2022.05.30更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。なお、>>「モラハラの連鎖を断ち切る!!」モラハラ被害女性のための総合サイトはこちら<<になります。

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1.お子様に別居のことをいつ、どこまで話すかは非常に悩ましい


 お子様がまだ乳幼児で、自分の意思を示すことができないという年齢でしたら、別居のことを伝えても理解できませんので、悩む必要はありません。
 他方で、お子様が自分の生活環境等を理解している場合、事前に何も伝えずに別居するというわけにもいかないでしょうから、いつ、どこまで話をするのかということは悩ましい問題になるケースも多いです。以下、詳しく解説していきます。

 

 

2.お子様が小学校高学年以上の年齢の場合、お子様の理解を得た上で別居するケースが大半


(1)お子様が小学校高学年以上の年齢の場合、お子様の理解を得た上で別居するケースが大半
お子様が小学校高学年以上の年齢の場合、かなり周りのことを理解できる年齢になっておりますので、別居すること、今住んでいる自宅には戻らないことについては事前に話をし、その理解を得ておくケースが大半かと思います(離婚まで言及するかは、お子様のご様子にもよるかと思います)。
 特に、お子様が小学校高学年の場合、「別居は構わないけれども、小学校は変わりたくない」とか「今まで通り習い事は続けたい」もしくは「仲の良い友達とは引き続き会いたい」といった自分の意見が出てくることが多いため、その意見を無視して別居することは難しいと思います(お子様の意見を無視して別居すると、後から「自宅に帰りたい」といった意見が出て、親権争い等で不利になる可能性もあるという意味です)。


 その際に、お子様にどこまでの話をするのかという点ですが、お子様が小学校高学年の場合、普段のモラハラ夫の行動や言動はしっかりと認識していますので、詳しく説明しなくとも「お母さんは、お父さんと一緒に暮らしていくことが難しいから、この家を出て暮らすけれど、一緒に来る?」といった簡単な説明で済むケースも多いかと思います。
 なお、夫婦の紛争に関する話を事細かにお子様に話すのは好ましくないとされていますので、特に必要がない限り、あまり詳しい説明はしない方が良いと思います。


(2)別居の何週間前、何か月前くらいに話をするか
 これは、ケースによって皆さんそれぞれなのですが、①お子様自身の口から「こんなお父さんと一緒に暮らしたくないから早く離婚して欲しい」とか「お母さんが可哀想だから、早く別れて欲しい」といった積極的な言葉が出ている場合には、別居の2,3か月前とか、比較的早い段階から別居のことを伝えているケースが多いように感じます。


 逆に、別居のことをお子様に伝えるとお子様が頭を悩ませてしまいそうだとか、お子様は別居したくないという気持ちの方が強い場合には、いつ頃話をするかは悩ましい問題です。
 このような場合には、お子様にじっくり考えてもらうために、早い段階で別居の話を伝えておいた方が良いケースもある反面、早めに伝えると、お子様を通してモラハラ夫に別居の計画が発覚してしまい、夫が別居を妨害してくるリスクが高まるというジレンマがあります。
 そのため、お子様の性格やお子様とモラハラ夫との関係性等も考慮して、お子様に話をするタイミングを検討すべきことになろうかと思います。


(3)お子様が15歳以上の場合、事前に説明をして理解を得ておくことはほぼ必須
 前述の通り、お子様の年齢が小学校高学年以上の場合、お子様の理解を得た上で別居するケースが大半でしょうが、その中でも、特にお子様が15歳以上の場合には、その理解を得ておくことはほぼ必須になります。
 と言いますのは、お子様が15歳以上の場合、裁判所が親権者を決めるにあたっても、お子様の意見を確認することが必須事項となっておりますので、別居に際しても、より一層慎重に対応したほうが良いということになるのです。

 

 

3.お子様が小学校低学年以下の年齢の場合、お子様の理解力などに応じて検討する


 お子様が小学校低学年以下の場合でも、小学生の場合には、おおよその環境等の理解は進んでいると思いますので、少なくとも事前に別居のことは伝えるべきかと思います。
 ただ、小学校低学年以下の年齢ですと、お子様がモラハラ夫に別居のことなどを話してしまう危険性が高いので、あまり早い段階で話をしない方がよいかと思います。
 お子様が小学生未満の場合には、お子様の理解力に応じて、事前に別居のことを伝えるかどうかも含めて検討していくことになろうかと思います。

 

 

4.別居や離婚は、お子様にとっても「自分事」だという認識を持つことが大事


 別居や離婚は、あなたにとっても大きな不安事ですし、どうやったら円滑に離婚できるのかといったことで頭がいっぱいになってしまう方も多いと思います。
 ただ、別居で生活環境が変わるのはあなただけではありません。
 お子様も様々な悩みや不安を抱えることになると思いますので、別居や離婚は、あなた自身の「自分事」というだけではなく、お子様にとっても「自分事」なんだという気持ちをもって接するのが良いかと思います。

 

 

5.まとめ


・お子様が小学校高学年以上の年齢の場合、お子様の理解を得た上で別居するケースが大半である。
・お子様が小学校高学年以上の年齢の場合、別居にあたっての詳しい説明は不要なことも多い。
・お子様が別居や離婚に賛成派の場合、比較的早い段階から別居のことを伝えているケースが多い。
・お子様が15歳以上の場合、事前に説明をして理解を得ておくことはほぼ必須である。
・お子様が小学校低学年以下の年齢の場合、お子様の理解力などに応じて検討する必要がある。
・別居や離婚は、お子様にとっても「自分事」だという認識を持つことが大事である。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2022.05.23更新

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1.モラハラ夫と事前に話ができるようなら話しておく


 モラハラ夫との別居を検討する際、あなた自身の別居については応じるかもしれないけれども、「子どもは置いていけ」とか「子どもは連れて行くな」と言われそうだというご相談を受けることは多いです。
 そのため、もし事前にモラハラ夫側に話をし、夫側の理解を得られるようであれば、理解を得た上で別居するのが良いと思います。
 もちろん、あなた自身がモラハラ夫と単身で話をすることが難しいようであれば、あなたのご両親や親族等に間に入ってもらったり、同席してもらって話をするという方法もあります。

 


2.モラハラ夫の事前の同意がなければ「違法な連れ去り」になってしまうのか?


モラハラ夫側の了解を得ていなかったとしても、そのことだけで、違法な連れ去りになるということではありません。
モラハラ夫側の了解を得ずに別居したとしても、同居中夫側からのDVやモラハラにかなり苦しめられており、事前に話をすると別居を妨害される危険性があったとか、もしくは、旦那側からのDVやモラハラが強まる可能性が高かったなど、一定の事情があって別居を開始しているケースが大半だと思いますので、そのような場合には、相手の了解を得なくともやむを得ないと言えます。

 

 

3.違法な連れ去りに該当するかのポイントは?


 それでは、違法な連れ去りに該当するか否かのポイントはどのようなところにあるのでしょうか?

 一般的には以下のような要素を考慮して判断されるケースが多いので、詳しく解説していきます。


1)【違法な連れ去りかどうかのポイント1】連れ去り態様
 お子様と一緒に別居することを余儀なくされたとしても、その態様によっては、お子様の心情をひどく害してしまうというケースもありますので、違法な連れ去りかどうかの重要なポイントの一つが、その「態様」ということになります。

 「態様」というのは、分かりやすく言いますと、「連れ去り方」の問題です。
 例えば、大型のバンの後部座席に無理矢理お子様を軟禁するかのような態様で連れ去るケースだとか、保育園の保育士さんの全く目が届かないところで、勝手に園庭に侵入して連れ去ると言ったケースですと、態様そのものが違法な態様といえますので、違法な連れ去りと認定されるケースが多いかと思います。

 

2)【違法な連れ去りかどうかのポイント2】お子様の意思
 ここでのお子様の意思というのは、別居に対してのお子様の意思と言うことになります。
 あなたが別居を余儀なくされた側だとしても、そのことにお子様が納得しないケースもあると思いますし、ある程度の年頃にいったお子様ですと、明確に別居に反対したり、自宅に残るという意思表示をするケースもあると思います。
 このようなお子様の意思に反して別居を始める場合、違法な連れ去りと認定されるおそれがあります。

 なお、まだ年齢が小さい子は、自身の置かれている状況等をしっかりと把握できていないケースも多いので、お子様の意思の確認は6,7歳以上を一つの目安として確認することが多いと思います(但し、離婚訴訟の場合には、10歳くらいを一つの目安にすることが多いです)。

 

3)【違法な連れ去りかどうかのポイント3】それまでの監護状況
 同居生活中の監護状況は、違法な連れ去りかどうかの判断にも影響を及ぼします。
 前述の通り、お子様が10歳以上の年齢の場合には、一般的にお子様の意思や別居時の様子についてお子様から直接話を聞くことができますが、お子様の年齢がまだ小さい場合には、お子様の意思確認をすることはあまり期待できません。

 そのため、一般的には、普段お子様の面倒を見てきた奥様がお子様と一緒に別居を開始したという場合には、「違法な連れ去り」とは評価されないケースが多いのが実情です。他方、普段お子様の面倒をほとんど見てこなかった旦那様がお子様と一緒に別居を開始したという場合には、「違法な連れ去り」のおそれがあると見られるケースが相対的に多いように感じます。

 

4)【違法な連れ去りかどうかのポイント4】無断別居イコール「違法な連れ去り」ではない。
 奥様がお子様と無断別居したケース、要するに事前に旦那様に何も別居等の相談をせずに別居を開始したケースでは、旦那様側では「違法な連れ去りだ」と声高に主張なさる方も多いのですが、無断別居と言うだけでは、直ちに違法な連れ去りとは言えないことが多いです。
 「違法な連れ去り」かどうかは、前述のポイント1からポイント3までを総合考慮して決定することが多いです。

 

5)実態としては?
 ただ、結論から申し上げますと、奥様がこれまで主にお子様の育児に携わってきており、事情があってお子様と別居を開始したという場合には、その方法がよほどお子様の意思に反するといった事情がない限り、「違法な連れ去り」と認定される可能性は低いと思います。
 奥様によっては、しっかりと旦那に伝えてから別居すべきだったとかお悩みになる方もいらっしゃいますが、あまりこの部分で神経質になり過ぎない方が良いと思います。

 

 

4.どんなに慎重に進めようとしても、「連れ去り」と主張してくる夫は、そのように主張してくる


 前述の通り、可能なのであれば、モラハラ夫にも事前にお子様との別居についても相談しておくのが望ましいと言えます。
 ただ、このように相談し、モラハラ夫の同意を得た場合であっても、「連れ去り」と主張してくる人は結局「連れ去り」と主張してきます。例えば「一時帰省することは認めたが、別居までは認めてない」とか「妻が離婚を考えているとは全く考えなかった。少し頭を冷やすために別居したのだと思っていたから、これでは騙し討ちだ」などと言ってくる例です。
 そのため、「言ってくる人は結局言ってくるんだ」という発想もある程度は必要かもしれません。

 

 

5.結局しっかりとした事情があって、子供の意思も確認しているなら、慎重に夫の意見を確認するメリットってどこにあるの?


 前述の通り、やむを得ない事情があり、主に子育てを担ってきたあなたがお子様の意思を確認した上で別居するのであれば、それが違法な連れ去りと判断されるケースはほとんどないと思います。
 このような説明を致しますと、「それなら、わざわざリスクを冒して夫に事前に話をする意味・メリットはあるの?」と感じるかもしれません。
 弁護士として一番のメリットと感じますのは、モラハラ夫からの監護者指定審判等の手続を起こされるリスクを下げるという点だと思います。


 子の監護者指定の手続は別のブログで解説いたしますが、この手続きの申し立てを受けますと、かなりの書面や資料の準備と、家庭訪問等に備えた準備をしなければならず、育児をしながら準備していくことはかなりの負担になります。

 

 

6.まとめ


・旦那様の了解を経ずに別居したからと言って直ちに連れ去りになるわけではない。
・違法な連れ去りに該当するかは以下のような要素で判断することが多い
① 連れ去りの態様
② お子様の意思
③ それまでの監護状況
・別居前に事前に旦那側に話をしておくことが望ましいが、状況による。
・どんなに慎重に進めても「連れ去り」と主張してくる夫は結局その主張をしてくる
・「連れ去り」といった形で問題が複雑化すると、夫側が監護者指定審判の申立てをしてくるリスクが高まる。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2022.05.09更新

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1.別居時の持ち物を点検する理由



 モラハラ夫側が離婚に同意してくれなくとも、夫婦間の冷却期間として別居については同意しているという場合には、別居時の持ち物についてあまり神経を使う必要がないかもしれません(後日取りに行くことが比較的容易なので)。



 他方で、モラハラ夫側に事前に話をせずに別居する場合には、予め必要なものを持ち出しておいた方が無難と言えます。

 私が担当した事件では、別居後直ぐに旦那様が奥様の持ち物を全て勝手に処分してしまったといったケースや、別居後ほどなくして旦那様が自宅の鍵を交換してしまって自由に入れなくなってしまったケースなどもあります。



 このようなことも想定されますので、別居時の持ち物についてはできる限り漏れがないように注意する必要があります。
 他方で、余りあからさまに準備をしてしまいますと、折角夫に事前に別居話をせずに準備していたのに、別居を夫に察知されて、色々と追及されたり、妨害されるリスクもありますので、この点にも注意が必要です。

 以下では、持ち物リスト的な観点も含めて詳しく解説していきます。

 



2.別居時の持ち物        




 別居の際には、以下を参考に、詳しく荷物の整理をしてみると良いと思います。

(1)貴重品や普段の生活に必要なもの
・今後の生活にあてる当座資金

・あなた名義の預貯金通帳 ※繰越済みのものもあった方がベターです。

・お子様名義の預貯金通帳

・キャッシュカード、クレジットカードその他のカード類

・あなた名義の保険証券(生命保険、学資保険等)

・銀行届出印

・あなたの実印、印鑑登録カード

・運転免許証、パスポート

・健康保険証

・年金手帳、母子手帳

・(余裕がある様ならば)あなたの高価品(宝飾品や骨董品)や婚姻前の記念品

・常備薬・処方薬

・普段利用している手帳

・お子様の学校生活で利用する教材やノート等

・お子様の記念写真や、写真・画像のデジタルデータ

・ある程度の衣類
※どうしても処分されたくないもの等は別居時に持ち出したほうが良いですが、難しい場合には、その物の写真を撮っておく場合もあります(そうすると、後でモラハラ夫から勝手に処分された場合でも、処分されたことの証明になるため)


(2)モラハラの証拠となるような資料
・ボイスレコーダー(夫のモラハラ発言についてボイスレコーダーで録音を取ったことがあるようなケース)

・以前使用していた携帯電話及び充電器(以前の携帯電話にデータを保存していた場合)

・自宅PCに保管していたデータ類

・写真(モラハラ夫が物を投げて壁や家電を破損した場合に、破損部位を撮影した写真や、モラハラ夫からの暴力であなたが怪我をした時の怪我の写真等)

・子育て支援センターや警察からの開示資料(保存期間が経過してしまうと今後開示申請をしても入手できないこともあるため、既にお持ちであれば持って出た方が無難)

・あなたがつけていた日記等


(3)財産に関する資料
・直近の源泉徴収票

・直近3か月分の給料明細書

・夫の収入が分かる資料のコピー等がこちらの手元にあるようなら、その資料

・夫の資産のありかが分かる資料コピー等がこちらの手元にあるようなら、その資料

・その他財産に関する資料のコピー(不動産権利証のコピー等)

 上記は一例ですので、事件によっては、ほかにも持ち運んでおいた方がよい荷物があるケースもあります。また、今回の解説では、大がかりなものを持ち運ぶ余裕がないということを前提にしていますので、家具や家電類は含んでおりません。

 

 

3.荷物を持ち出すタイミング


 私がご相談を受け取りますと、「新型コロナウイルスの影響で、モラハラ夫が在宅勤務をしている日が多くて別居日がなかなか決めずらい」とか「モラハラ夫が在宅勤務をしているので、荷物の整理や、事前に荷物を送付することがやりづらい」というご相談を受けることも多いです。
 そのような場合でも、夫が出張に行っているタイミングがあるとか、夏期休暇や冬期休暇中、夫は一人で実家に帰るということで、そのようなタイミングで別居をスタートされる方も多いようです。


 また、大掛かりな引っ越し業者に頼むことが難しいという場合には、事前に何回か小分けにして段ボールを一つ一つコンビニ等から宅急便で送るとか、実家が近所なので、小分けした段ボールを何回かに分けて実家に一時保管しておくという進め方をする方もいます。

 

 

4.まとめ


・別居後夫が勝手に処分等してしまうリスクもあるので、別居の際には極力漏れなく荷物を搬出したほうが良い。
・搬出すべき荷物のカテゴリーとしては以下を意識して整理するとよい。
①貴重品や生活必需品等
②モラハラの証拠となるような資料等
③財産に関する資料等
・夫が在宅勤務をしている場合には、皆様工夫しながら荷物を整理しているようである

 

 

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2022.05.02更新

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1.別れ話をした時のモラハラ夫の反応は?


 あなたの方からモラハラ夫に別れ話をした時、どのような反応をするのか、ある程度想定して準備しておけると、あなた自身混乱することも少なくなるでしょうし、今後の離婚に向けての対策につながるケースもあります。
 そのため、以下では、私が直接担当した事件で、モラハラ夫がどのような反応を示すのか、夫の反応を踏まえて、どのような伝え方が良いのかといったことを詳しく解説していきたいと思います。

 

 

2.【ケース1】モラハラ夫が全く真剣に受け取ってくれない


 私が事件を担当していて、モラハラ夫の反応として一番多いと思われるのが、真剣に受け取らないという反応です。
 特に、あなたが専業主婦であったり、パート勤務で収入が少ないような場合には、「離婚しても自分の収入だけで生活できるはずがない」などと考えるモラハラ夫が多いようです。
 また、これは別れ話のタイミングにもよるのですが、夫婦喧嘩の際などに、別れる旨を話した場合には、モラハラ夫は、こちらが一時的な感情で離婚や別居を口にしたと誤解しているケースも多いです。
 このようにモラハラ夫が真剣に受け取らないという場合には、真剣に受け取るような伝え方をしていくのが良いと思います。例えば、お互いの両親を交えた大家族会議のような形式をとるとか、具体的な別居開始日を決定してしまって話をするとか、もしくは、別居開始後に改めて話をするといった方法が考えられます。

 

 

3.【ケース2】モラハラ夫が急に神妙になる・謝ってくる


 モラハラ夫は、家庭内ではモラハラ発言等ばっかりであっても、家庭の外では、まるで別人のように社交的にふるまうというような人物も多いです。そのようなモラハラ夫の共通点としては、「自分がどのように行動すると自分に有利になるのか」と言ったことを計算できるということです。
 そのため、あなたが真剣に別居や離婚のことを伝えると、一旦はあなたを落ち着かせたほうが良いと考え、モラハラ夫は神妙になったり、急に謝ってくるのです。


 このような場合によく質問を受けるのが「今は神妙にしているけれども、演技なので長続きしませんよね?」といったご質問です。
 私は実際にあなたの夫に直接会ったことも直接話したこともないため確証をもってお話しできないのですが、「これまでのモラハラ行為の重症度に応じて推測するしかありません」とお答えすることが多いです。これまでのモラハラの重症度が重い場合には、残念ながら、今は神妙にしていても長続きしなかったり、モラハラ行為が再燃する確率が高いと言えますし、逆に、これまでのモラハラの重症度がそこまで重くない場合には、モラハラ行為が再燃する確率は高くはないかもしれません。


 なお、モラハラ夫がこれまで一度も謝ったことがなかったような場合には、今回初めてモラハラ夫が謝ってきたことであなたも嬉しくなってしまい、安心してしまうということもありますが、残念ながらそれが演技の可能性もありますので、今後も多少なりとも用心しながら生活したほうが良いと思います。

 

 

4.【ケース3】モラハラ夫が猛反発してくる


 重症のモラハラ夫でよくあるケースですが、あなたが真剣に別れ話をしたことで、猛反発してくるケースです。
 そもそも、モラハラ行為をする人間は、自分が悪いことをしていないと考えている人が多いです。「あなたが俺を怒らせるのが悪い」「怒らせる原因を作ったのはあなただ」「あなたの家事があまりに不十分なので注意しただけで、感謝されても責められる謂れがない」といった発想です。
 このようにモラハラ夫としては何も悪いことをしていないと考えていますので、突如あなたから離婚や別居を突き付けられて、信じられない思いや、もっと家族円満にできるようあなたの方が努力すべきだなどと強く反発してくるのです。


 このような場合、あなた一人でこれ以上別れ話を進展させていくことは難しいですし、あなたのモラハラ被害が拡大していくだけなので、他の親族の協力を得るなど話の持って行き方や、離婚に向けての手順等をしっかりと検討していったほうが良いと思います。

 

 

5.【ケース4】表面的に波風を立てないようにしつつ離婚準備を始める


 表面的にモラハラ夫側の動きが見えにくくなるので、一番油断がならないケースです(ただ、私が実際に担当した事件でも、このように対応するモラハラ夫はごく少数です)。


 例えば、①表面的にはこちらへの圧が大きく軽減されたが、子供への関わりが非常に積極的になったケース(最悪離婚になっても、新件を獲得すべく準備しているケース)、②表面的にはモラハラ発言等が大きく減ったが、預金をインターネットバンキングに変更したり、これまで置いてあった共用スペースから勝手に移動し始めた(最悪離婚になっても、財産分与でなるべくお金を渡したくないので、財産隠ぺいを目論んでいるケース)といったものが考えられます。
 モラハラ夫はこちらの予想以上に計画的に準備を開始している可能性もありますので、十分用心する必要があります。

 

 

6.上記のケースはあくまで代表例であること


 上記で詳しく解説したケースはこれまで私が直接担当した事件での実際の事例なのですが、あくまで代表的なものに過ぎません。
 そのため、前述のケースの枠に入らない反応を示すケースもあると思います。
 また、前述のケースは、必ずしも、どれか一つのみが当てはまるということではありません。複数が当てはまるというケースも往々にしてありますので、この点も留意が必要です。

 

 

7.まとめ


・私が担当した実際のケースにてモラハラ夫の反応としては以下のようなものがある。
 ①全く真剣に受け止めない
 ②急に神妙になる・謝罪してくる
 ③猛反発してくる
 ④表面的には波風を立てないようにしつつ離婚準備を進める
・これらはあくまで代表例なので、違うケースもあり得るし、複合的なケースもあり得る。

 

 

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