2020.06.08更新

弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)真太郎です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、モラハラ情報盛りだくさん!弁護士秦のモラハラ総合サイトは>>こちら<<になります。

 

 

1.モラハラとは何だ?




 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。今回紹介する「経済的制限」はモラハラ行為の代表的な例の一つと言えますが、このような経済的制限に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 

 

2.深刻度チェックって?


 

 私がモラハラ離婚の相談を受けておりますと、ご相談者の方から「私が受けてきたモラハラ被害は、やはり重い被害なんでしょうか?」と質問を受けることがよくあります。
 通常、モラハラは、一つだけではなく、様々な形態のモラハラ行為が複合的に行われるケースが多いので、モラハラ被害の内容全てを確認し、総合判断しないと、正確な深刻度チェックは行えません。

 ただ、モラハラ被害に悩まされている方々は、「何か目安になるようなものはないのでしょうか?」とか「他の方の事例はどのようなものでしょうか?」とご不安に思われている方も多くいます。

 そこで、私がご相談を受けた際には、ご相談を受けた範囲で、モラハラ被害の深刻性を、①深刻度、②重度、③中度、④軽度の分類に分けて、どの程度の被害なのかをお示しすることもあります(もちろん、ご相談状況によっては正確な判断が難しいとお伝えすることもあります)。

 ただ、深刻度が最も重い「①深刻度」のレベルのモラハラというのは、一般的に暴力にまで発展し、モラハラというよりもDVにまで達してしまっているケースが大半ですので、今回は「経済的制限」というテーマに絞ったうえで、また皆様が理解しやすいように、重度レベルや中度レベルの経済的制限としてどのようなものがあるのかの具体例(実際、私が取り扱った事件の事例を基にした例になります)を示しながら解説していきます。

 

 

3.暴言の深刻度を測る指標


 

 当職がモラハラ離婚を取り扱ってきた経験からしますと、暴言の深刻度を図る際には以下のような諸事情を考慮することが多いです。

①経済的制限開始の経緯

②制限の内容

③制限の悪質性(理不尽性、屈辱性、執拗さ、危険性、巧妙性、反復性等)

④制限の頻度・回数

⑤それによるこちらの被害内容(特に体調不良を起こすほどか、精神疾患等になってしまうほどのものか)。

要するにこれらの①から⑤までの事情を総合判断して、深刻度レベルを検討していくのです。

 

 

4.重度レベルの経済的制限って?


 

 前述の通り、どのような指標で経済的制限の深刻度を評価するのかはイメージできたかと思いますが、具体例を見ますとより実感がわいてくると思いますので、私が実際に担当したケースをもとにご紹介いたします。

 

(重度のケース1)生活費を一切渡されず、食事も1日一回しかとらせてもらえない。

(重度のケース2)病院に払うお金がもったいないということで、1週間寝込むような病気にかかったときですら病院に行かせてもらえなかった。

(重度のケース3)稼ぎが少ないのに、アルコールばかり買ってくるため、食材を買うお金すらままならないのに、こちらが調理した食事の量が少ないと激怒し始める(理不尽な暴言とミックスしている例)

(重度のケース4)子供の学費が支払えないため、パートでよいから働きに出たいと話しているのに、全く聞き入れられない。そのくせ、学費の支払いについては「お前の方で何とかしろ」しか言わず、借金して学費を支払わざるを得なくなっている(行動規制とミックスしている例)

(重度のケース5)自分は毎日パチンコに行って散財しているのに、子供の文房具一つ買うのにも「この前買っただろう」と言って買わせてくれない。

(中度のケース1)子供の祝い金としてもらった5万円をアルコール代として散財してしまった

(中度のケース2)月始は食べきれないような量の食材を購入してくるため、結局月末は質素な食事しか食べられなくなる。

 

 

5.皆様深刻度を気になさる方が多いが、今後どうするかはあなた次第


 

 前述の通り、私のところにご相談に来られる方の中には、自身のモラハラ被害の深刻度がどの程度なのかを非常に心配なさっている方も多くいらっしゃいます。
 ただ、極端な例ですが、深刻レベルのモラハラ被害を受けているのに、お子様のためにお子様が成人するまでは離婚しなかったという方もいます。逆に、軽度レベルのモラハラ被害でも、絶対に即離婚したいという方もいます。

 一番お伝えしたいのは、仮に「重度レベルのモラハラ被害ではなかった」としても、そのことで離婚を躊躇するか、離婚に踏み切るかはあなた次第ということです。
 客観的に見てモラハラ被害の深刻性が高いとまでは言えなくとも、「あなたにとって」どうしても許せないモラハラ被害ならば、離婚を躊躇すべきではありません。

 実際に、私がモラハラ離婚を担当しておりますと、重度レベルに達していないモラハラ被害のケースでも離婚事件を担当し、早期離婚に結び付けたケースも多数あります。

 他方で、離婚は、お子様にも影響がある重要な問題ですので、簡単に結論を出さず慎重に検討することを強くオススメしています。

 

 

6.まとめ


・そもそも、モラハラという概念が広い概念であることを理解すべき。
・弁護士秦は、モラハラ被害を、深刻度、重度、中度、軽度で評価することがある。
・モラハラは、様々な形態のモラハラ行為が複合的に行われるケースが多いので、一つのモラハラ行為を切り取って深刻度をチェックすることは難しい。
・それでも、「経済的制限」に限った上でも、重度レベルのモラハラ行為はあり、その例は今回紹介したようなものである。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2020.06.01更新

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こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)真太郎です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、モラハラ情報盛りだくさん!弁護士秦のモラハラ総合サイトは>>こちら<<になります。

 

 

1.モラハラとは何だ?




 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。今回紹介する「物への八つ当たり」はモラハラ行為の代表的な例の一つと言えますが、このような「物への八つ当たり」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 

 

2.深刻度チェックって?


 

 私がモラハラ離婚の相談を受けておりますと、ご相談者の方から「私が受けてきたモラハラ被害は、やはり重い被害なんでしょうか?」と質問を受けることがよくあります。
 通常、モラハラは、一つだけではなく、様々な形態のモラハラ行為が複合的に行われるケースが多いので、モラハラ被害の内容全てを確認し、総合判断しないと、正確な深刻度チェックは行えません。


 ただ、モラハラ被害に悩まされている方々は、「何か目安になるようなものはないのでしょうか?」とか「他の方の事例はどのようなものでしょうか?」とご不安に思われている方も多くいます。
 そこで、私がご相談を受けた際には、ご相談を受けた範囲で、モラハラ被害の深刻性を、①深刻度、②重度、③中度、④軽度の分類に分けて、どの程度の被害なのかをお示しすることもあります(もちろん、ご相談状況によっては正確な判断が難しいとお伝えすることもあります)。


 ただ、深刻度が最も重い「①深刻度」のレベルのモラハラというのは、一般的に暴力にまで発展し、モラハラというよりもDVにまで達してしまっているケースが大半ですので、今回は「物への八つ当たり」というテーマに絞ったうえで、また皆様が理解しやすいように、重度レベルや中度レベルの「物への八つ当たり」としてどのようなものがあるのかの具体例(実際、私が取り扱った事件の事例を基にした例になります)を示しながら解説していきます。

 

 

3.「物への八つ当たり」の深刻度を測る指標


 

 当職がモラハラ離婚を取り扱ってきた経験からしますと、「物への八つ当たり」の深刻度を図る際には以下のような諸事情を考慮することが多いです。


①八つ当たりの経緯

②八つ当たりの内容

③態様の悪質性(理不尽性、屈辱性、執拗さ、危険性、巧妙性、反復性等)

④八つ当たりの頻度・回数

⑤八つ当たりをしてきた距離

⑥物の破損状況

⑦破損中の音の大きさ

⑧八つ当たり行為の時間帯

⑨長時間の行為かどうか

⑩それによるこちらの被害内容(特に体調不良を起こすほどか、精神疾患等になってしまうほどのものか)。

要するにこれらの①から⑩までの事情を総合判断して、深刻度レベルを検討していくのです。

 

 

4.重度レベルの「物への八つ当たり」って?


 

 前述の通り、どのような指標で「物への八つ当たり」の深刻度を評価するのかはイメージできたかと思いますが、具体例を見ますとより実感がわいてくると思いますので、私が実際に担当したケースをもとにご紹介いたします。

 

(重度のケース1)子供たちが自分の話を聞いてくれなかったと誤解したうえで、子供たちのプラスチック製衣装ケースを粉々になるまで蹴りつけて破壊する。

(重度のケース2)携帯電話で誰と連絡を取っていたか随時伝えているのに納得せず、私の目の前で携帯電話を真っ二つに、へし折られてしまったことがある。これも1回ではなく、3回以上へし折られている。

(重度のケース3)口論になり、突如壁に頭突きして壁に大穴を開けた。

(重度のケース4)子供が約束した勉強時間に勉強に取り掛かれなかったという理由だけで、子供のおもちゃ箱を勝手口から外に投げ捨てておもちゃを破損させた。

(重度のケース5)母の形見の指輪を「汚れている」と言い放って投げ捨てられてしまう。

 

 

5.皆様深刻度を気になさる方が多いが、今後どうするかはあなた次第


 

 前述の通り、私のところにご相談に来られる方の中には、自身のモラハラ被害の深刻度がどの程度なのかを非常に心配なさっている方も多くいらっしゃいます。
 ただ、極端な例ですが、深刻レベルのモラハラ被害を受けているのに、お子様のためにお子様が成人するまでは離婚しなかったという方もいます。逆に、軽度レベルのモラハラ被害でも、絶対に即離婚したいという方もいます。


 一番お伝えしたいのは、仮に「重度レベルのモラハラ被害ではなかった」としても、そのことで離婚を躊躇するか、離婚に踏み切るかはあなた次第ということです。
 客観的に見てモラハラ被害の深刻性が高いとまでは言えなくとも、「あなたにとって」どうしても許せないモラハラ被害ならば、離婚を躊躇すべきではありません。
 実際に、私がモラハラ離婚を担当しておりますと、重度レベルに達していないモラハラ被害のケースでも離婚事件を担当し、早期離婚に結び付けたケースも多数あります。


 他方で、離婚は、お子様にも影響がある重要な問題ですので、簡単に結論を出さず慎重に検討することを強くオススメしています。

 

 

6.まとめ


・そもそも、モラハラという概念が広い概念であることを理解すべき。
・弁護士秦は、モラハラ被害を、深刻度、重度、中度、軽度で評価することがある。
・モラハラは、様々な形態のモラハラ行為が複合的に行われるケースが多いので、一つのモラハラ行為を切り取って深刻度をチェックすることは難しい。
・それでも、「物への八つ当たり」に限った上でも、重度レベルのモラハラ行為はあり、その例は今回紹介したようなものである。

 

 

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2020.05.18更新

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1.モラハラとは何だ?



 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。今回紹介する「暴言」はモラハラ行為の代表的な例の一つと言えますが、このような暴言に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 

 

2.深刻度チェックって?


 

 私がモラハラ離婚の相談を受けておりますと、ご相談者の方から「私が受けてきたモラハラ被害は、やはり重い被害なんでしょうか?」と質問を受けることがよくあります。
 通常、モラハラは、一つだけではなく、様々な形態のモラハラ行為が複合的に行われるケースが多いので、モラハラ被害の内容全てを確認し、総合判断しないと、正確な深刻度チェックは行えません。

 ただ、モラハラ被害に悩まされている方々は、「何か目安になるようなものはないのでしょうか?」とか「他の方の事例はどのようなものでしょうか?」とご不安に思われている方も多くいます。

 そこで、私がご相談を受けた際には、ご相談を受けた範囲で、モラハラ被害の深刻性を、①深刻度、②重度、③中度、④軽度の分類に分けて、どの程度の被害なのかをお示しすることもあります(もちろん、ご相談状況によっては正確な判断が難しいとお伝えすることもあります)。

 ただ、深刻度が最も重い「①深刻度」のレベルのモラハラというのは、一般的に暴力にまで発展し、モラハラというよりもDVにまで達してしまっているケースが大半ですので、今回は「暴言」というテーマに絞ったうえで、また皆様が理解しやすいように、重度レベルや中度レベルの暴言としてどのようなものがあるのかの具体例(実際、私が取り扱った事件の事例を基にした例になります)を示しながら解説していきます。

 

 

3.暴言の深刻度を測る指標


 

 当職がモラハラ離婚を取り扱ってきた経験からしますと、暴言の深刻度を図る際には以下のような諸事情を考慮することが多いです。


①暴言の経緯

②暴言の内容(行動の命令・強要を伴うか、誹謗中傷の度合い等)

③態様の悪質性(理不尽性、屈辱性、執拗さ、危険性、巧妙性、反復性等)

④暴言の頻度・回数

⑤暴言を発してきた距離

⑥声の大きさ

⑦暴言を発してくる時間帯

⑧長時間の暴言かどうか

⑨それによるこちらの被害内容(特に体調不良を起こすほどか、精神疾患等になってしまうほどのものか)。

 要するにこれらの①から⑨までの事情を総合判断して、深刻度レベルを検討していくのです。

 

 

4.重度レベルの暴言って?


 

 前述の通り、どのような指標で暴言の深刻度を評価するのかはイメージできたかと思いますが、具体例を見ますとより実感がわいてくると思いますので、私が実際に担当したケースをもとにご紹介いたします。

(重度のケース1)飲酒すると多弁になるが、こちらが話を聞いてないと感じると、突如骨董品の刀を振り回す、顔の目の前までかざしながら「俺の話を聞いてんのか」と威嚇してくる(頻度が多かったりすると深刻レベルに近い)

(重度のケース2)携帯電話を操作していると、携帯電話を見せるよう命令してきたが、こちらが拒絶すると、ベルトを鞭のように振り回し、威嚇してくる「俺の言うことを聞かないとこうだぞ」

(重度のケース3)深夜に酔って帰宅してきた際に、こちらが起きていないと突如激怒し始め、ゴルフクラブを床にたたきつけながら「お前といるとむしゃくしゃすんだよ」と叫ぶ。

(重度のケース4)些細な口論から急に激怒し、殴りかかってくるが寸止めしたうえで「次に同じことをしたらこうだからな」と威嚇してくる。

(重度のケース5)よく聞き取れなかったので聞き返しただけなのに、「さっさと死んでくれりゃーいいのによー」と大声で怒鳴りつけてくる。

(重度のケース6)用意した料理が薄味だったという理由だけで「俺の気が済むまで土下座を続けろ」と言って長時間の土下座を強要してくる。

(重度のケース7)過去そんなことは言ったことがないのにでっち上げてくるため、「そんなことは言ってないよ」と意見しただけなのに「発達障害のくせに意見してくんじゃねーよ」(奥様側は全く発達障害ではないので言われのない中傷)と大声で怒鳴りつけてくる。

(重度のケース8)子供が3歳になっても未だ一度も実家に連れていけていなかったので連れて行こうとしたところ、「お前の実家は程度が低いんだから、子供を連れてくんじゃねーよ。連れてったら即離婚だからな」と怒鳴りつけてくる。

 

(中度のケース1)役立たず、能無しといった暴言を吐くことがある

(中度のケース2)友人が集まるパーティーにて、私の失敗談を声高に話すことが何度もある

(中度のケース3)たまに、こちらの容姿を中傷してくることがある。

 

 

5.皆様深刻度を気になさる方が多いが、今後どうするかはあなた次第


 

 前述の通り、私のところにご相談に来られる方の中には、自身のモラハラ被害の深刻度がどの程度なのかを非常に心配なさっている方も多くいらっしゃいます。

 ただ、極端な例ですが、深刻レベルのモラハラ被害を受けているのに、お子様のためにお子様が成人するまでは離婚しなかったという方もいます。逆に、軽度レベルのモラハラ被害でも、絶対に即離婚したいという方もいます。

 一番お伝えしたいのは、仮に「重度レベルのモラハラ被害ではなかった」としても、そのことで離婚を躊躇するか、離婚に踏み切るかはあなた次第ということです。

 客観的に見てモラハラ被害の深刻性が高いとまでは言えなくとも、「あなたにとって」どうしても許せないモラハラ被害ならば、離婚を躊躇すべきではありません。
 実際に、私がモラハラ離婚を担当しておりますと、重度レベルに達していないモラハラ被害のケースでも離婚事件を担当し、早期離婚に結び付けたケースも多数あります。

 他方で、離婚は、お子様にも影響がある重要な問題ですので、簡単に結論を出さず慎重に検討することを強くオススメしています。

 

 

6.まとめ


・そもそも、モラハラという概念が広い概念であることを理解すべき。
・弁護士秦は、モラハラ被害を、深刻度、重度、中度、軽度で評価することがある。
・モラハラは、様々な形態のモラハラ行為が複合的に行われるケースが多いので、一つのモラハラ行為を切り取って深刻度をチェックすることは難しい。
・それでも、「暴言」に限った上でも、重度レベルのモラハラ行為はあり、その例は今回紹介したようなものである。

 

 

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>【モラハラ夫の深刻度チェック3】経済的制限をかけてくるケース

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>ズバリ!弁護士から見たモラハラ夫の共通点

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2020.04.16更新

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こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。「本当に分かりやすい詳しいブログ解説」を目指して解説していきます。


1.大ざっぱに言うと離婚問題には3つのステップがある



大ざっぱに言いますと、離婚問題には3つのステップがあります。

①協議離婚のステップ
      ↓
②離婚調停のステップ
      ↓
③離婚裁判のステップ

一般的には皆さんどのような手順で手続を進めるのが多いのかを含めて、以下で詳しくご説明致します。
なお、離婚の際には、①から③のステップ全てを踏まなければいけないということではなく、夫側が同意すれば、①のステップだけで解決するケースもあります。



2.協議離婚のステップ      



(1)まずは本人同士の話し合い
最終的にはご夫婦が共に離婚届にサインをして離婚することをゴールとする手続です。
このような協議離婚がまとまればよいのですが、話し合いがまとまらない場合には、「当人同士の話し合い」以外の方法を模索する必要があります。

 なお、たまに「相手も離婚届にはサインすると言っているので、まず先にサインだけもらって離婚届提出後に、別途財産の話をするという方法はアリですか?」という質問を受けることもあります。ただ、一旦離婚しますと、相手が財産を出し渋るケースも多いので、離婚の条件は全て決定してしまわないとリスクが大きいかと思います。

2)本人同士の話し合いがまとまらないとすぐに調停なのか?
 本人同士の話し合いがまとまらない場合、ご両親等の身内の方を交えて話をしたり、友人等に間に入ってもらって話をするというケースもあります。身内や友人を間に入れれば、感情的な議論を避ける効果がありますので、間に入ってくれるような的確な人物がいないか検討してみて下さい。
 上記のような的確な第三者が居ないという場合には、弁護士が間に入って協議離婚を目指すケースもあります。弁護士を間に入れると、すぐに調停手続になると誤解されている方も多くいますが、弁護士が間に入ることで協議離婚がまとまるケースもありますので、弁護士としては協議離婚を目指すケースの方が多いと思います。

(3)離婚協議書は作った方が良い?
離婚の際には養育費や財産分与、慰謝料といったお金に関わる問題についても話し合いをしますので、その様な話し合いの結果は、「離婚協議書」といった書面にまとめ、ご夫婦の署名押印をして下さい。特に養育費などは、お子様が少なくとも成人するまで支払う必要があるお金になりますので、きちんと離婚協議書に金額を明記しておくと安心です。

(4)最後通告はしておいた方が良い
 身内の方や友人等が間に入っても離婚の話し合いがまとまらないケースや、間に入ってくれる的確な人物が居ないという場合には、本格的に弁護士を雇うことや調停を申し立てることを考えなければならなくなります。

 ただ、その場合にも、可能であれば「このまま話し合いが進まなければ弁護士を雇うことになるよ」という最後通告はしておいた方が良いと思います。このような最後通告をしますと、相手も諦めて譲歩してくる可能性もあるからです。

 また、相手が一時的に感情的になっていると思われる場合には、一旦相手が冷静になるように1,2か月期間を置くことで順調に離婚協議ができたというケースもありますので、一定期間間を置くという方法も検討の余地があります。

(5)コロナウイルスの影響を踏まえたタイミングの調整
 令和2年4月現在緊急事態宣言が発令しており、終息の目処が立っていない状況です。
 コロナウイルスの問題の終息目処が立たない状況で、無理に協議離婚の話をしようとしますと、夫側からは「この非常時にどうしてそんな話をするのか。こんな時こそ家族一丸となって頑張るべきだろう」といった反発が予想されますし、現実問題離婚する場合には、夫側とは別の場所で生活していくのでしょうから、この社会情勢で転居するのかという問題もあろうかと思います。
 そのため、現実的には、ある程度コロナウイルスの問題の終息目処が立った段階で、実際のアクションを起こしていくということになろうかと思います。

 

3.離婚調停のステップ      



(1)協議離婚の次の手続は離婚調停
上記のような離婚協議が全て上手く行かなかった場合、次のステップは離婚調停ということになります。
離婚調停となりますと、話し合いをベースにする手続とは言っても、裁判所において行われる手続になりますので、本格的に、弁護士に依頼するかを検討しなければならないタイミングでもあります。

詳しくは以下のブログをご覧頂きたいのですが、1か月に1回程度の頻度で裁判所の調停委員が間に入って話し合いが行われることになります。調停手続では原則としてご夫婦本人同士が直接顔を合わせることはありませんので、その点は安心して手続を進められると思います(但し、最初の手続の説明や最後の調停条項の読み上げなど一時的にご夫婦同席となるケースもありますので、この点はご注意下さい)
関連記事>>離婚調停って何だ?

なお、離婚においては調停前置主義と言って、「裁判を起こす前に必ず調停手続きを踏みなさい」と言う原則がありますので、協議離婚が上手く行かなかったからと言っていきなり裁判を起こすことはできません。

(2)コロナウイルスの影響を受けての裁判所の情勢
令和2年4月現在、緊急事態宣言対象区域の家庭裁判所においても、調停申立ての受付業務はやっています。しかし、現在、緊急事態宣言期間中の調停期日は一斉取り消しになり(但し、本当に緊急の事案のみ対象外)、少なくとも5月6日までは新しい期日は一切設定してもらえません。
 そして、5月7日以降になれば順調に第1回調停期日の設定ができるのかというと、4月に取り消された既存調停期日の再調整が優先して行われると見込まれますので、新規調停期日の設定は、さらに後ずれする可能性が高いと見込まれます。

(3)離婚調停が不成立になった場合、すぐに離婚裁判か?
 ちなみに、離婚調停手続で折り合いがつかなかった場合、すぐに離婚裁判を起こすべきかについては慎重に検討する必要があります。
 離婚裁判は互いに相手を中傷し合う場になりますので、心理的負担が大きいとともに、手続の終了まで時間がかかることが多いため、裁判をしないで済む場合には、 しない方が良いからです。

 特に、相手から高額の婚姻費用が支払われているような場合には、旦那さん側が婚姻費用の支払いが「勿体ない」と感じるようになって、調停不成立後数か月期間を置くことによって、裁判をせずに離婚できたというケースもあります。
 そのため、どのタイミングで離婚裁判を起こすのかについては、慎重な検討が必要になります。



4.離婚裁判のステップ      



上記の「調停離婚」も上手く行かない場合には、裁判離婚の手続きに進むことになります。
なお、紛らわしいのですが「審判離婚」というものもありますが、こちらは、調停手続の中で行われる「離婚調停の亜種」のようなものとお考え頂いた方が良いと思います。いずれにしましても離婚調停手続で折り合いがつく見込みがない場合には、審判離婚にすることは難しいでしょうから、次に進む手続は裁判離婚になります。

裁判離婚と調停離婚との大きな差は、①調停委員会ではなく、裁判官が間に入る、②話し合いではなく判決という命令を得るために主張を戦わせて行くことになるという点です。なお、裁判においては、裁判期日で詳しく事情を聴かれることはあまり多くないので、ご依頼者様ご本人が出席する必要は基本的にありません。

このように裁判離婚は、離婚の手続きの中でも最終ステップに位置付けられる手続になり、裁判官から最終結論が示されることになります。分かりやすく俗な言い方をさせていただきますと「白黒つける」手続になります。

ただ、ご夫婦の問題になりますので、裁判官も最終的な判決言い渡しではなく、和解による解決を促してくることが多く、実際にも和解で解決するケースも少なくありません。
離婚裁判の詳しい内容等は以下をご参照下さい。

関連記事>>離婚裁判って何だ?

 

ちなみに、離婚裁判手続につきましても、調停手続同様、既存の期日に大きな影響が出ている状況です。ただ、これから離婚を考えている方にとっては、仮に裁判をするにしても何か月か先の話になると思いますので、現在の裁判情勢は直接影響しないかと思います。



6.まとめ



・離婚手続きには、①協議離婚、②離婚調停、③離婚裁判という3つのステップがある。
・当人同士の話し合いが上手く行かなかったからと言って、すぐに離婚調停ではなく、身内や友人を間に入れる方法や弁護士を間に入れて協議離婚を目指すという方法もある。
・離婚調停に進む決意をした場合や、弁護士を雇う決意をした場合でも、最後に相手に最後通告はした方が良いことが多い。
・協議離婚が全て上手く行かなかった場合には、離婚調停の申立を考える必要がある。
・離婚調停で上手く折り合いがつかなかった場合でも、裁判を起こすタイミングは慎重に検討する必要がある。


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投稿者: 弁護士秦真太郎

2020.04.15更新

弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)真太郎です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

今回の新型コロナウイルスでの緊急事態宣言を受けた弁護士界隈及び裁判所界隈の情勢について、私自身の印象も交えて令和2年4月15日現在の様子についてご説明いたします。今後の情勢変化等によって大きく変更が生じる可能性もありますので、この点は予めご了承ください。

 

1.弁護士の対応


 現状の印象としましては、在宅勤務、時間短縮勤務に切り替えたり、より抜本的に法律事務所を原則閉鎖としている法律事務所さんもいらっしゃいます。
 ただ、弁護士の業務は裁判の準備一つをとっても、(事務所にある)実際の裁判記録を見ながらでないと的確な作業はできないことが多いため、事務所に出勤して業務を行っている弁護士もかなり多いという印象です(但し出勤日数や時間を減らしている弁護士もかなり多いです)。


 そのため、実際にご依頼になる弁護士を探す場合で、特に、緊急事態宣言期間中の5月6日までの相談を希望する場合には、コロナウイルスの関係で弁護活動を制限しているかどうかについてはしっかりと確認したほうがよさそうです(弁護活動を制限している場合、事件の着手と、その後の弁護活動が遅延する可能性があるからです)

 また、現在は緊急事態宣言の影響で、外出自粛要請が出ておりますので、急を要する相談でなければ、実際相談に行くのは5月7日以降にした方が良いかと思います。


 なお、5月7日以降であればどの法律事務所も通常通りに仕事をしているかというと、緊急事態宣言が出る前から活動を制限している法律事務所さんもありましたので、活動を制限する事務所も出てこようかと思います。そのため、そのような制限の有無は再度確認したほうが無難だと思います。

 

 

2.裁判所の対応


(1)調停申立ての受付業務はやっている
 現在の緊急事態宣言対象家庭裁判所の体制は、新しい調停事件の受付業務は概ね実施しているようです。
 そのため、特に婚姻費用分担調停申し立てなどは、申立をした日以降の生活費しか要求できませんので、早めに申し立てを行っていた方が無難かと思われます。


(2)現状は期日指定ができない
 現在、緊急事態宣言期間中の調停期日や裁判期日は一斉取り消しになり(但し、本当に緊急の事案のみ対象外)、少なくとも5月6日までは新しい期日は一切設定してもらえません。

(3)今後の期日再設定・新規期日指定は?
 このように既に4月に設定されていた既存の期日が一斉に取り消しになりましたので、取り消された期日について新たな期日を再度設定しなおさなければならなくなります。このような再設定は緊急事態宣言期間経過後に行われる予定ですので、再設定後の期日が6月にかなり集中すると見込まれます。

 また、これまでの(コロナウイルス問題が起きる前の)調停期日の設定方法は、調停室に空きがある限り期日を入れるという設定をしていました。要するに、裁判所の調停室の数には限りがあるのですが、逆に、複数ある調停室が満室にならない限りは、調停期日を設定していたということです。
 しかし、今回のコロナウイルスの問題を受けて、家庭裁判所によっては、調停室が満室ではなくとも1日に処理する調停の件数を制限するようになっていました。これは、待合室が狭いため、調停室が満室になるほど調停の件数を入れると待合人数が多くなってしまい、待合室でのコロナウイルス感染リスクが高まってしまうことへの配慮からです。
 そのため、一旦取り消された期日の再設定数にも限度が設けられる可能性があり、そうなりますと、期日設定は後ずれしていく可能性が出てきます。

 そのあおりを受けて、新規調停事件の第1回期日は6月中に設定することが難しくなり、7月が第1回期日になるといったことも現実味を帯びてくると見込まれます。さらに厄介なのは、家庭裁判所は7月に入ると夏季休廷期間を設けている部もありますので、休廷期間にぶつかってしまいますと、第1回期日が7月上旬・中旬などに設定できなくなるというリスクすらあります。

 

 

3.迅速な離婚のためには


 

 上記の通り、家庭裁判所での調停手続きは現状新しい期日の設定目処が立っていない状況ですから、迅速な離婚実現のためには、調停よりも、協議離婚に力を入れている弁護士に依頼したほうが良いということになろうかと思います。
 最近は、弁護士が十分な離婚協議もせずに、唐突に調停を起こしてくるケースが増えているように思われますが、現状のコロナウイルスの状況を見ますと、仮に迅速に調停を申し立てましても、実際の期日が開催されるのがいつになるか見通しにくいという状況ですので、手続き遅延の原因になりかねないと思います。
 そのため、実際、弁護士にご依頼になる際には、調停に進む前の事前交渉にどこまで力を入れてくれるのかをしっかりと確認しておいた方が良いと思います。

 

 

4.まとめ


・一部法律事務所は完全閉鎖している事務所もある。
・コロナウイルスの現状を考慮すると、大きく弁護活動を制限していない弁護士に依頼したほうが迅速な処理が見込める。
・裁判所は調停の申し立ては受け付けているので、「急ぎ」の調停は緊急事態宣言期間かどうかに関係なく申立をした方が良い。
・現在裁判所は新たな期日指定を行っていないので、今調停を申し立てても第1回期日は相当先になってしまうと見込まれる。
・このように調停の手続きが遅延気味なため、迅速な離婚のためには事前交渉に力を入れている弁護士にお願いしたほうが良い。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2020.04.15更新

弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)真太郎です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

1.コロナ不和・コロナ離婚とは何だ?



 最近、コロナ離婚という言葉が世間をにぎわせていますが、この用語は法律で定められている用語ではありません。そのため、法律による明確な定義があるわけではないのですが、新型コロナウイルス感染の影響を受けて、生活スタイルが変化したことに伴う夫婦の不和、そのことによって離婚を決意すること、状態のことを広くコロナ離婚と呼んでいるようです。
 コロナ離婚と言いますと、もうすでに離婚してしまったかのような響きがあって語弊を招きそうですので、以下では「コロナ不和」と総称して、よく見かける原因等についてご説明します。


(1) 【原因1】旦那の在宅勤務
 緊急事態宣言発令に伴い、旦那様が勤め先から在宅勤務を命じられて、1日中自宅にいることが奥様のストレスになっていることが多いようです。
(2)【原因2】お子様達の臨時休校
 お子様が臨時休校で自宅にいること等の影響でストレスを抱える奥様は多いようです。
(3)【原因3】感染リスクへの温度差
 私の方で現在取り扱っている離婚のケース等を見ておりますと、一般的な傾向として、奥様側は感染リスクに対して敏感で、旦那様側は多少鈍感なイメージがあります。そのような温度差も不和の原因になっているようです。
(4)【原因4】これまでの不和の悪化
 コロナウイルスの影響で、これまでご夫婦で抱えていた不仲が悪化してしまうというケースも多いようです。既に夫婦仲が悪くなっている場合には、旦那様の在宅勤務やお子様の臨時休校等で、夫婦が接する機会がどうしても増えますので、そのことが不和の悪化に結び付いているようです。

 

2.本当にコロナウイルスの影響だけか?



 上記でみてきました通り、コロナ不和の大きな原因は、緊急事態宣言を受けて、ご夫婦の価値観の相違等がより顕在化してしまったことが多そうです。
 しかし、直接の引き金はコロナウイルスでの生活スタイルの変化だとしても、これまでの不満の積み重ねがあったり、これまでは許せていたけれども、緊急事態宣言下では許せない行動・言動だったりするということもあり、モラハラの問題が内在していることも多いように思えます。

 そこで、ここでは、この「モラハラ」の問題が内在していないか今一度振り返ってもらうために、「モラハラ」の詳細について解説していきます。
モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。
 ただ、あなた自身が夫から受けた言葉がモラハラ行為といえる様なものなのか、そうではないのかをご本人で判断することは難しいのではないかと思います。
 DVのケースですと、実際に怪我を負うことになりますから、どのような経緯や雰囲気があったとしても絶対に許される余地はありません。しかし、夫婦喧嘩の中での一部の言動を取り上げてみても、経緯次第では、モラハラとまでは言いにくいというケースも出てくるのが実際です。 

3.モラハラの意味をしっかりと理解する



モラハラ夫の行動や言動には共通点も多いのですが、項目が多くなってしまうものですから、まずは、モラハラ夫はどのようなキャラクターの人が多いのかについてご紹介し、その後に、具体的にどんな行動・言動がモラハラにあたるのかをご紹介します。

(1)モラハラ夫の性格(キャラクター)の共通項とは?
 モラハラ夫は以下の様な性格(キャラクター)の方が多い様に感じますので、まずは、あなたの旦那様に当てはまるものがないか確認してみて下さい。

①何でも自分優先である。
②マイルールや独自のこだわりがある(しかも、一般の人が理解しにくいルールであることが多い)
③自分の非を認めない。
④嫉妬深い、執念深い。
⑤あなたやお子様に対する束縛やルールが多い。
⑥他人を信用せず、友人が少ない。
⑦スイッチが入ると急変する。
⑧メンタルが弱い、または、メンタルが弱いふりをする。

 上記の①から⑧のうち、2,3個以上当てはまる場合には注意信号と言えます。


(2)モラハラ夫の「モラハラ発言」「モラハラアクション」とは?
 「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」と言われてもピンと来ない方が多いのではないでしょうか。そこで、一定の類型化をするとモラハラとは以下の様に分類できるのではないかと思います。以下のうち、どの項目に該当するかチェックして整理すると、あなたのモラハラ被害を客観視できると思います。

①直接こちらに暴言を吐く(「お前なんかと結婚したのは失敗だった」、「バカが移るから近付かないでくれ」等々)

②こちらに危害を加えるような発言をする(「一度殴られないと直らないのか?」、「むしゃくしゃしてお前を殺してしまいそうだ」等々)

③家事や育児の些細な問題を執拗に責め立てる(「棚に埃が付いてたけど、ちゃんと掃除しているのか?」「いつも言っているけどお前の料理は味が濃すぎて食べれない」「小学校の教科書を忘れて行かせるなんて母親失格だ」等々)

④こちらの容姿を侮辱する(「まるでオランウータンみたいな顔してるよな」「足が太くてドラム缶かと思った」等々)

⑤金銭感覚が自分に甘く、こちらに対しては厳しい(しょっちゅう飲み会に出かけているのに、こちらがランチに行くというと不機嫌な態度を取る等々)

⑥こちらの意見を聞き入れない、自分の考えが正しいと固執する(「お前みたいな考え方する奴今まで見たことがない」「お前の常識、世間の非常識」といった発言等々)

⑦自分の労働や給料を誇示してくる(「誰の給料で飯が食えてると思っているんだ」「俺の仕事は特別なんだからな、そのことに毎日感謝しろよ」等々)

⑧機嫌が悪いと物に当たり散らす。大きな物音を立てる(席を立つ際に椅子を乱暴にテーブルにぶつける、大きな音を立ててドアを閉める等)

⑨唐突に怒り始めるため、その理由が分からない、理由を話してくれないので、いつも旦那の動向を気にしながら緊張感を持って生活しなければならない。

⑩相手の生活態度等を注意すると逆ギレする、聞き入れてくれない(トイレのドアをいつも開けっ放しで出てくるため、注意すると「その方が喚起になって良いんだ」と強弁する等)

⑪友人や親戚の前でこちらの悪口を言う。

⑫子供の前でこちらの悪口を言う(通常はこちらにも聞こえるように言ってくる)

⑬一定期間意図的にこちらを無視してくる。

⑭こちらの行動を制限してくる(門限を23時と決めて、それ以降の帰宅を認めない、生活が苦しいのにパート勤務に出ることを許してくれない、毎日の食事の献立を事細かに指定してくる等々)

⑮気に入らないことがあると舌打ちやため息をついてくる。

⑯家庭の重要事項の決定(住居の購入、引越先の選定、自動車等の大きな買い物、子どもの進学や習い事等)をこちらに任せつつ、後から文句を言う

⑰性交渉の際の要望や要求が多い、性欲が旺盛であり対応に苦慮する。

⑱身内や友人を侮辱する(「お前の親は貧乏人だから価値観が合わない」「お前の友人は知識レベル低いよな」等々)

⑲異常なまでに話を誇張してくる、大げさに言う(風邪を引いただけなのに「俺はもう長くないかもしれないから、娘のことをよろしく頼む」と言ってくるとか、すれ違いで通行人の肩がぶつかっただけなのに「今殺されそうになった。この道は危ないから今後二度と通らない方が良い」と発言する等)

⑳生活費を渡さない。

この20項目のうち、5,6個以上当てはまる場合には、要注意とお考えいただいた方がよいと思います。直接当てはまらない場合でも、「ニアピン」のような項目が7,8個以上ある場合にも、要注意とお考えいただいた方がよいと思います。

 

4.許されないモラハラとは?



 上記の分類をご覧になって、モラハラがどのようなものなのかイメージが具体的になってきたかと思います。それでは次の作業をしてみて下さい。

(1)上記の①から⑳のうち、あなたに当てはまるのがいくつあるかをチェックしてみて下さい。

 

(2)次に、チェックがついた該当項目について、いつ頃、どのような言葉・態度を受けたのかを箇条書きしてみて下さい。いわゆるモラハラ被害の概要をまとめる作業になります。頻繁にモラハラがあった場合には、どの程度の頻度であったか(週1回、月1回等)も書いて下さい。

 このような作業は、忘れたい過去を思い出す作業になりますので苦しい作業になることが多いと思います。そのような場合には、あなたの体調にも配慮しながら、ゆっくりと時間をかけて作業をしてみて下さい。
 なお、あくまで上記は箇条書きで作成していただければ結構ですので、詳しい長文にする必要はありません。上記を書き切って、あなた自身で当時のことを振り返ったときに、このような夫を許せるのか、一緒にやっていくことができるのかできないのかを考えてみて下さい。

 上記のモラハラの項目にどのくらいの数当てはまるのかということは重要な判断要素なのですが、当てはまる項目が少なくても悪質なモラハラというケースも数多くあります。
 例えば、10年の夫婦生活の中で、大半の期間夫に無視され続けている、といった様に、期間が長かったり、執拗であるといった場合には、当てはまる項目が少なくても、「許されないモラハラ」に該当します。

(A)それでは、あなたが書き出したものはどのように活用すればよいのでしょうか。
 実は、あなたの書き出し作業そのものに重要な意味があります。
 あなたが書き出し作業をしている際、以下の様な症状が出た場合には、ほぼ確実に「許されないモラハラ」と言えます。
①書いている最中涙が止まらなくなることが数多くあった。
②書いている最中、気持ち悪くなってしまったり、胃痛がしたり、息切れがしてしまった等体調を崩してしまった
 このような体調変化があった場合には、重度のモラハラの可能性が高いので、離婚や別居を検討してみた方がよいと思います。

(B)大きな体調の変調がない場合でも、書き出したものをご自身でしっかりと見直してみる
 書き出し作業の中で、上記の様な明確な体調の変調がないとしても、書き出したものをあなた自身のまでしっかりと見返す作業を行って下さい。見返すにあたっては「この人と一緒にやっていくことで自分が幸せになれるのか」「むしろ、この人と別れる方が幸せなのではないか」ということをじっくりと考えてみて下さい。
このようにして、あなた自身が一緒にやっていくことができないと感じる様であれば、それは間違いなく「許されないモラハラ」にあたります。

 他方で、あなた自身では「一緒にやっていくことができない」とまでは言えないとか、判断が難しいという場合には、身内の方や親しい友人等に相談して、その意見を聞いてみるという方法もあります。モラハラ被害を受け続けてきたため、あなた自身の感覚が麻痺してしまっているというケースもありますので、身内や親友の意見を聞くと、あなた自身が置かれている立場を客観的に判断できる場合があります。
 ただ、モラハラは、あなたが置かれた環境になってみないと理解されにくいということもありますので、身内や親友から見て「離婚するほどの話じゃないかもよ」と言われたとしても、あなた自身の今後の幸せ、お子様の今後の幸せになるかどうかは再度しっかりと考えてみて下さい。

 

 

5.許されないモラハラであったとしても離婚に踏み切るかはあなた次第



 仮に、あなたが許されないモラハラ被害を受けていたとしても、離婚するかどうかはまた慎重に検討する必要があります。離婚すると今後の生活費の問題、お子様の捉え方等についても考慮しなければならないからです。

 ただ、頻繁にモラハラ被害を受けている方が陥りがちな発想なのですが、「自分さえ犠牲になれば一家の平和が守られる」という発想は避けた方がよいと思います。極端なモラハラ被害はあなたの心身にまで被害を与え、今後の生活に支障が生じる場合もあります。そのようなことはあなたにとって幸せだとは到底思えないからです。
 私の弁護経験上言わせていただきますと、あなた自身が、夫のモラハラが許されないものだと考えている様でしたら、ためらうことなく離婚した方が良い結果に結びつく様に感じます。


なお、令和2年4月現在緊急事態宣言が発令されており、社会全体が通常の状況でなくなっていると思いますので、このような状況下で「離婚」と決めつけるのではなく、せめて緊急事態宣言が解除になった後、多少期間を置いて離婚を決断するかどうかを見極めたほうが良いと思います。

 


6.裁判で勝てるかどうかは別途検討が必要



 上記の様にして、あなた自身にとって「許されないモラハラ」であったとしても、そのことで裁判に勝てると言うことにはなりません。
 勿論、離婚の問題は裁判をせずに解決できれば、その方が良いのですが、相手が激しく抵抗してきた場合には、離婚裁判が避けられません。
 そして、裁判で認められる離婚原因となりますと、法律で厳しく制限されているからです。また、裁判で戦っていくためには、モラハラの裏付けが必要になります。

 そのため、夫との裁判を避けられないと考える様であれば、早めに弁護士に相談をして、どのような手順を踏むのがよいのか、裁判での勝訴の見込みを検討してみた方がよいと思います。


7.まとめ


・コロナ不和の根本にはモラハラ問題が内在しているケースもあると思うので、モラハラがないかのチェックをしておいた方が良い。

・モラハラの詳しい意味については理解不足の方も多いので、まずはモラハラのきちんとした意味を理解する。

・まずは、あなた自身のモラハラ被害を分類し、整理する必要がある。

・あなたのモラハラ被害を整理した上で、あなたにとって許されないモラハラかどうかが重要である。

・あなたにとって許されないモラハラだとしても、離婚に踏み切るのかどうかはあなた次第である。

・あなたにとって許されないモラハラだとしても、離婚裁判で勝てるかどうかは別途検討が必要である。



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2020.04.15更新

弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。「本当に分かりやすい詳しいブログ解説」を目指して、解説していきます。


1.離婚することと親権者が決まれば、離婚届そのものは簡単



 夫婦の話し合いで離婚すること及び親権者をどちらにするかを決定することができれば、離婚届自体は完成させられます。
 しかし、離婚届にお子様の面会交流や養育費に関わる注意事項(具体的には離婚届の右側中央よりやや下の囲みにあるチェック欄がこれに該当します)が記載されているように、お金の問題などを何も決めずに離婚してしまいますと、後から後悔するというケースも多々あります。

 そこで、今回は、本人同士で離婚の話し合いをする場合、どのようなことを話し合わなければならないのかについて解説いたします。



2.離婚の際に話し合う必要がある事項とは?



 まず、全体像を把握するためにも、離婚の際に話し合う必要がある事項としては、どのような項目があるのかについて解説いたします。通常は以下の7項目について話し合う必要があります(お子様がいらっしゃらない場合には、(1)、(5)、(6)、(7)の4項目になります)。

(1)そもそも離婚すべきか離婚すべきではないか
(2)親権者を誰にするか
(3)養育費をどのようにするか。
(4)面会交流をどうするか。
(5)財産分与をどのようにするか
(6)慰謝料をどのようにするか
(7)年金分割をどのようにするか

3.離婚すべきか離婚すべきではないか



 離婚することが決まりませんと、離婚の条件の話に進みませんので、一番初めに決めなければならないのが、離婚すべきかどうかという点になります。
コロナウイルスの問題で夫婦関係が不和になったとしましても、そのことを前面に出して離婚を要求しても、旦那様側からは「一過性の問題に過ぎない」という反論を受ける可能性が高いので、コロナの問題が起きる前の状況等を理由に離婚を切り出した方が良いと思います。

 

4.親権者を誰にするか。



 より分かりやすく言いますと、ご夫婦のどちらがお子様を育てていくか、という問題です。諸外国では親権と監護権を分ける例などもありますが、日本では一般的ではありませんので、「実際に今後お子様を育てていくべき人」が親権者になる、というイメージで考えると分かりやすいと思います。
 ご夫婦で、今後旦那様と奥様どちらがお子様を育てていくべきか話し合うことになります。
 コロナ不和のケースですと、夫側の感染リスクへの意識の低さ等も親権判断の一つの要素として主張していくことになろうかと思います。

 

5.養育費をどのようにするか。



(1)まずは、養育費をいくらにするかを話し合う。
 親権者をご夫婦のどちらにするか決まった場合、離婚後のお子様の生活費等として養育費をいくら支払うかを決める必要があります。
 養育費を月々いくらにするのかについては、実務上「算定表」というものが活用されており、具体的な内容は、最高裁判所のホームページなどをご覧いただければ、詳しい内容は分かると思います。

 なお、「養育費」というと「毎月いくら支払わせるか」という点に目が行き、他にも決めるべき点について疎かになると言うこともありますので、以下の点にも十分注意して話し合って下さい。

(2)支払い終了時期を何時にするか。
 最もオーソドックスな内容としては、「お子様が満20歳に達するまで」となります。
 しかし、お子様が大学に進学することを予定している場合、大学卒業までは養育費を払ってもらいたいと考えるのが通常でしょう。特にお子様がまだ幼児であったり小学生の場合には、「大学入学はまだまだ先のこと」というイメージをお持ちかもしれませんが、今決めておかなければ、将来相手が養育費を出し渋る可能性もありますので、「いつまで養育費を払ってもらうのか」について、きちんと取り決めておく必要があります。

(3)入学費用や進学費用等の取り決め
 今後のお子様に関する教育費として、私立高校への入学費用や進級時の学費、大学の入学費用や進級時の学費等は重要な問題になります。前述のようにお子様が小さい場合、まだイメージを持ちづらいかもしれませんが、入学費用等は高額なことが多く、月々の養育費では支払いきれないことが多いため、離婚時にきちんと話し合っておくべき項目になります。
 ただ、お子様がまだ小さい場合には、「入学や進学の費用の負担について今後きちんと話し合いの席を持つ」といった取り決め方もあり得るかと思います。

 他方、既にお子様が私立高校や大学に在学中という場合には、必要な学費の金額等も明らかになっているでしょうから、学費の半分を相手の負担とするといった具体的な数字を取り決めるべきことになります。


6.面会交流をどのようにするか



(1)まずは、面会交流の頻度を取り決める。
 あなたがお子様を育てていくと決めた場合、旦那様とお子様とは別々に生活していくと言うことになります。そうすると、旦那様としては、今後どのくらいの頻度でお子様に会うことができるのかについては重要なトピックになります。これが面会交流の問題です。
 まずは、面会交流の頻度について話し合う必要がありますが、一般的には1か月に1回か、2か月に1回程度とすることが多いように思われます。

 なお、安易に頻繁な面会交流を約束してしまいますと、生活環境の変化(例えば、あなたが遠方に引っ越すことになり、旦那さんの自宅との距離がかなり遠くなってしまった場合とか)等で頻繁な面会交流の実現が難しくなったときにトラブルのもとになりますので、どんなに多くとも、1か月に1回程度で十分だと思います。

 なお、令和2年4月現在の状況は、コロナウイルスの関係で緊急事態宣言が出ておりますので、少なくとも緊急事態宣言解除までは、面会交流は控えてもらうという形が一般的かと思います。

(2)それ以上に細かな内容を取り決めるべきかはケースバイケース
 面会交流については、相手がどこまでの要望を申し立ててくるかにもよりますが、あまり細々とした内容にしない方が良いケースが多いです。お子様の成長や環境に応じて離婚時とは状況が変化していく可能性も高く、そうすると、あまり画一的に取り決めておかない方が柔軟に対応できるからです。
 相手から要望が出されることが多い項目としては、①宿泊を伴う面会交流の要求、②旅行を伴う面会交流の要求、③学校行事や習い事の発表への参加の要求等があり得ます。


7.財産分与をどのようにするか。



(1)財産分与というのはそもそもどんな話なのか
 財産分与というのは、婚姻期間中に夫婦で築いた財産をどのように分けるのかを取り決めると言うことです。
 婚姻生活中は、離婚することを見越して準備しているという夫婦はいないと思いますので、通常夫婦の財産は均等ではないことが多いと思います。例えば、奥様が専業主婦で、旦那様が仕事をしているという場合、旦那様名義の預金はそれなりの額貯まっているとしても、奥様の預金はそれほど貯まっていないというケースもあると思います。

 そんなときに、旦那様が「これは俺の名義の預金だから離婚の時には、びた一文お前には渡さない」としてしまいますと、内助の功があった奥様にとって酷な話になってしまいます。
 そこで、離婚の時には、夫婦どちらの名義になっているかを問わず、婚姻中に築いた財産は半分ずつに清算すべきだというのが財産分与の基本的な考え方になります。

(2)慰謝料とは別問題なのでご注意
離婚に伴うまとまったお金の問題と言うことで、慰謝料の問題と混同している方が多いのですが、財産分与と慰謝料は別の問題とお考え下さい。
即ち、慰謝料というのは、相手に浮気や暴力といった一方的有責性がある場合に、こちらが受けた精神的苦痛を慰謝させるものになるのに対して、財産分与は、このような有責性の問題を抜きにして、夫婦の財産を清算しようという話になりますので、別次元の話と言うことになるのです。
(一昔前には、「財産分与の慰謝料的要素として、慰謝料分も考慮する」といった議論をすることもありましたが、最近は、財産分与は財産分与、慰謝料は慰謝料として話し合うのがオーソドックスです)。

(3)実際問題どのような手順で話をすべきか
 厳密に財産分与の計算をする場合には、①対象財産の特定→②財産の評価→③総合計額の算出→④分与方法の検討という手順を踏むことになります。

 以下具体的に解説いたします。
①対象財産の特定
 財産分与は夫婦で築いた財産を分ける仕組みですので、夫婦で築いた財産以外の財産は対象外になります。
 例えば、独身時代に貯めていた預金や相続で取得した財産は対象外になります。
 対象財産として代表的なものは、婚姻中に購入したご自宅、自動車、預貯金、生命保険や学資保険、株式等になります。
 まずは、夫婦で築いた財産としてどのようなものがあるかを割り出して行く作業をすることになります。

②財産の評価
 預貯金などは金額が明らかなので問題は少ないのですが、例えば自宅などはいくらになるのかおおよその評価額を調べる必要があります(住宅ローンが残っている場合、通常はローン残高は差し引いて評価することが多いです)。
 他にも、生命保険等については今解約したらいくらになるのかを保険会社に問い合わせる必要があります(実際には解約しませんが、いくらの価値があるかを確認するために、保険会社に「今解約した場合いくらになるか教えて下さい」と電話するのです。

③総合計額の算出
 上記のように各財産の価値を算出することができた場合、それらの数字を全て足し算して総合計額を算出していくことになります。

 例えば、旦那さん名義の資産がご自宅(評価額3000万円、ローン残高2400万円)、学資保険(解約返戻金額200万円)、預金(3つの通帳の残高合計が300万円)で、奥さん名義の資産が預金のみ(2つの通帳の残高合計が100万円)というケースですと、総合計額は(3000万円-2400万円)+200万円+300万円+100万円で、総合計は1200万円になります。
 この総合計額を算出する際には、旦那さんの資産だけではなく、あなたの資産分も加算する必要がありますので、ご注意下さい。

④分与方法の検討
 前述の例ですと、総合計額が1200万円になりますので、あなたの取り分は半額の600万円になります。

 このような600万円の取り分で何を取得するか、あなたの希望を検討することになります。
 即ち、自宅の価値が600万円なので、自宅を取得し、同時に住宅ローンの名義もあなたに変更するという方法もあり得ますし、逆に、自宅は旦那さんに渡して、旦那さん名義の学資保険をこちらに名義変更し、旦那さんの預金額全額を取得するという方法もあります。
 要するに、取り分の範囲で何を要求していくのかという問題です。


8.慰謝料をどのようにするか



 前述しましたとおり、旦那さん側に離婚の大きな原因がある場合に、こちらが受けた精神的苦痛を慰謝するためいくらを要求するかの問題です。通常は旦那が暴力をふるってきたとか、浮気をしていたといったケースで問題になります。
 この問題は、相手が暴力や浮気を明確に否定する場合もありますので、早期離婚の観点から慰謝料を強く要求しないというケースもありますし、納得いかないので徹底的に慰謝料を強く要求していくというケースもあると思います。
 あなた自身のお気持ちに応じて、どこまで要求し、どの程度の金額を要求するか検討してみて下さい。


 なお、コロナ不和自体を理由にして慰謝料を請求していくことは一般的に難しいかと思います。

 


9.年金分割について



 旦那様が会社勤めをしており、奥様が専業主婦の場合、当然ご夫婦の年金積立額は大きく異なってきます(旦那様は給料天引きで相当額の厚生年金を支払っていることと思います)。年金分割とは、婚姻中の旦那様の厚生年金支払履歴の半分を奥様に移す制度になります(つまり、年金分割をしておくと、将来年金の支給を受ける年齢になったときに、もらえる年金が増えると言うことになります(旦那様側は逆に減ることになります))。
 年金分割の手続のためには、「年金分割のための情報通知書」を年金事務所にて入手する必要がありますので、事前に準備しておいて下さい。
 この年金分割については、夫婦で半分に分けるというのが一般的で、年金分割の合意ができあがったときには、年金事務所に書類を提出しなければいけません。



10.話し合いがまとまったときには必ず離婚協議書を作成する。



 前述のように、養育費など離婚後長期間にわたって約束された項目などもありますので、話し合いの内容は必ず離婚協議書という形で書面化して下さい。
 この離婚協議書では「当事者間では本離婚協議書に定める他何ら債権債務がないことを確認する。」という一文を入れておけば、後から話が蒸し返される危険性はほとんどなくなります。


11.まとめ


・離婚の際には、以下の事項を取り決める必要がある。
(1)そもそも離婚すべきか離婚すべきではないか
(2)親権者を誰にするか
(3)養育費をどのようにするか。
(4)面会交流をどうするか。
(5)財産分与をどのようにするか
(6)慰謝料をどのようにするか
(7)年金分割をどのようにするか
・項目ごとに注意事項があるので、注意事項に留意しながら取り決める必要がある。
・話し合いがまとまった段階で、離婚協議書を作成した方が良い。


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雨宮眞也法律事務所
弁護士 秦(はた) 真太郎
TEL03-3666-1838|9:30~18:00
東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 

投稿者: 弁護士秦真太郎

2020.04.15更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

1.事前に夫に相談した方が良いか?



 何も言わずに別居してしまうと、後から何を言われるか分からないし、他方で、事前に話してしまうとその際にどのような仕打ちを受けるか分からないと言うことで、悩まれている方も多くいます。

 基本的に、これまでにもあなたへの誹謗中傷等がひどく、別居を相談すると、さらにどんな誹謗中傷を受けるか分からないといった場合には、事前に話をすると重大な被害につながりかねないため、自分の身の安全を守るためにも、事前に話をしない方が良いと思います。また、夫からの度重なる暴言であなたが精神的に不調を来しているというような場合にも、無理に事前に話をしない方がよいと思います。

 他方で、そこまで極端な被害はないという場合には、事前に離婚や別居を切り出した方が良いケースの方が多いかと思います。ただ、この場合にも、相手がどのような行動に出るか予測できないという場合には、事前に別居話や離婚話をするか慎重に検討する必要があります。

 事前に何も相談せずに別居を開始してしまうと「悪意の遺棄」になってしまい、後から離婚しづらくなるのではないかと考えている方もいます。しかし、きちんとした離婚の理由がある場合、事前に相談せず別居したからと言って離婚にあたって不利になることはほとんどありません。



2.絶対にこちらの動きを察知されないこと



 事前に夫側に別居を切り出さずに別居しようとする場合、別居の準備をしていることを夫側に察知されないようにすることが非常に重要になります。これを察知されてしまうと、別居を妨害されたり、別居準備を進めていることを厳しく批難されることになりかねません。
 私が担当したケースでも、別居準備中に夫側に察知されてしまい、なかなか別居できなかったというケースもありますので、細心の注意が必要です。

 夫側に別居準備のことを知られてしまった原因としては、①夫が奥様の携帯電話をこっそり盗み見ており、その中で発覚してしまったケース、②別居準備のために子どもの小学校転校の話等を現在の通学先小学校に相談していたところ、夫側が小学校に問い合わせて発覚したケース、③区役所に児童手当や保険切替の相談をしていたところ、夫側が区役所に問い合わせて発覚したケース等があります。

 別居準備中は別居先住所等の情報は最大限外部に知られないようにし、自身の携帯電話等も夫が勝手に見られないようにする等の注意を払って準備を進めていく必要があります。


3.親族・友人等の支援体制を整えること



 特に夫側に事前に告げずに別居を開始した場合、夫があなたの両親等の親族や親しい友人等に執拗に連絡を取るというケースもあります。
 そのため、少なくとも夫側が連絡をしそうな先については予め別居のことを話しておいた方が良いケースが多いです。合わせて、ご自身の状況等を相談できるようであれば相談すると心強いかと思います。

 このように支援の輪が広ければ心強いとは思いますが、情報が拡散し過ぎますと、どこかで夫側が別居先の情報等を察知してしまう危険性が増して行くことになりますので、支援の依頼先の範囲については慎重な検討が必要です。


4.置き手紙の活用



 別居の際には、自宅に置き手紙を残すことを私は推奨しています。古典的ですが、あなたが事故や事件に巻き込まれたわけではないことを伝えておく必要がありますし、執拗に居場所を探されないようする必要があるからです。

 置き手紙の内容は、旦那と一緒にやっていくことができないと考えたので別居を決断したこと、元気にしているので探さないで欲しい、といったことを簡単に記載しておけば構いません。

 私の依頼者の方からは「LINEやメールで伝えるのではダメですか?」と質問されることが多いのですが、置き手紙の方が無難なことが多いです。といいますのは、LINEやメールで伝えると、夫側に対して「LINEやメールが連絡手段として生きている」と伝えるようなものなので、その後、夫側からしつこくLINEやメールが来る危険性が増すからです。



5.捜索拒否願の提出・警察への事前相談



 これはケースにもよると思いますが、突如別居を開始すると、夫側が大騒ぎをしかねないという場合には、予めあなたの方から警察に対して「捜索拒否願」を提出することも検討して下さい。
 捜索拒否願を提出しておけば、警察が捜索願を受理することはありませんし、夫側が警察に相談しに来た際に「奥さんがどこにいるかは教えられないが無事だから探すようなことはしないように」と伝えてくれますので、安心です。

 なお、警察署によっては、捜索願が出る前の捜索拒否願の受付はしていない、とか、捜索願が出ても旦那さん側にあなたの住所は教えないから、拒否願は出さないで大丈夫だと指導を受けることもあります。そのような場合には警察の指導に従う形で結構かと思います。
 また、夫側があなたの職場を知っていて付きまとい行為をする可能性があるとか、子供の学校を知っていて子供を尾行してきそうだといったケースの場合には、捜索拒否願ではなく、警察署の生活安全課に事前に相談をし、別居時に警察から夫側に電話連絡をしてもらうよう依頼するとか、実際に付きまとい行為が始まった場合には注意・警告をしてもらうということもあります(なお、別居時の電話連絡は、応じてくれる警察署と応じてくれない警察署があります)。

 

6.別居のタイミングの見極め


 実は、コロナウイルスの影響で、別居のタイミングの見極めが、一番大きな問題になっているという方も多いのではないかと思います。
 私の印象としましては、例年は、3月から4月にかけて別居を開始なさる方がかなり多かったのですが、令和2年4月15日現在の状況を見ますと、今年はほとんどこの時期に別居を開始なさる方がいないというのが実感です。夫側が在宅勤務で自宅にいるので別居が難しくなってしまったという方もいるとは思いますが、実際のところは、外出自粛要請が出ている中で、別居に踏み切れないという方が多いのではないかと思います。

 私が令和2年2月にご相談をお受けしていた方々の印象としましては、その時点では3月の別居を目指していた方もお子様の夏休みの時期にずらすという方が非常に多いです。
 ただ、今年のお子さまの夏休みが長期休暇になるかと言いますと、緊急事態宣言3月、4月の学習に遅れが出ていることの穴埋めとして学校授業が入るのではないかという噂も流れており(これはあくまで噂レベルです)、このことが、別居タイミングの見極めを一層難しくしていると言われています。
 別居のタイミングは、コロナウイルスの終息状況等も見極めつつ、慎重に判断していくほかないかと思います。

 


7.住民票の移動は慎重に



 別居先に転居した際には、住民票を移動すべきかという問題があります。各種行政サービスを受けるにあたっては住民票を移動しておいた方が手続は円滑なことが多いですが、安易に移動してしまいますと夫側に居場所を知られる危険性が生じます。

 夫が同居中暴力をふるってきていたといったような場合、その被害者として役所に申請を提出しておけば、夫側があなたの住民票を入手することはできなくなりますが(これを「支援措置」と言ったりします)、役所のミスで住所が発覚してしまうというケースも実際にはあります(ただ、最近はこのようなミスはほとんどなくなっていると聞きます)。
 そのため、行政サービスを受けるため等、その他現実の必要性が生じてから住民票は移動した方が安全だと思います。



8.健康保険の件


 

 あなたやお子様の健康保険が、旦那様の健康保険の被扶養者になっている場合、あなたやお子様が病院にかかると、その情報が旦那様側に通知されます(これは1か月ごとであったり、1年でまとめて通知されたり、健康保険組合によって取り扱いが異なるようです)。
 そのため、今後もその健康保険証を使い続ける場合には、病院にかかる場合には極力別居先付近の病院ではなく、元の自宅付近の病院に通うようにするなどの配慮が必要です。

 なお、同居中から、あなた自身が独自に健康保険に加入していて(要するにあなた自身に相当額の収入があって、勤務先の健康保険に加入しているということ)、お子様の健康保険もその保険に入れたいというケースもあるかもしれませんが、通常は夫側の協力が必要であったり、健康保険組合によっては正式に離婚が成立しない限り被扶養者資格の喪失が認められないということもあります。

 


9.お子様の携帯電話


 お子様の利用する携帯電話に位置情報機能が付いており、そのことを失念したままお子さまの携帯電話をもって別居先に転居してしまいますと、当然、位置情報から、夫側がこちらの居場所を知ってしまうケースもあります。
 位置情報機能は解除したつもりでも、夫側の遠隔操作で再設定できるということもあるようですので、この点は細心の注意が必要です。
 そのため、可能な限り、お子様の携帯電話は自宅に置いて別居するとより安全です(お子様の携帯電話の中に、夫側に知られたくない情報が入っている場合にはその消去やデータ初期化も必要です)。

 


10.必要に応じて、早めに弁護士に相談する



別居の手順等について悩むような点がある場合には、弁護士を雇うかどうかは別として、直接質問すべく相談することをオススメしています。
このブログでかなり詳しめに解説いたしましたが、ご家庭の状況は皆さま異なると思いますので、ご家庭の状況に応じた疑問点等もあると思いますから、そのような点は直接質問することで初めて解消できると思うからです。


11.別居時の持ち物リスト




別居の際には持ち出し漏れ等がないよう、以下の関連記事を参照の上、荷物の整理をしてみて下さい。

関連記事>>「ついに別居を決意!これだけは持って出よう!」

 これはDVのケースですが、別居後程なくして旦那が奥様やお子様の荷物の大半を勝手に捨ててしまったというケースもありますので、ご留意下さい。


12.まとめ


○事前に夫側に別居する旨を相談した方が良いかはケースによる。
○別居準備は絶対に夫側に察知されないように進める。
○別居にあたっては、親族・友人等の支援体制を整えた方が良い。
○別居の際は自宅に置き手紙を残す方が良い。
○ケースによっては、警察には捜索拒否願を提出したり、付きまとい防止のために相談しておいた方が良い。
○令和2年度の別居タイミングについては、コロナウイルスの影響もあって、その終息時期等を見極めて慎重に判断するしかない。
○住民票の移動は、時期を含めて慎重に検討した方が良い。
○健康保険が旦那側の健康保険の被扶養者になっている場合には、別居後の受診には注意が必要である。
○お子様の携帯電話(位置情報の検索ができるもの)については、自宅に置いて別居したほうが良い。
○別居の方法等で悩むようなことがあるなら、早めに弁護士に相談だけでもしておいた方が良い。
○別居の際には持って出る荷物についても検討しておく必要がある。



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こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。


1.やはり解決までにかかる期間はとても気になる


 離婚にあたっては、親権を獲得できるのか、養育費や財産分与でいくらもらえるのか、慰謝料はもらえるのかどうか、といった点については、今後の生活に直結する問題なので、皆様の大きな関心事の一つだと思います。
 そして、このような金銭面の問題に次いで、離婚の問題がどの程度の期間で解決するのかという点も重要な関心事だと思います。正式に離婚が成立するまでは、いわば中途半端な状態とも言えますので、このような状態から早く抜け出したいと考えるのは当然のことだと思います。

 離婚の問題は、①協議離婚→協議離婚が上手く行かない場合に②調停離婚→どうしても調停離婚が上手く行かない場合に③裁判離婚という流れを踏みますので、最終解決が協議離婚で済むのか、調停離婚での解決なのか等手続に応じて、要する期間も異なってきます。

 このような期間はケースによって様々なので一概には申し上げにくいのですが、各手続に応じてどの程度の期間を要するのかの目安と、どのような問題が争点になると長期化しやすいのかについて解説します。


2.協議離婚で解決する場合



 協議離婚というのは、離婚届を役所に提出して解決する場合を言います。
 たまに依頼者の中には、弁護士が間に入る場合には、協議離婚にはならない(調停離婚で手続を進める)と誤解されている方もいらっしゃいますが、基本的には、弁護士が間に入った場合にも、協議離婚による解決を目指すことが多いです。

 では、協議離婚の場合、解決までにどの程度の期間を要するかというと、おおよそ2か月から6か月程度というのが一つの目安かと思われます。ただ、これもケースによりけりですので、一つの目安と考えて頂ければと思います。

 通常、協議離婚で解決したという場合には、離婚条件について大きな対立はないことが多いのですが、協議離婚が長期化する傾向があるのは、緻密な離婚協議書を作成する場合や公正証書を作成する場合ではないかと思います。
 特に養育費などの金銭の支払いに強制力を持たせたい場合には公正証書を作成する必要がありますが、公正証書を実際に作成するのは公証人になります。そのため、公正証書を作成する場合には、公証人との折衝や公証人に提出する資料なども必要になってくる関係で最終解決までの期間が延びる傾向にあります。

 なお、令和2年4月現在緊急事態宣言が発令しておりますので、離婚協議のために夫側に私の法律事務所に来てもらうとか、離婚届にサインしてもらうために法律事務所に来てもらうということに夫側が難色を示す可能性もあり、そのことは事件解決の遅延要因になる可能性もあります(私自身は事務所にて打ち合わせを行うことは対応可能なのですが)。



3.調停離婚で解決する場合



 前述の協議離婚が上手く行かない場合、調停手続で離婚を目指すことになります。
 特に離婚協議をしていても、話がうまく進展しなさそうな場合には、早期に調停を申し立てるケースもあります。

 調停での解決にどの程度の期間を要するかですが、これもケースによって千差万別なのですが、一般的にはどんなに早くとも3か月、長い場合には1年、または1年を超えることもあるという回答になると思います。
 それでは、コロナ離婚の調停の場合、どのような問題で長期化しやすいのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。なお、私自身、令和2年4月現在、ダイレクトにコロナ不和のみを理由とする離婚問題を扱っているわけではありませんので、これまでの事件解決経験に基づいて予測して記載しております。この点は予めご了承ください。

①離婚するかどうかの部分、または離婚原因の部分で対立が激しい場合
 夫側が「コロナは一過性の問題であるから、コロナが終息すれば元の家庭に戻る」とか「コロナウイルス感染の重要な局面だからこそ家族・夫婦で助け合わなければいけない」といった主張を展開してくる場合、離婚原因の部分での対立が激化して、調停の長期化要因になりそうです。
 そのため、夫側からの上記のような反論をあらかじめ想定したうえで、コロナの問題になる前から、夫側にこのような問題があったとか、夫婦が不仲であったというエピソードもしっかりと整えておく必要があろうかと思います。実際にはコロナ不和が離婚の直接の引き金であったとしても、クローズアップするのはコロナ問題以前の出来事に絞り、相手を早期に諦めさせるということです。

②お子さんとの関係で嫌がらせをしてくる場合
 夫が離婚には応じたとしても、渋々合意したと言うことが多いため、何かしらの形で嫌がらせをしたいと考えてくる人もいます。例えば、以下のような形になります。
・実際自分では育てられないと分かっているのに親権獲得を希望してくる。
・親権は争わないが、今後の監護計画を事細かに聞いてくる。
・頻繁な面会交流を要求してくる。
・しきりに学校行事や習い事の発表会への参加を要求してくる。
・養育費を出し渋る。
 夫側から以下のような要望が出された場合には、長期化要因になりますが、どの程度期間が延びるかは、夫側がどこまで執拗に要求してくるのかにも大きく左右されます。

③財産分与の対象財産が多い場合、争点が多い場合
 財産分与の対象財産が比較的少ない場合や、そもそも婚姻期間が短く財産分与の必要がない場合には、その分短期決着が見込めます。
 他方で、財産が多い場合や、特有の争点が生じる場合には長期化要因になります。財産分与で争点となるケースというのは、①自宅購入時の頭金の金額・性質等に争いがある場合、②相手が一部の財産しか開示しない場合(対象財産の範囲に争いがある場合)、③婚姻前の財産の範囲や額に争いがある場合等になります。
 特にコロナウイルスの問題で、夫側が退職を強いられたとか、減収になったというような場合には、今後の生活のことを考えて極力出費を控えてくるでしょうから、財産分与について抵抗してくる可能性が高まります。

④慰謝料が争点になる場合
 コロナの件以外にも、浮気や暴力といった明確な慰謝料事由がある場合には、慰謝料請求も検討すべきということになります。
 ただ、このような身勝手な行動をとる夫は通常自身の行動を正当化してくることが多いため、慰謝料を支払わないばかりか、こちらが慰謝料を請求してきたことそのものに不満をぶつけてくることもあります。
 この慰謝料の問題で対立する場合も紛争が長期化する要因になります。


⑤今回のコロナウイルスの影響
 今回のコロナウイルスに関わる緊急事態宣言によって、対象地域の家庭裁判所の4月中の調停期日は一斉に取り消しになりました。また、今後のコロナウイルスの感染拡大状況等を踏まえ、調停期日設定の体制にも影響が出ると見込まれます。具体的な影響として予測されますのは以下の通りです(これは、令和2年4月現在の情勢でして、今後変更があり得ます)。
①4月の調停期日が取り消されたので、再設定の期日が6月中に優先して指定される結果、新規調停の第1回調停日がさらに先になる可能性がある。
②ゴールデンウィーク後の感染拡大状況によっては、調停期日の指定は行うけれども1日に処理する調停の数を減らす可能性があり、その場合には、新規調停の第1回調停日がさらに後ずれしていく可能性がある。
③令和2年4月現在裁判所側は期日指定を行えないというスタンスなので、第1回調停期日の日程調整は「早くとも」ゴールデンウィーク明けになる。
④このように第1回調停期日の設定が遅延していくと、候補日が7月に突入する可能性も高く、そうなると裁判所の夏季休廷期間と重なると、さらなる遅延の可能性も出てくる。

 このように今すぐに調停を申し立てても、第1回調停期日の設定に時間がかかるということが強く見込まれますので、調停手続き全体の遅延要因の一つになることは拭えません。
 そのため、迅速なコロナ離婚を目指すのであれば、離婚調停ではなく、離婚協議に極力軸足を移して取り組んだ方が良いケースも相対的に増えていくのではないかと見込まれます。

 


4.裁判離婚で解決する場合



①裁判離婚に要する期間はどの程度か?
 上記のような調停手続でも離婚が成立しない場合には、やむを得ず裁判を選択せざるを得ない場合もあります。

 裁判に要する期間については、それこそ千差万別であって一概に申し上げることは非常に困難です。
 ただ、裁判を申し立てる前に、既に離婚協議、離婚調停を経ているため、訴訟提起の段階で数か月は経っていることが多いと思います。そして、裁判そのものがスタートしても、さらに1年近い期間が経過することは覚悟しなければならないことが多いと思います。そのため、弁護士が事件に着手してからのトータル期間で見ますと、①裁判の申立前に既に数か月、②裁判スタート後に1年というイメージですと、1年数か月は覚悟しなければならないというイメージになると思います。

 なお、離婚訴訟を起こすとなると、裁判で勝てるだけの離婚原因があるのかという点の検討も必要になります。
 離婚を裏付けるだけの証拠が乏しいというケースですと、ある程度別居期間を稼ぐという観点から、多少訴訟提起の時期を遅らせるという場合もあります。そのため、調停が成立してからすぐに裁判を起こすのではなく、調停終了から裁判の申立までに一定期間を空ける場合もあるということです。

 裁判離婚の場合、原則として相手も徹底的に争ってくるケースが多いため、各離婚条件について反論や証拠集めの労を要するというように考えた方が良いと思います。

②今回のコロナウイルスの影響
前述の調停同様、今回のコロナウイルスに関わる緊急事態宣言によって、対象地域の家庭裁判所の4月中の裁判期日も一斉に取り消しになりました。また、今後のコロナウイルスの感染拡大状況等を踏まえ、裁判期日設定の体制にも影響が出ると見込まれます。(これは、令和2年4月現在の情勢でして、今後変更があり得ます)。
 これからコロナ離婚を考えているという場合には、今すぐ離婚裁判をするというケースはないでしょうから(少なくとも裁判をするには調停を経なければなりませんので)、直接関係しないケースの方が多いとは思いますが、現状の裁判所の状況としてご説明した次第です。

 


5.スピードよりも、「より良い解決」を!



 たまに弁護士が間に入ったのだから早急に解決して欲しいという要望をお持ちの方もいらっしゃいますが、結論を急ぐあまりに十分納得できない結論で解決してしまうのでは本末転倒だと思います。

 もちろん、離婚という問題を長期間抱えることは、それだけで心理的ストレスになると思いますので、早急な解決が望ましいことは間違いありません。
 ただ、結論を急ぐあまりに不十分な内容で解決してしまうと、2年後、3年後に振り返ったときに後悔してしまうのではないかと思います。

 そのため、解決を急ぎつつも、ご自身が納得いく解決を目指すことができればと考えております。



6.まとめ


・協議離婚はあまり長期化せずに解決できるケースが多い。
・ただ、協議離婚でも、離婚協議書に細かな内容を盛り込む場合や公正証書を作成する場合、長期化要因になることがある。
・調停離婚はいくつか長期化する項目があり、夫側の態度が大きく影響する。
・裁判離婚に発展した場合には、それなりの期間かかることを覚悟する必要がある。
・迅速な解決が望ましいが、迅速性よりも「より良い解決」の方が大事である。

 

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弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 正直に申しますと、夫側が激しく離婚に反対してくる場合、最終的には離婚訴訟を提起しなければならなくなりますので、離婚に漕ぎつくためにはそれなりの期間を要することになります。そのため、あなたの離婚問題が長期化するかは、夫側のキャラクターや心情に大きく左右されます。
 ただ、状況等に応じて、ある程度離婚の難易度がどの程度なのかについては類型化することができますので、一般的な傾向として解説していきます。


1.法律的な難易度



 民法770条には、法律上の離婚原因が明記されているのですが、法律上の離婚原因は浮気や暴力等かなり限定的です。
 離婚の手順として、協議離婚(離婚届を提出して離婚するケース)できるのであればよいのですが、それが難しい場合には調停離婚(裁判所の調停で離婚するケース)、最後には裁判離婚(裁判所の裁判で離婚するケース)が必要になります。

 ただ、裁判をすれば必ず離婚できるのかというと、そうではなく、民法770条の離婚原因の存在が要求されているのです。
 夫婦の問題は当人同士で話し合いをすることが望ましいとの考え方から、裁判所によって強制的に離婚ができる事情は限定されているのです。

 コロナ不和が離婚の大きな原因だとすると、残念ながら、それは一般的に法律上の厳格な離婚原因には該当しないケースの方が多いかと思います。
  ただ、このように離婚裁判で勝訴できるだけの理由がないとしても、私の経験上、多くの事件では協議離婚や調停離婚で事件を解決しておりますので、必要以上にご心配なさらないでください。

 


2.実際の難易度は?



 これまでの解説は、「離婚裁判をした場合に勝てるのか?」というお話しです。
 そもそも、離婚裁判をせずに解決できるのであれば、短期間で解決できることになりますし、裁判に要する手数もかからないため、それに越したことはありません。

 そのため、離婚難易度といった場合、どの程度離婚調停で話をまとめられるか(もちろん、協議離婚ができればより一層望ましい)というところにかかってきます。

(1)難易度が高くなる要素
 離婚難易度(離婚調停までで離婚できる難易度)を高める要素は様々な要素があるのですが、私が弁護士として事件を担当している際によく感じる項目として以下のようなものがあります。
①夫側の独自の発想・こだわりが強い。
②同居中のモラハラ・DV行為等が執拗であった。
③夫側がメンタルが弱く、離婚を切り出したときに、こちらにすがってきそうである。
 これらのケースですと、一般的に離婚難易度は上がる傾向にあると思います。

(2)特定の夫を対象にした対策
 上記のような事情があると一般的に離婚難易度が上がるのですが、特徴に応じた対策を取ることによって早期離婚につなげる方法もあります。

①金銭に細かい夫を相手にする場合
 このような夫を相手にする場合、早急に婚姻費用を請求して、相手に金銭的負担をさせるという方法が効果的なことが多いです。
 要するに、夫側に「離婚しない限り毎月毎月お金を取られる」という意識を持たせることで、早期離婚に結びつけるのです。

②外面を強く気にする相手の場合
 このような夫を相手にする場合、調停等裁判所の手続を避けたがる人も多いので、そのようなケースであれば、極力協議離婚で解決することを目指します。私が担当したケースでも、3か月ほどで協議離婚にこぎつけることができたケースもあります。

 他にも夫の特徴に応じて対抗策はありますので、気になる方はお気軽にご相談下さい。


3.同居中夫の方から「もう離婚だ」と言われることが多かった。


 実際このようなご相談を受けることも多いのですが、実際こちらから離婚を切り出すと、離婚に応じたくないと言ってくる夫もかなりの数います。特に、あなたのことを見下しているような夫ですと、生意気だと感じるとか、こちらの言い分に反発してくるというケースも多いです。また、あの時離婚だと話をしたのは冗談だったとか、果ては「そんなことを言ったことはない」とまで言う旦那もいます。
 もちろん、このような場合に、相手がすんなり離婚に応じてくれることもあるのですが、離婚には応じても、離婚の条件(親権・養育費や財産分与の負担等)について対立が激しく、手続に時間がかかってしまうというケースもあります。



4.まとめ


・コロナ不和がメインの離婚原因の場合、法律的な離婚難易度は、高いと思われる。
・実際の難易度としては、①独自の発想が強い夫や、②モラハラ・DVが執拗であったケース、③夫のメンタルが弱いケースだと難易度は上がる傾向にある。
・夫の特徴によっては効果的な対策を取ることで早期離婚にこぎ着けるケースもある。
・同居中夫側が「もう離婚だ」といっていたからと言って簡単に離婚できるとは限らない。

 

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