2021.02.11更新

弁護士秦 


こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。「しっかりと戦って、しっかりと勝つ」をモットーに、以下詳しく解説していきます。



1.そもそも「監護者」って何だ?


 

(1)監護権というワードは馴染みが薄い。
 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。

 

(2)親権の意味のおさらい
 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。


 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。
1)身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)
2)財産管理権(お子様の財産を管理する権限のことです)
3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)


(3)要するに監護権って?
 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。


(4)監護者指定審判とは?
 離婚が正式に成立するまでは、お子様の親権は夫婦の共同親権になるのですが、このような共同親権の中でも監護権のみを切り出して、監護権を取得するものを夫婦どちらかに指定して欲しいという審判が監護者指定審判の手続きになります。
 「審判」というと聞き慣れないかもしれませんが、調停のように話し合いの手続きではなく、裁判官が強制的に監護者を指定する手続きになります。

 

 

2.妻側の勝率は?


(1)実際の勝率は?
 突如旦那様側から審判を起こされてしまうと、一番心配になるのは、「この審判で勝てるのか?」「万が一負けてしまって夫が監護者に指定されてしまったらどうしよう」というところかと思います。
 以下は、あなた自身が現在お子様と暮らしており、お子様自身もその暮らしに大きな不満を持っていないという前提でのお話になりますが、①から③の点をしっかりと準備しておけば、勝訴の可能性はかなり高いと考えてよいと思います。


① しっかりと陳述書の準備を整える
② しっかりと家庭訪問に備える
③ 学校・保育園への調査に備える


(2)しっかり準備することが前提だとしても、どうして「勝訴の可能性が高い」のか?
 結論から申しますと、あなたが現在お子様と一緒に住んでいるということが大きなアドバンテージになっているからです。
 現状の監護者指定手続きにおいては、「今誰がお子様を育てているのか」という点を最も重視します(法律用語的には「現状の監護状況」などと言ったりします)。
 そのため、今現在あなたがお子様を育てているという事情がかなり有利に働くのです。

 

 

3.勝訴を確実にするためにどのような準備をすべきか?


 前述の通り、あなたの方が有利だとしても、審判手続きには万全の態勢で臨む必要があります。
 監護者指定審判手続きは専門性が高いため、弁護士に依頼することを強くオススメしますが、準備の要点について解説いたします。具体的には前述の①から③の準備を滞りなく進めるということになります。


1)要点①)しっかりと陳述書の準備を整える
 正式名称は「子の監護に関する陳述書」という書類になるのですが、監護者指定手続きにおいて準備すべき書類の中でも、一番大事な書類がこの「子の監護に関する陳述書」になります。


 「子の監護に関する陳述書」には主に以下のような記載が必要になります。どの記載項目も大切ですので、しっかりと記載する必要があるのですが、その中でも特に「これまでのお子様とのかかわり方」の記載が非常に重要になりますので、しっかりと詳細に記載する必要があります。
 ・あなたの生活状況(学歴・職歴、現在の仕事の状況、経済状況、健康状態)
 ・お子さんの生活状況(生活歴、これまでのお子様とのかかわり方、生活スケジュール、健康状態、通園・通学状況)
 ・監護補助者(どのような方がサポートしてくれるのか)
 ・今後の監護計画(今後お子様をどのように育てていくのか)

(2)要点②)しっかりと家庭訪問に備える
 監護者指定審判手続き内での「家庭訪問」というのは、家庭裁判所調査官が直接あなたの自宅を訪問し、ご家庭内の様子やお子様の様子等を直接確認することを指します。
 大半の監護者指定審判手続きでは、家庭訪問が実施されるのですが、家庭訪問の日時はこちらの都合も踏まえて日程調整しますので(抜き打ちで家庭訪問が行われることはないという意味です)、家庭訪問に向けては事前にしっかりと準備しておく必要があります。


 実際の準備のポイントは、前述の「子の監護に関する陳述書」の内容を踏まえて、こちらにとって有利な点をしっかりとアピールし、こちらに不利になりそうな点をしっかりとカバーするという準備が必要になります。
 なお、家庭訪問の際には、監護補助者とも直接会って話をしたいと要望してくることもありますので、必要に応じてその準備も必要になります。

 

(3)要点③)学校・保育園への調査に備える
 特にお子様が小学校低学年よりも小さいご年齢の場合、小学校や保育園の調査が行われるケースが多いです。
 このような調査は、受け入れる小学校・保育園側の受け入れ体制にもよるのですが、通常は家庭裁判所調査官が直接小学校や保育園に足を運んで、担任教師・保育士や校長・園長から話を直接聞きたいという話になるケースが多いです。


 お子様が元気に登校・登園しており、小学校・保育園での様子にも特に大きな問題がないということでしたら、不安はないのですが、不登校・不登園、もしくは登校しぶり等がある場合には、事前に担任教師や担任保育士とも相談等をしておく必要があります。

 

 

3.まとめ


・あなたがお子様と一緒に暮らしているのであれば、以下の準備をしっかりとしておけば勝訴の可能性はかなり高い。
① しっかりと陳述書の準備を整える
② しっかりと家庭訪問に備える
③ 学校・保育園への調査に備える

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2021.02.11更新

弁護士 秦


こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。「しっかりと戦って、しっかりと勝つ」をモットーに、以下詳しく解説していきます。

1.そもそも「監護者」って何だ?


 

(1)監護権というワードは馴染みが薄い。
 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。

(2)親権の意味のおさらい
 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。


 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。
1)身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)
2)財産管理権(お子様の財産を管理する権限のことです)
3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)


(3)要するに監護権って?
 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。


(4)監護者指定審判とは?
 離婚が正式に成立するまでは、お子様の親権は夫婦の共同親権になるのですが、このような共同親権の中でも監護権のみを切り出して、監護権を取得するものを夫婦どちらかに指定して欲しいという審判が監護者指定審判の手続きになります。
 「審判」というと聞き慣れないかもしれませんが、調停のように話し合いの手続きではなく、裁判官が強制的に監護者を指定する手続きになります。

 

 

2.夫はどういうつもりで監護者指定審判手続きを起こしてきたのか?


 もちろん、夫として心底お子様と一緒に生活したいと考えて手続きを取ったというケースもあると思います。
 ただ、実際の夫側の普段の生活を見ると、仕事が忙しく帰宅時間が深夜になることも多いとか、出張が多い仕事で月の半分は海外出張しているというようなケースだと、「本気で手続きを取っているのか?」「実際の夫の目的がよく分からない」ということも往々にしてあります。


 実際、私が担当した事件では、以下のようなケースがありましたので、ご紹介します。


(1)こちらの様子の確認を目的としていたケース
 特に、こちらがシェルターに避難したり、そうでなくとも、こちらの所在を秘密にしているような場合、旦那様としては、こちらの暮らしぶりやお子様が元気にしているのかを確認したくて手続きを取っているというケースもあります。


 どういうことかと申しますと、監護者指定審判手続きを進めていきますと、こちらも「この監護に関する陳述書」という書面を作成し、その中で、現状のお子様の様子について記載する必要が出てきます。また、通常、監護者指定審判手続きでは、あなたのご自宅の家庭訪問を実施しますので、家庭訪問を通じて、こちらの生活状況やお子様の様子等を確認したいと考えて、夫側は手続を申し立ててきているのです。


 このようなケースですと、こちらの生活ぶりやお子様の様子が分かった段階で、夫側が申立を取り下げて来たりすることもあります。


(2)面会交流実施を目的としていたケース
 監護者指定審判手続きは、現状のお子様の育児等に問題がないかという点、これまでのお子様の育児を夫婦どちらが担ってきたのかといった点が重視されて手続きが進みます。
 ただ、この手続きの中では、夫との面会交流についてどう考えているのかという点も一つの考慮要素とされることが多いです。
 裁判所の基本的な考え方は、たとえ夫婦が別居や離婚になったとしても、父親と子供との関係は今後も続いていくので、お子様が父親からの愛情を受ける機会として極力面会交流を推奨すべきと考えているからです。


 そのようなこともあって、夫側としては「監護者になること」が本命ではなく、「早期にお子様と面会交流していくこと」を本命にしているケースもあるのです。


 このようなお話を致しますと、「そんなに早く面会交流したいなら、すぐに面会交流調停を起こせばいいんじゃ?」と疑問に思うかもしれません。確かに、面会交流の問題を直接取り扱うのは、面会交流調停の手続きだからです。
 しかしながら、面会交流調停は当人同士の話し合いを基本にする手続きですので、「早期の面会交流実現」という観点からは、即効性に乏しいというデメリットがあります。
 むしろ、監護者指定審判手続きですと、これと同時に保全処分の申し立てをすることが多いため、手続きの迅速化を目指すことが可能になります。
 そのような意図から、監護者指定審判手続きを利用しているのです。


(3)嫌がらせとしか思えなかったケース
 例えば、こちらの別居先は実家で、特にこちらの所在を夫側に秘密にしているわけではないとか、そもそも、夫側がお子様に会いたいと思っていると感じられないというケースもあります。
 むしろ、同居中も、夫にとって気に入らないことがあると、あの手この手を使って嫌がらせをしてきたという場合には、今回の監護者指定審判手続き自体が嫌がらせ目的ということもあります。


 前述の通り、監護者指定審判手続きを申し立てる場合には、通常同時に保全処分の申立もしますので、こちらもスピーディーに準備を整えていかなくてはいけません。
 そのようなことも考慮して、先方として嫌がらせを仕掛けているということなのです。

 

 

3.夫側の思惑は思惑として、こちらはしっかりと準備を整えること


 私が実際に担当したケースでの夫側の思惑について解説しましたが、夫側の思惑がどうであろうと、こちらとしては、お子様のためにも監護者指定審判手続きで敗訴することはできません。
 そのため、こちらとしては、しっかりと準備をして、しっかりと勝って行く必要があります。

 

 

4.まとめ


・夫側の監護者指定審判申し立ての思惑
① 心底お子様との生活を希望して申し立てている。
② あなたの生活やお子様の生活の確認がしたい
③ 本命は面会交流狙いである
④ ただの嫌がらせ目的である
・夫側の思惑がどうであろうと、こちらはしっかりと準備してしっかりと勝って行く必要がある。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2021.02.01更新

弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 

1.試行面会(試行的面会交流)とは?


 試行面会(試行的面会交流)は、広い意味では、試しに面会交流をさせることを指します。例えば、日時を決めてファミリーレストランで30分ほど軽食を取りながらお子様との面会交流を認めるといったことを試しに実施することなどを含みます。


 他方、試行面会という用語を狭い意味で用いることも多く、そのような場合には、家庭裁判所内の児童室にて試験的に面会交流を行うことを意味します。
 今回は、この狭い意味での試行面会について解説していきます。
 調停などを続けていく際に、調査官などから「試行面会」といった用語が出ることもありますが、通常は上記の「狭い意味」での試行面会を指すことが多いです。

 

 

2.試行面会(試行的面会交流)って結局何なの?


 当日、実際にどのようなことを行うのかといったことについては、詳しく後述しますが、イメージを持ちやすいようにご説明すると以下のようなものになります。


 端的に言いますと、試行面会とは、家庭裁判所の中にある児童室という場所で父親とお子様とを試験的に面会交流させ、その様子を確認する手続きになります。


 父親側には、「お子様と接することに問題がないかの試験ですよ」とご説明することが多いです。母親側にご説明する際には「面会交流させるべきかどうかを見極める場ですよ」とか(面会交流の方法が問題となるケースですと)「こちらが提案する面会交流方法がベストと言えるかを見極める場ですよ」などとご説明することが多いです。

 

 

3.試行面会(試行的面会交流)って何のために行うの?


(1)今後面会交流を実施していった方が良いかどうかの見極めをする
 特に面会交流させるべきかどうかについてご夫婦の間での対立が激しい場合(要するに奥様側が面会交流断固拒否姿勢なのに対し、旦那様側が面会交流実施を強く求めているようなケースです)、面会交流を実施することがお子様の福祉にとって望ましいかどうかを見極めることを大きな目的として実施します。
 試行面会の際には、家庭裁判所調査官が立ち会いますので、面会交流の際のお子さまの様子や父親の様子、交流時の雰囲気等を常に観察していることになりますから、このような観察を通じて、調査官が、面会交流の適否を判断することになります。

(2)面会交流の方法についての見極めをする
 よく問題になりますのが、①奥様が立ち会う形を認めるかどうか、②奥様のご親族が立ち会う形を認めるかどうか、③第三者機関の利用に耐えうるかといった点で争いがあるときに、どちらが良いのかを見極めるために行います。


①の場合には、奥様が立ち会う形での交流を実施し、その後、旦那様のみとの交流に移行して様子を見るといった方法を、②の場合には、最初のうちは親族が立ち会い、その後、旦那様のみとの交流に移行するといった手順を取ることが多いかと思います。
上記の③については、調査官という、お子様にとっては他人と接した時の反応等からお子様が人見知りをする子なのかとか、環境適応能力がどの程度あるのかといった点を見極め、第三者機関の利用に耐えられるかどうかを見極めることが多いです。


なお、第三者機関との関係では、奥様側が第三者機関の利用を要求し、旦那様側が拒否する場合に、第三者機関を利用したほうが良いかどうかの見極めをするケースも多いです。


(3)今後の面会交流に当たっての課題の整理
 上記のような面会交流の適否、方法の整理に加え、今後面会交流を実施していくに当たっての課題整理の場として試行面会を行うことが多いです。
 例えば、試行面会の際にお子様が元気いっぱいに走り回っているというような場合には、今後の面会交流場所としてはファミレス等ではなく、体を動かせる場所等が良いのではないかという話になります。


 また、試行面会の際に旦那様から不用意な発言がなされるようであれば、あらかじめ禁止ワードを取り決めたうえで面会交流を実施すべきとなることも多いです。
 さらに、試行面会の際にお子様が旦那様のことを極度に怖がっている様子があれば、早急に面会交流実施ではなく、しばらく時間をかけて面会交流実施に向けての環境を整えていくというケースもあります。

 

 

4.試行面会(試行的面会交流)当日の具体的流れは?


(1)通常は事前に調査官がペーパーをくれる
 当日の具体的流れに誤解があると円滑な試行面会は実施できませんので、調査官が「当日の流れ」といったペーパーを事前に用意していることが多く、これに沿った形で試行面会が実施されます。
 また、きめ細かな調査官ですと、試行面会実施に当たっての留意点等をきめ細かく説明してくれたり、児童室内の様子を撮影した写真を見せてくれたりすることもあります。


(2)試行面会の時間は?
 お子様と旦那様が交流している時間は30分程度とすることが多いかと思います。ただ、その前に場慣れやお子様に調査官と慣れてもらうとか、奥様とお子様とで遊んでお子様にリラックスしてもらうといったことも多いので、全体では1時間から1時間30分程度かかることが多いと思います。


(3)調査官が立ち会って交流する
 前述の通り、試行面会は、お子様と旦那様とが接する様子を直接調査官が確認するための手続きですから、試行面会には調査官も児童室に入室し、終始その様子を観察しています。


(4)玩具等はどうする
 玩具の持ち込みを不可とするかは裁判所によって取り扱いが異なります(少なくとも東京家庭裁判所では持ち込み不可とされるケースが多いです)。
 児童室内には絵本や玩具等が一通りありますので、児童室内の玩具等を利用して面会交流をしても、試行面会中お子さまが退屈するケースは少ないように思います。

 

 

5.児童室って?


 児童室と言われてもイメージが付きにくいかと思いますので概要を解説します。


(1)広さはまちまち
 オーソドックスな児童室は調停室と同程度の広さのところが多いかと思いますが、裁判所によっては、その2倍程度の広さのところもあります。
 ちなみに、東京家庭裁判所には児童室が複数あり、広めの部屋とオーソドックスな広さの部屋等複数の広さの部屋があります。


(2)お子様の緊張を和らげる工夫をしているところが多い
 児童室に入室することでお子様が緊張してしまいますと、試行面会を円滑に実施することは難しくなります。
 そのため、壁紙をクリーム色にして落ち着きやすくするとか、落ち着いた色のカーペットを敷いてあるとか、裁判所によっては、大きめのガラスがあって外の眺望が見えるようになっているといった児童室もあります。
 このように多少なりともお子さまの緊張が和らぐような工夫をしていることが多いです。


(3)監視カメラ付き
 児童室には監視カメラが付いています。調査官が後から交流の様子を振り返ったり、確認したりする際に活用します。
 また、面会交流中の様子を奥様や弁護士が確認したいということも多いため、そのような場合には、監視カメラの画像をモニターで見ながら試行面会を実施することもあります。


(4)絵本や玩具は一通りのものがある
 絵本や玩具は児童室に備え付けられています。
 通常、男児向け・女児向け、かつ、年齢層に応じて興味を持ちそうな玩具を揃えているところが多いです。

 

 

6.試行面会(試行的面会交流)の様子は調査報告書にまとめられる


 試行面会の様子は実際に立ち会った調査官が調査報告書にまとめます。
 この調査報告書を読みますと、当時のお子さまの様子や調査官が気になった点などが分かります。
 また、この調査報告書には今後の面会交流の方向性が示されることが多いため、そのような方向性に沿って今後の調停や審判が進められていくことになります。

 

 

7.試行面会(試行的面会交流)に応じるべきか


 正直に言いますと試行面会を実施するという場合、今後面会交流を実施していくことを前提に、その方法等を見極めるために実施することの方が多いです。(児童虐待等がある場合には、そもそも試行面会を実施すべきではないということになるため)
 ただ、面会交流を拒否したい場合に、試行面会を拒否するかというと、これを拒否すると裁判所の印象が非常に悪いのも事実です。
 そのため、調停中に実施する試行面会はともかく、審判中に実施する試行面会には応じざるを得ないかと思います。

 

 

8.試行面会(試行的面会交流)は通常何度も実施するものではない


 たまに、安心して面会交流させたいということで、児童室で面会交流を実施したいとおっしゃる方もいます。
 しかし、試行面会は前述の通り、「面会交流の試験」という位置づけですので、普段の面会交流を行う場所として利用することは想定していません。


 そのため、普段の面会交流実施については、外で会わせることに不安がある場合には、第三者機関を利用するということが多いです。
 また、試行面会は、お子様にとっても負担になることが多いため、試行面会を何度も実施するケースは極めて稀で、1回限りとするケースが大半です(もちろん、お子様が体調を崩してほとんど試行が出来なかったというようなときは別日に再設定することはありますが)。

 

 

9.まとめ


・試行面会とは狭義には、家庭裁判所内の児童室にて試験的に面会交流を行うことを意味する。
・試行面会は、面会交流を実施すべきか、その方法等について試験するために行う。
・試行面会の当日の流れは、事前に調査官がペーパーで教えてくれることが多い。
・児童室は、お子様が緊張しないような工夫がされていることが多い。
・試行面会の様子は調査報告書にまとめられる。
・裁判所の印象を悪くしないために、少なくとも審判手続きの中での試行面会には応じたほうが良い。
・試行面会は1回きりにすることが多い。

 

 

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