2022.02.28更新

弁護士秦 

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかり勝つ」をモットーに、分かりやすく解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

 

1.離婚の際に親権のことが一番心配


 夫婦喧嘩の中などで離婚や別居を口走ったとき、旦那側から「お前ひとりで出ていけ」とか「親権は絶対渡さないからな」と言われる経験をしたことがある方も多いと思います。
 そうでなくとも、旦那側の普段の様子から、簡単に親権を諦めないと強く予想されることもあります。
 旦那との普段の生活を顧みるとこれ以上一緒に生活できない、離婚は覚悟しているという場合でも、親権のことが非常に心配に感じるという方は多いと思います。
 今回は親権のことで、特に、お子様の不登校にスポットライトを当てて解説していきます。
 なお、お子様の不登校については、①お子様が同居中から不登校だった場合と、②お子様が同居中は不登校ではなかった場合とで状況が異なりますので、場合分けして解説していきます。

 

 

2.お子様が同居中から不登校だった場合


 お子様が同居中から不登校だった場合、その責任があなたの方だけにあるというケースはごく少数だと思います。
 夫が頻繁にモラハラ発言に及ぶような場合、あなたに対して「専業主婦なんだから、子供を学校に行かせられないなんてありえない」とか「学校に行けないなんて子供を不幸にしている」とか色々と言ってくるかもしれませんが、逆に、夫側は奥様に育児を任せっきりにしていたので、このような事態になっているので、奥様だけの責任とは言えないと思います。


 ただ、同居中から不登校だった場合でも、別居後徐々に学校に行けるようになった方が、お子様のためになることは間違いありません。
 そうはいっても、お子様が学校に行くという状況を無理に作り出すことは、かえってお子様の負担を増やすことにもなりかねませんので、スクールカウンセラーやお近くの子供家庭支援センター、療育施設や小児心療内科等にもご相談されながら、お子様にとって最も良い方法を模索していくことが重要かと思われます。

 

 

3.お子様が同居中は不登校ではなかった場合


(1)どのように対策すべきか
 お子様が同居中は不登校ではなかったのに、別居後に不登校になったような場合、特に夫側からは、奥様の育児についての批判を強めていくと思いますし、親権獲得にあたっても重要なポイントになりますので、不登校になった原因をしっかりと究明していくことが重要になります。
 特に、夫との同居中は、家族全員が夫に従わざるを得ず皆が窮屈な生活を送っていたというような場合、同居中は、学校に行かないと夫から何を言われるか分からないという強迫観念から登校していたが、いざ別居すると、そのような強迫観念から解放されたが、他方で、力が抜けてしまって登校できなくなってしまうとか、同居中の心理的ストレスの影響が別居後に大きく表れるというケースもあります。


 同居中は登校していたのに、別居後不登校になったというような場合には、同居中の心理的ストレスが非常に大きかったというケースも多いので、スクールカウンセラーやお近くの子供家庭支援センター、療育施設や小児心療内科等にもご相談されながら、丁寧に不登校の原因を究明していく必要があります。
 このような原因究明の結果、お子様の不登校の原因が同居中の夫からの言動に起因するような場合、あなたの責任ではありませんので、不登校そのものが親権獲得にあたりあなたに不利になることはほとんどないかと思います。


(2)具体的にはどのような例がある?
 同居しているときは、学校に登校できていたのに、別居してから学校に登校できなくなってしまったケースとして、私自身が担当したケースとしては以下のようなものがあります(もちろん、実際にはもっと様々なケースがあると思いますが、私自身が担当した事件としての事例として以下のようなケースがあるという意味です)。
①夫側が非常に厳格な人間で、同居中は夫の目もあって不登校など許されるような雰囲気がなかったが、別居すると緊張の糸が切れたように登校できなくなってしまった。

②夫は妻に対して事あるごとに暴言を吐いており、妻が家庭内で一番立場が下であった。別居後も、そのような立場関係が引き継がれてしまい、子供が妻の言うことを全く聞かなくなってしまって登校も拒否するようになった。

③元々学校のカリキュラムが厳しく、お子様に合っていなかったが、別居後にその問題が一層顕在化して、不登校になった。

④別居後も新型コロナウイルス感染予防の観点から学校のオンライン授業期間が長く、自宅での生活が乱れてしまったせいで、いざ通常授業が始まっても登校できなくなってしまった

 

 


4.まとめ


・お子様の不登校の問題については、同居中から不登校だったかどうかが一つの大きなポイントである。
・同居中から不登校だった場合、別居後も不登校が続いても、そのことだけで親権者として不適格ということにはならない。
・同居中は登校していたのに、別居後不登校になった場合には、不登校になった原因の究明が非常に重要になる。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2022.02.21更新

 弁護士秦

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1.離婚の際に親権のことが一番心配


 夫婦喧嘩の中などで離婚や別居を口走ったとき、旦那側から「お前ひとりで出ていけ」とか「親権は絶対渡さないからな」と言われる経験をしたことがある方も多いと思います。
 そうでなくとも、旦那側の普段の様子から、簡単に親権を諦めないと強く予想されることもあります。
 旦那との普段の生活を顧みるとこれ以上一緒に生活できない、離婚は覚悟しているという場合でも、親権のことが非常に心配に感じるという方は多いと思います。
 今回は親権のことで、特に、「夫側が育メンの場合」にスポットライトを当てて解説していきます。

 

 

2.育児負担がほぼ夫婦対等という場合、徹底的な準備が必要


 一概に育メンと言っても、実際には夫側の関わり方は多様でしょうし、その割合にも差が大きいのが一般的かと思います。
 例えば、週末の土日のどちらかは、夫側が食事の支度も含めてすべて担当するという関わり方であったり、共働きなので平日も含めてほぼ育児負担は対等だというケースもあると思います。
 特に、共働きで、かつ、平日も含めて育児負担がほぼ対等だというケースですと、親権について夫側が強く争ってくることも想定して、あなたの方でも徹底的に準備していく必要があります。
 なぜなら、別居前の育児の負担度合いが、親権者を決めるに当たって最も重視される要素だからです。


 ただ、具体的に何をどのように準備するのかという点を解説する前に、今あなたが置かれている状況によって、勝率が大きく変わってきますので、その点についてまずは解説します。

 

 


3.あなたが置かれている立場(あなたが現在お子様を育てているのかどうか)



(1)あなた自身がお子様を今育てているケースの場合
 以下は、あなた自身が現在お子様と暮らしており、お子様自身もその暮らしに大きな不満を持っていないという前提でのお話になりますが、しっかりと基本的な準備を整えておけば、勝訴の可能性はかなり高いと考えてよいと思います。

そして、この場合の基本的な対策の最重要ポイントになるのは、この現状の監護状況を極力長期化させることです。もちろん、お子様自身が夫側との生活を強く望んでいるのに、無理やりこちらとの生活を長期化させるようなことはしてはいけませんが、お子様自身も望んでいるようでしたら、現状の状況を長期・安定化させることは、お子様のためにもなります。
特に、夫側は監護者指定審判の申立をしてきたり、面会交流の機会を利用して、連れ去りやお子様への圧力を強めるといったことも考えられますので、夫側の対応に応じて、こちらも対策を練る必要があります。

 

(2)あなたがお子様と一緒に生活していない場合
まず、あなたが現在お子様を育てていない状況になった経緯が非常に重要になります。大きく分けると、①旦那側がお子様を連れ去ってしまったケースと、②(体調や仕事その他の理由で)あなた自身が旦那側にお子様の監護を委ねたケースの二つに分かれると思います。


ア 旦那側がお子様を連れ去ってしまったケース
 この場合、旦那側がお子様の育児を一手に担うという状況が長期化することを防止する必要があります(この状態を認めると、親権紛争で大きく不利になってしまうため)。
 そのため、この場合には、離婚や親権の紛争の前に、まずは、監護者指定・子の引き渡し審判の申し立てをしていくことになります。
 要するに、離婚が成立する前には夫婦がお子様の共同親権をお互いに持っていますが、その中でもお子様の実際の身の回りの世話をする方(監護者)を決めるよう裁判所に求めるのです。
 この監護者指定手続きで勝訴することができれば、今後の親権紛争でも一歩リードすることができます。
 監護者指定手続きの勝率については、①別居前の監護状況(要するに、夫婦どちらがメインで子育てに関わってきたのか)、②連れ去りの経緯、③お子様の意思等を考慮して決定しますので、一概にあなたが有利と言い切れるものではありません。
 いずれにせよ、監護者指定審判を申し立てるにあたっては、弁護士はほぼ必須になりますので、弁護士に頼む前に、あなたの具体的な事情を説明して、勝率等を尋ねてみたほうが良いと思います。


イ あなた自身が旦那に育児を委ねたケース
 この場合には、①あなたが育児を委ねた経緯・理由、②旦那側のみが育児を担ってきた期間がどのくらいの期間に及ぶのか、③現在はあなたがお子様を育てられる事情の詳細、④お子様の意思等を考慮して夫婦どちらが親権者として適格か判断されます。
 特に、旦那側のみで育児をしていた期間が長期間に及べば及ぶほどこちらには不利になっていきます。
 この点も、上記の①から④を含めた様々な事情を考慮して、親権者の適格性が決まりますので、詳しくは弁護士に相談することをオススメします。

 

 

4.どのような対策を取るべきか


(1)どのように対策すべきか
 あなたが現在お子様を育てている場合とそうでない場合の対応は上記の通りです。
 それでは、この点を一旦置いたうえで、どのような対策が必要なのかについて解説していきます。
 親権者指定のポイントは実際には多岐に渡るのですが、その中でも特に重要なポイントは以下の7つの点に集約できると思います。
1)現在の監護状況
2)(別居前の)監護実績
3)連れ去りの違法性
4)過去の児童虐待の有無・程度
5)子供の意思
6)今後の監護計画
7)面会交流の姿勢


 夫側が育メンだという場合でも、上記の7個のポイントが重要になることは変わりありません。
 そのため、それぞれのポイントに応じて対策を取っていく必要があります。
 上記の「1)現在の監護状況」については、既に前述したとおりです(あなたがお子様を育てているのかどうかで場合分けしてご説明いたしました)。
 特に、相手が育メンだという場合の対策では「2)(別居前の)監護実績」と「4)過去の児童虐待の有無・程度」が非常に重要なポイントになります。


(2)別居前の監護実績
 要するに、別居前に、育児をどのように分担して担ってきたのかというお話です。
 この別居前の監護実績の準備にあたっては、(お子様の年齢がまだ幼少の場合には)お子様の連絡帳が非常に重要な役割を果たします。特にきめ細かく保育園・幼稚園との連絡やり取りをしている場合、誰が連絡帳を記帳していたのか、誰が園への送迎をしていたのかといった点がかなり明確に分かるケースも多く、非常に有力な証拠とされることが多いです。
 また、あなただけがお子様と一緒に出掛けた際の写真、お子様に料理その他家事を手伝ってもらったとか、一緒に家事を行った写真などの証拠があれば、あなたの育児の実績を客観的に証明できますので、これも有力な証拠となり得ます。


(3)過去の児童虐待の有無・程度
 夫側が育メンという場合、お子様に熱心過ぎる反面、躾の範囲を超えて手が出るとか、怒鳴りつけるとか、度を越してしまっている場合もあります。
 いくらお子様とのかかわりが深いとは言っても、その関わり方が虐待に陥ってしまっているような場合には、夫側は親権者としてふさわしくありません。
 このような虐待の証明が容易であれが問題はないのですが、その証明が困難な場合、夫側は虐待の事実を認めないことも多いので、要注意です。
 夫側の暴力でお子様が怪我をなさっているのであれば、診断書や痣の写真、夫側が暴言を吐いているようであれば、その録音などがあると、暴力や暴言を直接証明できますので、非常に有力な証拠になります。
 このような明確な証拠がない場合でも、対策の方法はありますので、詳しくは弁護士にご相談ください。

 

 

5.まとめ


・育児負担がほぼ対等だったような場合には、徹底的な準備が必要になる。
・現状あなたが子育てを担っている場合、基本的な準備を怠らなければ勝訴の可能性は高い。
・現状あなたが子育てを担っていない場合には、大きく以下の2パターンがある。
① 旦那側が連れ去った場合→まずは、監護者指定審判事件の対応を要する。
② 旦那側にこちらから委ねた場合→その経緯等の詳しい事情の確認が必要になる。
・そのほかの対策としては「別居前の監護実績」と「過去の児童虐待の有無・程度」が重要なポイントになる。
・この二つのポイントについて、どこまでの証拠を揃えられるのかが非常に重要である。

 

 


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投稿者: 弁護士秦真太郎

2022.02.07更新

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1.離婚の際に親権のことが一番心配


 夫婦喧嘩の中などで離婚や別居を口走ったとき、旦那側から「お前ひとりで出ていけ」とか「親権は絶対渡さないからな」と言われる経験をしたことがある方も多いと思います。
 そうでなくとも、旦那側の普段の様子から、簡単に親権を諦めないと強く予想されることもあります。
 旦那との普段の生活を顧みるとこれ以上一緒に生活できない、離婚は覚悟しているという場合でも、親権のことが非常に心配に感じるという方は多いと思います。
 今回は親権のことで、特に、夫側の思惑にスポットライトを当てて解説していきます。

 

 


2.大半のケースは、夫側のお子様への愛情の強さの表れというケースである


 今回のブログのタイトルが「夫が親権にこだわる思惑」としているため、実際にはお子様への愛情以外の理由で親権を主張する夫が多いという印象を与えてしまったかもしれません。
 ただ、実際、私が様々なケースを担当しておりますと、親権問題について激しく対立するケースでは、夫側がお子様への愛情の強さがゆえに争っているケースが大半だと感じます。いわゆる「夫が子供を溺愛している」というケースが多いということです。


 しかし、この「溺愛」というのが、あなたの方でも理解できるような形であったり、方法であれば、家庭内の不和には結びつかないのですが、理解しにくい形であったり、その方法に違和感を覚えるようなものだと、そのこと自体が離婚理由になることもあります。
 いずれにしましても、夫側がお子様を溺愛し、親権について一歩も譲らないというような場合には、離婚紛争について裁判まで視野に入れなければならないケースも多いです。

 

 

3.少数ながら「お子様への愛情」とは言えないケースとは?


 前述の通り、夫側が親権を激しく争ってくるケースでは、夫がお子様を溺愛しているケースの方が多いとは思いますが、そうではないケースも相当数あります。
奥様の目から見ていても、同居中に夫側がほとんどお子様の面倒を見たことがないとか、お子様と週末一緒に遊ぶこともほとんどなかったというようなケースですと、とても、お子様への愛情から親権を主張しているとは考えにくいです。
そのような場合、夫側の思惑としてはどのようなものがあるのでしょうか。


 私が取り扱った事件では、以下のようなケースがありました。

(1)【夫側の思惑1】とにかく勝ち負けで主張しているというケース
 男性心理として、何としても妻よりも優位に立ちたい、負けたくないという発想の男性は相当数います。その場合、とにかく勝ち負けで物事を考えますので、親権だけではなく、離婚すべきかどうかについても争ってくるケースが多いです。要するに、自分が悪くないということを証明したいと考えるのです(自分が悪くないので、離婚する理由がないし、自分が悪くないので、子供も自分の手元で育てるという発想のようです)
 このような発想が非常に強い人物ですと、「離婚に応じる」イコール「自分に悪いところがあったことを認める」という考え方になりますので、離婚を断固拒否してくることも多いです。親権を譲ることについても、「これを譲る」イコール「自分が子供に悪いことをしたことを認める」という考え方になり、激しく親権を争ってくることも多いです。


(2)【夫の思惑2】後継者としての期待
 特にお子様が男の子の場合、自分の後継者として自分の手元で育てていきたいと考えるのです。
 このケースは、夫側の両親も同じような意向を持っているケースが多く、むしろ、夫本人よりも夫の両親が、孫の親権を手放したくないと強く考えているケースもあります。
 夫側が会社を経営していたり、家業を営んでいる場合には、その仕事を子供に引き継がせたいというのもあるのでしょうが、特に家業のようなものがないケースでも、自分の名前を残しておきたいとか、昔ながらの家督承継のように、いわゆる家を継がせたいという発想で親権を主張してくるケースもあります。


(3)【夫の思惑3】夫の利己的な考え
 最後にご紹介するのは、夫側の利己的な考えによるものです。
 例えば、奥さんやお子様達が全員別居してしまいますと、夫側は広い部屋にたった一人取り残されることになっていますので、単純に寂しいので、子供と一緒に暮らしたいとか、老後の心配等があるので、子供に身の回りの世話を期待しているといったケースが該当します。

 

 

4.夫の思惑は、親権紛争に影響するか。


 親権者指定のポイントは実際には多岐に渡るのですが、その中でも特に重要なポイントは以下の7つの点に集約できると思います。
1)現在の監護状況
2)(別居前の)監護実績
3)連れ去りの違法性
4)過去の児童虐待の有無・程度
5)子供の意思
6)今後の監護計画
7)面会交流の姿勢


 そのため、夫側の思惑は、親権の判断にあたって直接影響を及ぼす事情ではありません。
 ただ、事前に夫側の思惑を予測できれば、例えば、面会交流の回数を多少融通することで、離婚裁判を避けられるとか、対応に幅を持たせることもできます。
 そのため、今後の手続の選択や対応方針を決定するにあたっては、夫側の思惑が分かるようならわかっていた方がベターと言えます。

 

 

5.まとめ


・夫が親権を強く争うケースの大半は、お子様への愛情の強さによるケースである。
・少数ながら、以下のような理由で親権を争ってくるケースもある。
 ①勝ち負けで物事を判断するがゆえに争ってくる
 ②後継者として期待している
③利己的な考え方で主張している
・ある程度夫側の思惑が分かると、今後の対応等の判断の参考になる。

 

 

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