2020.01.20更新

 弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 

 

1.監護者指定事件は調停前置ではない。


 

 離婚について調べていると、手続のステップは、①協議→②調停→③裁判の3つ手続きを経るという記事を見かけることもあるのではないでしょうか。

 そして、離婚の場合、いきなり離婚裁判を起こすことはできず、必ず事前に調停を起こしておく必要があります(これを「調停前置主義」と呼びます)。

 

 これに対して、監護者指定事件には、調停前置主義が適用されませんので、調停を経ずにいきなり審判を起こすことができます。

 あまり聞き慣れない「審判」という手続がどのようなものなのか調停と比較しながら解説していきます。

 

 

2.審判と調停の違い


 

 審判と調停との間にはいくつもの違いがあるのですが、大きな違いとしては以下のような点が挙げられます。

①審判手続は審判を目指すものであるのに対して、調停は当事者間の合意を目指す。

②審判は原則公開法廷で行われますが、調停は非公開で行われます。

③審判には即時抗告という不服申立ができますが、成立した調停に対する不服申立はできません。

④審判は書類の提出をメインで行い、調停のような口頭での説明がメインではありません。

⑤審判では基本的に当事者本人が出席する必要がありませんが、調停では基本的に当事者本人が出席する必要があります。

 

 それぞれについて具体的に説明して行きます。

 

(1)審判手続は審判を目指す

 冒頭でも説明しましたとおり、審判手続は審判を得ることを目的としており、審判が言い渡されて、その内容が確定すると、不満のある当事者も審判の内容に従わざるを得なくなります(そのため、イメージとしては「判決」に近いです)。

 調停の場合には、相手の提案に納得が行かない場合には、納得いかない旨を述べれば調停は成立しませんので、相手の言い分を強要されることはありませんので、この点が審判と調停の一番大きな違いと言えます。

 

(2)審判は原則公開法廷で行われる

 調停は調停室という会議室のような部屋で行われるのですが、審判は原則として法廷(テレビドラマなどに出てくるのは通常この「法廷」になります)で行われます。

 但し、監護者指定事件においては、調査官調査が重要な役割を果たしますが、その際の調査官面接などは、会議室のような部屋で行われます。

 

(3)審判に対しては即時抗告という不服申立ができる

 審判手続の結論として審判が言い渡された場合でも、その審判内容に不満がある当事者は、即時抗告をして、その判決内容を争うことができます。

 これに対して、調停が成立した場合、後で気持ちが変わったとしても調停の内容を覆すことはできません(不服申立手段がありません)。

 なお、審判手続の中で当事者間の話し合いが上手くいった場合には、裁判官が審判手続きを調停手続に変更した上で、調停が成立することがありますが、この調停に対しても不服申立ができませんので、注意が必要です。

 

(4)審判では書類のやり取りが中心になる

 審判では、最終的には裁判官が審判を書くことになりますので、当事者の言い分が不正確にならないように、お互いの言い分は主張書面といった書面に書き起こして主張してゆくことになります。

 離婚調停の場合には、特に調停委員が希望する場合を除いて、言い分は調停室内で口頭にて述べられますので、この点も審判との違いになります。

 このように審判では本人の言い分が裁判官にきちんと届くように書面をまとめることが非常に重要になりますので、審判期日当日というよりも当日よりも前の主張書面の準備が重要になります。

 

 なお、監護者指定事件では、最終的には調査官の調査報告書が作成されますので、書面提出のみではなく、調査官面接や自宅訪問が実施され、その際の様子も重要なポイントになります。

 ただ、このような調査官調査に入る前に、しっかりとこちらの言い分を裁判官や調査官にぶつけ、必要な裏付け資料は全て提出しておくことが最重要になりますので、いずれにしましても、口頭のやり取りではなく、書類のやり取り、特に裏付けのやり取りが重要であるという点は調停との大きな違いです。

 

(5)審判には原則本人は出席しなくて良いし、通常は出席しない

 調停手続の場合、仮に弁護士が代理人に就いたとしても、本人が調停手続に出席する必要があります(弁護士も同席します)。

 これに対して、審判の場合、代理人が法廷に出席すれば良く、本人が出席する必要はありません。

 審判の場合、上記の通り、書類のやり取りが中心になりますので、期日当日本人に事実確認をする必要がなく、御本人に出席していただく必要はなくなるのです。

 

 

3.審判の具体的イメージは?


  

 審判というと、よくドラマでやる様な相手を証言台に立たせて尋問することをイメージする方も多いと思いますが、実際の審判は大きく異なります。

 監護者指定事件の大きなイメージとしては、①第1回期日までにお互いの言い分をほぼ言い尽くしてしまう→②調査官による調査の実施(調査官面接や自宅訪問、関係先訪問等が実施されます)→③調査報告書に基づく調停の勧告もしくは審判の言い渡しという流れになります。

  お互いの言い分の矛盾した点等については、調査官面接時に調査官が丁寧に事情を確認していきますので、通常証人尋問のような手続は実施しないことの方が多いです。 

 

 

 4.まとめ


・審判手続は調停と比較してみてみると分かりやすい。

・比較の結果の大きな相違点は以下のようなものである。

①審判手続は審判を目指すものであるのに対して、調停は当事者間の合意を目指す。

②審判は原則公開法廷で行われますが、調停は非公開で行われます。

③審判には即時抗告という不服申立ができますが、成立した調停に対する不服申立はできません。

④審判は書類の提出をメインで行い、調停のような口頭での説明がメインではありません。

⑤審判では基本的に当事者本人が出席する必要がありませんが、調停では基本的に当事者本人が出席する必要があります。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2020.01.13更新

 弁護士 秦

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1.そもそも「監護者」って何だ?


 

(1)監護権というワードは馴染みが薄い。

 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。

 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。

 

(2)親権の意味のおさらい

 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。

 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。

1)身上監護権

2)財産管理権

3)身分行為の代理権

 要するにこれらの権利をまとめて「親権」と呼んでいるということです。

 これらの3つの権利についてそれぞれ説明していくと以下の通りです。

 

 まず、身上監護権とは、お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。

 財産管理権とは、お子様の財産を管理についての代理権限を言います。馴染みがある例ですと、TSUTAYAなどでお子様だけでトレーディングカードやゲームソフトなどを売却しようとすると、親御さんの同意を得て下さいと言われると思いますが、これは、親権者に財産管理権があるため、お子様だけで高価な物品の処分等ができなくなっているのです。

 身分行為の代理権とは、例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等をイメージしてもらうと分かりやすいかと思います。

 

(3)要するに監護権って?

 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。

 監護権が問題となるのは、奥様がお子様を連れて別居を開始してしまったというように、ご夫婦が別居状態になっているときに、旦那様と奥様どちらがお子様を育てていくのが適切なのかということで争われるケースが大半です。

 

 

2.子の監護者指定って?


 

 夫婦が別居している場合、当然お子様はどちらか一方の家で暮らしていくことになります(頻繁な面会交流をしているケースもあるでしょうが、普段の寝起きをする場所としては通常夫婦どちらかの家と言うことになろうかと思います。)

 そして、このようなお子様の生活そのものに不満がない場合には、敢えて監護権者指定を申し立てる必要はありません。

 

 しかし、例えば、普段お子様の面倒をほとんど見ていなかった旦那様が勝手にお子様と一緒に自宅を出てしまったとか、逆に、DV夫から妻だけが追い出されてしまった(お子様を自宅に残さざるを得なかった)というように、現在のお子様の生活が子の福祉にかなっていないという状況に陥っているというケースもあります。

 これらのような場合には、お子様のために、現在の監護状況を脱し、お子様を本来あるべき生活環境に戻す必要があります。

 

 このようにして主たる目的としては、お子様を合法的に引き戻させるべく申立を行うのが子の監護者指定(+引渡)となります(このように通常はお子様の引渡をさせる必要がありますので、監護者指定と共に引渡も申し立てていくことになります)。

 

 

3.一般的に事件の数は3個になる


 

 前述の通り、現在もお子様の生活環境に問題があるので、そのお子様をこちらに戻させることを主目的として監護権者指定の申立は行われます。

 そして、通常、このような状況は早急に改善する必要があります。

 

 そのため、監護権者指定を申し立てる際には以下のように事件数は3個となることが多いです。

1)監護者指定

2)引渡し

3)保全処分

 

 1)は前述で説明したように、夫婦共に親権を有する状態から、一方のみに監護権を付与する手続です。

 ただ、監護者が決まっただけでは、相手が任意に引渡に応じないケースもあります。そのため、合法的にお子様をこちらに引き戻させるために、2)の「引渡し」も請求するのです。

 さらに、このようなケースは緊急性が高いものですから(このような状態を長期間放置するとお子様の身の安全が保障できないことになるため)、保全処分、要するに緊急措置として暫定的に仮の監護者を定めて欲しい、暫定的に仮の引渡をして欲しいという申請も出すのです。

 と言いますのは、本来の正式な審判は、慎重に審理しなければなりませんので、結論が出るまでに時間がかかってしまいます。ただ、時間がかかればかかるほどお子様は劣悪な環境での生活を余儀なくされると言うことになってしまいますので、至急暫定的にでもお子様を正常な生活環境に戻させる処分が「保全処分」なのです。

 

 

4.まとめ


・親権には、大きく分けて身上監護権、財産管理権、身分行為の代理権という3つの権利が含まれる。

・監護者指定とは、そのうちの「身上監護権」を夫婦のどちらか一方に与えるものである。

・監護者指定は、別居によりお子様が夫婦どちらか一方の生活だと劣悪な環境での生活になっているといったケースでお子様を救出する手段である。

・そのため、監護者指定は、①監護者指定、②子の引渡し、③保全処分という3つの事件が同時並行で進むことが多い。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2019.12.23更新

弁護士秦

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1.令和元年12月23日算定表改定発表


 

 報道もされていますのでご存じの方が多いと思いますが、最高裁判所の司法研修所が令和元年12月23日改定算定表を公表しました。詳しくは下記リンクの通りです。

>>改定算定表<<

 

 婚姻費用と養育費の決め方については、2003年に東京・大阪養育費等研究会が提案・発表した算定表が家庭裁判所にて広く活用されていました(但し、調停の手続の中では、ご夫婦がこの金額で双方納得すれば、合意が形成されますので、調停手続き上は「目安」という位置づけにはなりますが)

 このような算定表は、今から16年近く前に作られたものということもあって、その後の経済情勢の変化を反映していないという問題がありました。

 そのため、今回、経済情勢の変化等を踏まえ、改定が行われ、上記の通り公表されました(算定表の基礎となる計算式等には変更を加えず、各指数等を最新の統計結果等を踏まえた数字に変更したようです)。 

 

 

2.増額調停を起こすべきか否か


 

 先ほどのブログでは、算定表改定を受けた一般的な事項について考察しましたが、今回は、増額調停を起こすべきかどうかの検討項目等について解説していきます。なお、本ブログ記事は、弁護士秦の私見ですので、裁判所のオフィシャルの見解等では一切ございません。この点はご留意しながらご覧下さい。

(1)表の改定だけを理由にする増額調停は難しい。

この点は、改定表の説明にもありますとおり「本研究の発表は、養育費用の額を変更すべき事情変更には該当しない」とされていますので、表の変更それだけを理由とする改定は難しいと思われます。

 

(2)増額調停を申し立てるべきかの検討項目

 上記の通り、表の改定だけを理由とする増額要求は難しいと思いますので、どの様な事情があれば増額調停を申し立てた方がよいのか、検討項目をご説明していきます。

 具体的には、①お互いの収入変化、②お互いの家庭環境の変化、③先方が調停に出席するか否か、④これまでの面会交流の状況、⑤その他検討項目等を検討すべきかと思います。以下具体的に検討していきます。

 

①お互いの収入変化

 例えば、離婚の際にはこちらにもそれなりの収入があったけれども、事故等で収入が大きく減ってしまったとか、相手が昇進して収入が大きく上がったといったケースが想定されます。

 養育費等は、お互いの収入状況がもっとも大きな決定要因になることが多いので、収入状況に大きな変化が生じた場合には、新たに養育費増額調停等を申し立てる大きな要因になろうかと思います。

 ただ、相手の収入状況があらかじめ分かっていればよいのですが、分からない場合には、いざ調停を申し立てたところ、相手の収入が減ってしまっていて、減額されることになってしまうというケースもあり得ますので、相手の収入状況の見極めは慎重に行う必要があります。

 そして、このような収入変化がこれまでの養育費の金額を変更するだけの事情となるような場合には、今後は、改定後の算定表を目安として調停が進行していくものと思われます。

 

②お互いの家庭環境の変化

 例えば、先方が再婚し、新たに子供ができたことを前提に養育費を決めていたけれども、最近先方が離婚したとか、こちらが養育費等を請求するにあたって、有利な身分関係の変更があったようなケースを想定しています。

 お互い扶養すべき子や配偶者の増減がある場合には、養育費等の増減要因になることが多いので、新たに養育費増減調停を申し立てる大きな要因になろうかと思います。

 そして、このような家庭環境の変化がこれまでの養育費の金額を変更するだけの事情となるような場合には、今後は、改定後の算定表を目安として調停が進行していくものと思われます。

 

③相手が調停に出席するか否か

 相手が調停に出席するかどうかは、養育費等増額の直接の要因にはなりません。相手が欠席したからと言って、ペナルティとして養育費が増額されやすくなるとか、相手が誠実に調停に対応したからと言って増額が通りにくくなると言うことはありません。

 ただ、いざ増額調停を起こすとなると、相手が出席しないことには、調停手続は進まなくなってしまいます。

 そのため、調停を起こしたときに、先方が出席しそうかどうかという点は慎重に見極めておく必要があります。

 なお、先方が出席しない可能性が高いという場合には、当初から審判も視野に入れた上で、対応した方がよいケースもあると思います。

 

④面会交流の実施状況

 面会交流の実施状況は、養育費等増額の直接の要因にはなりません。これまで面会交流をほとんど実施していなかったとしても、そのことで養育費増額が認められにくくなると言うことはありませんし、面会交流をしっかり実施してきたからと言って増額が認められやすくなると言うこともありません。

 ただ、いざ増額調停を起こしますと、、「子供に会えてもいないのにお金だけ取られるのは納得行かない」という言い分が出ることが多く、ケースによっては元旦那様側から面会交流調停も一緒に取り扱ってほしいと言うこともあります。

 そのため、増額調停を起こす際には、このような面会交流の件も話題にあがる可能性が高いことは考慮に入れておく必要があります。

 

⑤その他検討項目

1)これまでの支払状況

 これまでの先方からの支払状況そのものは、養育費変更の直接の要因にはなりません(あまりに支払状況が悪いからペナルティとして増額しやすくなると言うことはありません)。

 ただ、先方があまりに養育費の支払いを滞納し続けているという場合には、先方にしっかりと養育費等を支払わせる意味で養育費支払いの調停を起こしたり、もしくは、上記①や②の状況も踏まえて増額調停を申し立てることも考え得るかと思います。

2)相手の資産状況等

 相手の資産状況等は、直接養育費増額の要因にはなりません(例えば、相手が相続で多額の土地を取得したとしても、そのことは、養育費増額の要因にはなりません)

 但し、相手が現在どこに勤めていて、どこに資産があるのかはある程度把握しておいた方が、今後の手続を円滑に進めることができます。

 この点では、来年改正民事執行法が施行され、相手の勤め先等を把握する制度が創設されましたが、相手の勤め先把握のためには、まずは、財産開示の手続きを取らなければならないなど、手続に時間がかかることも予想されますので、今後の円滑な進行のためには、事前に相手の勤め先等を把握しておいた方が望ましいと思われます。

 

3.増額調停を起こすタイミング


 

 

 前述の通り、算定表の改定そのもののみを理由とした改定は認められないと思われますので、まずは、増額の前提として相手の収入増加やこちらの収入減といった客観的な状況変化の有無を検討していくことが必要になろうかと思います。

 もちろん、算定表改定と言うことが報道でも大きく取り上げられていますので、そのことを踏まえて、このタイミングに敢えて増額調停を起こすと言うことも検討してよいかと思います(相手も特に増額を意識する時期という意味では調停を申し立てるよいタイミングと言えなくもありません)。

 ただ、繰り返しになりますが、一度養育費を決めている場合には、その後の状況変化の有無が増額できるかどうかに大きく影響しますので、ほとんど状況変化がないとか、相手の収入が減ってしまっているような場合には、むしろ減額されてしまうリスクもありますので、この点は十分注意する必要があります。

 

 また、お子様の進学先等をしっかりと相談し、学費の支払い割合等も議論したいという場合には、なるべく早めに調停を申し立てるなどして議論する場を設けた方がよいと思います(もちろん、調停ではなく、調停外での話し合いで議論できるようであれば、調停外で話し合いをした方が望ましいことは言うまでもありません)。

 

4.まとめ


・養育費等増額調停を起こすか否かの検討項目としては以下のようなものが考えられる。

 ①お互いの収入変化

 ②お互いの家庭環境の変化

 ③先方が調停に出席するか否か

 ④これまでの面会交流の状況

 ⑤その他検討項目

・増額調停申し立てのタイミングとしては、相手の収入状況等を把握してからの方が望ましい。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2019.12.09更新

弁護士秦 

 こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、>>「モラハラの連鎖を断ち切る!!」モラハラ被害女性のための総合サイトはこちら<<になります。

 

 正直に申しますと、モラハラ・DV夫が激しく離婚に反対してくる場合、最終的には離婚訴訟を提起しなければならなくなりますので、離婚に漕ぎつくためにはそれなりの期間を要することになります。そのため、あなたの離婚問題が長期化するかは、夫側のキャラクターや心情に大きく左右されます。

 ただ、状況等に応じて、ある程度離婚の難易度がどの程度なのかについては類型化することができますので、一般的な傾向として解説していきます。

 

 

1.法律的な難易度


 

 民法770条には、法律上の離婚原因が明記されているのですが、法律上の離婚原因は浮気や暴力等かなり限定的です。

 離婚の手順として、協議離婚(離婚届を提出して離婚するケース)できるのであればよいのですが、それが難しい場合には調停離婚(裁判所の調停で離婚するケース)、最後には裁判離婚(裁判所の裁判で離婚するケース)が必要になります。

 

 ただ、裁判をすれば必ず離婚できるのかというと、そうではなく、民法770条の離婚原因の存在が要求されているのです。

 夫婦の問題は当人同士で話し合いをすることが望ましいとの考え方から、裁判所によって強制的に離婚ができる事情は限定されているのです。

 

 逆に言うと、この民法770条の離婚原因がある場合には、裁判をすれば離婚できると言うことになりますので、継続的にDVが行われたケースになりますと、法律的な難易度は「低い」ということになります。

 他方、DVがあったとしても軽微であったり、お互いが手を出し合ってしまったケース、こちら側が過度に挑発してしまったケース等では、それだけでは直ちに離婚原因とは言えないと評価されてしまうケースもあります。

 

 また、モラルハラスメントのみのケースですと、当該モラハラのみをもって離婚原因とすることは難しいケースが多いと言えます。その意味では、法律的な意味での離婚難易度は「高い」ということになります。

 

 

2.実際の難易度は?


 

 これまでの解説は、「離婚裁判をした場合に勝てるのか?」というお話しです。

 そもそも、離婚裁判をせずに解決できるのであれば、短期間で解決できることになりますし、裁判に要する手数もかからないため、それに越したことはありません。

 

 そのため、離婚難易度といった場合、どの程度離婚調停で話をまとめられるか(もちろん、協議離婚ができればより一層望ましい)というところにかかってきます。

 

(1)難易度が高くなる要素

 離婚難易度(離婚調停までで離婚できる難易度)を高める要素は様々な要素があるのですが、私が弁護士として事件を担当している際によく感じる項目として以下のようなものがあります。

①モラハラ・DV夫の独自の発想・こだわりが強い。

②同居中のモラハラ・DV行為が執拗であった。

③モラハラチェック項目の項目に多数該当する。

 これらのケースですと、一般的に離婚難易度は上がる傾向にあると思います。

 

 なお、上記の①については、モラハラ夫の特徴の一つとも言えるものなので、該当する夫も多いと思うのですが、その全てのケースで離婚難易度が上がるというより、「突拍子もないような発送・こだわりを持っている」というイメージで考えてもらえればと思います。

 また、②や③のケースですとモラハラ・DV夫は、自身の行為が問題行為だったという認識に薄いため、離婚に反発する人が多く、離婚難易度を上げる原因になります。

 

(2)特定の夫を対象にした対策

 上記のような事情があると一般的に離婚難易度が上がるのですが、特徴に応じた対策を取ることによって早期離婚につなげる方法もあります。

 

①金銭に細かい夫を相手にする場合

 このような夫を相手にする場合、早急に婚姻費用を請求して、相手に金銭的負担をさせるという方法が効果的なことが多いです。

 要するに、夫側に「離婚しない限り毎月毎月お金を取られる」という意識を持たせることで、早期離婚に結びつけるのです。

 

②外面を強く気にする相手の場合

 このような夫を相手にする場合、調停等裁判所の手続を避けたがる人も多いので、そのようなケースであれば、極力協議離婚で解決することを目指します。私が担当したケースでも、3か月ほどで協議離婚にこじつけることができたケースもあります。

 

 他にも夫の特徴に応じて対抗策はありますので、気になる方はお気軽にご相談下さい。

 

 

3.同居中夫の方から「もう離婚だ」と言われることが多かった。


 モラハラ夫が離婚というワードを使う場合、こちらに対する「脅し文句」として使っている場合も多いため、必ずしもすぐに離婚できるとは限りません。

 もちろん、このような場合、相手がすんなり離婚に応じてくれることもあるのですが、離婚には応じても、離婚の条件(親権・養育費や財産分与の負担等)について対立が激しく、手続に時間がかかってしまうというケースもあります。

 

 

4.まとめ


・法律的な離婚難易度は、継続的な暴力等があれば下がる。

・実際の難易度としては、①独自の発想が強い夫や、②モラハラ・DVが執拗であったケース、③モラハラチェック項目に多数該当するケースだと難易度は上がる傾向にある。

・夫の特徴によっては効果的な対策を取ることで早期離婚にこぎ着けるケースもある。

・同居中モラハラ・DV夫が「もう離婚だ」といっていたからと言って簡単に離婚できるとは限らない。

 

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2019.11.25更新

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1.相手はDV夫やモラハラ夫なのにその証拠が少ないというケースは案外多い


 被害女性の方からお話を聞いていますと、DVやモラハラ被害があったことは明らかなのですが、肝心の証拠が少ないというケースは多くあります。

 特にモラハラですと、相手が頻繁に暴言を浴びせて来るというケースだと録音等をしておけばよいのですが、長期間無視してくるとか、こちらの行動を監視して来るというケース等ではそもそも証拠を入手すること自体が難しいということが多いです。

 

 また、相手からのLINEやメール等はあるものの、あまり決定打になる様なものがないというケースもあります。

 ただ、そんな場合にも簡単に離婚を諦めずに対処していく必要があります。

 以下では、どのようにして離婚に道筋をつけていくのかを解説していきます。

 

 

2.【対処方法1】別居期間を稼ぐ


 

 相手が自分のモラハラやDVを認めればよいのですが、証拠がない場合には、そのことを認めないケースも多いです。

 そうなった場合、証拠がない事実ばかりを主張していても離婚の道筋を付けることはできません。

 

 このような場合の直接的な方法としては「別居期間を稼ぐ」ということが最も有効な手と言えます。

 DV等の明確な離婚原因の証明ができない場合であっても、別居期間が長期間に及ぶ場合には、このような別居生活の方が夫婦としての同居生活よりも安定しているという考えになりますので、離婚が認められやすくなるのです。

 

 どの程度の別居期間が必要かという点は、これまでの同居生活でのやり取りによりますので、明確なことは言えませんが、3年から5年が一つの目安と言われることがあります。

 

 

3.【対応策2】早めに婚姻費用の支払いを開始させる


 

 先ほど説明した「別居期間を稼ぐ」という方法は、いわゆる手堅い手段ではあるのですが、離婚成立までに時間がかかってしまうというのが大きな難点です。

 あなたとしては、もはやDV夫・モラハラ夫と夫婦でいる必要がありませんので、早めに離婚したいと希望しているのでしょうから、別居期間を稼ぐという方法は、このような希望には添っていません。

 

 そこで、次に考えられるのが婚姻費用を支払わせるという方法です。

 モラハラ夫やDV夫は、自分の気に入らないことに対してはお金を払わないという態度の人間が多いため、あなたが夫に無断で別居したような場合ですと「勝手に出ていった人間には生活費は渡さない」と言ってくる人は多いです。

 ただ、正式に離婚が成立する前であれば、あなたは婚姻費用(生活費)を請求する正当な権利がありますので、相手の「支払わない」という言い分が認められる可能性は極めて低いです。

 

 そのため、この権利を早めに行使し、早めに先方に婚姻費用の支払いを開始させることが重要です。

 なぜなら、相手に毎月生活費を支払わせていくと、相手としては納得が行かないお金を毎月支払わなければならなくなりますので、このこと自体がストレスに感じるでしょうし、実際上も毎月婚姻費用を支払うことで自身の収入が減っていきますので、「早く離婚してしまった方が負担が少なくなる」という発想に結びつきやすくなるからです。

 そのため、早めに婚姻費用の問題に着手すると言うことは重要ですので、相手が支払いを拒むようであれば、早めに調停を起こして、支払いを早めに開始させる手順を踏むことが多いです。

 

 

4.【対応策3】離婚裁判も辞さないという強い姿勢を示す。


 

 離婚の問題は協議が決裂した場合、いきなり裁判を起こすことはできず、まずは調停を申し立てる必要があります。

 離婚調停の中で、こちらは離婚したい、他方、相手は離婚したくないと言うことで意見が対立してしまいますと、離婚調停も決裂して終了してしまいます。

 

 ただ、調停も終盤に差し掛かりますと、調停委員から、今後どのようなことを考えているのかを質問されますので、こちらとしては、裁判も辞さないという強い覚悟を持っている旨を示していくことになります。

 そうすると、裁判になりますと長期戦になりますので、夫側が短気な場合には、長期紛争を嫌がって、調停で話をまとめようとしてくることも多いです。

 

 

5.まとめ


・DV・モラハラの証拠が少ない場合であっても戦い方はあるので、簡単に離婚を諦めてはいけない。

・別居期間を稼ぐと言うことが一番端的な対応策である。

・早めに夫側に婚姻費用の支払いを開始させることが重要である。

・離婚調停の席では、裁判を辞さない旨のしっかりとした強い覚悟を示すことも重要である。

 

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弁護士 秦(はた) 真太郎

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2019.11.11更新

 弁護士秦

 こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、>>「DV・モラハラの連鎖を断ち切る!!」DV・モラハラ被害女性のための総合サイトはこちら<<になります。

 

 

1.弁護士を雇った場合、弁護士に丸投げできないの?


 

 あなた自身で離婚調停を申し立てた場合、その調停の席にあなた自身が出席しなければならないのは当然ですが、弁護士を依頼した場合はどうでしょうか。

 要するに、弁護士を雇ったのだから、弁護士に丸投げできないのかという問題です。

 

ちなみに、遠隔地の裁判所に調停を申し立てた場合には、電話会議方式で調停を行うケースが多いので、その場合にはご本人も裁判所の調停室に直接足を運ばない形にはなります。今回の解説は、このような電話会議の場合ではなく、通常の調停を想定して解説していきます。

 

 

2.原則ご本人に出席して頂く必要がある


 

 DV・モラハラ夫が相手ですので、ご不安もあるとは思いますが、基本的には調停にはご本人にもご出席頂く必要があります。

 理由は以下の通りです。

 

(1)直接顔を合わせない工夫がなされている

 調停というと、DV夫と直接顔を合わせるのではないかと不安に思われている方も多いのですが、調停では相手と直接顔を合わせないような工夫がなされています。

 まず、調停の際、あなたは弁護士と一緒に調停室に入り、調停委員に対して事情を説明するのですが、調停室に入るのはあなたと弁護士のみで、DV夫は同席しません。

 そのため、調停室であなたがDV夫と直接顔を合わせると言うことはありません。

 

 より具体的には、調停は、あなたとDV夫とが交互に調停室に入りますので、調停室内で直接顔を合わせることがないようになっているのです。

 このように調停室で顔を合わせないとしても、待合室で待っているときにDV夫が入ってこないかという不安もあろうかと思います。

 

 この点は、DVのケースであることを裁判所に予め説明しておけば、こちら側が待機している待合室の階数をずらしてくれたり、集合時間をずらしてくれたりしますので、このようにして回避できるように工夫されています。

 そのため、現実的には裁判所でDV夫と顔を合わせるリスクは少なくなっております。

 

(2)離婚という身分関係に関わる重要な問題であること

 調停で話し合いが行われますのは、夫婦関係を解消させるという重要性の高い議題になります。

 このような重要なお話しになりますので、私の方からは「弁護士に丸投げというわけにはいきませんよ」とお話させて頂くことが多いです。

 

(3)こちらの真剣さを伝える

 調停委員も人間ですから、目の前で話をする人間の表情や仕草、話しぶりに影響されるのは事実です。

 そのため、あなた自身が調停の席に出席して、真剣に離婚したい旨を話すと、調停委員も、その真剣さを受けとめてくれることが多いです。

 

 逆に、あなた自身は出席せずに、弁護士だけが調停の席に出席して話をしたらどうでしょうか。調停委員からは、あなた自身の生の声が聞けていませんし、あなた自身の表情や仕草を確認することもできませんので、あなた自身の真剣度を測ることは難しくなります。

 前述の通り離婚はあなたの身分関係に関わる重要な問題でもありますので、通常の離婚調停ではご本人も調停の席に出席します。

 そのため、あまりあなた自身が欠席を繰り返すことになってしまいますと、調停委員からは「どうしてご本人がいらっしゃらないんだろう」「ご本人の表情が見えないな」と感じてしまうリスクがあります。

 

(4)あなた自身に調停手続の内容をリアルに把握してもらう

 弁護士だけが調停の席に出席するという形になってしまいますと、あなたの調停事件を担当してくれる調停委員がどんな人なのかということは分からないと思います。

 そして、弁護士から事後的に、その日の調停の様子の報告を受けても、概要の報告しかできませんので、事細かなやり取りの詳細までは把握できないことが多いと思います。

 

 逆に、あなた自身が調停の席に出席していれば、調停委員の話しぶりから感じるところもあるでしょうし、何よりリアルタイムで調停の詳しいやり取りを把握することができます。

 このようにリアルタイムで理解しながら調停を進めていくことができれば、安心・納得しつつ手続を進められると思います。

 

(5)詳しい事実関係の確認は本人でないと対応できない

 調停でどのような話が出るのかについては事前に準備をしますが、相手がどのような言い分を述べるのかを全て事前に把握しきることは不可能です。

 そのため、弁護士のみが調停の席に出席した場合、過去ご夫婦でどのようなことがあったのかを全て事前に把握しておくことは不可能なので、弁護士が把握していない過去の事実について調停委員から質問等を受けた場合に返答することができなくなってしまいます。

 そうすると、詳しくは次回調停期日までに把握してきて下さいと調停委員から指示を受けてるという進行になってしまいますので、調停手続の遅延の原因にもなりかねません。

 

 

3.まとめ


・以下の理由からDV・モラハラのケースでもご本人に調停の席に来てもらう必要があるのが原則である。

 ①身分関係という重要な話をする場であるから
 ②調停委員にこちらの真剣さを伝える必要があるから
 ③あなた自身にリアルタイムで調停の場でのやり取りを把握してもらう必要があるから
 ④過去夫婦間でどのようなやり取りがあったのかはあなた自身でないと答えられない事実も多いから

・裁判所ではあなたがDV・モラハラ夫と出くわさないような工夫がされている。

 

 

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2019.10.28更新

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1.DV夫の共通点って?


 

 私も数多くのDV離婚事件を担当しておりますと、DV夫と直接会って、離婚を説得することも数多くあり、その中で感じるところがありますので、私がDV夫と対峙している際に感じる共通項についてご紹介させていただきます。

 もちろん、共通点・特徴とは言いましても、その様な特徴は、あるDV夫にはあるけれども、あるDV夫にはほとんど見られないというように、個人差がありますが、「大半のDV夫で見受けられる傾向」というものがありますので、以下でご紹介致します。

 

 

2.【弁護士から見たDV夫の共通点1】自分の考え方に固執する・絶対正しいと考える


 

 私がDV夫と直接話をしてきた中で一番よく感じる特徴の一つと言えます。

 私の方からDVを指摘すると、大概のDV夫は、「原因を作ったのは妻だ」とか「経緯があってこのようなことをしている」という言い訳をすることが多く、自分の非を認めない人が多くいます。

 

 このような特徴は、DV夫だとより顕著でして、「夫を怒らせるような妻が悪い」「私をこんなに怒りっぽい人間にしたのは妻だ」といった責任転嫁までしてくる人もいます。

 また、ここまで身勝手なことを言ってこないまでも、「確かに多少は悪かったと思うけれども、自分が未熟だったのだからしょうがない」「今は自分の未熟さを自覚したから、今後の生活はうまくいく」といった言い訳をし始める男性も多くいます。

 さらに、自分のDV暴力を認めればまだマシで「そのようなことはしていない」とか「言いがかりはやめて欲しい」と言ってくる人間もいます。

 

 

3.【弁護士から見たDV夫の共通点2】内弁慶で外面が良い


 

 あまりよい表現ではないかもしれませんが、「内弁慶で外面(そとづら)が良い」と言う点もDV夫によく見られる共通点・特徴と言えます。

 このような表現は、むしろDV被害を受けている奥様からおっしゃられることが多いのですが「うちの夫は内弁慶で外面が良いんです。」と説明を受けることが多くあります。

 

 私は、DV夫が家庭でどのように振る舞っているのか直接見ることはできないのですが、奥様から詳しくDV被害の状況を伺っている限り、家庭の中と家庭の外ではかなり使い分けていると感じることが多くあります。

 奥様の話を聞く限り、「このDV夫は社会に馴染んで仕事をできるのだろうか?」と不安に感じることもあるのですが、実際には高キャリアというケースも多くあります。

 

 このように内弁慶の人が多いからでしょうか、私がDV被害を伝えても、DV夫はその様なDVそのものを否定してくる場合もあります。

 また、私がDV夫と話をしていると最初のうちは夫側も冷静に話をしているのですが、何度も話をしていると、段々DV夫も本性を現してきて、語気が荒くなる、不合理な要求をしてくる様になるといった傾向が見られることもあります。

 

 なお、極端なDV夫などでは、家庭内だけではなく、職場でも頻繁にトラブルを起こしていて転職を繰り返しているとか、無職の期間が何ヶ月にも及ぶことがあるというケースもあります。その場合には、「内弁慶」というのは当てはまりません。

 

 

4.【弁護士から見たDV夫の共通点3】急に怒り始めるため、怒り始めた原因が分からない


 

 これも、私がDV被害を受けている奥様からよく聞く話なのですが、「うちの夫は、急にスイッチが入ると、こちらに暴力を振るってくるのですが、どうしてスイッチが入ったのかが分からないんですよ」という相談を受けることが多くあります。そのため、DV夫の一つの特徴と言えると思います。

 

 DVの最も深刻な問題の一つともいえるのですが、このようにDV夫が何時怒り始めるかが分かりませんので、奥様としては、常に緊張感を持って生活していかなければならず、それが大きなストレスの原因になることも多いです。

 

 ただ、DV夫によっては、こちらに暴力を振るってくる際に、自分が怒っている原因を告げてくることもあり、その内容で、相手が怒っている理由が分かるというケースもあります。しかしながら、前述のようにDV夫は独自の考え方を持っている人も多いため、DV夫の説教を聞いていても、こちらとして、何故その様なことで怒るのかが理解できないというケースも多くあります。

 なお、弁護士に対しても同様で、DV夫の説得のために何度か話をしていると、DV夫が急に怪訝な顔をし始めるとか、こちらの話を誤解して急に立腹し始めるという方もいます。ただ、弁護士の手前ということもあるのか、DV夫が私に対して直接立腹し始めるという事態はケースとしては少ないです。

 

 

5.【弁護士から見たDV夫の共通点4】急にやさしくなることがある


 

 これも、私がDV被害を受けている奥様からよく聞く話なのですが、DV夫の態度が豹変するという話になります。

 

 極端なケースですと、昨夜は、こちらを殺すとまで怒鳴ってきていた人が、翌朝には、和気藹々と話しかけて来るというケースもあります。

 最初のうちは、奥様の方も、DV夫の機嫌がよい分には助かると考えるのですが、DV夫の機嫌があまりにコロコロ変わるので、段々と心理的に疲弊してしまう人も多くいます。

 

 なお、DV被害を受けている方の中には、このようにDV夫が急に優しくなることがあるため、DV被害を受けていても「また優しい夫に戻ってくれる」と考えて、ズルズルと離婚を先延ばしにしてしまう方もいます。

 ただ、このように問題を先延ばしにしてしまいますと、DV行為がエスカレートしていき、深刻な被害につながりかねませんので、「また優しい夫に戻ってくれる」という幻想は捨てた方が良いと思います。

 

 このようなことは、弁護士である私の目の前でも行われることがあります。例えば、DV夫がお子様の運動会への参加を強く希望しており、そのような希望が叶った後は、私に対しても異常なまでに上機嫌であるといったこともあります。

 

 

6.【弁護士から見たDV夫の共通点5】離婚理由を理解しようとしない


 

 これは正確には「理解できない」という方が正しいかもしれませんが、こちらから奥様が離婚したがっている理由を説明しても、相手が理解できないケースが多くあります。これは、DV夫の方も多少は理解しているのですが、離婚するほどの話ではないと考えるケースと、そもそもこちらの話にピンと来ていないというケースがあります。

 

 なお、DV夫が相手の場合、こちらが離婚したいと考える理由をきちんと正確に理解させることは難しいことが多いため、奥様の方でやり直すつもりが全くないということを伝えて離婚の説得をすることが多いように感じます。

 また、「妻の言うことも分かりますよ」といいながら「だけど、…」と自分の言い分を主張して、結局問題の根本を全く理解していないというケースも数多くあります。

 

 

7. DV夫の共通項を活かした対策


 

 これまで紹介してきましたとおり、DV夫の弁護士に対する態度は上記の様になります。そして、一番の鍵になるのは、DV夫が暴力を振るってくる様な場合には、その証拠を押さえておくことになります。

 診断書や怪我の写真等きちんとした証拠がありますと、DV夫も言い逃れができなくなり、スムーズに離婚できるケースも多いです。

 

 そのため、まだ、あなたの方でDVの証拠を取得していない様な場合には、極力DVの証拠を確保する様に努めることをオススメします。もちろん、怪我をするほどのDVではないという場合には、証拠化しにくいというケースも多くありますので、そのような場合には、どのような手順、手続で別居や離婚を進めるのがよいかは、弁護士に相談してみると良いでしょう。

 

 

8.まとめ


○弁護士から見たDV夫の共通点は以下の通り

 ・自分の考え方に固執する・自分の考えが絶対に正しいと考える。

 ・内弁慶で外面が良い。

 ・急に怒り始めるため、怒り始めた原因が分からない。

 ・急にやさしくなることがある。

 ・こちらの主張する離婚理由を理解できない・理解しようとしない。

○このようなDV夫の特徴を考慮し、先回りして証拠を集められるとベストである。

 

 

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2019.10.14更新

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1.やはり解決までにかかる期間はとても気になる


 

 離婚にあたっては、親権を獲得できるのか、養育費や財産分与でいくらもらえるのか、慰謝料はもらえるのかどうか、といった点については、今後の生活に直結する問題なので、皆様の大きな関心事の一つだと思います。

 そして、自分のDV離婚の問題がどの程度の期間で解決するのかという点も重要な関心事だと思います。正式に離婚が成立するまでは、いわば中途半端な状態とも言えますので、このような状態から早く抜け出したいと考えるのは当然のことだと思います。

 

 離婚の問題は、①協議離婚→協議離婚が上手く行かない場合に②調停離婚→どうしても調停離婚が上手く行かない場合に③裁判離婚という流れを踏みますので、最終解決が協議離婚で済むのか、調停離婚での解決なのか等手続に応じて、要する期間も異なってきます。

 

 このような期間はケースによって様々なので一概には申し上げにくいのですが、各手続に応じてどの程度の期間を要するのかの目安と、どのような問題が争点になると長期化しやすいのかについて解説します。

 

 

2.協議離婚で解決する場合


 

 協議離婚というのは、離婚届を役所に提出して解決する場合を言います。

 たまに依頼者の中には、弁護士が間に入る場合には、協議離婚にはならない(調停離婚で手続を進める)と誤解されている方もいらっしゃいますが、基本的には、弁護士が間に入った場合にも、協議離婚による解決を目指すことが多いです。

 

 では、協議離婚の場合、解決までにどの程度の期間を要するかというと、おおよそ2か月から6か月程度というのが一つの目安かと思われます。ただ、これもケースによりけりですので、一つの目安と考えて頂ければと思います。

 

 通常、協議離婚で解決したという場合には、離婚条件について大きな対立はないことが多いのですが、協議離婚が長期化する傾向があるのは、緻密な離婚協議書を作成する場合や公正証書を作成する場合ではないかと思います。

 特に養育費などの金銭の支払いに強制力を持たせたい場合には公正証書を作成する必要がありますが、公正証書を実際に作成するのは公証人になります。そのため、公正証書を作成する場合には、公証人との折衝や公証人に提出する資料なども必要になってくる関係で最終解決までの期間が延びる傾向にあります。

 

 なお、DV夫との離婚協議の場合、相手が自分の考え方に強く固執している場合も多く、協議離婚での解決は難しいケースも多いように感じます。

 

 

3.調停離婚で解決する場合


 

 前述の協議離婚が上手く行かない場合、調停手続で離婚を目指すことになります。

 特に相手がモラハラ夫で、離婚協議をしていても、話がうまく進展しない場合には、早期に調停を申し立てることになります。

 

 調停での解決にどの程度の期間を要するかですが、これもケースによって千差万別なのですが、一般的にはどんなに早くとも3か月、長い場合には1年、または1年を超えることもあるという回答になると思います。

 それでは、DV離婚の調停の場合、どのような問題で長期化しやすいのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。

 

①離婚するかどうかの部分、または離婚原因の部分で対立が激しい場合

 特に深刻なDV夫のケースで多いのですが、DV夫は基本的に自分が悪いことをしてきたという認識が薄いです。

 そのため、こちらからDVを離婚原因に掲げると、DV夫側からは、以下のような反発を受けることが多くあります。例えば以下のようなものです。

・妻の我慢が足りない。

・暴力の原因を作ったのは妻の方である。

・そこまでひどいことをしていない。

・普段から暴力を振るっているわけではないから問題ない。

・汚い言葉は使ってしまったかもしれないが、暴力は振るっていない(虚偽を述べてくるケース)

 果ては、離婚調停の申立書の書き方が悪いとか、事細かに揚げ足を取ってくる場合もあります。

 このようにDV離婚そのものを争ってきたり、その詳しい離婚原因に強く反発してくる場合には、詳しい離婚条件を話し合う前の段階で調停手続がストップしてしまいますので、長期化の原因になりかねません。

 

②お子さんとの関係で嫌がらせをしてくる場合

 DV夫が離婚には応じたとしても、渋々合意したと言うことが多いため、何かしらの形で嫌がらせをしたいと考えてくる人もいます。例えば、以下のような形になります。

・実際自分では育てられないと分かっているのに親権獲得を希望してくる。

・親権は争わないが、今後の監護計画を事細かに聞いてくる。

・頻繁な面会交流を要求してくる。

・しきりに学校行事や習い事の発表会への参加を要求してくる。

・養育費を出し渋る。

 DV夫から以下のような要望が出された場合には、長期化要因になりますが、どの程度期間が延びるかは、夫側がどこまで執拗に要求してくるのかにも大きく左右されます。

 

③財産分与の対象財産が多い場合、争点が多い場合

 財産分与の対象財産が比較的少ない場合や、そもそも婚姻期間が短く財産分与の必要がない場合には、その分短期決着が見込めます。

 他方で、財産が多い場合や、特有の争点が生じる場合には長期化要因になります。財産分与で争点となるケースというのは、①自宅購入時の頭金の金額・性質等に争いがある場合、②相手が一部の財産しか開示しない場合(対象財産の範囲に争いがある場合)、③婚姻前の財産の範囲や額に争いがある場合等になります。

 特にDV夫は、離婚する妻に対しては極力金銭を渡したがらないことが多いため、財産分与が大きな争いになるケースも多くあります。

 

④慰謝料が争点になる場合

 DVを明確に裏付ける証拠がある場合には、相手に慰謝料を請求すべきということになります。

 ただ、DV夫は通常自身の行動を正当化してくることが多いため、慰謝料を支払わないばかりか、こちらが慰謝料を請求してきたことそのものに不満をぶつけてくることもあります。

 この慰謝料の問題で対立する場合も紛争が長期化する要因になります。

 

 

4.裁判離婚で解決する場合


 

 上記のような調停手続でも離婚が成立しない場合には、やむを得ず裁判を選択せざるを得ない場合もあります。

 

 裁判に要する期間については、それこそ千差万別であって一概に申し上げることは非常に困難です。

 ただ、裁判を申し立てる前に、既に離婚協議、離婚調停を経ているため、訴訟提起の段階で数か月は経っていることが多いと思います。そして、裁判そのものがスタートしても、さらに1年近い期間が経過することは覚悟しなければならないことが多いと思います。そのため、弁護士が事件に着手してからのトータル期間で見ますと、①裁判の申立前に既に数か月、②裁判スタート後に1年というイメージですと、1年数か月は覚悟しなければならないというイメージになると思います。

 

 なお、離婚訴訟を起こすとなると、裁判で勝てるだけの離婚原因があるのかという点の検討も必要になります。

 具体的には、DVの証拠を精査・整理することはもちろんですが、ある程度別居期間を稼ぐという観点から、多少訴訟提起の時期を遅らせるという場合もあります。そのため、調停が成立してからすぐに裁判を起こすのではなく、調停終了から裁判の申立までに一定期間を空ける場合もあります。

 

 裁判離婚の場合、原則として相手も徹底的に争ってくるケースが多いため、各離婚条件について反論や証拠集めの労を要するというように考えた方が良いと思います。

 

 

5.スピードよりも、「より良い解決」を!


 

 たまに弁護士が間に入ったのだから早急に解決して欲しいという要望をお持ちの方もいらっしゃいますが、結論を急ぐあまりに十分納得できない結論で解決してしまうのでは本末転倒だと思います。

 

 もちろん、離婚という問題を長期間抱えることは、それだけで心理的ストレスになると思いますので、早急な解決が望ましいことは間違いありません。

 ただ、結論を急ぐあまりに不十分な内容で解決してしまうと、2年後、3年後に振り返ったときに後悔してしまうのではないかと思います。

 

 そのため、解決を急ぎつつも、ご自身が納得いく解決(DV離婚)を目指すことができればと考えております。

 

 

6.まとめ


・協議離婚はあまり長期化せずに解決できるケースが多い。

・ただ、協議離婚でも、離婚協議書に細かな内容を盛り込む場合や公正証書を作成する場合、長期化要因になることがある。

・調停離婚はいくつか長期化する項目があり、DV夫の態度が大きく影響する。

・裁判離婚に発展した場合には、それなりの期間かかることを覚悟する必要がある。

・迅速な解決が望ましいが、迅速性よりも「より良い解決」の方が大事である。

 

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2019.09.23更新

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1.旦那の性格からして「ビタ一文払わない」と言ってきそう


 

 DV夫は、基本的に自己中心的な考え方をしている人が多いので、こちらから生活費を要求しても「勝手に出て行っておきながら、生活費なんて払うはずがない」だとか「お前が戻ってくれば今まで通り生活費は渡すからすぐに帰ってこい」といったことを平気で言ってくる人も多いです。

 ただ、あなた自身、もしくは、お子様がいらっしゃる場合には、あなた達の生活の問題でもありますので、相手の反発が予想されるとしても、必要な生活費は要求していく必要があります。 

 

 

2.生活費をいくら要求すべきか


 

(1)何か参考になる数字はないの?

 相手に生活費を要求する場合、いくらぐらいが妥当なのか?相場はいくらぐらいなのか?というのが気になるところかと思います。

この点は、実務では婚姻費用算定表というものが普及しておりまして、参考になります。

 

 裁判所がオフィシャルにて公表している算定表は下記の通りになりますので参考になさって下さい。

 家庭裁判所:算定表

 なお、離婚成立前の生活費は、法律用語としては「婚姻費用」と言いまして、離婚成立後は「養育費」になります。算定表をご覧になる際にも、「婚姻費用」の表をご覧下さい。

 

 

(2)参考の数字をそのまま要求するのがよいか?

 上記の算定表の数字はあくまで参考の数字になります。例えばお子様の習い事や塾の費用がかかるとか、個別の事情がある場合には、実際に、あなたが生活に必要な費用を相手に請求する方が良いケースもあります。

 また、お子様が私立中学校や私立高校に在学中といった場合には、上記の婚姻費用とは別に学費等を請求すべき場合もあると思います。

 いずれにしましても、一度あなたが言った数字は、今後の交渉にあたって非常に重要ですので、あまり低めの数字を提示すべきではありません。

 

 

3.相手にどのような方法で要求するか



 

 相手はDV夫ですので、あなたが直接話をするということは危険を伴います。

  ましてや婚姻費用を請求するのは、あなたが別居を開始した後と言うことになりますので、相手は非常に感情的になっているリスクもあります。

 そのため、婚姻費用を要求する場合でもご実家のご両親その他の親族等を経由して伝えるとか、あなたが直接矢面に立たない形で請求した方が良いと思います。

 

 

4.相手が支払いを拒んできた場合


 

 上記のように身内等を間に入れても話が進まない場合や、間に入れる的確な人物がいないという場合には、家庭裁判所に対して婚姻費用分担調停を起こすことも検討せざるを得ません。

  そして、至急生活費を得たいという場合には、早めに調停を申し立てることをオススメします。但し、突如調停を起こしますと、旦那さんが強く反発する可能性もありますので、少なくとも一度は「生活費を払ってくれないのであれば、裁判所に調停を起こすことを考えている」という最後通告をした方が良いと思います。

 DV夫は自分の考えが絶対に正しいと考えている人が多いので、簡単に婚姻費用を支払ってこないことの方が多いと思います。そのため、早期に婚姻費用分担調停を申し立てるケースの方が多い傾向にあります。

 

 

5.婚姻費用分担調停で話がまとまらなかったらどうなる?


 

 せっかく調停を起こしたのに、相手が調停に出席しないとか、調停に出席はしたけれども一切支払いに応じないというケースもあります。

 

 このようなケースを懸念して、「最初から調停なんて起こさない方が良い」と考えている方もいますが、これは大きな誤解です。

 と言いますのは、婚姻費用分担調停は、調停がまとまらなかった場合、手続は審判に移行し、最終的に裁判所がきちんとした金額を決めてくれるのです。

 そのため調停が上手く行かなくても、あなたが泣き寝入りしなければならないと言うことは、あまりないと思います。

 

 別居中であっても、あなたやお子様の生活費を払うのは旦那さんの当然の務めになりますので、積極的に婚姻費用分担調停を活用して下さい。

 

 

6.審判が出たのに夫が婚姻費用を支払わない場合どうすればよいか。


 審判で夫側が支払う婚姻費用の額が明確に決まったのに、それでも婚姻費用を支払わないという場合には、まず、裁判所に連絡をして、裁判所経由で支払うよう伝えてもらう(履行勧告や履行命令)という方法があります。

 ただ、それでもDV夫が支払いを拒むような場合には、給料の差押えと言った強制手段を取ることになります。相手の勤め先が分かっていれば、このように最終的には差押えによって回収できます。

 

 

7.実際にお金をもらえるまでにどのくらいかかる?


 婚姻費用は、あなたの生活費に関わる問題ですので、裁判所も極力早めに手続を進めてくれます。

 しかし、法律的な論点が発生しますと、どうしてもその解釈等で争いが生じますので、時間がかかってしまうことになります。

 

 例えば、①別居後もこちらの生活費の一部がDV夫側の口座から引き落とされている場合(例えば、あなたの携帯電話代やお子様の習い事の費用、学校給食費等)、②DV夫が転職等を繰り返しており、収入の判断が難しい場合、③お子様の私立学校の学費があり、その負担割合で争いがある場合等には、時間がかかる傾向があります。

 婚姻費用分担調停を起こしtも、第1回期日は1か月以上先になりますし、通常は第1回期日で審判移行することはまずありませんので、争いが少ないケースでも審判の結論が出るまでには4,5か月はかかってしまうのではないかと思います。もちろん、上記のような争点が多い場合等には、もっと期間がかかってしまうことになります。

 

 

8.まとめ


・いくら婚姻費用を要求するかは、裁判所の算定表を一つの目安とするのがよい。

・相手への婚姻費用の要求は両親その他の身内等を介して請求した方が良く、あなたが直接DV夫と話をしない方が良い。

・DV夫が支払いを拒否するようであれば早めに婚姻費用分担調停を起こした方が良い。

・調停で話がまとまらなかった場合、審判で裁判所が妥当な金額を正式に決めてくれる。

・DV夫が審判結果にも従わない場合には、最終的には給料差押え等で回収していくことになる。

・審判での最終の結論が出るまでには早くとも4,5か月はかかることの方が多い。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2019.09.09更新

 弁護士 秦

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、>>「DV・モラハラの連鎖を断ち切る!!」DV・モラハラ被害女性のための総合サイトはこちら<<になります。

 

1.DV夫から子供を守りたい


 

 DV夫があなたに対しても暴言を吐くけれども、子供に対する暴言の方がひどい、ときには暴力を振るうというような場合には、あなた自身というよりも、まずは、お子様の身の安全を最優先に確保したいと考えるのは当然のことです。

 なお、奥様によっては、自分は暴力を受けても耐えられるけれども、子供が暴力を受けるのは不憫でならないという方もいらっしゃいます。もちろん、お子様への暴力を防止する必要もありますが、あなた自身の身の安全もとても大切ですので、あなた自身の身の安全という視点も必ず忘れずにお考え下さい。

 

 

2.同居したままお子様の身の安全を確保する


 

(1)警察への通報が最も現実的な手段

 別居に踏み切ってもその後の生活力に不安があるとか、今すぐ離婚したいとまでは気持ちが固まっていない等の理由で、早急な別居を躊躇っている場合、DV夫と同居しながらお子様のみの安全を図っていく必要があります。

 その場合には、DV夫がお子様に暴力を振るうような場合には、躊躇せずに警察に通報するということが重要ではないかと思います。

 

 警察に通報すると、DV夫を刺激してしまうと不安に思われたり、仕返しが怖いという方も多いと思いますが、その場その場で対処しておきませんと、DV夫からの暴力はエスカレートする一方ですから、躊躇せずに通報するということは大事なことではないかと思います。

 なお、あなた自身が身を呈してお子様を守るという方もいらっしゃると思いますが、お子様への直接の暴力は防止できたとしても、お子様に対して、お母さんであるあなたが暴力を受けているという場面を見せる形になってしまいますから、お子様にとっても精神的負担が大きいと思います。また、あなた自身の身の安全の問題もあります。

 

 ただ、いずれにしましても、DV夫と同居したままですと、警察に通報して対処することにも限界がありますから、DV夫からの暴力の頻度が増してきたような場合には、速やかに別居を考えるということの方が現実的ではないかと思います。

 

(2)児童相談所の一時保護について

 警察に対して夫のお子様に対するDVを通報すると、警察の方から児童相談所に対して通告が行われるのが通常です。

 そうすると、児童相談所の方からも事情を聴かれ、児童相談所の方で一時保護(要するに一時的にお子様を預かる)という事態に陥る危険性があります。

 

 児童相談所で保護されている分には、お子様の身の安全は確保されるのですが、他方で、①一時保護中は、現在通学している小学校に通うことができなくなる、②面会交流の頻度も限定されることが多く、あなた自身自由にお子様に会えなくなるリスクが高い、③一時保護の後、児童養護施設等での保護に移行した場合、離婚等の解決まで保護が解除されないリスクがあるといった難点もあります。

 

 特に、別居や離婚等について夫婦の意見の対立が深く、そのことが夫婦ケンカやお子様への暴力の原因になっているような場合には、児童相談所側も簡単には一度預かったお子様を帰してくれないというケースもありますので、児童相談所への対応という点では十分注意が必要になります。

 

 

3.別居した上でお子様の身の安全を確保する


 

 前述しましたとおり、DV夫のお子様への暴力の頻度が増してきているような場合には、あまり期間を置かずに別居するという形の方が現実的な選択肢と言えます。

 

(1)別居先の安全性確保

 簡単に言いますと、相手方にこちらの住所を知られないということです。

 最も安全性が高いのはシェルターということになりますが、お子様が大きい場合にはシェルターには入れないということもありますので、詳しくは最寄りの市役所や区役所に相談してみて下さい。

 

 なお、一時シェルターに避難できたとしても、シェルターにいられる期間は限定されていますので、シェルターを出た後の住居について検討しなければいけません。

 いずれにせよ、相手に知られないような住所に移り住むことが非常に重要になります。

 お子様の身の安全を最大限に優先するのであれば、学校を転校することはもちろんのこと、習い事等も一旦やめた上で、別居先近くの習い事に通わせるという形にする必要があります。

 

(2)保護命令の申立

 DV夫がお子様のみならずあなたにも暴力を振るって来るという場合には、あなた自身の保護命令を申し立てるのと同時にお子様への接近も禁止する旨の保護命令を同時に発令してもらうという方法が考えられます。

 この場合には、あなた自身が暴力被害を受けた診断書や写真等の客観的証拠と共に、お子様も同様に被害を受けた証拠が必要になりますので、保護命令の審理に耐えられるだけの証拠の準備ができるのかということが重要な鍵になります。

 なお、お子様への接近禁止の命令のみを申し立てることはできませんので、必ず、あなた自身への接近禁止等の命令と一緒で申立をする必要があります。

 

 

4.まとめ


・同居しながらお子様の身の安全を守るためには、警察への通報が重要である。

・ただ、警察に通報すると、警察経由で児童相談所に情報が共有されるリスクがあるため、注意が必要である。

・同居しながらお子様の身の安全を確保することには限界もあるので、暴力が頻繁な場合には速やかに別居した方が良い。

・別居後は、別居先をDV夫に知られないということが再重要である。

・あなた自身が保護命令を申し立てた上で、合わせてお子様への接近禁止等の命令を申し立てる方法もある

 

 

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