2021.09.27更新

弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

 

1.【今からできる】離婚対策とは?


 今回は、あなたがまだモラハラ・DV夫と同居中だということを前提に、どのような準備をしておけば、確実に生活費を確保していけるのかという観点から解説していきます。
 既に別居してしまったという方にも参考にはなりますが、主として、今も同居している方を対象にしておりますのでご注意ください。
 なお、生活費のことを法律用語では、婚姻費用・養育費と呼びます。
 婚姻費用とは、離婚「前」のあなたやお子様の生活費のことを指します。これに対して、養育費とは、離婚「後」のお子様の生活費のことを指します。

 

 

2.【今からできる対策①】夫の収入をしっかりと把握しておく


 婚姻費用・養育費の計算は、実務的には、算定表に基づいて計算を行うのですが、算定表を利用するにあたっては、夫の側の年収(手取り年収ではなく額面年収です)を把握する必要があります。
 特に、夫があなたに対して収入等を詳しく開示しないというケースも多くあり、そのような場合には、まず夫側の収入を把握することが重要になります。
 現状夫はあなたと同居中ですので、区役所・市役所に行って、夫の課税証明書を入手することが可能です。課税証明書は直近2,3年分を入手しておくと、直近の変化の様子が分かって、より良いと思います。
 なお、夫が自営業者で、毎年確定申告をしているというような場合には、夫側の確定申告書のコピーを入手できれば、収入の内訳等が分かってより良いと思います(残念ながら、区役所・市役所で申請しても、夫の確定申告書コピーは入手できませんので、区役所・市役所経由以外の手段で入手する必要が出てきます)

 

 

3.【今からできる対策②】いくらもらえるのかの相場を確認して準備する


 上記のように夫の側の収入額が分かれば、算定表を使えば、婚姻費用として月々いくらもらえるのか、養育費としていくらもらえるのかの相場観が分かります。

>裁判所が公表している算定表はこちら


 このような相場が分かってくると、別居後の住まいについては家賃いくらぐらいのところにする必要があるといったことや、生活費が不足しそうなときには、予めあなた自身がパート勤務を増やして収入を増加させておくといった準備も可能になると思います。
 なお、算定表から算出される婚姻費用額・養育費額はともかく、実際の生活にこのくらいの金額がかかるので、その金額を請求したいというリクエストをなさる方もいます。


 もちろん、それで夫の側がすんなりと支払ってくれば良いのですが、支払いを拒んできたような場合には、やはり算定表の金額しかもらえないということになります。
 婚姻費用・養育費とは言いましても、夫にも自身の生活がありますので、必ずしも「こちらがこれだけ必要だから必要な額を払わせる」ということにはならないのです。
 そのため、先方が算定表の金額しか支払ってこないことも視野に入れて今後の生活のシミュレーションをしていく必要があります。

 

 

4.【今からできる対策③】別居後速やかに請求する


 婚姻費用を請求するのは内容証明郵便を利用するのが一番確実なので、事前に内容証明郵便の準備などをしておくと安心です。
 相手方出し渋ることも考えますと速やかに請求する必要があります。
 また、婚姻費用は、別居がスタートすれば別居月から当然に請求できる権利ではありません。請求月からの分しかもらえませんので、請求自体が遅くなってしまいますと、もらえる金額が目減りしていってしまいます。
 そのため、婚姻費用の請求は別居後速やかに行う必要がありますし、そのための準備は別居前から進めておくと安心です。

 

 

5.【今からできる対策④】別居時期の検討等


 お子様が私立校に通うなどしており、夫側が生活費を出し渋ると、学費の支払いに困ってしまうというケースもあります。
 そのため、別居前に今後1年分の学費を入金してもらっておき、その直後に別居をスタートさせるというように、相手方多少生活費の支払いを渋っても、今後の生活に支障を生じないようにしておくべき場合もあります。
 なお、学費や習い事等で多額の支出が生じるような場合には、前述の別居後の生活シミュレーションも大きく変わってくることになりますので、詳しいことは弁護士に相談するなどなさってください。


 また、夫の側にかなりの金額の貯蓄があるとしても、私立学費の支払い等は月々の夫婦の収入から賄っていくことになります。そのため、「夫は学費支払いのために数千万円貯め込んでいます」といったような事情があっても、そのことから直ちに学費全額を夫に請求できるということにはなりません(貯蓄分は財産分与で考慮される話だからです)

 

 

6.まとめ


【今からできる生活費獲得のための対策①】夫の収入をしっかりと把握しておく
【今からできる生活費獲得のための対策②】相場を確認して生活シミュレーションをする
【今からできる生活費獲得のための対策③】別居後速やかに請求する
【今からできる生活費獲得のための対策④】別居時期等を検討する

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2021.09.13更新

弁護士秦
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1.【今からできる】離婚対策とは?


 今回は、あなたがまだモラハラ・DV夫と同居中だということを前提に、どのような準備をしておけば、親権獲得の確実性を高めていけるのかという観点から解説していきます。
 既に別居してしまったという方にも参考にはなりますが、主として、今も同居している方を対象にしておりますのでご注意ください。

 

 

2.親権獲得の確実性を高める努力


 親権者を決める判断要素は多岐にわたるのですが、別居を開始する前に準備できる大きなポイントとしては以下のようなものが考えられます。
① 監護実績の積み上げ
② 別居にあたりお子様の理解を深めておくこと
③ 夫側からの虐待がある場合の証拠固め
④ 経済的基盤の確立
⑤ 「連れ去り」と言われないための工夫
以下詳しく解説していきます。

 

 

3.【今からできる対策①】監護実績の積み上げ


(1)監護実績とは、要するに、これまで夫婦のどちらがどのような育児の分担をしてきたのかという問題です。
 親権の争いが激化していくと、夫婦双方が「自分の方が子供の面倒をより長時間見てきた」と主張してくるケースが多く、裁判所も家庭内の実態を詳しく把握することも難しいので、監護実績について大きな紛争に発展することも多いです。
 夫が仕事をしており、朝から晩まで自宅にいない反面、あなたは、専業主婦として家事育児を全面的に担っていたというような場合には、あなたの方が監護実績が圧倒的に多いと言い切れると思います。
 しかし、昨今の新型コロナ感染拡大の関係で、在宅ワークが増えたので、夫の側が仕事をしながら育児を両立するという形態も増えてきています。また、夫婦共働きの場合には、「妻が常に自宅にいるから育児も妻がメインで担っていた」とは言いにくいと思います。


(2)一番の鍵は連絡帳
 端的に、監護実績の判断にあたって裁判所が非常に重視いたしますのは、連絡帳の記載になります。
 お子さんが小学校に上がっている場合には、小まめに連絡帳をつけないと思いますが、お子さんが保育園や幼稚園に通っている場合には毎日連絡帳をつけているケースも多いと思いますが、その記載が非常に重要なのです。
 具体的には、その連絡帳を記帳しているのが夫婦のどちらなのかという点が重視されやすいので、現状夫の側が連絡帳をつけているのであれば、すぐにでもあなたが記帳する形に変更するようにしたほうが良いと思います。また、可能であれば保育園の送迎もあなたが担当するようにすると万全です。
 また、連絡帳の記入欄も極力充実させた方が今後のことを考えると有利に働くと思います。
 例えば、今朝の朝食、昨夜の夕食の欄には、何を食べたのかだけではなく、どのくらいの分量食べたのか、その時のお子様の感想等も記載するとか、昨日の出来事も極力細かく記載するなどの工夫をすると有利になります。


(3)あとは写真
 あなたがお子様と二人で出かけたときなどは小まめに写真を取るなどして画像として保存しておくことが非常に有効です。ツーショット写真が望ましいので、ツーショット写真を意識して撮影して下さい。
 なぜ写真が重要なのかと申しますと、写真は一般的に撮影日を誤魔化せませんので、当時のお子様との関りを直接証明し得る資料になるからです。
 なお、旦那様も含めた3人で出かけた写真ですと、あなたの方が旦那様以上にお子様の面倒を見たことの証拠にはなりづらいので注意が必要です。

 

 

4.【今からできる対策②】お子様の理解を深めておくこと


 お子様がまだ幼い年齢の場合、そもそも、別居の意味等について十分理解できないと思いますし、こちらが話した内容をお子様が直接旦那様に話してしまうリスクもありますので、あまりお子様に詳しい話はしない方が良いと思います。
 ただ、お子様が小学校に上がり、例えば高学年というような場合には、別居といったことも理解できますので、別居の前にある程度話をしておいたほうが良いでしょう。


 特に小学校高学年以上になりますと、学校に仲の良い友達がいるので、「お母さんと一緒に暮らす」というよりも「仲の良い友達と離れ離れになりたくない」と感じるお子さんもいると思います。
 あまりお子さんの理解を得ずに別居を始めてしまうと、やはり仲の良い友達が通っている小学校に一緒に通いたいということで旦那側の自宅にお子様だけ戻ってしまうというケースもありますので、細心の注意が必要です。
 また、どうしてあなたが夫と一緒に暮らせないのかという理由等についても必要に応じて伝えるようにして下さい。この部分をお子様が十分に理解できていないと、別居後お子様が混乱してしまうことにもなりかねません。

 ただ、お子様がこちらの話を旦那様にも話してしまいそうだという場合には、あまり事前に話をしない方が良いと思いますので、このことにも注意して下さい。

 

 

5.【今からできる対策③】夫からお子様への虐待がある場合の証拠固め


 夫側からお子様に対して虐待と思われるような行動がある場合、その明確な証拠があれば、親権獲得にとって大きく有利になります。
 例えば、夫がお子様に対して直接暴力をふるうような場合には、その怪我の治療に病院に行き診断書をもらうのとともに、打撲の写真を撮っておくといったことが重要になります。
また、夫がお子様に対しても平気で暴言を浴びせるような場合には、その様子を録音してしまうのが直接的です。

 さらに、お子様が自分の携帯電話を持っていて、夫から厳しいメッセージなどを受け取っているような場合には、それを写真におさめて保存しておけば証拠になり得ます。
 なかなか録音などを取れないというような場合には、暴言等の問題行動があった際にはすぐに子育て支援センター等に相談し、同センターの記録として残しておくという方法もあります。
 いずれにせよ、虐待については、しっかりとした証拠を保存しておかないと、夫側は虐待をしていないと言い張る危険性もありますので、しっかりと証拠固めしておく必要があります。

 

 

6.【今からできる対策④】経済的基盤の確立


 既にお子さまが中学校に進学しており、あまり手がかからないというような場合には、あなたもパート勤務を始めたり、もしくはパート時間を伸ばすようにすれば、経済的な自立性が高まりますので、親権獲得にあたって有利に働きます。
 もちろん、まだお子様が小さ異様な場合には、まだお子様に手がかかりますので、働きに出るのは難しいかもしれませんから、あまり無理をすることは禁物です。ただ、欲を言うと多少なりとも働いていた方が、有利であることは間違いないと思います。

 

 

7.【今からできる対策⑤】連れ去りと言われないための工夫


 端的に言いますと別居を事前に夫に伝えて夫の了解を得るということです。
 もちろん、夫のモラハラ等がひどく、とても話し合いなどできないという場合には、事前に夫側に知らせずに別居を実行するしかありませんが、可能であれば、事前に話をしておいた方が、「連れ去り」批判をかわしやすくなるのは事実です。
 ただ、夫側の了解を得ないと「連れ去り」になるのかというと、そうではありませんので、前述のように実際上夫に伝えることが難しい場合には、無理をせず別居を断行して下さい。

 

 

8.まとめ


【今からできる親権獲得のための対策①】監護実績の積み上げ
【今からできる親権獲得のための対策②】別居にあたりお子様の理解を深めておくこと
【今からできる親権獲得のための対策③】夫側からの虐待がある場合の証拠固め
【今からできる親権獲得のための対策④】経済的基盤の確立
【今からできる親権獲得のための対策⑤】「連れ去り」と言われないための工夫

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2021.09.01更新

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こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)真太郎です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、モラハラ情報盛りだくさん!弁護士秦のモラハラ総合サイトは>>こちら<<になります。

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1.モラハラとは何だ?


 

 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。


今回は、このようなモラハラ夫の中でも「ともかくこちらを監視したがる夫」を取り上げて、その夫との別居や離婚を決意した時、どのように対応すればよいのかについて解説します。
ここでの「ともかくこちらを監視したがるというのは、
①自宅に監視カメラやレコーダーを設置して、盗撮・盗聴行為をする、とか
②あなたの携帯電話や郵便物、財布の中身、手帳等を頻繁にチェックしてくる、とか
③あなたの携帯電話にGPSアプリ等をダウンロードすることで監視してくる、とか
④こちらの行動を執拗に確認してくる(飲み会に行っただけなのに、誰と会っていたのかと執拗に聞かれるとか、通話相手を執拗に訪ねてくるとか)、とか
⑤勝手に門限を決めたり、飲み会の回数や友人とのランチの回数を制限してくる、とか

⑥あなたが働きに出ることを禁止してきたり、禁止はしないとしても、あなたの職場の同僚や上司のことなどを執拗に質問してくる、とか

⑦家計の管理と称して、こちらのレシートの内容などについて執拗に使途などを質問してくる、とか
の例があります。


今回のブログは、このようなモラハラ夫との円満生活を目指すということではなく、当該モラハラ夫と別居・離婚する決意を固めた方向けのブログになりますので、ご留意の上、お読みください。

 

 

2.「ともかくこちらを監視したがる」というのは、相当数あるが、必ずしも主流派ではない


私も日頃からモラハラ夫と対峙していると、「ともかく奥様のことを監視したがる」夫と対峙することも相当数あります。
ただ、このような「ともかく奥様のことを監視したがる」という特性がモラハラ夫で多く見られる特徴かというと、そうではない印象です。
私がモラハラ夫と対峙していると、独自の考え方を持っており、そのことへのこだわりが強いとか、「どのモラハラ夫にも共通する」と思われる共通点があることも多いのですが、「ともかく奥様のことを監視したがる」という特徴は、モラハラ夫の中でも必ずしも主流派の特徴ではないと感じるのです。


もちろん、主流派でないからと言って、これが「モラハラに該当しない」ということではありませんし、監視が行き過ぎると奥様のプライバシーは一切なくなってしまいますので、常に緊張感を持って生活しなければならず精神的にもつらいことが多いかと思います。また、主流派ではないのですが、監視型のモラハラの場合には、私が相談を受ける時には、相当エスカレートしているケースが多く、悪質だと感じるケースも多いです。

 

 


3.モラハラの証拠集めのポイント


 奥様の行動を監視したがるとは言っても、常時監視カメラを設置していたり、盗聴しているというケースは稀なので、監視の現物等を証拠化できるケースは少ないと思います。
 そのため、実際には夫からの監視行動を口頭でこちらから指摘し、夫との話し合いの内容を録音しておくということが一番簡易な証拠化の方法ではないかと思います。
 もちろん、夫側から「いつも監視しているんだぞ」といったようなLINEやメールが来るようであれば、それもモラハラを証明する一つの証拠になり得ます。
 なお、盗撮・盗聴にまで発展すれば、それは明らかな行き過ぎですが、例えば、あなたが飲み会に行った際に、参加メンバーを尋ねたり飲み会の趣旨を尋ねたりすることは、明らかな行き過ぎとまでは言いにくいと思いますので、どこまで行くと「度を越した監視」と言えるのかの線引きは難しいことも多いです。

 いずれにせよ、証拠化で悩むことがあれば、遠慮なく弁護士に相談して下さい。

 

 

4.自分で別居・離婚を切り出すべきか


 このように監視行動に出るモラハラ夫は、奥様に対する独占欲が強いことが多いので、あなたの方から別居や離婚の話を切り出すとどのような行動に出るか分からないという不安があります。
 また、事前に別居を予告してしまいますと、あなたの別居先等を必死に探り出そうとするリスクが高いです。
 そのため、あなたの方から直接別居や離婚は切り出さないほうが良いケースが多いかと思います。


 もちろん、夫からの監視行動が、そこまで極端なものではないということでしたら(少なくとも別居等を切り出したときに、あなたの鞄を勝手にあさって別居先を割り出そうとしたりしないようであれば)、あなたから別居や離婚を切り出してみても良いかもしれません。
 また、あなたの別居先がご実家など、夫側もすでに知っている場所なのであれば、あなたの方から別居を直接切り出しても大きな不安はないかもしれません。

 

 

5.親族等を交えて話をすることは効果的か?


 前述の通り、事前に別居や離婚を切り出すと、余計に監視行動を強めてしまうリスクが高いので、親族等を交えての話し合いも避けたほうが良いケースが多いと思います。

特に、監視型のモラハラ夫は、あなたに対する独占欲が強いことが多く、夫婦や家族関係のことを、あなたの親族等に知られることにも抵抗を示すことが多いです。そのような観点からも、親族を交えて話をすることは極力避けた方が良いと思います(あなたの方からご親族に話をすることは良いのですが、そのことを夫側に知られるのは避けた方が良いという意味です)。

 

 

6.別居のタイミングは?



 前述のように、あなた自身がモラハラ夫と直接話をすることが可能な場合には、その話し合いの進捗を見つつ、別居のタイミングを検討していくことになります。話し合いが順調に進むようでしたら、先に離婚届を提出して、その後に別居するという手順になることもあります。
 逆に、モラハラ夫と直接話をすることが難しいような場合には、まずは、何も告げずに別居するところからスタートするというケースの方が多いと思います。その場合の別居のタイミングについては、①あなた自身が今の生活にどの程度の期間耐えられるのかという点と、②別居後の生活を経済的にどのように成り立たせるのか、③お子様への説明等との兼ね合いで時期を検討していくことになります。②の経済面については、夫側から婚姻費用を得られるという点を考慮しても良いのですが、モラハラ夫は、こちらの別居後は生活費を出し渋るケースが非常に多いため、少なくとも別居後数か月の生活は維持できる経済的基盤を整えておく必要があります。

 

 

7.弁護士はどのような進め方をするのか


 監視行動については、奥様に隠れて行われるものが多く、しっかりとした証拠がないと、弁護士が尋ねても、モラハラ夫は事実を否定することが多いです。
 そのため、まずは、当該監視行動の証拠確認を綿密に行います。
 次に、監視行動については、モラハラ夫側から都合の良い理由が述べられることも多いので(実際に私が担当した事件では、盗撮行為について、自宅のリフォーム中だったので、工事業者の行動をチェックしておく必要があったといった言い逃れをしてきたケースもあります)、それに対する反論の準備も必要になります。
 しっかりとした準備が整った後に、モラハラ夫と直接話をしていくことになります。


 なお、監視行動の証拠集めは困難なことが多い反面、このような監視行動をするモラハラ夫は他にもモラハラ行動に出ていることが多いため、他のモラハラ行動の証拠を示して交渉を進めていくというケースも多くあります。
 いずれにせよ、夫側が離婚拒否姿勢でなければ、協議離婚を目指しますが、夫側が離婚拒否姿勢の場合には、離婚調停に手続きを進めていくことになります。

特に強く監視したがるモラハラ夫の場合には、弁護士が介入してきたことそのものに反発してくることが多いです(妻に対する独占欲が強いため、弁護士の存在が非常に邪魔に感じるということです)。そのため、監視傾向が強い場合には、あまり離婚協議に時間をかけずに、早めに調停を起こすケースが多いです。

 


8.まとめ


・「ともかく奥様を監視したがる」というのは、モラハラ夫の主流派の特徴ではないように感じる。
・監視行動の証拠をつかむことは難しいことが多い。
・あなたが直接別居を切り出すと、モラハラ夫はあなたの別居先を必死に探ろうとするので、直接伝えないほうが良いケースが多い。
・ただ、あなたの別居先が実家など、モラハラ夫もすでに知っている場所の場合等では、あなたの方から直接別れ話を切り出しても良いかもしれない。
・親族等を交えて話をする場合にも、モラハラ夫からの監視行動を強めそうであれば、事前に話をしない方が良いケースが多い。
・監視行動は隠れて行われることが多いが、証拠がつかめているようであれば、弁護士との間で、その確認等を事前にしっかりと行ったほうが良い。
・しっかりと準備した上で交渉に臨まないと、モラハラ夫の方から言い逃れされてしまうことが多いので注意が必要である。

 

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>>【モラハラタイプ別対処法2】ともかく外面が良いモラハラ夫への対処法

 

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1.モラハラとは何だ?


 

 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。


今回は、このようなモラハラ夫の中でも「ともかく引きこもりがちな夫」を取り上げて、その夫との別居や離婚を決意した時、どのように対応すればよいのかについて解説します。
ここでの「ともかく引きこもりがち」というのは、
①こちらの行動や言動が気に入らないと、自室に籠ってしまい何日も出てこない(最低限食事を取りに来るとか仕事の時だけリビングに出てくる)、とか
②引きこもっている間は、普段の育児の分担や育児のサポートもしなくなってしまう、とか
③理由は分からないし、理解できないが、突如こちらを無視するようになる、とか
の例があります。
このようなモラハラタイプは、普段から自室で過ごすことが多いという特性を超えて、一定の出来事があったときに、こちらへの嫌がらせ等のために、引きこもり行動に出るようなケースが多いです。


今回のブログは、このようなモラハラ夫との円満生活を目指すということではなく、当該モラハラ夫と別居・離婚する決意を固めた方向けのブログになりますので、ご留意の上、お読みください。

 

 

2.「ともかく引きこもりがち」というのは、相当数あるが、必ずしも主流派ではない


私も日頃からモラハラ夫と対峙していると、「ともかくひきこもりがちな夫」と対峙することも相当数あります。
ただ、このような「ともかく引きこもりがち」という特性がモラハラ夫で多く見られる特徴かというと、そうではない印象です。
私がモラハラ夫と対峙していると、独自の考え方を持っており、そのことへのこだわりが強いとか、「どのモラハラ夫にも共通する」と思われる共通点があることも多いのですが、「ともかく引きこもりがち」という特徴は、モラハラ夫の中でも必ずしも主流派の特徴ではないと感じるのです。


もちろん、主流派ではないから、「モラハラに該当しない」というわけではありませんし、突如理由も分からずに夫が引きこもって家事や育児に協力してくれないと、あなたはもちろんお子様達も混乱しますし、生活しづらくなってしまうと思います。

 

 


3.モラハラの証拠集めのポイント


 夫側が、引きこもり・無視というタイプのモラハラ行動に出る場合、それを直接証明する証拠を得ることはかなり難しいです(無視といった行動は音声等を伴わないので、証明が困難なのです)。
 ただ、モラハラ夫が無視の期間→普段通りの期間→無視の期間というように一定のローテーションがある場合、普段通りの期間の間に、どうして引きこもったのかとか無視したのかといったことをLINEやメールで尋ねて、夫側が引きこもり等を認めたら、それは一つの証拠になります。
 また、引きこもりや無視よりも、一時的に普段の家事分担や育児分担を放棄したということが証明できれば、その方が証拠の価値は高いことが多いです。
 いずれにしましても、証拠集めのことなどで迷うようなことがあれば、遠慮なく弁護士秦まで直接ご相談ください。

 

 

4.自分で別居・離婚を切り出すべきか


 このタイプのモラハラ夫の場合、こちらが別居や離婚を切り出した場合、引きこもりや無視が始まるだけで、あなたに対する有害性は低いことが多いと思います。
 そのため、一旦はあなた自身から直接別居や離婚を切り出してみたほうが良いと思います。
 ただ、このタイプのモラハラ夫は自閉的な特質が強いため、あまり繰り返し別居や離婚の話を伝えると、仕事を辞めてしまったり、自殺未遂のような行動に出てしまうというようなケースもありますので、あまり頻繁に繰り返し話をするというよりも、ある程度期間を置きつつ話をしたほうが良いと思います。
 いずれにせよ、モラハラ夫側の様子を見ながら、話を続けていくという姿勢が重要だと思います。

 

 

5.親族等を交えて話をすることは効果的か?


 前述の通り、あなたと夫の二人での話し合いが可能であれば実践してみたほうが良いと思いますが、折角別居や離婚話をしても、モラハラ夫側が引きこもってしまって全く議論が進捗しないとか、繰り返し話をしても、こちらがアクション(実際の別居開始等)を起こさないので、こちらの本気度を疑われてしまうということもあると思います。
 そのような場合には、親族等を交えて話をし、以前よりも大きな話になっているという自覚を持たせたほうが良いと思います。
 ただ、親族を交えて話をしても、夫はともかく黙ったままで話が進展しないというような場合には、調停を起こすとか、弁護士に依頼するといったことも視野に入れたほうが良いかもしれません。

 

 

6.別居のタイミングは?



 前述のように、あなた自身がモラハラ夫と直接話をするか、親族を交えた話をすることが可能な場合には、その話し合いの進捗を見つつ、別居のタイミングを検討していくことになります。話し合いが順調に進むようでしたら、先に離婚届を提出して、その後に別居するという手順になることもあります。

 なお、今回のケースのように、モラハラ夫が引きこもりがちの場合には、1,2度話をした後に、意図的にモラハラ夫側がこちらとの接触を避けようとしてくる(ほとんど自室から出てこなくなる)というケースも多く、期間ばかりが経過してしまうというケースもあります。そのため、あまりに話が長期化しそうであれば、ある程度のところで見切りをつけて、別居を始めてしまうとか、弁護士にバトンタッチするなり、調停を起こすなりのことを考えた方が良いと思います。


 逆に、そもそも、モラハラ夫と直接話をすることが難しいような場合には、まずは、何も告げずに別居するところからスタートするというケースの方が多いと思います。その場合の別居のタイミングについては、①あなた自身が今の生活にどの程度の期間耐えられるのかという点と、②別居後の生活を経済的にどのように成り立たせるのか、③お子様への説明等との兼ね合いで時期を検討していくことになります。②の経済面については、夫側から婚姻費用を得られるという点を考慮しても良いのですが、モラハラ夫は、こちらの別居後は生活費を出し渋るケースが非常に多いため、少なくとも別居後数か月の生活は維持できる経済的基盤を整えておく必要があります。

 

 

7.弁護士はどのような進め方をするのか


 弁護士が間に入ると、夫側も自分の意見を表明してきたり、夫側の方でも弁護士を立ててくるという対応を取ってくることが多いです。
 弁護士の前で黙っていたのでは、どんどん手続きが進んでしまい、悪い方向に進んでいくということはモラハラ夫でも分かるので、このような事態の悪化を避けたがるのです。
 夫側に弁護士がついて、離婚に応じる姿勢の場合には、協議離婚による解決が可能かを調整していくことになりますし、あくまで夫側が離婚を争う姿勢なのであれば、離婚調停を申し立てていくことになります。
 ただ、稀に、モラハラ夫とほとんど音信不通になってしまうケースもあり、その場合には、調停→裁判というように手続きを進めていくほかなくなります。

 

 

8.まとめ


・「ともかく引きこもりがち」というのは、モラハラ夫の主流派の特徴ではないように感じる。
・「ひきこもり」の直接の証明は非常に難しいので、家事や育児の放棄という観点から証拠集めをすることが多い。
・あなたが直接別居・離婚を切り出しても、夫側は引きこもるだけで、あまり大きな害額はないので、直接話をしてみたほうが良い。
・話し合いがらちが明かないようなときには、親族等を交えて話をする方法も考えてみたほうが良い。
・弁護士が間に入ると、モラハラ夫も自分の意見を表明してくることの方が多い。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2021.09.01更新

弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)真太郎です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、モラハラ情報盛りだくさん!弁護士秦のモラハラ総合サイトは>>こちら<<なります。

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1.モラハラとは何だ?


 

 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。


今回は、このようなモラハラ夫の中でも「ともかく口が悪い夫」を取り上げて、その夫との別居や離婚を決意した時、どのように対応すればよいのかについて解説します。
ここでの「ともかく口が悪い」というのは、
①奥様自身に対して、容姿や身体的特徴を侮辱するような発言をする、とか
②例えば、「お前なんかと結婚したのは失敗だった」、「バカが移るから近付かないでくれ」といったように、奥様自身に直接の誹謗中傷の発言をする、とか
③奥様自身に対して、脅しや危害を加えるような発言をする、とか
④友人や親族に対して、あなたの悪口を触れ回る、とか
⑤逆に、奥様に対して、友人や親族の悪口を繰り返す、とか

⑥普段の会話が夫の同僚や上司の悪口の話ばかりである、とか

⑦子供をけなすばかりで、ほとんど褒めたことがない、とか
の例があります。


今回のブログは、このようなモラハラ夫との円満生活を目指すということではなく、当該モラハラ夫と別居・離婚する決意を固めた方向けのブログになりますので、ご留意の上、お読みください。

 

 

2.モラハラ夫は口が悪いことが多い


私も日頃からモラハラ夫と対峙していると、「ともかく口が悪い」夫と対峙することも相当数ありますし、家庭内での様子を聞く限り、口が悪いモラハラ夫の方が多い印象です。
このように「口が悪い」というのは、モラハラ夫の共通項の一つと言えるように思います。ただ、極端なケースですと、「口を開けば悪口しか言わない」というようなモラハラ夫もいるのですが、このような極端なケースは稀かと思います(多少「口が悪い」ということはモラハラの共通項の一つだけれども、あまりにも口が悪いということまで共通項とは言いにくい、という意味です)

特にモラハラ夫は「いつも口が悪い」というよりは、機嫌が良いときは「猫なで声を出してきたりする」ので、落差が激しい、というケースの方が多いかと思います。

 

このように「口が悪い」というのには、大きく分けて①思ったことをすぐに口にするので、自然と悪口を発するというタイプと、②こちらを攻撃または責めるために意図して悪口を言ってくるというタイプがあるように感じます。また、モラハラ夫は夫婦の位置付けについて、自分の方が妻よりも優れている、上であるという発想が強く、そのような発想を前提として、悪口を言ってくることが多いです。


いずれにしましても、普段から侮辱・誹謗中傷され続けていますと、自尊心が損なわれて行き、日常生活の中で心理的に疲弊していってしまうケースが多いです。

 


3.モラハラの証拠集めのポイント


 普段からあなたに対する侮辱や誹謗中傷を連発してくるような場合には、そのような言動を録音しておけば、モラハラの証拠になります。
 また、LINEやメールでのメッセージにおいても、このような侮辱・誹謗中傷が多く含まれるようであれば、それもモラハラを証明する一つの証拠になります。
 ただ、モラハラ夫の発言内容が単なる侮辱や誹謗中傷の限度を超えて、あなたに危害を加えたり脅しとも取れる内容の場合には、一層モラハラ行為の悪質性が増していきますので、証拠集めという観点からは、危害を加えるような内容を含むのか、脅しのような表現を含むのかという点を重視すると良いと思います。
 いずれにしましても、証拠集めのことなどで迷うようなことがあれば、遠慮なく弁護士秦まで直接ご相談ください。

 

 

4.自分で別居・離婚を切り出すべきか


 モラハラ夫が普段からあなたへの侮辱や誹謗中傷を繰り返しているような場合には、こちらから別居・離婚の話を切り出しても、モラハラ発言が増していくだけの可能性が高いので、直接話を切り出すことはあまりオススメできません。

 

 

5.親族等を交えて話をすることは効果的か?


 モラハラ夫があなたへの侮辱や誹謗中傷を繰り返すものの、親族への悪口等は一切言わないというような場合には、親族等を交えて話し合いをするということも検討してみても良いかと思います。
 ただ、このように悪口を繰り返すモラハラ夫は、通常は、あなただけではなく、あなたの親族の悪口も繰り返していることが多いので、親族等を交えての話し合いは現実的ではないことの方が多いです。

 

 

6.別居のタイミングは?



 前述のように、あなた自身がモラハラ夫と直接話をするか、親族を交えた話をすることが可能な場合には、その話し合いの進捗を見つつ、別居のタイミングを検討していくことになります。話し合いが順調に進むようでしたら、先に離婚届を提出して、その後に別居するという手順になることもあります。
 逆に、モラハラ夫と直接話をすることが難しいような場合には、まずは、何も告げずに別居するところからスタートするというケースの方が多いと思います。その場合の別居のタイミングについては、①あなた自身が今の生活にどの程度の期間耐えられるのかという点と、②別居後の生活を経済的にどのように成り立たせるのか、③お子様への説明等との兼ね合いで時期を検討していくことになります。②の経済面については、夫側から婚姻費用を得られるという点を考慮しても良いのですが、モラハラ夫は、こちらの別居後は生活費を出し渋るケースが非常に多いため、少なくとも別居後数か月の生活は維持できる経済的基盤を整えておく必要があります。

 

 

7.弁護士はどのような進め方をするのか


 弁護士を前にした場合、モラハラ夫の対応は大きく二つに分かれます。


 一つは、①「多少は口が悪かったかもしれないが、理由があってのことなので自分ばかりが責められるのはおかしい」という言い方をするケース、もう一つは、②「そんなに妻を貶めるような発言をしたことはない」という言い方をするケースになります。
 要するに、①は、モラハラ夫も多少は自分が悪いことをしたことを認めつつ、結局そのような発端を作った奥様の方が悪いので、最終的に自分は悪くないと正当化するというものです。これに対して、上記の②は、そもそも、自分は悪いことをしていないというものです。

 

 上記の①であろうと②であろうと、モラハラ夫は根本的に自分が正しいという前提で話をしてくるため、モラハラ夫に反省させたり、改心させたりということはほとんど期待できません。

 そのため、過去の経緯を詳しくやり取りするというよりも、現状の奥様の離婚の気持ちが固いので、別れて欲しいという視点から話をしていくことが多いです。
 このような話をしても、モラハラ夫の側が、考えを曲げないような場合には、調停手続きの準備を進めていくことになります。

 

 なお、このように「ともかく口が悪い」モラハラ夫の場合には、弁護士に対しても悪口を浴びせてくることもあります。「弁護士が妻を唆して金儲けをしようとしている」とか「弁護士が連れ去り指南をしており悪質である」といったことを言ってくるのです。そのような場合、あまり夫側の発言に対して一つ一つ反論していてもキリがありませんので、「必要な範囲で調停の席で議論しますので、あなたとこれ以上直接議論するつもりはありません」といった形で話を打ち切ってしまうことが多いです。あまり感情的にならず冷静に対応するようにしています。

 

 

8.まとめ


・「ともかく口が悪い」モラハラ夫は多い。
・モラハラの証拠集めという観点からは、侮辱・誹謗中傷の録音やLINE等よりも、脅しや危害を加える内容の方がインパクトが大きい。
・あなたが直接別居等を切り出しても、悪口が返って来るだけなので、おすすめしない。
・普段から悪口を繰り返すようなモラハラ夫は、親族等の悪口を繰り返すことも多いので、親族等交えて話をすることはあまり現実的ではない。
・弁護士が間に入った場合、過去の経緯を議論していても平行線のことが多いので、現在の奥様の意思の方砂糖を示して交渉するケースが多い。

 

 

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1.モラハラとは何だ?


 

 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。


今回は、このようなモラハラ夫の中でも「ともかく話がくどい夫」を取り上げて、その夫との別居や離婚を決意した時、どのように対応すればよいのかについて解説します。
ここでの「ともかく話がくどい」というのは、
①(あなたに対する、又はお子様に対する)説教が始まると、2時間3時間平気で説教を続ける、とか
②こちらが「うん」と言うまで延々と同じ話を続ける、とか
③早朝、深夜など時間帯を問わず、話したいことがあると延々と話しかけてくるため、こちらは眠れない、とか
の例があります。


今回のブログは、このようなモラハラ夫との円満生活を目指すということではなく、当該モラハラ夫と別居・離婚する決意を固めた方向けのブログになりますので、ご留意の上、お読みください。

 

 

2.「ともかく話がくどい」というのは、相当数あるが、必ずしも主流派ではない


私も日頃からモラハラ夫と対峙していると、「ともかく話がくどい」夫と対峙することも相当数あります。
ただ、このような「ともかく話がくどい」という特性がモラハラ夫で多く見られる特徴かというと、そうではない印象です。
私がモラハラ夫と対峙していると、独自の考え方を持っており、そのことへのこだわりが強いとか、「どのモラハラ夫にも共通する」と思われる共通点があることも多いのですが、「ともかく話がくどい」という特徴は、モラハラ夫の中でも必ずしも主流派の特徴ではないと感じるのです。


もちろん、このように主流派ではないからと言って、「モラハラに該当しない」ということではありませんし、普段からともかく話が長いモラハラ夫と生活しなければならないことになりますと、長時間にわたり苦痛の時間を味わうことになりますので、日常生活の中で心理的に疲弊していってしまうケースが多いです。

 

 


3.モラハラの証拠集めのポイント


 夫側の話が長いという場合には、長時間の説教が始まったあたりで携帯電話にて録音を開始すれば、説教の大半を録音することが可能かと思います。
 ただ、このような長時間の説教の録音が、単に話がくどいというだけだとすると、モラハラの証明としては弱いと思います。なぜなら、モラハラ行為の悪質性といった場合には、話の長さというよりも、暴言や誹謗中傷を含んでいるのかという点の方が、重要性が高いからです。


他方で、LINEやメールにて、あまりにも長文のメッセージが届くようであれば、そのこと自体が心理的負担になるであろうということは一目瞭然なので、このようなメール等が頻繁に来るということであれば、モラハラを証明する一つの証拠になり得ます。

なお、「話がくどい」ということとの関連で、例えば住まいの場所とかお子様の進学先とか、家族の重要な決定事項に関して、夫に反対すると延々と説得が続くので「こちらが希望しない選択をさせられた」というケースも相当数あります。奥様としては非常に不本意だとは思いますが、その経緯をしっかりと証明できる証拠がないと、「こちらが希望しない選択をさせられた」という証明は難しいことが多いです(夫側から、「妻も同意していた」と言ってくる、という意味です)


 いずれにしましても、証拠集めのことなどで迷うようなことがあれば、遠慮なく弁護士秦まで直接ご相談ください。

 

 

4.自分で別居・離婚を切り出すべきか


 夫側の話がくどいものの、こちらの話を一切聞かないというわけではなく、こちらが発言すれば一応会話にはなる、というような場合には、一度くらいはあなたの方から直接別居や離婚を切り出してみても良いかと思います。
 他方で、「話がくどい」というのが、結局こちらが承諾しない限り延々と話が終了しないとか、こちらの意見を聴くことが全くない、というような場合には、直接の話し合いの意義は乏しいかと思います。そのような場合には、あまり二人きりでの話し合いは望ましくないかと思います。

 

 

5.親族等を交えて話をすることは効果的か?


 前述の通り、あなたと夫の二人での話し合いが可能であれば実践してみたほうが良いと思いますが、二人での話し合いが難しいとか、一旦話して見たが折り合いがつかなかったというような場合には、あなたのご両親や夫側の両親、その他兄弟姉妹等を交えて話をするという方法も考えられます。
 特に「話がくどい」という内容が暴言や誹謗中傷をあまり含まない場合には、親族等に無礼な発言をしてくる可能性は低いので、親族等を交えて話をしてみたほうが望ましいと思います。

 

 

6.別居のタイミングは?



 前述のように、あなた自身がモラハラ夫と直接話をするか、親族を交えた話をすることが可能な場合には、その話し合いの進捗を見つつ、別居のタイミングを検討していくことになります。話し合いが順調に進むようでしたら、先に離婚届を提出して、その後に別居するという手順になることもあります。
 逆に、モラハラ夫と直接話をすることが難しいような場合には、まずは、何も告げずに別居するところからスタートするというケースの方が多いと思います。その場合の別居のタイミングについては、①あなた自身が今の生活にどの程度の期間耐えられるのかという点と、②別居後の生活を経済的にどのように成り立たせるのか、③お子様への説明等との兼ね合いで時期を検討していくことになります。②の経済面については、夫側から婚姻費用を得られるという点を考慮しても良いのですが、モラハラ夫は、こちらの別居後は生活費を出し渋るケースが非常に多いため、少なくとも別居後数か月の生活は維持できる経済的基盤を整えておく必要があります。

 

 

7.弁護士はどのような進め方をするのか


 私がこの手のモラハラ夫と直接話をする場合には、通常は、最初に話をするときには一通りモラハラ夫の言い分を聞き、相手の考え方を把握することに徹することが多いです。このようにすることで、モラハラ夫のキャラクターの一端を見ることができるという利点もあります。
 その後、2度目、3度目の交渉の際には、延々とモラハラ夫の話を聞いていてもあまり意味はありませんので、私の方で時間を区切るなどして、奥様の考え方を一方的に伝える形を取ることが多いです。
 このような奥様の考え方にモラハラ夫が納得するようならば、協議離婚に向けて話を進めていきますが、納得が得られないとか、得られそうにないというような場合には、調停に手続きを切り替えて進めていくことになろうかと思います。

 

 

8.まとめ


・「ともかく話がくどい」というのは、モラハラ夫の主流派の特徴ではないように感じる。
・くどい話をすべて録音しても、それ自体がモラハラの証拠となる可能性は低く、むしろ、長文のメール等の方が証拠としての価値は高いことが多い。
・多少はあなたの意見も聞いてくれるようならば、直接別居を切り出すということを考えてみても良い。
・モラハラ夫が暴言や誹謗中傷表現をあまり使わないということであれば、親族等を交えて話をすることを検討してみたほうが良い。
・弁護士としては、モラハラ夫が話したいことがあれば初回はじっと話を聞くが、2回目以降は奥様の考えを一方的に伝えるスタイルを取ることが多い。

 

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1.モラハラとは何だ?


 

 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。


今回は、このようなモラハラ夫の中でも「ともかく気性が荒い夫」を取り上げて、その夫との別居や離婚を決意した時、どのように対応すればよいのかについて解説します。
ここでの「ともかく気性が荒い」というのは、
①ともかく短気で、不機嫌になるとすぐに怒鳴りつけてくる、とか
②飲酒し始めると極端に気性が荒くなる、とか
③こちらが口答えすると平気で暴力をふるってくる、とか
④ともかくけんかっ早いので家族旅行の際などに他の観光客等ともめ事になることが多い、とか
の例があります。


今回のブログは、このようなモラハラ夫との円満生活を目指すということではなく、当該モラハラ夫と別居・離婚する決意を固めた方向けのブログになりますので、ご留意の上、お読みください。

 

 

2.「ともかく気性が荒い」というモラハラ夫は多い


私も日頃からモラハラの案件を取り扱っていると、奥様の方から夫の気性が荒く、急にキレるので怖いとか、何が原因でキレるか分からないので常に神経を使って生活しなくてはいけないという相談を受けることが多いです。また、これは別のブログで取り上げていますが、家庭内では気性が荒いのに、家庭の外では「穏やか」とか「外面が非常に良い」というケースも多いです。

私の事件対応の中で、このような「ともかく気性が荒い」夫と直接会って対峙することもあるのですが、弁護士の前では大人しめという夫も多い印象です(逆に、弁護士相手でも遠慮せず怒鳴りつけてくるような夫も相当数いますが)ただ、最初の内は大人しめでも、何度も話をしているうちに、夫側が声を荒げてくるといったことも多いです。

弁護士に対してすらこのような対応なのですから、実際家庭内ではもっとひどい言動に及んでいるのでしょうから、このように気性が荒いモラハラ夫から常に怯えて生活することは心身ともに大変であるということは想像に難くありません。

 

 


3.モラハラの証拠集めのポイント


 ともかく気性が荒いモラハラ夫は、暴言のみならず、物を投げつけてくるとか、直接暴力をふるってくるという人物も多くいます。
このような暴力がある場合には、怪我をした写真や病院に受診した際の診断書などが最も有効な証拠となります。怪我の写真・診断書の有無は、今後の離婚の手続にあたって非常に重要になってきますので、できる限り証拠化に努めてください。
また、暴言については、録音することができれば、モラハラを証明する一つの証拠になり得ますし、口頭ではなく、LINEやメールで送りつけてきたものがあれば、それも証拠になり得ます。

 夫の気性が荒い場合、証拠集めをしようと思っても「このことが夫にバレたら何をされるか分からない」という不安を持たれる方は多いです。ただ、別居や離婚の話をしていくにあたっては、証拠があった方が有利に進められることが多いので、勇気を振り絞って証拠集めに取り組んでください(もちろん、あなたの身の安全に強い不安があるということでしたら、無理に証拠化するよりも、「早く家を出る」ということを優先した方が良いかもしれません) 

 


4.自分で別居・離婚を切り出すべきか


 モラハラ夫の気性が荒い場合、あなたが直接別居や離婚を切り出すと、どのような暴力・暴言被害を受けるかも分かりませんので、直接話をすることはオススメしません。

 

 

5.親族等を交えて話をすることは効果的か?


 前述の通り、あなたと夫の二人での話し合いで別れ話や離婚話をすべきではないと思いますが、親族等を交えることが効果的なこともあります。
 例えば、モラハラ夫が極度の内弁慶で、目上の人に対しては乱暴な言動をしないというような場合には、親族を交えることで冷静な話し合いができることもあります。
 ただ、親族を交えての家族会議の席では、モラハラ夫がおとなしくしていたとしても、自宅に戻ると、途端にあなたへの暴言や暴力に及ぶ可能性が高いようでしたら、親族を交えた話し合いをするのは控えたほうが良いと思います。

 

 

6.別居のタイミングは?



 前述のように、あなた自身がモラハラ夫と直接話をするか、親族を交えた話をすることが可能な場合には、その話し合いの進捗を見つつ、別居のタイミングを検討していくことになります。話し合いが順調に進むようでしたら、先に離婚届を提出して、その後に別居するという手順になることもあります。
 逆に、モラハラ夫と直接話をすることが難しいような場合には、まずは、何も告げずに別居するところからスタートするというケースの方が多いと思います。その場合の別居のタイミングについては、①あなた自身が今の生活にどの程度の期間耐えられるのかという点と、②別居後の生活を経済的にどのように成り立たせるのか、③お子様への説明等との兼ね合いで時期を検討していくことになります。②の経済面については、夫側から婚姻費用を得られるという点を考慮しても良いのですが、モラハラ夫は、こちらの別居後は生活費を出し渋るケースが非常に多いため、少なくとも別居後数か月の生活は維持できる経済的基盤を整えておく必要があります。

 

 

7.弁護士はどのような進め方をするのか


 家庭内では暴言・暴力に及ぶ夫だが、家庭の外だと感情的になることは少ないという場合や、モラハラ夫も弁護士の権威には弱いというような場合には、冷静な話し合いができる場合もあります。
 そのような場合には、私の方でモラハラ夫と直接話をして協議離婚を模索することが多いです。
 他方で、家庭内外を問わず気性が荒いモラハラ夫が相手の場合には、あまり協議離婚に時間をかけても、結局手続きが進捗しないだけになってしまうケースも多いです。そのため、このような場合には、早めに調停離婚に切り替えて手続きを進めていくことが多いです。


 なお、このように気性が荒い夫は、あなたに対して頻繁に「もう離婚だ」とか「出ていけ」などと発言していることが多いのですが、いざ弁護士を立てて離婚を申し込むと、離婚に反対してくる人物も多いです。モラハラ夫からすると、奥様の方から離婚を切り出すことについて、「気に入らない」といった感情を持つことが多いのです。また、同居中のモラハラ夫の「そんなことならもう離婚だ」という発言は、あなたに対する脅し文句で、実際には離婚したくないというケースも多いです。

 

 

8.まとめ


・「ともかく気性が荒い」というモラハラは多い。
・モラハラ夫が暴力をふるってくるような場合には、怪我の写真や診断書が最も有効な証拠になる。
・あなたが直接別居・離婚を切り出すと、身の危険等があるので避けるべきである。
・モラハラ夫も目上の人には頭が上がらないというような場合には、親族等を交えて話をすることが有効なこともある。
・モラハラ夫が権威に弱いというようなケースならともかく、そうでない場合、弁護士としては、早めに調停に手続きを進めるケースが多い。

 

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1.モラハラとは何だ?


 

 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。


今回は、このようなモラハラ夫の中でも「ともかく神経質な夫」を取り上げて、その夫との別居や離婚を決意した時、どのように対応すればよいのかについて解説します。
ここでの「ともかく神経質」というのは、
①奥様の家事の些細な不行き届などについて、こと細かく指摘してくる、とか
②ともかく健康面で神経質なため、化学調味料NG、農薬を使った可能性のある野菜NG、料理用を含めて必ずミネラルウォーターなどの指示が多い、とか
③子どもの育児の方法等について、些細なことも含めて、こと細かく指示してくる、とか

④子供が立てる物音や声に敏感に反応し、細かく指摘してきたり叱責してくる、とか

⑤子供の習い事の取り組み方や試合の結果などについて事細かく指摘してくる、とか

の例があります。


今回のブログは、このようなモラハラ夫との円満生活を目指すということではなく、当該モラハラ夫と別居・離婚する決意を固めた方向けのブログになりますので、ご留意の上、お読みください。

 

 

2.「ともかく神経質」というのは、相当数あるが、必ずしも主流派ではない


私も日頃からモラハラ夫と対峙していると、「ともかく神経質な夫」と対峙することも相当数あります。
ただ、このような「ともかく神経質」という特性がモラハラ夫で多く見られる特徴かというと、そうではない印象です。
私がモラハラ夫と対峙していると、独自の考え方を持っており、そのことへのこだわりが強いとか、「どのモラハラ夫にも共通する」と思われる共通点があることも多いのですが、「ともかく神経質」という特徴は、モラハラ夫の中でも必ずしも主流派の特徴ではないと感じるのです。


もちろん、主流派ではないから「モラハラに該当しない」ということではありませんし、夫がともかく神経質だと、あなたも常に何を言われるか怯えながら生活しなければならず、日常生活の中で心理的に疲弊していってしまうケースが多いです。

 


3.モラハラの証拠集めのポイント


 モラハラの内容が「ともかく神経質」という場合、そのような神経質な発言は、突発的かつ口頭で言われることが多いため、これを証拠化することは非常に難しいケースが多いです。
ただ、このような神経質なルールについてモラハラ夫が紙に書いて冷蔵庫に貼り付けることなどもありますので、そのような場合には、貼り付けてあるメモを写真で取って保存しておけば一つの証拠になります。
また、このような神経質な発言をLINEやメールでしてきた場合には、当該LINE等は、モラハラを証明する一つの証拠になり得ます。特に神経質な夫だと、メールやLINEの内容も非常に長文になりやすい傾向がありますので、特に長文で「普通ここまでのことは書かない」というような内容のメールやLINEがあると、夫の神経質さの証明に使いやすいかもしれません。
 いずれにしましても、証拠集めのことなどで迷うようなことがあれば、遠慮なく弁護士秦まで直接ご相談ください。

 

 

4.自分で別居・離婚を切り出すべきか


 夫が神経質だというような場合には、粘着質で、かつ、こちらの言葉尻についても細かく指摘してくるような人物が多いので、夫と直接話をすることの心理的負担が大きいということも多く、そのようなケースですと、直接話を切り出すことはあまりオススメしません。
 他方で神経質ではあるが、夫自身メンタルが強くないというような場合には、こちらから別居話を切り出すと、特に反論等もしてこないというケースもあります。
 そのため、直接話をすることが、あなたにとって大きな心理的負担にならないようでしたら、一度は直接話をしてみても良いと感じます。

 

 

5.親族等を交えて話をすることは効果的か?


 夫のモラハラが、神経質であるという部分に限られる場合、親族等を巻き込むべきかは慎重に検討したほうが良いです。
 と言いますのは、神経質という点は、なかなか他人に理解されにくい話ですので、親族等が「極力家庭を維持していったほうが良い」という考え方の場合には、あなたの方が逆に説得されてしまうおそれがあるからです(要するに、「そのくらいのことは子供達のために我慢しなさい」というようなことを言われてしまうということです)
もちろん、別居後の生活を考えると、まだお子様に手がかかる年齢なので、親族のサポートが必要だというような場合には、しっかりとあなたのモラハラ被害を理解してもらい、別居や離婚を応援してもらう必要があろうかと思います。このようにして親族のしっかりとした理解を得られた後であれば、親族を交えて夫と話をするということも有力な選択肢になると思います。

 

 

6.別居のタイミングは?



 前述のように、あなた自身がモラハラ夫と直接話をするか、親族を交えた話をすることが可能な場合には、その話し合いの進捗を見つつ、別居のタイミングを検討していくことになります。話し合いが順調に進むようでしたら、先に離婚届を提出して、その後に別居するという手順になることもあります。
 逆に、モラハラ夫と直接話をすることが難しいような場合には、まずは、何も告げずに別居するところからスタートするというケースの方が多いと思います。その場合の別居のタイミングについては、①あなた自身が今の生活にどの程度の期間耐えられるのかという点と、②別居後の生活を経済的にどのように成り立たせるのか、③お子様への説明等との兼ね合いで時期を検討していくことになります。②の経済面については、夫側から婚姻費用を得られるという点を考慮しても良いのですが、モラハラ夫は、こちらの別居後は生活費を出し渋るケースが非常に多いため、少なくとも別居後数か月の生活は維持できる経済的基盤を整えておく必要があります。

 

 

7.弁護士はどのような進め方をするのか


 この手の神経質なモラハラ夫は、自分で悪いことをしているという認識が乏しい人物が多いので(例えば、化学調味料禁止としているのは、家族の健康を考えてのことだということを言い始めます)、そのような人物にも理解できるようなインパクトのあるエピソードがないのかという点を奥様と打ち合わせて確認することが多いです。
 神経質なモラハラ夫は、こちらの発言に対しても、一つ一つ自分が納得できるように事細かく質問してくる傾向が強いからです。


 なお、このように神経質なモラハラ夫は、将来のリスクや不安を避けたいので、神経質に対応しているという人物が多く、調停手続きといった裁判所の手続は嫌がる傾向が強いです。
 そのため、モラハラ夫側が明らかに調停手続きを嫌がっているというような場合には、こちらも調停手続きを取らないので、協議離婚で話をまとめましょうというスタンスで交渉に臨むことも多くあります。

 

 

8.まとめ


・「ともかく神経質」というのは、モラハラ夫の主流派の特徴ではないように感じる。
・モラハラ夫のマイルールについてメモ等の書面があれば、それを写真として保存しておくとか、神経質発言を含むLINEやメールがあれば、一つの証拠になる。
・あなた自身の心理的負担が大きくないようであれば、一旦は、あなたが直接別居を切り出すということを考えてみても良い。
・神経質という事象は他人が理解しにくい側面があるので、親族等を交えるにあたっては、しっかりと理解してもらったうえで間に入ってもらう必要がある。
・神経質なモラハラ夫は調停手続きを嫌がる人物が多い印象なので、嫌がっているようなら調停を避けるということを交換条件に交渉を進めていくことも多い。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2021.09.01更新

弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)真太郎です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、モラハラ情報盛りだくさん!弁護士秦のモラハラ総合サイトは>>こちら<<になります。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

1.モラハラとは何だ?


 

 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。


今回は、このようなモラハラ夫の中でも「ともかくケチなモラハラ夫」を取り上げて、その夫との別居や離婚を決意した時、どのように対応すればよいのかについて解説します。
ここでの「ともかくケチ」というのは、
①お子様に必要なお金を出し渋る(例えば乳児のおむつ代やミルク代、私立中学校に通うお子様の学費等を出し渋る)、とか
②奥様の小遣いの金額が異常に少ない、又は一切もらえない、とか
③家計の必要な支出であっても、逐一領収書の提示を要求される、とか
④不機嫌になるとすぐに生活費を入れなくなる、とか
⑤何かと奥様のパート収入から生活費を払わせようとしてくる、とか
の例があります(生活費を一切支払わないと言ったケースは「ケチ」という次元を超えて「経済的DV」と呼ぶべきものですが、今回のブログでは、広い意味で「ともかくケチ」という表現を使わせていただきます)。


今回のブログは、このようなモラハラ夫との円満生活を目指すということではなく、当該モラハラ夫と別居・離婚する決意を固めた方向けのブログになりますので、ご留意の上、お読みください。

 

 

2.モラハラ夫はケチが多い


私も日頃からモラハラ被害を受けている奥様から話を聞くと、何らかの形で経済的締め付けを受けているケースの方が多い印象です。

モラハラ夫側からすると、経済的締め付けをすれば、奥様やお子様に言うことを聞かせることができると考えているため、「言うことを聞かせる手段」として経済的締め付けをしてくるのです。

このような経済的締め付けの程度は、あなたの生活がままならないほどの強く出し渋ってくるケースと、そこまでは行かなくとも、あなたの生活が多少不便になる程度に抑えるというようなケースもあり、ケースによるという印象です。

特に、一旦奥様の方から別れ話をしたとか、家庭内別居の状態が長く続いているというようなケースだと、必要な食費の支払いすらしないというケースも多く、そのような場合には、奥様やお子様達の生活の経済的基盤を安定させるために、早めに動かなければならないことも多くあります(逆に、別れ話をした途端、(自分が不利にならないように)生活費を出してくるというケースもあります)。

 

 


3.モラハラの証拠集めのポイント


 例えば、夫が生活費を支払わないので、あなたが代わりに支払ったという場合に、あなたが支払いをしたことの証明はさほど難しくないと思います(レシートやクレジットカード利用明細書を準備すればよいため)。
ただ、これだけでは、夫からの経済的DVの証拠としては不十分です。なぜなら、あなたが生活費を支払ったという証明だけですと、あなたと夫とが話し合いをして、家計の分担として支払いをすることに合意したという可能性を捨てきれないからです(例えば、夫の事業が上手くいかなくなって、夫婦で話し合って、夫の事業が回復するまでは、妻の蓄えから家計を支出すると言ったことは円満な夫婦でも行われることだと思います)。


 そのため、モラハラ夫からのLINEやメールなどで、あなたへの経済的締め付けを強めるような発言等がないか確認してみて下さい。それらがあれば、それは一つの証拠となります。
 また、こちらに対してケチな場合、自分には経済的に甘いというケースも多く、その場合には、夫の浪費についての証拠集めをすることもあります。

 

4.自分で別居・離婚を切り出すべきか


 モラハラ夫があなたの別居を妨害してくる危険性が高いと言った場合でない限り、あなたの口から別居話等を伝える方法で良いと思います。モラハラ夫が単に「ケチなだけ」という場合には、あなたが別居を切り出すことで怖い思いをするケースは少ないからです。
 ただ、早めに別居等を伝えてしまいますと、ケチな夫は、次の日から生活費を渡さなくなってしまうという事態も想定されますので、話を持ち掛けるのは、別居の準備がかなり進んだ後など、ある程度別居の目処が立った後の方が良いと思います。

 また、モラハラ夫が「ケチなだけ」でなく、こちらに暴言を浴びせてくるというような場合には、あなたが直接別れ話をしない方が良いケースもあります。

 

 

5.親族等を交えて話をすることは効果的か?


 モラハラ夫が家庭内では異常にケチだとしても、そのことを自分の両親や奥様の両親に知られたくないと思っているケースもあります。
 そのような場合には、別居後の生活費を確保すべく、親族等を交えて話し合いをし、例えば、当面は別居するけれども、その間の生活費として毎月いくらを支払うと言ったことを夫側に約束させると言ったケースもあります。
 そうすることで、あなたとしても、今後の別居生活での経済的不安を取り除くことができると思います。
 ただ、ケチな夫だと、一旦親族の前で約束しても、結局生活費を支払わなくなるというケースもありますので、その点には留意しておく必要があります。

 

 

6.別居のタイミングは?



 前述のように、あなた自身がモラハラ夫と直接話をするか、親族を交えた話をすることが可能な場合には、その話し合いの進捗を見つつ、別居のタイミングを検討していくことになります。話し合いが順調に進むようでしたら、先に離婚届を提出して、その後に別居するという手順になることもあります。
 逆に、モラハラ夫と直接話をすることが難しいような場合には、まずは、何も告げずに別居するところからスタートするというケースの方が多いと思います。その場合の別居のタイミングについては、①あなた自身が今の生活にどの程度の期間耐えられるのかという点と、②別居後の生活を経済的にどのように成り立たせるのか、③お子様への説明等との兼ね合いで時期を検討していくことになります。②の経済面については、夫側から婚姻費用を得られるという点を考慮しても良いのですが、モラハラ夫は、こちらの別居後は生活費を出し渋るケースが非常に多いため、少なくとも別居後数か月の生活は維持できる経済的基盤を整えておく必要があります。


 

7.弁護士はどのような進め方をするのか


 私がケチな夫を相手にする場合、極力早めに生活費(法律的には「婚姻費用」と言います。)を支払わせるように活動することが多いです。
 そうすることで、夫側は、早めに離婚した方が出費が少なくて済むと考えやすくなるからです。そのことで早期に離婚できれば、奥様の心理的負担も軽減できます。
 ただ、前述のように口約束ですと、夫側は結局生活費を払わなくなっていく可能性が高いので、早めに婚姻費用分担調停を申し立て、調停調書という書面を作成してもらって、相手の支払いに強制力を持たせることが多いです。


 このように生活費の問題を優先して進めていくことが多いのですが、ケチな夫は支払いを約束したがらないということも多いので、その場合には、調停で話がまとまらず、審判に手続きを移行させるという進め方をすることもあります(残念ながら、調停は裁判所での話し合いの席なので、相手方が支払いたくないと言い続けた場合、調停で決着することは難しいです)。

 


8.まとめ


・モラハラ夫は多かれ少なかれケチな人物が多い。
・ケチの証明については、あなたを経済的に縛り付けるようなLINEやメール、モラハラ夫の浪費を示す証拠などが証拠になり得る。
・別居話等はあなた自身で切り出す形でもよいが、あまり早めに切り出さないほうが良い。
・親族等を交えて話をして、別居後の生活費の支払いを約束させる方法もある。
・弁護士が間に入る場合、生活費の件を優先して手続きを進めることが多い。

 

 

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2021.09.01更新

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こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)真太郎です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、モラハラ情報盛りだくさん!弁護士秦のモラハラ総合サイトは>>こちら<<になります。

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1.モラハラとは何だ?


 

 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。


今回は、このようなモラハラ夫の中でも「ともかく言うことがコロコロ変わる(平気で嘘をつく)夫」を取り上げて、その夫との別居や離婚を決意した時、どのように対応すればよいのかについて解説します。
ここでの「ともかく言うことがコロコロ変わる(平気で嘘をつく)」というのは、
①以前、夫が間違ったことをしてしまったのに、現在ではそのことをごまかすとか、覚えていないふりをする、とか
②生活方法や育児の方法等について、つい先週言っていたことと今日言っていることが違う、とか
③自分の健康のことや子供の健康のことについて、以前はNGとしていた方法を今は推奨してきたりする、とか
④その場の雰囲気、こちらの態度によって、さっき言っていたことと違うことを言い始める、とか
⑤夫の言うことがともかくすぐに変わるので、それに振り回されることで心理的に疲れてしまう、とか
の例があります。

 

あまりに言っていることが変わるので「さっきはこう言ってたのにね」などと指摘すると、モラハラ夫側は「(さっき)そんなことは言ってない」「言うはずない」とか「それはお前の聞き間違いだ」とか「あの時の話は冗談に決まっているだろ」などと返答してきて、議論がかみ合わないケースも多いです。そのような場合には、より一層対応に苦慮することになります。


今回のブログは、このようなモラハラ夫との円満生活を目指すということではなく、当該モラハラ夫と別居・離婚する決意を固めた方向けのブログになりますので、ご留意の上、お読みください。

 

 

2.「ともかく言うことがコロコロ変わる(平気で嘘をつく)」モラハラ夫はかなり多い


私も日頃からモラハラ夫と対峙していると、「ともかく言うことがコロコロ変わる(平気で嘘をつく)」夫と対峙することはかなり多いです。

このように、言っていることが変わる頻度や内容については夫側によってかなり異なってくるのですが、いずれにしましても、このようによく変節するモラハラ夫の数はかなり多いという印象で、モラハラ夫の共通項の一つと言っても良いと思います。

ただし、このような変節については、大きく分けますと、①意図的に嘘をついている(よくあるのは、自分に都合が悪い話なので意図して嘘をついているケースが多いです)ケースと、②嘘をついているわけではなく、自身の母親やテレビの知識等の新しい情報を得て、考え方を改めたというケースがあります。

 

いずれの理由による変節だとしましても、このように普段から言うことがコロコロ変わる夫と生活しなければならないことになりますと、あなたやお子様達も夫の考えに振り回され続けますので、日常生活の中で心理的に疲弊していってしまうケースが多いです。

 


3.モラハラの証拠集めのポイント


 夫側が①以前話していた内容と②今話している内容の両方についてLINEやメールがあれば、モラハラを証明する一つの証拠になり得ます。
 ただ、言うことが変わる内容が、些細な内容の場合には、モラハラの証明としては弱いと思います(例えば、先週はカーテンの色は青色が良いと言っていたのに、今日はカーテンの色は緑が良いと言っていると言ったことは、家庭内の重要な出来事とは言えないと思います)。

 

そのため、家族としての重要な決め事や今後に関わる重要な出来事、お子様にとって重要な出来事等について、モラハラ夫の考えや言い分が大きく変更になっているという視点から証拠集めをすることがポイントになります。
 以前の発言と今の発言を比較するにあたっては、モラハラ夫が直接送ってきたLINEやメールが証明にあたって簡便かと思います。

 このような変節だけではなく、LINEやメールでの表現方法が「きつい」という場合には、モラハラの悪質性を高める事情になりますので、この点も意識して証拠集めをしてみてください。
 いずれにしましても、証拠集めのことなどで迷うようなことがあれば、遠慮なく弁護士秦まで直接ご相談ください。

 

 

4.自分で別居・離婚を切り出すべきか


 ともかく言うことがコロコロ変わる(平気で嘘をつく)モラハラ夫だとしても、奥様の方から別居を切り出すと、そのことでショックを受けて、一旦は別居を受け入れてくれる可能性もあるということでしたら、ご自身で別居を切り出すということは考えてみても良いかと思います。
 ただ、口頭での話し合いで言ったことについては、モラハラ夫は、後から「そんなことは言っていない」とか「あの時の話は冗談だった」と言い始めることが多いので、①お互いに合意した内容(当面別居すると言った内容です)は書面化するとか、②お互いの両親も立ち会う席で相手に認めさせると言った形を作ったほうが良いと思います。このようにしておけば、モラハラ夫も後から「言ってない」と言いづらくなると思います。


 他方で、こちらの別居や離婚に断固反対してくる可能性が高いとか、モラハラ夫側が書面に署名押印する可能性が低いという場合には、あなたとモラハラ夫との二人だけでの話し合いで別居話等を切り出すことは避けたほうが良いかもしれません

 

 

5.親族等を交えて話をすることは効果的か?


 前述の通り、あなたと夫の二人での話し合いが可能であれば実践してみたほうが良いと思いますが、二人での話し合いが難しいとか、一旦話して見たが折り合いがつかなかったというような場合には、あなたのご両親や夫側の両親、その他兄弟姉妹等を交えて話をするという方法も考えられます。
 ただ、モラハラ夫は、あなたの親族を交えても、平気で噓を並べ立ててくる可能性もありますので、事前の準備が欠かせません。つまり、あなたの方で、家庭内でどのような被害を受けてきたのか、どのくらいの期間そのようなことが続いてきたのかをしっかりと親族に伝えて、きちんと理解を得ておく必要があります。


 また、親族があなたの話に懐疑的な場合には、モラハラの証拠なども見てもらって、理解を深めてもらっても良いと思います。
 このように事前に家庭内の実情をしっかりと理解してもらっておけば、あなたの親族が、モラハラ夫の嘘に騙されてしまうということは避けられると思います。

 

 

6.別居のタイミングは?



 前述のように、あなた自身がモラハラ夫と直接話をするか、親族を交えた話をすることが可能な場合には、その話し合いの進捗を見つつ、別居のタイミングを検討していくことになります。話し合いが順調に進むようでしたら、先に離婚届を提出して、その後に別居するという手順になることもあります。
 逆に、モラハラ夫と直接話をすることが難しいような場合には、まずは、何も告げずに別居するところからスタートするというケースの方が多いと思います。その場合の別居のタイミングについては、①あなた自身が今の生活にどの程度の期間耐えられるのかという点と、②別居後の生活を経済的にどのように成り立たせるのか、③お子様への説明等との兼ね合いで時期を検討していくことになります。②の経済面については、夫側から婚姻費用を得られるという点を考慮しても良いのですが、モラハラ夫は、こちらの別居後は生活費を出し渋るケースが非常に多いため、少なくとも別居後数か月の生活は維持できる経済的基盤を整えておく必要があります。

 

 

7.弁護士はどのような進め方をするのか


 奥様に対しては、言うことがコロコロ変わるモラハラ夫も、弁護士を相手にすると言うことがあまり変わらないというケースも多いです。そのような場合には、特に相手の言うことに振り回されるようなこともなく事件処理を進めていくことができます。
 他方で、奥様に対してもそうであったように、弁護士に対しても「ともかく言うことがコロコロ変わる夫」というモラハラ夫もいます。
 その場合には、基本的な離婚して良いのか、とか親権を譲るつもりがあるのかといったことですら、先週と言っていることが変わっているということもありますので、そのような場合には、モラハラ夫の発言に一喜一憂せずに進めていくことが多いです。


 このように言い分がコロコロ変わる夫とは、仮に協議離婚の話し合いができたとしても、その内容を反故にしてきたり、実際にこちらが離婚届を提出しようとすると妨害してくる(例えば、離婚届不受理申請をしてくるとか)ことも多いので、極力協議離婚には時間をかけず、調停で離婚を目指すケースが多いです。
 なぜ、調停での離婚を目指すのかと言いますと、裁判所の調停室で先方が合意した内容は、調停調書という書面が作成され、その内容については、後から先方も不服を申し立てることが基本的にできなくなるからです。そのため、後から先方が「そんなつもりではなかった」といったとしても、内容を簡単に変更できなくなりますので、調停という手段を用いるのです。

 

 

8.まとめ


・「ともかく言うことがコロコロ変わる(平気で嘘をつく)」というのは、モラハラ夫の中でもかなり多い印象である。
・モラハラ夫の以前の発言と今の発言両方についてLINEやメールがあれば、一つの証拠になるが、モラハラの証明という観点からは、家庭にとっての重大事なのか、お子様にとっての重大事なのかといった視点で絞り込みが必要である。
・約束した内容を書面化してくれるのであれば、あなたが直接別居を切り出すということを考えてみても良い。
・親族等を交えて話をする場合にも、事前にしっかりと話をして、深く理解してもらったうえで間に入ってもらうべきである。
・弁護士が間に入ると、そこまでコロコロと言うことが変わらないというケースの方が多い印象である。
・他方で、弁護士が間に入っても、言うことがコロコロ変わるモラハラ夫は相当数いて、そのような場合には早めに調停を起こすことが多い。

 

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