2018.06.26更新

 弁護士秦

 こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 

1.婚約って?


 

 婚約とは男女間で将来婚姻することを約束することを言います。

 法律上正式に夫婦になる際には当然婚姻届を提出する必要がありますが、婚約そのものには何かの書面や手続は要求されません。

 婚約が成立しているためには、婚約指輪を購入しておく必要があるとか結納のやり取りが必要と誤解している人もいますが、その様な方式は要求されません。

 

 

2.婚約するとどんなメリットがあるの?


 

 婚約すると男女が今後婚姻することを契約しているような関係になりますので、単なる男女間の交際とは異なってきます。具体的には以下のような効果があります。

①婚約中はお互いに貞操義務を負いますので、他の女性と性交渉をすると慰謝料責任を負います。
②十分な理由もなく婚約を破棄した場合、慰謝料責任を負います。
③婚約破棄の際、嫁入り道具や結納金の返還を求められる場合があります。

 

 

3.婚約の証拠って?


 

 こちらが誠実に交際しているつもりなのに、相手が一方的に「別れたい」と言ってきたり、急に連絡が取れなくなってしまうということがあります。

 相手がこのような態度を取ることに十分な理由があれば別ですが、そうでない場合、一方的に婚約を破棄すると、前述のように相手には慰謝料責任が課されます。

 

 しかし、相手はこのような責任を負いたくないため、「あなたとは婚約していない」「ただ付き合っていただけだ」といった言い分を述べてくることがあります。

 前述のように、婚約が成立するためには、特に様式や書面等は必要ないのですが、相手がこのような態度を取ってきた場合、こちらから「婚約の存在」を証明しなければならなくなりますから、その際に「婚約の証拠」が必要になってくるのです。

 

 

4.どのようなものが婚約の証拠になるか?


 

(1)賃貸借契約書上の記載

 既にあなたが相手と同居を開始している場合や同居する部屋の賃貸借契約を締結している場合、あなたのことが同居人として記載されているケースが多いと思います。その場合には、同居人の「続柄」という覧が設けられていることも多く、そこに「婚約者」と記載されている場合、婚約の証明になり得ます。

 

(2)結婚式場等の証明書、披露宴挙行の証明書等

 既に結婚式や披露宴を実施したと言うことは、男女が婚姻の意思をもっていたことの有力な証拠になりますので、その資料も婚約の証拠になります。

 なお、このような会合については、その規模や場所等によっては、相手が、「これは結婚式ではなく、友人等を集めてのパーティーの一種である」と主張してくるケースもたまにありますので、出席者に対してどのような招待状を送ったのかや、会場にはどのように言って予約等をしたのかといった証拠が必要になるケースもあります。

 

(3)婚約指輪を購入した際の資料等

 男性側から女性側に対して婚約指輪のプレゼントがされている場合、婚約の有力な証拠になり得ます。ただ、これについても、相手が「単に付き合っていたときのプレゼント」と言われないよう、婚約指輪であることの証明が必要になるケースもあります(かなり高額であるとか、指輪に婚約と捉えられるような刻印等がされているとか)。

 

(4)結納の授受を証明する資料等

 結納として男性側から物品や金銭の支払いがなされた場合、これも婚約の有力な証拠になります。

 ただ、最近は結納を実施しない家庭も増えており、その代わりに、お互いの両親を招いて会食を開くことの方が多いようです。その様な会食を開いたことを証明できる資料があれば、これも婚約の有力な証拠になります。

 

(5)男性側が過去に提出してきた書面

  以前婚約が危うくなるような場面があった場合、例えば、相手が浮気してしまったとか、相手が手を上げてきたことがあると行った場合には、今後同じようなことをしないように誓約書等を提出させているケースも稀にあります。

その様な書面の中で婚約と捉えられるような表現があれば、それも婚約の証拠となります。

 なお、その書面に男性側の印鑑が押されているかどうかと言うのは重要なポイントになります。

 

(6)LINEやメールのやり取り

 その男性との間の直接のLINEやメールのやり取りは、その記載内容によっては婚約の有力な証拠になることもあります。

 視点としては、相手男性があなたと結婚する意思をもっていたかどうかと言う点がポイントになりますので、相手の結婚意思を証明できるような内容であれば、証拠となる可能性があります。

 

 なお、あなたが友人に相談したメールやネット上でお悩み相談した内容等は、あまり有力な証拠にはならない可能性が高いと思います(要するに、「その男性との直接のやり取りである」かどうかが重要なポイントになります)

 

 他方、相手男性が自身のブログやツイッターその他SNS等にあなたの写真をアップして「婚約者です」と記載していたりした場合には、婚約の証拠になりうる場合もあります。

 ただ、LINEやSNSでの記載内容は、前述のように書面で男性側が直筆で記載した書面よりも証拠力は一般的に落ちると言われています。LINEやSNSは、それほど深刻に考えずに記載等をすることが多いのに対して、覚書や誓約書と言ったタイトルで直筆の書面を提出する場合、通常は深刻に受けとめて作成している可能性が高まるからです。

 

(7)男性側との会話の録音テープ

 婚約相手との会話内容を録音したテープがある場合、その内容次第では、婚約の証拠となり得ます。ただ、男女の関係では、相手の気を引くために多少脚色したような発言をすることもありますので、会話全体の流れや会話がなされた場所等を考慮して、その会話の証拠価値を判断する必要があります。

 

(8)他人の証言

 他人の証言とは、あなたの身内や友人の証言と言うことになります。

 あなたが、その男性と披露宴を行ったり、双方の両親への挨拶をしたというような場合、これまでの男女の状況を身内や友人に証言してもらうという方法も考えられます。

 

 この証言がどこまでの証拠価値があるかについては、証言内容によるところが大きいのですが、証言者が直接目撃した内容であれば一般的に重要性は高くなりやすく、他人から伝え聞いた内容だと重要性は低くなる傾向にあります。ただ、人間の記憶には限界がありますし、あくまであなたの身内や友人の証言になりますので、書面等による証拠よりも証拠価値は下がることが多いと思います。

 

 

3.婚約関係の継続が問題となるケースもあるので要注意


 

 たまに、相手から、婚約はそちらの方から破棄されたと言った言い分が提出されることがあります。

 よく事情を聴いてみますと、相手の身勝手な発言に対して感情的になってしまい、「もうあんたなんかと結婚するつもりなんかないわよ」と発言してしまっているようなケースがこれにあたります。

 

 一時期婚約していたとしても、あなたの方から明確に婚約を破棄するような発言等をしてしまっていると、その時点で婚約関係は解消されていると評価されてしまうことがありますので、相手からこのような反論が予想される場合には、相手がどのような証拠をもっているのか等も含めて対策が必要になる場合もあります。

 

 

4.婚約と言えるか不安があるなら弁護士に相談してみよう。


 

 上記のように婚約の証明手段は多様なものがありますし、その記載内容等によって、証拠としての価値が大きく異なってきます。

 そのため、男性側が婚約の成立を強く争ってくるような場合には、あなたと男性との関係が法律的にも婚約と言えるか弁護士等の専門家にしっかりと確認した方が安心です。

 

 

5.まとめ


・ 婚約とは男女間で将来婚姻することを約束することを言い、書面や様式は必要とされない。

・しかし、相手が婚約を否定する場合もあるので、その様な場合には婚約に至っている証拠が必要になる。

・婚約の証拠として、賃貸借契約書の記載、結婚式・披露宴の資料、婚約指輪購入の資料、結納授受の資料、両家顔合わせの資料等は有力な証拠となりうる。

・男性との直接のやり取り(LINEやメール、会話録音)は、内容次第では、内縁の証拠になりうる。

・他人の証言も、内容次第で証拠としての価値は大きく変動する。

・あなたが婚約していると言えるか不安がある場合には弁護士に相談してみると安心である。

 

 

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2018.06.22更新

 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 

1.お子様との面会について大きな争いがないケースだとシンプルでよい。


 

 面会交流とは、婚姻中、お子様を育てていない側の配偶者にお子様を会わせること、または、離婚後に元旦那にお子様を会わせることを言います。

 これだけを読むと、面会交流の頻度だけを決めて、後は元夫婦同士で面会交流の日時等を決めるだけの問題のようにも思えます。

 

 実際上、離婚調停などでも、「月1回程度面会交流することを認め、その日時・場所・方法については、この福祉に配慮し、当事者双方で協議して定める。」といった簡単な決めごとにするケースも多くあります。

 

 

2.詳しく見てみると検討しなければならない点は、かなり多い。


 

 前述の通り、夫側があまりお子様との面会に強くこだわっていないとか、離婚しても元夫婦の関係が険悪とまで言えないケース等では、面会交流の条件はシンプルに取り決めるだけで済みます。

 他方、夫側はこちらに親権を譲るため、離婚後にお子様とほとんど会えなくなるのではないかと心配したり、離婚後の生活を想定して寂しく思い、過度に面会交流の条件を要求してくることもあります。

 そうなりますと、実は面会交流の条件として取り決めなければならない問題は多数あります。

 

 

3.【検討項目1】面会交流の頻度


 

 敢えて面会交流の頻度も定めずに離婚を成立させるケース等もありますが、基本的に離婚する場合には、面会交流の頻度は最低限定めることが多いと思います。

 そのため、面会交流の頻度は、面会交流の取り決めの中で最も基本的な検討項目と言えます。

 

 現在の実務でどの程度の頻度とされることが多いかと言いますと、離婚の際の面会交流の頻度としては月1回という頻度とすることが多いように思えます。

 なお、この頻度の記載方法にも工夫がありまして、「月1回」と「月1回程度」とでは意味合いが異なってきます。

 「月1回」だと法律的には毎月1回必ず面会交流させなければならないという意味に捉えられ、他方「月1回程度」ですと、お子様の体調等によっては面会させない月が出てくることも許容する表現になります。

 

 

4.【検討項目2】受け渡し方法


 

 面会交流を実施するにあたっては、こちらから相手に対してお子様を預ける作業と、面会終了後に、お子様を迎えるという作業が必要になります。

 

 このような受け渡しにあたっては以下のような検討ポイントがあります。

①あなたが直接夫と受け渡しをするのか、他の人に受け渡しを頼むのか

②受け渡しの場所

 

 以下で詳しく解説していきます。

 ①のあなた自身が受け渡しを行うのかという問題は、あなたが直接受け渡しを行うのが不適切と言える事情等の有無と言うことになります。例えば、あなたが夫から暴言を浴びせられてきたという場合、あなたが直接受け渡しを行うべきではないということになります。その場合には、あなたのご親族等、代わりの人に受け渡しをお願いすることになります。

 

 次に、②の受け渡し場所ですが、大きく分けますと、①夫側に、こちらの自宅近くまで来てもらって、受け渡しをする方法、②夫側の自宅近くまでこちらが行って受け渡しをする方法、③お互いの自宅の中間地点で受け渡しをする方法、④夫が希望する面会交流場所での受け渡しとする方法といったものがあります。

 ②は、夫側にこちらの住所を隠しておきたい場合等に、このような方法が取られることがあります。④は、例えば、今回の面会交流では○○水族館に行くことが決まっているという場合、その水族館前待ち合わせにするとか、水族館の最寄り駅での待ち合わせにするといったことが考えられます。

 

 なお、「離婚の際の面会交流条件」となりますと、お子様が成人するまでの長期間実行される条件なりますので、受け渡し方法や受け渡し場所については敢えて明記しないという方法もあります。

 なお、離婚直後だと、こちらも元夫と直接顔を合わせるのが精神的にきついという場合には、当面の間はあなたの母親に受け渡しをお願いするといった条件を定めるといった方法もあります。

 

 

5.【検討項目3】連絡方法


 

 面会交流日時や場所は基本的にその都度決定することになりますので、その連絡方法について定めておくこともあります。

 よくありますのは、離婚後夫と直接電話で話をしたくないという場合に、メールやLINEメッセージのみを連絡手段に限定するといった方法があります。

 

 また、元夫婦で話をすると円滑に話が進まないというケースで、お子様も中学生以上の年齢といった場合には、お子様と元夫で直接連絡を取り合うという方法にするケースもあります。なお、お子様がまだ小学生と行った場合には、お子様が直接細かい決めごとをできるのかという問題がありますので、直接の連絡というのは難しいかもしれません。

 

 

6.【検討項目4】面会交流実施場所


 

 面会交流実施場所は基本的には、面会を希望する夫側が指定してくるケースが大半かと思われます。公園であったり、ショッピングモール、遊園地、水族館、動物園等々、色々な場所が考えられるところです。

 ただ、相手の連れ去りの危険等がある段階では、夫の自宅での面会交流には応じられないとか、夫の実家での面会交流には応じられないという消去法的な条件を提示するケースもあります。

 「離婚の際の面会交流条件」という場合には、具体的な面会交流場所までは指定しないことの方が多いかと思います(今後お子様が成人するまでずっと同じ場所での面会交流というのは現実的ではないため)。

 

 

7.【検討項目5】面会交流への立会人の制限


 

 これも、「離婚の際の面会交流条件」で定めることはほとんどないのですが、面会交流が始まったばかりといったケースでは、夫以外の身内の参加を拒否するといったケースはあります。

 特に嫁姑の仲が険悪な場合には、義母の参加は認めたくないといったケースも多くあります。

 

 

8.【検討項目6】あなた自身の立会い要否


 

 特に面会交流をスタートしたばかりの場合、夫がお子様とどのように接するのか不安があったり、連れ去りの危険を防止する観点から、あなた自身が立ち会いたいとの要望を出す場合もあります。

 ただ、家庭裁判所の調停中に、このような要望を出した場合の調停委員の反応は大きく分かれているのが実情です。反対意見を出す調停委員が理由として挙げるのは、奥様が面会交流に立ち会うとお子様は奥様のことを強く意識してしまい旦那様との自然なスキンシップが図れないとか、旦那様も監視されているようでやりづらいと言った点になります。

 

 なお、あなた自身が立ち会う場合、よく問題となるのは面会交流中の昼食時の対応でして、レストランの空席が多ければ、あなたは夫側と別の席に座れば良いのですが、混雑している場合、夫と同席を強いられることになり、これから離婚したいのに、一緒の席に座らなければならず精神的ストレスになるというケースもあります。

 

 

9.【検討項目7】宿泊付き面会交流


 

 この点は、「離婚後の面会交流条件」としても良く問題となる項目になります。

 お子様の春休み、夏休みや冬休みといった長期休みに、夫側としては、宿泊付の面会交流を認めて欲しいといった要望が出されて問題になります。

 

 宿泊付き面会交流をどこまで認めるかは、これまでの夫側とお子様との面会交流の様子等を踏まえて決められることが多いです。

 例えば、昨年まで毎年お正月は夫の実家で子どもが過ごしてきたという場合には、少なくとも冬休みの期間中に1回は宿泊付き面会交流を認めるべきという結論になりやすいと言えます。

 

 

10.【検討項目8】旅行を認めるかどうか


 

 前述のように夫の実家に帰省することは認めるにしても、通常の国内旅行まで認めるのかどうかは別途検討が必要になります。

 特に、夫側が旅行の際にはお子様を連れ回して、お子様が全然楽しめていなかったというような場合には、旅行は認めない方向で議論すべき場合もあります。

 また、国内旅行はよいとしても、海外旅行は認めないといった形で問題になることもありますので、検討が必要になります。

 

 

11.【検討項目9】行事や発表会への参加


 

 お子様が高校生といった年齢になっている場合には、お子様ご自身が学校行事に来て欲しいかどうか等についてしっかりと自己判断できますので、あまり問題になることはないのですが、お子様がまだ小さい場合には、行事参加については大きな問題になることがあります。

 特に夫側の学校行事参加を拒否しなくとも良いという場合には、奥様側から学校行事予定を夫側に伝え、参加方法等について協議するといった形の約束にすることもあります。

 

 また、お子様が習い事をしていて、発表会があるといったケースや、お子様がスポーツをしていて、その試合があるといったケースでは、発表会や試合への観戦可否という形で問題になるケースもあります。

 

 

12.【検討項目10】就学年齢になった後の協議条項


 

 特にお子様が乳児であったり、幼児の場合には、今後お子様がどのような学校に進学し、習い事等を始めるのか分からないと言うこともあり、就学年齢になった場合(要するに小学校に入学した場合)、別途面会交流の方法等を当人同士で協議するという定めを置くこともあります。

 このようにしておけば、お子様の成長に応じて就学時に柔軟に話し合いができるというメリットがありますが、反面で、そのときに元夫婦同士で激しい意見対立になるというケースもありますので、このような条件を定めるかどうかは良く検討する必要があります。

 

 

13.【検討項目11】生活環境等変更後の再協議条項


 

 例えば、離婚後夫婦の再婚や転職・転居等で生活環境が変化した場合には、面会交流条件を再度協議し直すといった条項になります。

 このような条項も、生活環境の変化に柔軟に対応できる反面、再度元夫婦同士での話し合いが必要になりますので、このような条項を入れるべきかは慎重に検討する必要があります。

 

 

14.【検討項目12】第三者機関の利用要否


 

 特に夫側があなたに対して激しいDV暴力をふるってきたというケースでは、あなたが夫に直接顔を合わせることが危険だと言うことも多くあります。

 その場合には、当然あなたがお子様の受け渡しに立ち会うべきではありませんが、あなたの身内を巻き込むことも危険を伴うことになります。

 

 そういった場合には、第三者機関の利用を検討すべき場合もあります。

 なお、第三者機関を利用するという場合、第三者機関への面会交流申請から実際の実施までに2か月程度を要するという場合もありますので、この点は予め検討しておく必要がありますし、第三者機関利用の費用を夫婦どちらが負担するのかという点も検討が必要になります。

 

 

15.その他の検討項目


 

 その他の検討項目としては、お子様の誕生日、その他のイベント(こどもの日やクリスマス等)の際に夫側からのプレゼントを認めるかどうかといった問題や、面会交流時の約束事を明記すべきかという問題があります。

 約束事というのは、連れ去りをしないという点や、こちらの悪口を言わない、こちらの居場所等を詮索しないといった内容になります。

 

16.まとめ


・シンプルな面会交流の約束にして解決するケースも多い。

・他方、夫側の要望が出ると検討すべき項目はかなり多い。

・【検討項目1】面会交流の頻度

・【検討項目2】受け渡し方法

・【検討項目3】連絡方法

・【検討項目4】面会交流実施場所

・【検討項目5】面会交流への立会人の制限

・【検討項目6】あなた自身の立会い要否

・【検討項目7】宿泊付き面会交流

・【検討項目8】旅行を認めるかどうか

・【検討項目9】行事や発表会への参加

・【検討項目10】就学年齢になった後の協議条項

・【検討項目11】生活環境等変更後の再協議条項

・【検討項目12】第三者機関利用の要否

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2018.06.19更新

 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。

 

1.そもそも内縁(事実婚)って何だ?


 

 内縁関係とは、婚姻届を提出していないけれども、婚姻意思を持って、夫婦共同生活を営んでいる関係などと言われたりします。事実上夫婦としての生活を送っているため「事実婚」と言われることもあります。

 要するに、①婚姻意思を持って(要するに「結婚するつもりがあって」)、②夫婦共同生活を営んでいる(同居して夫婦同様の生活を営んでいる)事が必要になります。

 

 

2.権利の分類


一口に内縁の妻の権利と言いましても、様々なものがあります。

 概観してみますと、以下のように分類できます。

①結婚に準じて保護される権利

②交通事故等のケースで保護される権利

③内縁の相手が死亡した場合に遺族給付金等の関係で保護される権利

 

 今回は、上記の「①結婚に準じて保護される権利」の中でも、内縁(事実婚)解消までの生活費の問題、相手が浮気をした場合の慰謝料請求の問題、財産分与の問題に焦点を当ててご説明致します。

 

 

3.そもそも結婚に準じて保護されるって、どういうこと?


 もちろん、内縁関係は、入籍しておりませんので、戸籍上相手の氏を名乗ると言うことは原則としてできませんし、内縁相手の両親等を法律上義母や義父とすることもできません。

 但し、内縁関係の実態は、婚姻関係と同様の実質を備えていますので、基本的に結婚している夫婦同様の権利を与えるべきとされています。

 特にあなたの生活に直結する権利としては、①内縁解消までの婚姻費用(生活費)の請求、②相手が浮気した場合の慰謝料請求、③内縁解消時の財産分与請求がありますので、以下具体的に解説していきます。

 

 

4.婚姻費用分担請求権


 

 結婚している夫婦は、お互いに協力し扶助する義務がありますので(民法752条)、婚姻時に要する費用の分担を請求することができます(民法760条)。内縁夫婦においても、この民法の規定が準用されますので、結婚している夫婦同様お互いに協力し扶助する義務があり、婚姻費用を請求することができます。

 そのため、あなたの収入が内縁の夫の収入よりも低い場合には、同等の生活を保障するように婚姻費用分担請求権を有することになります。

 

 ただ、婚姻費用分担請求は、何らかの事情で内縁夫婦が別居を始めた後に問題になることも多く、その場合には、相手から以下のような主張が行われることがあります。

①最初から結婚するつもりがなかったから内縁関係ではない。

②内縁関係が解消したから別居しているので、別居後の生活の面倒を見る必要がない。

 

 このような相手の主張のうち、①については、いずれにせよ内縁関係の有無はこちらから証明しなければ行けませんので、その中で証明していくことになります。

 

 これに対して、②については、別居の経緯が重要になります。内縁関係が成立している場合、相手が一方的にこれを解消することはできないのですが、相手が「そっちも別れることには同意してくれた」といった話をしてくるケースがあるのです。

法律上の結婚の場合には、離婚届が受理されていない限り、婚姻関係は継続していることになりますから、戸籍謄本を取得すれば、現在婚姻しているのかどうかははっきりと分かります。他方、内縁関係については、これを明確に証明する公的書類は存在しませんので、別居イコール内縁解消ではないと言うことを証明していく必要が出てきます。

 

 そのため、相手から別れ話を切り出された場合等には、早めに相手との会話を録音しておく必要があると思います。もちろん、会話の中であなたとしては内縁解消という話が一方的な話であると主張しておく必要があります。

 

 

5.相手が浮気した場合の慰謝料請求権


 

 結婚している夫婦は、お互いに貞操義務があります(民法752条)。内縁夫婦においても、この民法の規定が準用されますので、内縁の夫が浮気したような場合には慰謝料責任が発生します。

 問題はこの慰謝料の金額ですが、法律上の夫婦の場合よりも慰謝料請求額は多少下がると言われております。

 

 なお、慰謝料額は以下のような要素を考慮して決定します。

①浮気の悪質性

 より具体的に言いますと、不倫の発端・不倫期間や頻度・不倫相手の人数・こちらを裏切った回数(例えば、一度目の不倫発覚時に今後一切不倫をしない旨誓約したのに何度もその誓約に違反した等)・不倫後の生活状況(不倫相手の自宅に入り浸りになるとか、不倫相手に生活費の大半を貢ぐようになったとか)等が考慮されることになります。

 

 ②内縁の夫の反省の程度等

 特に内縁の夫が頑強に浮気を否認し、謝罪も一切しないと言うことになりますと、慰謝料額は増額傾向になります。

 

③こちらが受けた精神的苦痛や肉体的苦痛の程度

 この点は、内縁の夫の不貞でこちらが精神疾患になったと言った事情があれば、慰謝料額は増額傾向になります。

 

 ④内縁期間の長さ・破綻の有無等

  内縁関係の長さに加え、お子様の有無・人数等も考慮されることになります。また、今回の不貞が原因で内縁関係が解消されたような場合には、慰謝料は増額傾向になります。

 

 なお、浮気の問題とは別の問題になりますが、内縁期間中に内縁の夫から暴力を受けて怪我をしたという場合には、DV慰謝料を要求できるケースもあります。

 

 

6.内縁解消時の財産分与請求


 

(1)財産分与というのはそもそもどんな話なのか

 財産分与というのは、内縁期間中に内縁夫婦で築いた財産をどのように分けるのかを取り決めると言うことです。

 内縁生活中は、別れることを見越して準備しているという内縁夫婦はいないと思いますので、通常内縁夫婦の財産は均等ではないことが多いと思います。例えば、内縁の奥様が専業主婦で、内縁の夫が仕事をしているという場合、内縁の夫名義の預金はそれなりの額貯まっているとしても、内縁の奥様の預金はそれほど貯まっていないというケースもあると思います。

 

 そんなときに、内縁の夫側が「これは俺の名義の預金だから離婚の時には、びた一文お前には渡さない」としてしまいますと、内助の功があった内縁の奥様にとって酷な話になってしまいます。

 そこで、別れる時には、内縁夫婦どちらの名義になっているかを問わず、内縁中に築いた財産は半分ずつに清算すべきだというのが財産分与の基本的な考え方になります。

 

(2)慰謝料とは別問題なのでご注意

離婚に伴うまとまったお金の問題と言うことで、慰謝料の問題と混同している方が多いのですが、財産分与と慰謝料は別の問題とお考え下さい。

即ち、慰謝料というのは、相手に浮気や暴力といった一方的有責性がある場合に、こちらが受けた精神的苦痛を慰謝させるものになるのに対して、財産分与は、このような有責性の問題を抜きにして、夫婦の財産を清算しようという話になりますので、別次元の話と言うことになるのです。

(一昔前には、「財産分与の慰謝料的要素として、慰謝料分も考慮する」といった議論をすることもありましたが、最近は、財産分与は財産分与、慰謝料は慰謝料として話し合うのがオーソドックスです)。

 

(3)実際問題どのような手順で話をすべきか

 厳密に財産分与の計算をする場合には、①対象財産の特定→②財産の評価→③総合計額の算出→④分与方法の検討という手順を踏むことになります。

 

 以下具体的に解説いたします。

①対象財産の特定

 財産分与は内縁夫婦で築いた財産を分ける仕組みですので、内縁夫婦で築いた財産以外の財産は対象外になります。

 例えば、独身時代に貯めていた預金や相続で取得した財産は対象外になります。

 対象財産として代表的なものは、内縁生活の中で購入したご自宅、自動車、預貯金、生命保険や学資保険、株式等になります。

 まずは、内縁夫婦で築いた財産としてどのようなものがあるかを割り出して行く作業をすることになります。

 

②財産の評価

 預貯金などは金額が明らかなので問題は少ないのですが、例えば自宅などはいくらになるのかおおよその評価額を調べる必要があります(住宅ローンが残っている場合、通常はローン残高は差し引いて評価することが多いです)。

 他にも、生命保険等については今解約したらいくらになるのかを保険会社に問い合わせる必要があります(実際には解約しませんが、いくらの価値があるかを確認するために、保険会社に「今解約した場合いくらになるか教えて下さい」と電話するのです。

 

③総合計額の算出

 上記のように各財産の価値を算出することができた場合、それらの数字を全て足し算して総合計額を算出していくことになります。

 

 例えば、内縁の夫名義の資産がご自宅(評価額3000万円、ローン残高2400万円)、学資保険(解約返戻金額200万円)、預金(3つの通帳の残高合計が300万円)で、内縁の奥さん名義の資産が預金のみ(2つの通帳の残高合計が100万円)というケースですと、総合計額は(3000万円-2400万円)+200万円+300万円+100万円で、総合計は1200万円になります。

 この総合計額を算出する際には、内縁の夫側の資産だけではなく、あなたの資産分も加算する必要がありますので、ご注意下さい。

 

④分与方法の検討

 前述の例ですと、総合計額が1200万円になりますので、あなたの取り分は半額の600万円になります。

 

 このような600万円の取り分で何を取得するか、あなたの希望を検討することになります。

 即ち、自宅の価値が600万円なので、自宅を取得し、同時に住宅ローンの名義もあなたに変更するという方法もあり得ますし、逆に、自宅は内縁の夫側に渡して、内縁の夫名義の学資保険をこちらに名義変更し、旦那さんの預金額全額を取得するという方法もあります。

 要するに、取り分の範囲で何を要求していくのかという問題です。

 

 

7.まとめ


・内縁の妻には、大別すると①結婚に準じて認められる権利、②交通事故等で認められる権利、③遺族給付等に関する権利が認められる。

・特に内縁の妻の生活に直結する権利としては、①婚姻費用分担請求権、②慰謝料請求権、③財産分与請求権がある。

・慰謝料請求権は、相手が浮気した場合や、相手から暴力被害を受けた場合などに認められる。

・逆に財産分与は相手に何か責任(有責性)がなくとも認められる権利である。

 

 

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2018.06.12更新

 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。

 

1.そもそも、内縁関係(事実婚)とは何だ?


 

 内縁関係(事実婚)、似たものに婚約といった言葉もあり、考えてみると今一はっきりとしないとお考えの方も多いと思います。

 内縁関係(事実婚)とは、婚姻届を提出していないけれども、婚姻意思を持って、夫婦共同生活を営んでいる関係などと言われたりします。事実上夫婦としての生活を送っているため「事実婚」と言われることもあります。

 

 ただ、これだけでは、今一分かりにくいと思いますので、以下で詳しく解説していきます。前述の内縁関係の定義になぞらえて説明しますと、①婚姻意思を持って(要するに「結婚するつもりがあって」)、②夫婦共同生活を営んでいる(同居して夫婦同様の生活を営んでいる)事が必要になります。以下それぞれについてご説明致します。

 

 

2.【内縁関係(事実婚)と認められるための条件1】婚姻意思があること


 

 要するに男女が共に結婚するつもりがあると言うことです。

 婚姻意思が認められないケースとしては、愛人関係や、その場限りの性交渉などがあります。

 なお、この「婚姻意思」と「婚姻届を提出する意思」は一般的に別だと考えられています。そのため、例えば男性側が今すぐに婚姻届を提出する意向がなかったとしても男女双方が結婚するつもりがあれば、「婚姻意思あり」とされます。

 

 このように「婚姻届を提出する意思」は必ずしも必要ありませんが、どうして長期間婚姻届を提出していないのか、の理由については合理的な説明が求められる傾向にあります。つまり、こちらから内縁関係にあると主張した場合に、相手がこれを否定するケースも相当数ありますが、その場合、通常相手は、「結婚するつもりなんかなかった」と言ってきます。そうなりますと、長期間同居していたのにどうして婚姻届を提出しなかったのかについて、説得的に説明していくことが求められるのです。

 

 

3.【内縁関係(事実婚)と認められるための条件2】夫婦共同生活の存在


 

 要するに同居して夫婦同様の生活を送っていることが必要です。

 いくら婚姻意思があっても全く同居して生活していない場合、内縁関係とは認められません(ただし、婚約と認められれば、一方的な破棄のケースでは慰謝料請求が認められるケースもあります)。

 また、「同居」が必要になりますので、例えば男性側が毎晩のように女性側の自宅を訪れた(その際に、そのまま翌朝まで泊まっていくこともあった)としても、「同居」(その場で一緒に生活している状態)ではないため、内縁にはならないと言うことになります。

 

 

4.結局同居期間はどのくらいあればいいのか?


 

 ケースバイケースですので、何年同居期間があれば内縁と認められるという一律の基準はありません。ただ、3年というのが一つの目安だと言われることがあります。

 そのため、少なくとも同居期間があまりに短い場合には、内縁とは認められない可能性が高いと言えます。

 

 また、同居を始めてから初めて男性側からのプロポーズがあったという場合には、厳密にはプロポーズがなされた時点から同居期間はカウントすべき事になります。

 いずれにしましても、どうして同居を始めることになったのか、同居期間中どのようなことがあったのかと言った点を考慮して「同居期間」を評価すべきと言うことになります。

 

 

5.結局内縁関係(事実婚)があるかないかの決め手は?


 

 内縁関係は、単なる婚約に加え、一緒に生活しているという状況がある場合に、結婚に準じた効果を認めようと言うものなので、一番の決め手になるのは、①同居期間と②同居中の生活状況ではないかと思います。

 もちろん同居期間が長ければ長いほど内縁と認められる可能性は上がりますが、男性側が明確に婚姻を嫌がっていた場合には内縁とはなりませんので、同居中の生活状況もキーポイントになります。

 

 なお、「同居中の生活状況」は、そこに住んでいる男女のみしか知らない事情になりますので、内縁と言えるかどうかで争いになった場合、男性側が「そんなことは言ってない」「そんなつもりはなかった」といったことを言ってくるリスクがあります。そのため、当時のLINEやメールのやり取り等が重要な証拠になり得ます。

 いずれにしましても、内縁に該当するのかどうか悩んでいるという場合には、一度弁護士等の専門家に相談して、意見を聴くのがよいと思います。

 

 

6.まとめ


・内縁関係(事実婚)とは、婚姻届を提出していないけれども、婚姻意思を持って、夫婦共同生活を営んでいる関係を言う。

・内縁関係の意味を分解すると「婚姻の意思があること」「同居して夫婦のような生活を送っていること」に分けることができる。

・同居期間3年が一つの目安と言われることもあるが、3年を経過していれば内縁と認められるわけではない。

・決め手となるのは同居期間の長さに加えて同居中の生活状況がキーポイントになる。

・自分の立場が内縁にあたるのか迷うケースでは一度弁護士に相談してみるのも良い。

 

 

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雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

TEL03-3666-1838|9:30~18:00

東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 

 

投稿者: 弁護士秦真太郎

2018.06.05更新

 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦です。

 

1.内縁(事実婚)かどうかは非常に重要


 

  内縁関係とは、婚姻届を提出していないけれども、婚姻意思を持って、夫婦共同生活を営んでいる関係などと言われたりします。事実上夫婦としての生活を送っているため「事実婚」と言われることもあります。

 

 あなたと同居男性との関係が、この「内縁関係」といえる場合、あなたは、その男性に対して生活費(法律用語としては「婚姻費用」等といいます)を要求したり、内縁関係解消の際には財産分与として一定の財産の支払いを要求する権利が生まれます。

そのため、内縁関係(事実婚)なのか、それとも内縁関係(事実婚)ではないのかという点は、重要なポイントになります。

 

 

2.内縁(事実婚)の証明手段にはどのようなものがある?


 

 ここでは、内縁を証明する証拠としてどのようなものがあり、どの程度の重要性があるのかを解説致します。

 なお、以下の証拠のうち一つでもあれば「決定的」ということはなく、以下の証拠の存在も踏まえ、相手の言い分等からどこまでの事実が認められるかによって、判断されますので、この点は留意してご覧下さい。

 

 また、上記のように内縁とは①「婚姻意思をもって」②「同居して夫婦同様の生活を送る」事を意味しますので、証拠によっては、②の証明にはなるが、①の証明にはならないという証拠もありますので、この点も注意してみていく必要があります。

 

(1)住民票

 おそらく内縁の判断にあたって公的書類の中でも一番重視される証拠ではないかと思われます。

 住民票の続柄の覧に「妻(未届)」や「夫(未届)」と記載されていれば、有力な証拠になります(但し、前述の通り、これだけで内縁の「決め手」となるわけではありませんので、ご注意下さい)。

 逆に、同一住所に住んではいるものの、住民票が男女で別々になっているケースや住民票の続柄に「同居人」と記載されている場合には、その記載から「婚姻意思」を証明することは難しいと思います。但し、住民票上の住所が男女で同じと言うことになりますので、「同居して生活していた」ことの証明にはなると思います。

 

(2)賃貸借契約書上の記載

 あなたがその男性と同居生活を始めるにあたり、新たに賃貸借契約を締結したという場合、その賃貸借契約には、あなたのことが同居人として記載されているケースが多いと思います。その場合には、同居人の「続柄」という覧が設けられていることも多く、そこに「内縁の妻」とか「妻(未届)」等と記載されていると、こちらも有力な証拠になります。

 なお、賃貸借契約書の続柄覧に「婚約者」と記載されている場合にも、その契約日から何年も同居生活を送っているという場合には、内縁の証明になります。

 

(3)健康保険の被扶養者になっていること

 あなたが、男性側の健康保険の被扶養者になっている場合も、有力な証拠になります。通常男性側がサラリーマンの場合、勤め先から健康保険証が発行されますが、あなたの分の健康保険証もその勤め先から発行されている場合、男性側の健康保険の被扶養者になっている事になります。

 その他、男性と同じ健康保険組合からあなたの健康保険証が発行されている場合には、通常男性側の健康保険の被扶養者になっていると見込まれます。

 

(4)男性側の給与明細書の記載

 前述の健康保険の被扶養者と似た話になりますが、男性側が勤め先に対して、あなたのことを被扶養者として申告している場合、扶養手当等の手当が給料に加算される場合があります。また、被扶養者の人数に応じて住宅手当等が加算されることもあります。

 このようにあなたが被扶養者とされていることで給料の金額に変更がある場合、給料明細書には「扶養人数 1名」といった記載がなされることが多く、このような記載も内縁の証拠となり得ます。

 

(5)民生委員発行の事実婚証明書または内縁関係証明書

 お近くの民生委員会所属の民生委員によっては、あなたが依頼すると事実婚証明書や内縁関係証明書という書類を書いてくれることがあります。そして、遺族年金等を保険会社に請求すると、このような民生委員発行の事実婚証明書や内縁関係証明書を要求されることもあります。

 

 このような証明書の位置付けですが、以下の点に留意すべきとされています。

①このような証明書を発行してくれるかどうかは、地域差や民生委員の考え方によって大きなばらつきがある。

②基本的にこのような証明書は民生委員があなたの話を聞き取るだけで発行するケースも多いが、証明書の裏付けとして民生委員がどこまでの資料を確認したかが重要である。

③民生委員が確認した裏付けもそうであるが、どのような事実関係からその様な証明書を発行したのかという点も重要である。

 

 そのため、分かりやすく言いますと、証明書の内容次第で、内縁の有力な証拠になる可能性もあれば、あまり証拠価値が高くないというケースもあるということになります。

 

(6)結婚式場等の証明書、披露宴挙行の証明書

 結婚式や披露宴を実施したと言うことは、男女が婚姻の意思をもっていたことの有力な証拠になりますので、その資料も内縁の証拠になります。

 

(7)男性側が以前提出してきた書面

 内縁の妻は、きちんと届出をした婚姻関係よりも法律関係が明確ではなく、不安定な状況にあります。

 そのため、今後の自身の生活のためにも、男性側に約束事を書面で書いてもらっていることもあります。

 

 例えば、今後の生活費を保障するとか、今後二度と浮気はせずあなただけを愛する旨の書面、子供が生まれた場合には必ず認知する旨の書面といったものがあります。

 これらの書面がどこまでの証拠になるかは、その記載内容等によるということになると思います。

 なお、その書面に男性側の印鑑が押されているかどうかと言うのは重要なポイントになります。

 

(8)遺族給付等を受けた証拠

 内縁の妻には、夫が死亡した際に遺族年金等の遺族給付を受け取る権利が認められます。そのため、遺族年金証書等の写し等は一つの資料になります。ただ、このような給付書類は、夫が加入していた保険会社や勤め先が、あなたを内縁の妻と認めたというだけで、法律の専門家が内縁の妻と認定したわけではありません。

そのため、このような遺族年金証書等のみが証拠になるというよりは、保険会社や勤め先に対してどのような資料を提出することで遺族年金を受け取ることができるようになったのかという点がより重視されると思います。

 

 なお、仮に内縁の妻と認定されましても、内縁の妻には相続権はございませんし、内縁の夫が死亡した場合、財産分与を請求する権利はありませんので、これらの権利者としての保護は受けられません。

 

(9)LINEやメールのやり取り

 その男性との間の直接のLINEやメールのやり取りは、その記載内容によっては内縁の有力な証拠になることもあります。

 視点としては、相手男性があなたと結婚する意思をもっていたかどうかと言う点がポイントになりますので、相手の結婚意思を証明できるような内容であれば、証拠となる可能性があります。

 

 なお、あなたが友人に相談したメールやネット上でお悩み相談した内容等は、あまり有力な証拠にはならない可能性が高いと思います(要するに、「その男性との直接のやり取りである」かどうかが重要なポイントになります)

 

 他方、相手男性が自身のブログやツイッターその他SNS等にあなたの写真をアップして「妻です」と記載していたりした場合には、内縁関係の証拠になりうる場合もあります。

 ただ、LINEやSNSでの記載内容は、前述のように書面で男性側が直筆で記載した書面よりも証拠力は一般的に落ちると言われています。LINEやSNSは、それほど深刻に考えずに記載等をすることが多いのに対して、覚書や誓約書と言ったタイトルで直筆の書面を提出する場合、通常は深刻に受けとめて作成している可能性が高まるからです。

 

(10)男性側との会話の録音テープ

 男性側も裁判や調停になると、これまで言ってきたことを覆すというケースも相当数あります。

 そのため、男性がこれまでの同居生活や生活の実態を否定してきそうな場合には、男性との会話を携帯電話等で録音し、紛争になったときに男性側が言い逃れできないようにしておくと良いでしょう。

 ただ、もちろん会話録音の内容がどの程度の証拠になるかという点は、会話の内容次第と言うことになります。

 

(11)他人の証言

 他人の証言とは、あなたの身内や友人の証言と言うことになります。

 あなたが、その男性と披露宴を行ったり、双方の両親への挨拶をしたというような場合、これまでの男女の状況を身内や友人に証言してもらうという方法も考えられます。

 

 この証言がどこまでの証拠価値があるかについては、証言内容によるところが大きいのですが、証言者が直接目撃した内容であれば一般的に重要性は高くなりやすく、他人から伝え聞いた内容だと重要性は低くなる傾向にあります。ただ、人間の記憶には限界がありますし、あくまであなたの身内や友人の証言になりますので、上記の様な公的書類等に比較すると証拠の客観性で劣るという面は否定できません。

 そのため、基本的には、第三者機関等が発行してくれる上記のような証拠等を第1に考え、それを補完する意味で、証言も証拠として活用するというように、「補助資料」のような位置付けで考えるのがよいと思います。

 

 

3.内縁(事実婚)と言えるか不安があるなら弁護士に相談してみよう。


 

 上記のように内縁の証明手段は多様なものがありますし、その記載内容等によって、証拠としての価値が大きく異なってきます。

 そのため、男性側が内縁関係の成立を強く争ってくるような場合には、あなたと男性との関係が法律的にも内縁(事実婚)と言えるか弁護士等の専門家にしっかりと確認した方が安心です。

 

 

4.まとめ


・内縁関係(事実婚)が認められるための決め手となる証拠というものは基本的にないと考えた方が良い。

・内縁関係を示す証拠として、住民票の記載、賃貸借契約書の記載、健康保険や給料明細の記載は有力な証拠となりうる。

・民生委員が発行する証明書の証拠価値は、証明書の内容次第である。

・結婚式や披露宴の証拠も内縁の証拠になりうる。

・遺族給付を受けた資料は、それだけで内縁の証拠になることは少ない。

・男性との直接のやり取り(LINEやメール、会話録音)は、内容次第では、内縁の証拠になりうる。

・他人の証言も、内容次第で証拠としての価値は大きく変動する。

・あなたが内縁の妻か不安がある場合には弁護士に相談してみると安心である。

 

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