場合、その不倫相手に対する慰謝料請求も認められます。ただ、①不倫相手に対する慰謝料請求であること、②婚約関係であることと言った事情を考慮した注意点があります。

 

まず始めに確認しなければ行けない事項としては、大きく二つの問題があります。

 

具体的には、①不倫相手の住所などを調べられるのか、②不倫相手の住所などが分かっているとして不倫相手を巻き込むかの二つの問題です。

 

まず、一つめの問題ですが、弁護士の調査権限には限界も多いため、弁護士に相談すれば不倫相手の住所も調べてくれると考えないで頂いた方がよいと思います。もちろん、ご依頼がありましたら、調査を致しますが、不倫相手の住所を突き止められないと言うことも往々にしてあります。

 

次に、不倫相手まで巻き込むかという問題ですが、これは、婚約者への請求との兼ね合いで問題になります。

 

少し難しい話になりますが、不倫は、婚約者と不倫相手の共同加害行為と言うことになりますので、婚約者側から慰謝料全額を回収した場合、不倫相手には慰謝料請求できないという関係にあります。

 

簡単に言いますと、慰謝料の金額が、200万円が妥当であるというケースの場合、婚約者が200万円を支払ってきた場合、不倫相手からは慰謝料をもらえないと言うことになります。

 

慰謝料200万円が妥当という場合、婚約者側から200万円プラス不倫相手から200万円の合計400万円もらえると誤解されている方もいらっしゃいますが、そうではなく、どちらかから200万円ということになります。

 

ですので、不倫相手に請求するのは、婚約者が支払いを渋っているだとか、不倫を認めていないといった場合が多いと思います。

 

ただ、お金の問題はさることながら、不倫相手の女性が何事もなく生活して行くことは許せないと思いますので、不倫相手の女性への制裁の意味も込めて、慰謝料を請求するというケースもあります。詳しくは弁護士秦(はた)までご相談いただければと思います。

 

 

2.婚約の場合、婚約破棄に至っていることが前提


 

 特に法律で、婚約が解消されていないと慰謝料を請求できないといった定めはありません。しかし、相手が浮気したのに、そのことを認識した上で婚約関係を続けると言うことになると、法律的には①浮気が婚約関係に与えた打撃は大きくなかった、もしくは、②まだ婚約していると言うことは相手のことをあなたも許していると評価される危険性が高いと言えます。

 そのため、婚約を継続したまま相手に慰謝料を請求しても、慰謝料請求そのものが認められない(要するに慰謝料額はゼロ円でよい)と言われてしまうことが多い様に思われます。

 

 夫婦間の不倫慰謝料の問題の場合、完全に離婚していなくとも慰謝料請求が認められますが、婚約の場合には、やはり正式な夫婦よりは法律的な保護が弱くなりますので、婚約が解消していないと慰謝料請求は一般的に難しいことになります。

 

 なお、婚約破棄という事情を主張すると、婚約相手の方から、そもそも婚約などしていないとか、一旦は婚約したが自然消滅したといった言い分を述べてくる場合もありますので、当初の婚約成立の裏付けが必要になるケースもあります。

 

 

3. 不倫相手からのよくある反論と、それに対する準備


 

 

 婚約のケースでの不倫相手からの言い分としては以下の様なものがよく主張されます。そのため、その裏付けについても検討すべき場合があります。

 

①【よくある反論1】婚約しているとは知らなかった

 結婚していると夫婦で住んでいる家庭がありますし、お子様がいることもあるため、不倫相手から「夫婦だとは知らなかった」という言い分は通りにくいことも多いです

 他方、婚約の場合、婚約相手と一緒に住んでいないというケースも多いですし、そもそも、入籍といった公的な手続きを経ていませんので、婚約しているのかどうかは、相手からすると「見えにくい」ということも多くあります。

 そのため、相手からは、男性が婚約しているとは知らずにつきあっていたという反論が出されることが多くあります。仮に本当に不倫相手が、あなたの婚約関係について全く知らなかったという場合、不倫相手は、あなたの婚約関係を傷つけているという認識がありませんので、慰謝料請求は認められない可能性が高いと言えます。

 

 なお、この場合の裏付けとしては、男性が不倫相手に対して婚約している旨を直接話して伝えていたといった証言が得られれば、証拠になると思います。

 

②【よくある反論2】一旦婚約したことは知っているが破断していると思っていた

 婚約は正式な婚姻の様に離婚届等の公的手続がなくても解消することができますし、婚約男性側も不倫相手の気を引くために「かつて婚約している女性がいたが今は完全に切れている」と説明するケースも多く、その場合には不倫相手もそのように信じていたということもあり得ます。

仮に本当に不倫相手が、あなたの婚約関係が破断していると信じていた場合、不倫相手は、あなたの婚約関係を傷つけているという認識がありませんので、慰謝料請求は認められない可能性があります。ただ、その場合でも、婚約男性の説明があまりに不自然であったり、疑わしい場合には、【不倫相手が信用したということに落ち度がありますから)不倫相手に責任が認められることもあるかもしれません。

 

③【よくある反論3】婚約男性はプレイボーイであり自分も被害者の一人である

 要するに婚約男性が複数女性と関係を持っており、真剣に交際していた自分も被害者の一人であるという言い分になります。

 ただ、仮に本当に婚約男性が複数女性と関係を持っていたとしても、不倫相手自身、婚約者の存在を認識していた場合、慰謝料責任がゼロになる可能性は低いと思います(但し、支払う慰謝料額が少なくなる可能性はあります)。

 

 

4.現実的には婚約男性の協力がないと難しいケースが多い


 

 

 これまで解説してきましたとおり、不倫相手に対して慰謝料請求していく場合、最初に不倫相手の住所を探り当てることから始まり、最終的には不倫相手から言われそうな反論を封じ込める様な裏付けの準備までしておいた方がベターなため、婚約男性から詳しい事情を聞くことができる環境が不可欠なことが多いです。

 そのため、婚約男性の協力がほとんど得られないという場合には、婚約男性に対する婚約破棄の慰謝料請求に集中して取り組んだ方がよいケースも多いと思います。

 

 

5.まとめ


・法律上不倫相手にも慰謝料請求は可能だが、乗り越えるべきハードルは多い。

・まず、不倫相手の住所の把握、婚約男性と不倫相手どちらに焦点を絞るのかといった点は最初に検討する必要がある。

・婚約のケースでは婚約関係を維持しつつ慰謝料を請求すると言うことは難しいことが多い。

・不倫相手からは、婚約の存在を知らなかったとか、婚約は破断していると思ったといった反論が予想されるため、そのような反論にも準備しておく必要がある。

・不倫相手への慰謝料請求には婚約男性の協力が必要なことが多いため、婚約男性の協力を得にくい場合には、婚約不当破棄の問題のみに集中すべき場合も多い。

 

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