2020.04.15更新

弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)真太郎です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

1.コロナ不和・コロナ離婚とは何だ?



 最近、コロナ離婚という言葉が世間をにぎわせていますが、この用語は法律で定められている用語ではありません。そのため、法律による明確な定義があるわけではないのですが、新型コロナウイルス感染の影響を受けて、生活スタイルが変化したことに伴う夫婦の不和、そのことによって離婚を決意すること、状態のことを広くコロナ離婚と呼んでいるようです。
 コロナ離婚と言いますと、もうすでに離婚してしまったかのような響きがあって語弊を招きそうですので、以下では「コロナ不和」と総称して、よく見かける原因等についてご説明します。


(1) 【原因1】旦那の在宅勤務
 緊急事態宣言発令に伴い、旦那様が勤め先から在宅勤務を命じられて、1日中自宅にいることが奥様のストレスになっていることが多いようです。より具体的には以下のようなことがストレス原因・不和の原因になっているようです。


①在宅勤務と言いながら、ほとんど仕事をしている様子もなく、ゴロゴロしたりテレビを観たりしているので、こちらが家事をやる気がなくなる。
②1日中家にいるなら、少しは家事・育児を手伝ってほしい。
③簡単な家事をお願いしただけなのに、それすらしっかりとやってくれない(家事能力不足の問題)
④簡単な家事をお願いしただけなのに、やたらと「俺は○○を手伝った」と恩着せがましく言ってくる。
⑤旦那がいることで食事の支度など家事が増えているのに、そのことに旦那が無関心すぎる。
⑥仕事をしているポーズを取りたいのか、リビングでパソコンを叩くなど、やっているというようなアピールをしてくる。

(2)【原因2】お子様達の臨時休校
 お子様が臨時休校で自宅にいること等の影響でストレスを抱える奥様は多いようです。具体的には、以下のようなことがストレス原因・不和の原因になっているようです。


①子供が退屈で言うことを聞かなくなっていて手が付けられないのに、旦那が十分にフォロー・ケアしてくれない。
②子供の休校を受けて自宅学習させようとしているのに、学習方法等で旦那と教育方針の対立が生まれた。
③夫婦どちらが勉強を教えるかといった点で夫婦喧嘩になることが増えた。
④旦那は安易に子供にユーチューブ動画ばかり見せるので視力低下や動画依存・スマホ依存にならないか心配である(旦那がそのことについての理解・意識が低い)。
⑤毎日のゲーム時間を決めているのに守られず、旦那が一緒に熱中して子どもとゲーム三昧になっている。
⑥旦那が子供と一緒に室内でボール遊びや体を動かす遊びを始めるので近所に迷惑を変えていて恥ずかしい。

(3)【原因3】感染リスクへの温度差
 私の方で現在取り扱っている離婚のケース等を見ておりますと、一般的な傾向として、奥様側は感染リスクに対して敏感で、旦那様側は多少鈍感なイメージがあります。そのような温度差も不和の原因になっているようです。具体的には以下のようなものがあるようです。


①マスクもせずに外出・出勤する。
②外から帰宅した際の手洗いをしない(もしくは、手洗いが不十分)。
③何度感染リスクの話をしても旦那が聞く耳を持たない。
④緊急事態宣言が出ている最中なのに、外部での飲み会の予定を入れてくる。
⑤緊急事態宣言が出ている最中なのに、子供と一緒に公園などに出かけようとする。
⑥緊急事態宣言が出ている最中なのに、子供の友人宅にお邪魔したり、友人を呼んだりする。

(4)【原因4】これまでの不和の悪化
 コロナウイルスの影響で、これまでご夫婦で抱えていた不仲が悪化してしまうというケースも多いようです。既に夫婦仲が悪くなっている場合には、旦那様の在宅勤務やお子様の臨時休校等で、夫婦が接する機会がどうしても増えますので、そのことが不和の悪化に結び付いているようです。


2.コロナ不和は離婚理由になるか?


 

「離婚理由」という場合、大きく分けて二つの意味があります。一つめは、相手に離婚を切り出す理由になるかという意味、二つめは、裁判で勝てるだけの理由になるかという意味です。

 まず、一つめの離婚理由(相手に離婚を切り出す理由)という意味で言いますと、コロナ不和がコロナウイルス問題発生中の一過性のものかどうかを慎重に検討してみる必要があろうかと思います。仮に、そのように一過性のものであった場合、今すぐ離婚を切り出すべきかはじっくり考えてみてください。考え方としては、コロナウイルスの問題が落ち着いているであろう2年後や3年後の様子を思い浮かべたうえで、それでも、旦那様とやっていくことが難しいと言い切れるかどうかという視点で考えてみるといいと思います。
 

 次に、「裁判で勝訴できるだけの理由」という意味での離婚理由になるかというと再度詳しく検討していく必要があります。
 と言いますのは、裁判で認められる離婚理由は(浮気や暴力などと)法律で厳しく限定されているため、あなたが考える離婚の理由によっては、「裁判で勝てるだけの理由とは言えない」と言われてしまうリスクがあるからです。離婚裁判ですと、裁判所が強制的に離婚を命じることができるのですが、本来離婚するかどうかは当人同士の意思に委ねるべき話ですから、「裁判で勝てるだけの離婚理由」というのは法律で制限されているのです。
 そして、コロナウイルスの関係での緊急事態宣言下での生活環境をもとにした離婚原因となりますと、残念ながら「裁判で勝訴できるだけの理由」にはなりにくいことが多いと思います。

 

3.別に裁判をしたいわけではないんだけれど…



  私の経験上、大半の離婚のケースでは裁判にまで行かずに調停または協議で事件解決しています。

 しかし、少数ですが相手の反発が大きく裁判を避けられないと言うこともありますので、事前に裁判になることを考えながら準備を進めていく必要があるのです。「備えあれば憂いなし」ということです。


4.あなたの考える離婚が「裁判で勝てるだけの離婚理由」と言えるために



 このように離婚裁判もある程度意識して準備を進めていくという場合、まず最も重要になりますのは裁判で戦えるだけの証拠があるのかどうかということになります。
 そして、コロナ不和の場合、旦那様が在宅勤務であるとか、お子様が臨時休校で、かつ外出が制限されているという特殊な環境も影響していると思いますので、このような特殊な環境の影響を抜きにしても離婚すべきであるという証拠収集が重要になります。


 そのような視点から言いますと、コロナウイルスの問題が拡大している状況下の証拠ではなく、それ以前の証拠がありますと非常に心強いです。夫がモラハラ夫で、その発言を録音したデータがあるとか、こちらを誹謗中傷するようなメールやLINEがあるといった場合、それらは証拠になり得ます。

 このような証拠の整理は最初に行う必要があります。
 私はモラハラ離婚の問題を多く扱うこともありまして、暴言等について全くといって良いほど証拠がないというケースを取り扱ったこともあります。ただ、その場合でも、離婚に向けての対処方法はありますので、諦めずに、ご相談にいらして下さい。



5.離婚したいと思うきっかけとなった出来事の整理




 上記のような離婚の証拠の有無の整理がつきましたら、次に、その具体的な出来事の内容を整理していく必要があります。
離婚のための証拠がある場合でも、あなたが受けた被害の全てに関して証拠があるというケースは少ないので、あなたの体験そのものを書き出していくのです。そのような思い出し作業の際には、証拠があるものはその証拠をもとに、その時にあったことをより詳しく書き留めるという姿勢で準備するとよいと思います。

 あなたにとって思い出したくない事情を思い出す作業になりますので、気の重い作業になるとは思いますが、離婚に向けて必要な作業だと考えて頑張ってみて下さい。1人で悶々と考えていると気が滅入ると言うことも多いと思いますので、身内の方と話ながら思い出していくとか、弁護士との打合せで整理するという方法もありますので検討してみて下さい。


6.まとめ


・コロナ不和は、大きく分けると、①旦那様の在宅勤務、②お子様の臨時休校、③感染リスクへの温度差、④これまでの不仲の増長といったものが原因として考えられる。
・あなたのご家庭のコロナ不和が一過性の問題ではないという場合、それは離婚を切り出すに当たっては十分な理由と評価できる。
・離婚の話がもめそうだという場合、不和の証拠をきちんと準備しておいた方が良い。
・不和の証拠と一緒に、あなたのこれまでの体験も整理しておく必要がある。


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1.なんで弁護士が「離婚の切り出し方」を知っているの?



 このブログのタイトルを見た瞬間、「なんで弁護士が『離婚の切り出し方』を知っているの?」と疑問に思った方も多いかもしれません。
 しかし、離婚の問題を多く取り扱っておりますと、離婚の切り出し方についてご相談を受ける機会も多くあります。

 また、離婚のご相談をお受けする際には、ご自身で離婚を切り出したのか、そのときにどのような話し合いになったのかについては、私の方から質問致しますので、そのあたりの事情についても自然と精通していく訳です。


2.そもそも、ご自身で離婚を切り出した方がよいのかどうか



 離婚の切り出し方については後述しますが、そもそも論として、あなた自身で離婚を切り出した方がよいのかについては十分検討した方がよいです。要するに、あなた自身で一度はきちんと離婚話をするのか、それとも、一度も離婚話をせずに弁護士に依頼して離婚手続きをスタートさせるのか、の問題です。

 特に令和2年4月現在は、コロナウイルスの関係で緊急事態宣言が出ているため、「旦那が常にイライラしていて話しかけづらい」とか「口を開けば喧嘩という状況なので今は極力夫との会話を避けている」というケースもあろうかと思います。



 ただ、その検討の際には、あなた自身が離婚を切り出した方が、多少夫も納得感が高まる可能性がある、と言うことは検討要素の一つにして下さい。
 と言いますのは、仮に、あなたが弁護士を立てて離婚を進めることを考えている場合、相手からすると窓口が弁護士のみになり、あなたと直接話をすることが難しくなります。そのため、夫側は、「妻と直接話ができないから、実のところどのように考えているかが分からない。」「弁護士が妻をそそのかして離婚させようとしている」と言ったクレームが寄せられることがあり、事件進捗の妨げになることがあるのです。
 あなた自身の口で離婚を切り出すと、多少は相手の上記の様なクレームを緩和できる可能性があります。


3.【離婚を切り出すポイント1】お互いが冷静な状況・環境で離婚を切り出す


 

 夫婦関係を長年続けておりますとどうしてもカッとなってしまうこと、喧嘩をしてしまうこともあると思います。
 そんなときに、つい「離婚してやる」とか「離婚して欲しい」と口走ってしまうこともあるかもしれませんが、これではお互いに冷静な話し合いは期待できません。

 また、酔った勢いで離婚を申し入れても相手は真剣に受け取らないでしょうし、相手が酔った状況で話をしても、話は進展しないと思います。
 上記のシチュエーションは極端な例ですが、そうでなくとも、①家庭内別居の期間が長く、夫側が何を考えているのか、何を言い出すのかわかりにくい状況や②夫側が不機嫌で冷静な話し合いが期待できない状況の場合もあると思います。夫側が不機嫌な場合には一定期間を置いて冷静になるのを待ったり、事前にメールやLINE等にて「大切な話があるので時間を取って下さい」と伝えた上で話し合いの日時を決めるなどすることも考えてみて下さい。

 いずれにしましても、お互いが冷静な状況・環境で話をすると言うことは当たり前のことのようでも重要なことです。



4.【離婚を切り出すポイント2】具体的なエピソードを思い出す


 

 離婚の相談を受けておりますと、抽象的な理由ばかりで具体的に相手のどのようなところが悪いのか、不仲の原因がどこにあるのかがはっきりしないということがあります。
 例えば、「頻繁に暴言を浴びせてくる」とか、「相手はモラハラ夫なんです」と訴えてくる方もいらっしゃいますが、具体的にどのくらいの頻度で(ほぼ毎日なのか、1週間に1回程度なのか等)どのようなことを言ってくるのかが分かりませんと、対応ができません。

 ただ、夫の嫌いなところを列挙すると、とりとめがなくまとまらなくなってしまうと言うこともあります。
 そのため、まずは、自分が相手とやっていけないと思う「一番の理由」を考えてみて下さい。
 その理由を選び出したら、婚姻中、具体的にどのような行動や言動があったのか重要なことだけでも良いので良く思い出して列挙してみて下さい。

 例えば、以下の様なものになります。
(参考例)
先月上旬にモラハラ夫から「お前のように家事ができない女は要らないから今すぐ出て行け」と言われた。このような発言は、モラハラ夫の指示通りの献立で夕食を準備したのに、帰宅すると「今日はこんなに暑かったんだから涼しいメニューを作れ」などと発言してきて上記の発言につながった。
 相手の言うとおりに作り直していると、モラハラ夫は、空腹に耐えられないと言って家を出て、一人外食をして帰ってきた。

 このようにあなたが考える離婚理由を整理しておきますと、いざ夫と話をする際にも離婚話にメリハリをつけることができます。
 また、多少前述しましたが、このような具体的な離婚エピソードは、今回のコロナの問題が発生する前のものの方が基本的には良いと思います。コロナウイルスによる緊急事態宣言という事態はこれまでの日常生活では普段体験しないような事態と言えばそうなので、夫側からのきつい反論対象になると見込まれるからです。また、今回のコロナウイルスの期間中の不仲だけが離婚原因という場合には、一過性の不仲という可能性もありますので、そのことだけで離婚を思い立つのが良いことなのかについては慎重な検討が必要かもしれません。


5.【離婚を切り出すポイント3】こちらが本気だと分かってもらう工夫をする



 特にこちら側が専業主婦という場合には、現状収入を得ていないと言うこともあって、夫側は本気にしてくれないと言う可能性も出てきます。そのため、こちらとしては悩んだ末に、やっていけないと考えて離婚を真剣に切り出しているのに、夫側からほとんど相手にされないという事態が発生し得ます。
 このような事態を避けるために、どのような方法が考えられるのかを、以下の通り簡単にご説明します。

(1)きちんと「離婚」というフレーズを使う
 特にコロナ問題で夫側がいら立っているというような場合には、余計に機嫌を損ねそうな話をしずらいということもあろうかと思います。そのため、遠慮がちに「もうやっていけないと思ってるんだけど」とか「夫婦の今後のことについてどう思ってるの?」と言った曖昧な表現になってしまうこともあります。
 しかし、このような曖昧な表現ですと、夫側はこちらの離婚意思をしっかりと受けとめてくれないことも多いです。
 そのため、あなたの口から離婚を切り出すと決めたのでしたら、きちんと「離婚」というフレーズを使って夫にきちんと話をして下さい。

(2)実家の両親などに間に入ってもらう 
 あなた自身の口で離婚のフレーズを伝えたのに夫側が真剣にとらえてくれないというケースもあります。そのような場合には、こちらが真剣に離婚したいと思っていることをアピールするため、ご実家の両親や親戚なども交えて離婚の話をするという方法が考えられます。
 この場合には、相手の両親も一堂に会して家族会議のような形で話をしてみるのもよいと思います。
 ご夫婦二人だけの話し合いだと、相手が真剣に受けとめないという場合には、このような方法は有効打となることがあります。

(3)どうしても真剣に捉えてくれない場合「別居する」というのも選択肢の一つ
 身内が間に入って話をしても夫側が真剣に受けとめないとか、自分に都合の良い捉え方しかしないため話が進まないという場合、別居という手段を取ることも検討してみて下さい。
 この場合は、一時的に実家に戻るという形が多いと思います。
 なお、相手に無断で別居を強行してしまいますと、相手がこちらの実家まで乗り込んでくるなど、話が複雑になりがちなので、別居については相手に相談をした上で進めるのが望ましいと言えます(もちろん、夫の気性が荒いというような場合等には、くれぐれも無理をせず、場合によっては無断別居もご検討下さい)。

(4)家庭裁判所に調停の申立をする
 ご夫婦が直接話し合うだけでは話が進展しないという場合、家庭裁判所に調停を申し立てるという方法もあります。
 ただ、調停の申立が必要かもしれないと迷われているという場合には、まずは、弁護士に相談してみることをオススメします。


7.まとめ


・ 離婚を切り出す場合、ご本人で離婚を切り出した方がよいのかについて、まず検討した方がよい。
・ ご本人で離婚を切り出す場合、お互いが冷静な状況・環境で離婚を切り出す。
・ 具体的なエピソードを元に離婚の理由を話す。
・ こちらが本気だと分かってもらう工夫をする。


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1.コロナ離婚に踏み切る前に考えるべきことは意外に多い



 離婚を考えた場合、通常まず一番に離婚後の生活、離婚後の育児環境のことが頭に思い浮かぶと思います。
 ただ、今後相手と離婚するかしないかという点で争っていくことも考えますと、他にも色々と考えておかなければならないことがあります。
 詳しくは後述しますが、考えなければならない点をすべて同時に検討しようとしてしまいますと、精神的な負担が大きくなってしまうと言うこともありますので、徐々に、かつ優先順位をつけて検討することもお考え下さい。


2.今後「やり直せない」かどうかは客観的に見極めた方がよい



 当たり前のことなのですが離婚する場合、離婚後、法律上相手は「他人」ということになります。裏を返すと離婚を切り出すと言うことは他人になって欲しいと切り出すことと同じなので、今後「やり直す」ということが無理だと言えるほどの状況でこそ、離婚を切り出すべきだと言えます。

 令和2年4月現在、コロナウイルスの問題が終息する時期が見通せない状況が続いておりますが、このコロナ問題が終息した後は良好な夫婦関係・家族関係を築くことが出来るというケースも多分にあると思いますので、1年後や2年後自分がどう考えているだろうかということに思いを巡らせて最終決断するのが良いと思います。


 コロナの関係でお子様が在宅しているため、落ち着いて考えられないといったときには、ご親族や親友等の意見を求めて、客観的に離婚が望ましいかを見極めるという方法も検討してみてください。

 


3.まずは、お子さんの幸せをよく考える



 お子さんの幸せのことを考えるとお父さんとお母さんが揃っている方が良いという結論しかないということになってしまいます。
 私が申し上げたいのは、このような一般論の話ではありません。
 分かりやすく言いますと、現状と離婚後の生活とでどちらの方がお子さんにとって幸せなのかという比較と、離婚後のお子さんのケアが可能なのかどうかと言う問題です。

 なお、令和2年4月現在はコロナウイルスの関係で緊急事態宣言が出ている真っただ中でして、このような状況では冷静に判断がつかないということでしたら、コロナ問題が多少落ち着いた時点で冷静に考えてみるということでもよいかもしれません。

①現状との比較
 分かりやすく言いますと、毎日喧嘩が絶えないという家庭の場合、お子さんにとっても悪影響になりますので、むしろ、離婚した方がお子さんにとっても望ましいと考えられます。
 ただ、この点も、現在旦那様が在宅勤務であるがゆえに夫婦喧嘩が絶えないという場合、通常出勤に戻った後のことにも想像を巡らせて比較したほうが良いかと思います。もちろん、今回のコロナウイルスの問題を機に、旦那様の勤め先が広く在宅勤務を認めるようになって今後も旦那様が自宅にいる機会が大幅に増えるという場合には、そのような前提での比較になろうかとは思います。

 いずれにせよ、あなたが離婚を切り出したいと思っているという場合、すでに夫婦関係がぎくしゃくしていることは間違いありませんから、現状のぎくしゃくした状況がお子さんに悪影響を与えていないかについてよく考え、離婚後の生活と現状を比較してみると良いでしょう。

②離婚後のお子さんのケア
 離婚後あなたがお子さんを育てていくという場合、しっかりとした生活環境・教育環境を整えていく必要があると思います。
 ただ、それだけではなく、お子さんと相手との接し方についても考えておく必要があると思います。
 一般的には、お子さんと父親とは定期的に面会させた方がお子さんの成長に良いと言われていますので、これまでの夫婦生活におけるお子さんとの接し方等を考慮して、離婚後の旦那様と奥様との接し方についても慎重に検討する必要があります。


4.相手が争ってきた場合の備えをする



①夫の財産の在処を把握しておく
 離婚の際には婚姻期間に増加した財産については財産分与という形で折半するのが通常です。
 しかし、離婚を切り出すと、夫側は財産を取られたくないために、財産の在処を隠してしまう場合があります。

 そのため、夫側が財産の在処を隠すことも想定して、どのような財産をどの程度持っているのかについては予め把握しておいた方が良いです。
 このようにしておくと、財産分与でいくらもらえそうなのかの見込みが立ちますので、離婚後の生活設計にも役立ちます。

②夫側の収入を把握しておく
 相手の収入は家庭裁判所の調停などになれば、隠匿していくことは非常に難しいのが実情です。
 ただ、相手の収入を早めに把握しておけば、離婚するまでに生活費としてどの程度のお金をもらうことができ、離婚後養育費としてどの程度のお金がもらえそうかという見込みを立てることができます。

 なお、同居中、夫側が口頭で話していた収入の金額と、実際にもらっていた給料の金額が違うと言うこともありますので、可能な限り源泉徴収票、給料明細書・賞与明細書等で相手の収入を把握しておくのが無難です。

③離婚原因の証拠の確保
 これは、こちらからの離婚理由の伝え方にもよるのですが、コロナの問題を主たる離婚理由として伝えてしまいますと、夫側から「コロナの問題は一過性の問題だ」とか「コロナの問題は暫く経てば落ち着く」といった反論が返ってくる可能性が高いです。そのため、通常離婚を切り出す場合にはコロナの問題が拡大する前から抱えていた不満や夫婦の不和についてしっかりと伝えていく必要があろうかと思います。


 そして、このようなコロナ以前の不満や不和については、相手からの言い逃れ等を封じる証拠(ラインやメール等)があれば、あらかじめ収集し、準備しておいた方がよいと思います。



5.今後の生活基盤の確保


 

 前述の今後の養育費の金額等とも関わってくるのですが、離婚した後の住まい、収入を得る手段については事前に目処を付けておく必要があります。 ただ、別居を開始し始めた時期は、夫側がどこまで離婚を争ってくるのか見通せない面もありますので、当面実家のお世話になるとか、パート勤務を開始するといった程度にとどめるケースも多くあります。



6.まとめ


・ 今後「やり直せない」かどうかは身近な人と相談するなどしつつ客観的に判断した方がよい。

・ 離婚に伴うお子様への影響を考える
・ 相手が離婚に反対してきた場合の備えをする。
・ 今後の生活基盤を確保する。

 


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投稿者: 弁護士秦真太郎

2020.02.17更新

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1.そもそも「監護者」って何だ?


 

(1)前提として親権の意味のおさらい

 監護権よりも、親権という用語の方が馴染みが深い方も多いと思いますが、親権とは離婚後にお子様を育てていく権利のみを意味するわけではありません。

 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。

1)身上監護権

2)財産管理権

3)身分行為の代理権

 要するにこれらの権利をまとめて「親権」と呼んでいるということです。

 

 ここでの身上監護権とは、お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。

 財産管理権とは、お子様の財産を管理についての代理権限を言います。馴染みがある例ですと、TSUTAYAなどでお子様だけでトレーディングカードやゲームソフトなどを売却しようとすると、親御さんの同意を得て下さいと言われると思いますが、これは、親権者に財産管理権があるため、お子様だけで高価な物品の処分等ができなくなっているのです。

 身分行為の代理権とは、例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等をイメージしてもらうと分かりやすいかと思います。

 

(2)監護権は、上記の3つの権利の中の一つの権利

 前述のように親権には大きく分けて3つの権利が含まれているのですが、その中の一つである「身上監護権」を切り出したものが、俗に言う監護権というものになります。

 監護者を指定するという場合には、通常、(離婚が成立していない)夫婦のうち一方にお子様の身の回りの世話をする「お墨付き」をしっかりと与えるものだとイメージすると分かりやすいかと思います。

 

 

2.監護者として指定されるための6個のポイント


 

 監護者指定のポイントは実際には多岐に渡るのですが、その中でも特に重要なポイントは以下の5つの点に集約できると思います。

1)監護実績

2)連れ去りの違法性

3)現在の監護状況

4)過去の児童虐待の有無・程度

5)子供の意思

6)面会交流の姿勢

 以下でそれぞれについて詳しく解説していきます。

 

(1)監護実績

 監護実績というのは、お子様と同居中、どの程度お子様の身の回りの世話をしてきたのかということです。

ポイントとしましてはお子様の衣食住にどの程度関わってきたかという視点で考慮されることが多いです。要するに、①「衣」とは、お子様の普段着るものや身につけるものを誰が購入し準備していたか(これには学校・保育園の制服や学校用品等の準備も含む)、小さいお子様だと普段のお着替えやおむつ替えは誰が行っていたのか等のことを指し、②「食」は普段のお子様の食事の支度を誰がしていたのか、小さいお子様だと授乳やミルク上げを含むことになります。③「住」はお住まいの賃貸名義が誰かという話ではなく、普段の躾や教育を誰が行っていたのかという問題です。

 過去の監護実績についてはご夫婦で主張が大きく対立することも多いので、保育園の連絡帳の記載内容等が重要な判断証拠になることも多いです(要するに保育園の連絡帳を夫婦のどちらが記入し、どのような記入がなされているか)。

 

(2)連れ去りの違法性

 前述の通り、監護者指定は、夫婦が別居状態にあることが前提としていますので、夫婦の一方が自宅から出ている状況をもとにした申立になります。そうしますと、お子様と一緒に別居を開始している場合には、それが連れ去りなのかが問題になることが多いです。

 

1)【違法な連れ去りかどうかのポイント1】連れ去り態様

 お子様と一緒に別居することを余儀なくされたとしても、その態様によっては、お子様の心情をひどく害してしまうというケースもありますので、違法な連れ去りかどうかの重要なポイントの一つが、その「態様」ということになります。

 「態様」というのは、分かりやすく言いますと、「連れ去り方」の問題です。

 例えば、大型のバンの後部座席に無理矢理お子様を軟禁するかのような態様で連れ去るケースだとか、保育園の保育士さんの全く目が届かないところで、勝手に園庭に侵入して連れ去ると言ったケースですと、態様そのものが違法な態様といえますので、違法な連れ去りと認定されるケースが多いかと思います。

 

2)【違法な連れ去りかどうかのポイント2】お子様の意思

 ここでのお子様の意思というのは、別居に対してのお子様の意思と言うことになります。

 あなたが別居を余儀なくされた側だとしても、そのことにお子様が納得しないケースもあると思いますし、ある程度の年頃にいったお子様ですと、明確に別居に反対したり、自宅に残るという意思表示をするケースもあると思います。

 このようなお子様の意思に反して別居を始める場合、違法な連れ去りと認定されるおそれがあります。

 なお、まだ年齢が小さい子は、自身の置かれている状況等をしっかりと把握できていないケースも多いので、お子様の意思の確認は10歳以上を一つの目安として確認することが多いと思います。

 

3)【違法な連れ去りかどうかのポイント3】それまでの監護状況

 同居生活中の監護状況は、違法な連れ去りかどうかの判断にも影響を及ぼします。

 前述の通り、お子様が10歳以上の年齢の場合には、一般的にお子様の意思や別居時の様子についてお子様から直接話を聞くことができますが、お子様の年齢がまだ小さい場合には、お子様の意思確認をすることはあまり期待できません。

 そのため、一般的には、普段お子様の面倒を見てきた奥様がお子様と一緒に別居を開始したという場合には、「違法な連れ去り」とは評価されないケースが多いのが実情です。他方、普段お子様の面倒をほとんど見てこなかった旦那様がお子様と一緒に別居を開始したという場合には、「違法な連れ去り」のおそれがあると見られるケースが相対的に多いように感じます。

 

4)【違法な連れ去りかどうかのポイント4】無断別居イコール「違法な連れ去り」ではない。

 奥様がお子様と無断別居したケース、要するに事前に旦那様に何も別居等の相談をせずに別居を開始したケースでは、旦那様側では「違法な連れ去りだ」と声高に主張なさる方も多いのですが、無断別居と言うだけでは、直ちに違法な連れ去りとは言えないことが多いです。

 「違法な連れ去り」かどうかは、前述のポイント1からポイント3までを総合考慮して決定することが多いです。

 

(3)現在の監護状況

 現在の監護状況については、家庭裁判所調査官が家庭訪問を実施することになりますので、家庭訪問での様子次第ということになります。

 調査官が家庭訪問した際には、室内の様子やお子様の暮らし向き、お子様の様子や調査官と接したときの反応等を見ていくことになります。

 

(4)過去の児童虐待の有無・程度

 例えば、お子様に対して暴力を振るってきた過去があり、そのことでお子様が怪我をしたとか、心の傷を負ってしまったと言った程度に至っている場合には、明確な児童虐待がありますので、そのような親に監護権を認めることは不適切ということになります。

 そのため、極端な虐待があったような場合には、そのことも監護者指定に影響を及ぼします。

 ただ、暴言を吐くことがあったというケースですと、その内容にもよりますが、多少汚い言葉を使ったことがあったとしても、そのことのみで監護者として不適格とされるケースは少ないかと思います。

 

(5)お子様の意思

 お子様が15歳以上の場合、裁判所はお子様の意向を確認しなければならない義務があり、そこでお子様の意向が重視されることになります。

 また、15歳になっていなくとも10歳以上の場合には通常はお子様の意向を確認し、その意向が親権獲得に影響することが多いです。

 

(6)面会交流への姿勢

 一般的に裁判所は面会交流に積極姿勢です。と言いますのは、面会交流を通じて、お子様は両親の愛情を感じることで安心や自信を得られる、自分のルーツを知ることで人間関係の多様化を図れるといった利点があるからです。

 そのため、しっかりとした理由もなく面会交流を全面的に拒否するとか、理由があいまいであったり裏付けが不十分な場合には、そのことが監護者指定にあたって不利に働くこともあります。

 

 

3.まとめ


・監護者は以下の6個のポイントで決定することが多い。

1)監護実績

2)連れ去りの違法性

3)現在の監護状況

4)過去の児童虐待の有無・程度

5)子供の意思

6)面会交流への姿勢

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2020.02.03更新

弁護士秦 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 

 

1.子の監護者指定事件で想定している代表的なケースって?


 

 例えば、①普段お子様の面倒をほとんど見ていなかった旦那様が勝手にお子様と一緒に自宅を出てしまったとか、②逆に、DV夫から妻だけが追い出されてしまった(お子様を自宅に残さざるを得なかった)といったケースが代表的です。

 いずれにしましても、①ご夫婦が別居状態にある、しかも、②お子様が本来いるべき生活環境にいないケースで、そのような劣悪な環境からお子様を救出する手段が、監護者指定及び引渡の事件と言うことになります。

 

 

2.監護者指定は3つの事件をセットにすることが多い。


 

 前述のように、監護者指定は、劣悪な環境下にいるお子様を救出する手段として用いられることが多いため、以下の事件を3つセットで申し立てるのが通例です。

1)監護者指定

2)引渡し

3)保全処分

 

 以下それぞれについて概説します。

 1)は、夫婦共に親権を有する状態から、一方のみに監護権(お子様の身の回りの世話や教育方針等を決定する権利)を付与する手続です。

 ただ、監護者が決まっただけでは、相手が任意に引渡に応じないケースもあります。そのため、合法的にお子様をこちらに引き戻させるために、2)の「引渡し」も請求するのです。

 

 さらに、このようなケースは緊急性が高いものですから(このような状態を長期間放置するとお子様の身の安全が保障できないことになるため)、保全処分、要するに緊急措置として暫定的に仮の監護者を定めて欲しい、暫定的に仮の引渡をして欲しいという申請も出すのです。

 と言いますのは、本来の正式な審判は、慎重に審理しなければなりませんので、結論が出るまでに時間がかかってしまいます。ただ、時間がかかればかかるほどお子様は劣悪な環境での生活を余儀なくされると言うことになってしまいますので、至急暫定的にでもお子様を正常な生活環境に戻させる処分が「保全処分」なのです。

 

 

3.監護者指定事件における手続の特徴は?


 

(1)調停前置ではない。

 例えば、離婚する際には、いきなり離婚裁判を起こすことはできず、必ず事前に調停を起こしておく必要があります。このようにすぐに裁判と言った手続をすることができず、その前に調停を起こさなければ行かないことを「調停前置主義」と呼びます。

 家庭生活に関わる問題は、裁判官が強制するよりも、夫婦が話し合って解決することが望ましいという考え方から、離婚等には調停前置主義が採用されています。

 

 これに対して、監護者指定事件には、調停前置主義が適用されませんので、調停を経ずにいきなり審判を起こすことができます。

 監護者指定事件は、前述のように至急、劣悪な環境にあるお子様を救出する必要がありますので、調停手続きを経ることが要求されていない(調停前置主義が取られていない)のです。

 

(2)実際の手続の進行は?

 監護者指定事件の進行の特徴としましては、①迅速性、②第1回期日までにほぼ資料は出し切るべき、③調査官調査主体の手続であること、④調査報告書でほぼ結論が決まるといったことが言えるのではないかと思います。

 以下で詳しく説明していきます。

 

①迅速性

 前述の通り、子の監護者指定審判事件は通常監護者指定だけではなく、子の引渡及び保全処分もセットで申立がなされます。

 そして、保全処分は緊急措置としてお子様を暫定的に申立人のところに引き戻す手続と言うことになりますので、急ピッチで手続きが進められのが通例です(担当裁判部によっては多少スピード感が異なりますが)。

 即ち、監護者指定事件では、第1回期日に調査命令が発令されることが多く、その後の調査も急ピッチで進められることが多いです。

 

 一般的な審判事件ですと、いきなり調査官を付けるのではなく、調査発令の前までにお互いの資料整理等を何度か行うことが多いのですが、監護者指定事件では、第1回目から早速調査開始とすることが多いです。

 そして、調査を迅速に進めるため、調査官が複数名担当として付けられることが多いです。通常の審判手続ですと原則調査官は1名しか付けないのですが、急ピッチに事件を進めるため、調査官が複数名付けられるのです。

 調査官が複数名付けられることによって調査官の中でも作業の分担等を行うことができますので、手続の迅速化を図ることができるのです。

 

②第1回期日までにほぼ資料は出し切るべき

 前述の通り手続は急ピッチで進められますので、第1回期日までに資料等はほぼ全て出し切ってしまう必要があります。

 そのため、資料整理と裏付けの整理を急ピッチで進めることが非常に重要になります。

 特に、監護者指定事件では、これまでの監護状況が非常に重要なポイントになりますので、その裏付けとして保育園の連絡帳、母子手帳やお子様と撮影した写真等が客観的証拠として重視されやすいです。

 これらの証拠を準備しつつ、第1回期日までに陳述書も準備しなければなりませんので、忙しなく準備しなければならないことが多いです。

 

③調査官調査主体の手続である

 監護者指定事件において、ご夫婦は通常、過去のお子様との関わり方について、自身に有利なように主張を展開することが多いので、これまでの監護の状況については、調査官が裏付け資料等を見ながら慎重に判断していくことになります。

 調査官の調査は通常、①ご夫婦それぞれから提出された資料の検討、②ご夫婦双方との面接、③小学校や児童相談所等関係機関への訪問や問い合わせ、④自宅訪問の4部構成とすることが多いです(但し、通常は、①→②→③→④という順序で進行することが多いですが、事件によっては、順番が変わることも多いです)。

このようなお話しを致しますと、②の調査官との面接でしっかりと親としての活動をアピールしようと考える方も多いのですが、前述の通り、これまでのお子様との関わり方についてはどの程度の資料や証拠があるのかという点が非常に重要なポイントになりますので、上記①の資料提出の準備を怠ってはいけません。

 

④調査報告書でほぼ結論は決まる

 前述のような調査官の調査が完了しますと、調査官は調査報告書というものを作成します。要するに、実施した調査の概要を示すと共に、調査官として適切だと考える結論を報告書という形でまとめ上げるのです。

 この調査報告書は、実際に調査官のみでまとめ上げるのかというと、調査官が作成した叩き台に対して裁判官が意見を言うことの方が多いため、調査報告書には裁判官の意見が実質考慮されていることの方が多いです。

 そのため、調査報告書が出来上がりますと、実質的にそこで審判の結論は出てしまうことが多いです。

 このようなこともあって、裁判官は、審判廷において「裁判所の考え方は調査報告書の通りです」と発言することが多く、大半のケースでは調査報告書の内容通りの審判がおります。

 

 

4.まとめ


・監護者指定事件は、①ご夫婦が別居状態にある、しかも、②お子様が本来いるべき生活環境にいないケースで、そのような劣悪な環境からお子様を救出する手段として用いられることが多い。

・監護者指定事件は以下の3つの事件をセットで申し立てるのが通常である。

1)監護者指定

2)引渡し

3)保全処分

・監護者指定事件の特徴としては、①迅速性、②第1回期日までにほぼ資料は出し切るべき、③調査官調査主体の手続であること、④調査報告書でほぼ結論が決まるという点が特徴的である。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2020.01.20更新

 弁護士秦

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1.監護者指定事件は調停前置ではない。


 

 離婚について調べていると、手続のステップは、①協議→②調停→③裁判の3つ手続きを経るという記事を見かけることもあるのではないでしょうか。

 そして、離婚の場合、いきなり離婚裁判を起こすことはできず、必ず事前に調停を起こしておく必要があります(これを「調停前置主義」と呼びます)。

 

 これに対して、監護者指定事件には、調停前置主義が適用されませんので、調停を経ずにいきなり審判を起こすことができます。

 あまり聞き慣れない「審判」という手続がどのようなものなのか調停と比較しながら解説していきます。

 

 

2.審判と調停の違い


 

 審判と調停との間にはいくつもの違いがあるのですが、大きな違いとしては以下のような点が挙げられます。

①審判手続は審判を目指すものであるのに対して、調停は当事者間の合意を目指す。

②審判は原則法廷で行われますが、調停は調停室で行われます。

③審判には即時抗告という不服申立ができますが、成立した調停に対する不服申立はできません。

④審判は書類の提出をメインで行い、調停のような口頭での説明がメインではありません。

⑤審判では基本的に当事者本人が出席する必要がありませんが、調停では基本的に当事者本人が出席する必要があります。

 

 それぞれについて具体的に説明して行きます。

 

(1)審判手続は審判を目指す

 冒頭でも説明しましたとおり、審判手続は審判を得ることを目的としており、審判が言い渡されて、その内容が確定すると、不満のある当事者も審判の内容に従わざるを得なくなります(そのため、イメージとしては「判決」に近いです)。

 調停の場合には、相手の提案に納得が行かない場合には、納得いかない旨を述べれば調停は成立しませんので、相手の言い分を強要されることはありませんので、この点が審判と調停の一番大きな違いと言えます。

 

(2)審判は原則法廷で行われる

 調停は調停室という会議室のような部屋で行われるのですが、審判は原則として法廷(テレビドラマなどに出てくるのは通常この「法廷」になります)で行われます。

 但し、監護者指定事件においては、調査官調査が重要な役割を果たしますが、その際の調査官面接などは、会議室のような部屋で行われます。

 

(3)審判に対しては即時抗告という不服申立ができる

 審判手続の結論として審判が言い渡された場合でも、その審判内容に不満がある当事者は、即時抗告をして、その判決内容を争うことができます。

 これに対して、調停が成立した場合、後で気持ちが変わったとしても調停の内容を覆すことはできません(不服申立手段がありません)。

 なお、審判手続の中で当事者間の話し合いが上手くいった場合には、裁判官が審判手続きを調停手続に変更した上で、調停が成立することがありますが、この調停に対しても不服申立ができませんので、注意が必要です。

 

(4)審判では書類のやり取りが中心になる

 審判では、最終的には裁判官が審判を書くことになりますので、当事者の言い分が不正確にならないように、お互いの言い分は主張書面といった書面に書き起こして主張してゆくことになります。

 離婚調停の場合には、特に調停委員が希望する場合を除いて、言い分は調停室内で口頭にて述べられますので、この点も審判との違いになります。

 このように審判では本人の言い分が裁判官にきちんと届くように書面をまとめることが非常に重要になりますので、審判期日当日というよりも当日よりも前の主張書面の準備が重要になります。

 

 なお、監護者指定事件では、最終的には調査官の調査報告書が作成されますので、書面提出のみではなく、調査官面接や自宅訪問が実施され、その際の様子も重要なポイントになります。

 ただ、このような調査官調査に入る前に、しっかりとこちらの言い分を裁判官や調査官にぶつけ、必要な裏付け資料は全て提出しておくことが最重要になりますので、いずれにしましても、口頭のやり取りではなく、書類のやり取り、特に裏付けのやり取りが重要であるという点は調停との大きな違いです。

 

(5)審判には原則本人は出席しなくて良いし、通常は出席しない

 調停手続の場合、仮に弁護士が代理人に就いたとしても、本人が調停手続に出席する必要があります(弁護士も同席します)。

 これに対して、審判の場合、代理人が法廷に出席すれば良く、本人が出席する必要はありません。

 審判の場合、上記の通り、書類のやり取りが中心になりますので、期日当日本人に事実確認をする必要がなく、御本人に出席していただく必要はなくなるのです。

 

 

3.審判の具体的イメージは?


  

 審判というと、よくドラマでやる様な相手を証言台に立たせて尋問することをイメージする方も多いと思いますが、実際の審判は大きく異なります。

 監護者指定事件の大きなイメージとしては、①第1回期日までにお互いの言い分をほぼ言い尽くしてしまう→②調査官による調査の実施(調査官面接や自宅訪問、関係先訪問等が実施されます)→③調査報告書に基づく調停の勧告もしくは審判の言い渡しという流れになります。

  お互いの言い分の矛盾した点等については、調査官面接時に調査官が丁寧に事情を確認していきますので、通常証人尋問のような手続は実施しないことの方が多いです。 

 

 

 4.まとめ


・審判手続は調停と比較してみてみると分かりやすい。

・比較の結果の大きな相違点は以下のようなものである。

①審判手続は審判を目指すものであるのに対して、調停は当事者間の合意を目指す。

②審判は原則法廷で行われますが、調停は調停室で行われます。

③審判には即時抗告という不服申立ができますが、成立した調停に対する不服申立はできません。

④審判は書類の提出をメインで行い、調停のような口頭での説明がメインではありません。

⑤審判では基本的に当事者本人が出席する必要がありませんが、調停では基本的に当事者本人が出席する必要があります。

 

 

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2020.01.13更新

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1.そもそも「監護者」って何だ?


 

(1)監護権というワードは馴染みが薄い。

 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。

 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。

 

(2)親権の意味のおさらい

 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。

 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。

1)身上監護権

2)財産管理権

3)身分行為の代理権

 要するにこれらの権利をまとめて「親権」と呼んでいるということです。

 これらの3つの権利についてそれぞれ説明していくと以下の通りです。

 

 まず、身上監護権とは、お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。

 財産管理権とは、お子様の財産を管理についての代理権限を言います。馴染みがある例ですと、TSUTAYAなどでお子様だけでトレーディングカードやゲームソフトなどを売却しようとすると、親御さんの同意を得て下さいと言われると思いますが、これは、親権者に財産管理権があるため、お子様だけで高価な物品の処分等ができなくなっているのです。

 身分行為の代理権とは、例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等をイメージしてもらうと分かりやすいかと思います。

 

(3)要するに監護権って?

 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。

 監護権が問題となるのは、奥様がお子様を連れて別居を開始してしまったというように、ご夫婦が別居状態になっているときに、旦那様と奥様どちらがお子様を育てていくのが適切なのかということで争われるケースが大半です。

 

 

2.子の監護者指定って?


 

 夫婦が別居している場合、当然お子様はどちらか一方の家で暮らしていくことになります(頻繁な面会交流をしているケースもあるでしょうが、普段の寝起きをする場所としては通常夫婦どちらかの家と言うことになろうかと思います。)

 そして、このようなお子様の生活そのものに不満がない場合には、敢えて監護権者指定を申し立てる必要はありません。

 

 しかし、例えば、普段お子様の面倒をほとんど見ていなかった旦那様が勝手にお子様と一緒に自宅を出てしまったとか、逆に、DV夫から妻だけが追い出されてしまった(お子様を自宅に残さざるを得なかった)というように、現在のお子様の生活が子の福祉にかなっていないという状況に陥っているというケースもあります。

 これらのような場合には、お子様のために、現在の監護状況を脱し、お子様を本来あるべき生活環境に戻す必要があります。

 

 このようにして主たる目的としては、お子様を合法的に引き戻させるべく申立を行うのが子の監護者指定(+引渡)となります(このように通常はお子様の引渡をさせる必要がありますので、監護者指定と共に引渡も申し立てていくことになります)。

 

 

3.一般的に事件の数は3個になる


 

 前述の通り、現在もお子様の生活環境に問題があるので、そのお子様をこちらに戻させることを主目的として監護権者指定の申立は行われます。

 そして、通常、このような状況は早急に改善する必要があります。

 

 そのため、監護権者指定を申し立てる際には以下のように事件数は3個となることが多いです。

1)監護者指定

2)引渡し

3)保全処分

 

 1)は前述で説明したように、夫婦共に親権を有する状態から、一方のみに監護権を付与する手続です。

 ただ、監護者が決まっただけでは、相手が任意に引渡に応じないケースもあります。そのため、合法的にお子様をこちらに引き戻させるために、2)の「引渡し」も請求するのです。

 さらに、このようなケースは緊急性が高いものですから(このような状態を長期間放置するとお子様の身の安全が保障できないことになるため)、保全処分、要するに緊急措置として暫定的に仮の監護者を定めて欲しい、暫定的に仮の引渡をして欲しいという申請も出すのです。

 と言いますのは、本来の正式な審判は、慎重に審理しなければなりませんので、結論が出るまでに時間がかかってしまいます。ただ、時間がかかればかかるほどお子様は劣悪な環境での生活を余儀なくされると言うことになってしまいますので、至急暫定的にでもお子様を正常な生活環境に戻させる処分が「保全処分」なのです。

 

 

4.まとめ


・親権には、大きく分けて身上監護権、財産管理権、身分行為の代理権という3つの権利が含まれる。

・監護者指定とは、そのうちの「身上監護権」を夫婦のどちらか一方に与えるものである。

・監護者指定は、別居によりお子様が夫婦どちらか一方の生活だと劣悪な環境での生活になっているといったケースでお子様を救出する手段である。

・そのため、監護者指定は、①監護者指定、②子の引渡し、③保全処分という3つの事件が同時並行で進むことが多い。

 

 

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2019.12.23更新

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1.令和元年12月23日算定表改定発表


 

 報道もされていますのでご存じの方が多いと思いますが、最高裁判所の司法研修所が令和元年12月23日改定算定表を公表しました。詳しくは下記リンクの通りです。

>>改定算定表<<

 

 婚姻費用と養育費の決め方については、2003年に東京・大阪養育費等研究会が提案・発表した算定表が家庭裁判所にて広く活用されていました(但し、調停の手続の中では、ご夫婦がこの金額で双方納得すれば、合意が形成されますので、調停手続き上は「目安」という位置づけにはなりますが)

 このような算定表は、今から16年近く前に作られたものということもあって、その後の経済情勢の変化を反映していないという問題がありました。

 そのため、今回、経済情勢の変化等を踏まえ、改定が行われ、上記の通り公表されました(算定表の基礎となる計算式等には変更を加えず、各指数等を最新の統計結果等を踏まえた数字に変更したようです)。 

 

 

2.増額調停を起こすべきか否か


 

 先ほどのブログでは、算定表改定を受けた一般的な事項について考察しましたが、今回は、増額調停を起こすべきかどうかの検討項目等について解説していきます。なお、本ブログ記事は、弁護士秦の私見ですので、裁判所のオフィシャルの見解等では一切ございません。この点はご留意しながらご覧下さい。

(1)表の改定だけを理由にする増額調停は難しい。

この点は、改定表の説明にもありますとおり「本研究の発表は、養育費用の額を変更すべき事情変更には該当しない」とされていますので、表の変更それだけを理由とする改定は難しいと思われます。

 

(2)増額調停を申し立てるべきかの検討項目

 上記の通り、表の改定だけを理由とする増額要求は難しいと思いますので、どの様な事情があれば増額調停を申し立てた方がよいのか、検討項目をご説明していきます。

 具体的には、①お互いの収入変化、②お互いの家庭環境の変化、③先方が調停に出席するか否か、④これまでの面会交流の状況、⑤その他検討項目等を検討すべきかと思います。以下具体的に検討していきます。

 

①お互いの収入変化

 例えば、離婚の際にはこちらにもそれなりの収入があったけれども、事故等で収入が大きく減ってしまったとか、相手が昇進して収入が大きく上がったといったケースが想定されます。

 養育費等は、お互いの収入状況がもっとも大きな決定要因になることが多いので、収入状況に大きな変化が生じた場合には、新たに養育費増額調停等を申し立てる大きな要因になろうかと思います。

 ただ、相手の収入状況があらかじめ分かっていればよいのですが、分からない場合には、いざ調停を申し立てたところ、相手の収入が減ってしまっていて、減額されることになってしまうというケースもあり得ますので、相手の収入状況の見極めは慎重に行う必要があります。

 そして、このような収入変化がこれまでの養育費の金額を変更するだけの事情となるような場合には、今後は、改定後の算定表を目安として調停が進行していくものと思われます。

 

②お互いの家庭環境の変化

 例えば、先方が再婚し、新たに子供ができたことを前提に養育費を決めていたけれども、最近先方が離婚したとか、こちらが養育費等を請求するにあたって、有利な身分関係の変更があったようなケースを想定しています。

 お互い扶養すべき子や配偶者の増減がある場合には、養育費等の増減要因になることが多いので、新たに養育費増減調停を申し立てる大きな要因になろうかと思います。

 そして、このような家庭環境の変化がこれまでの養育費の金額を変更するだけの事情となるような場合には、今後は、改定後の算定表を目安として調停が進行していくものと思われます。

 

③相手が調停に出席するか否か

 相手が調停に出席するかどうかは、養育費等増額の直接の要因にはなりません。相手が欠席したからと言って、ペナルティとして養育費が増額されやすくなるとか、相手が誠実に調停に対応したからと言って増額が通りにくくなると言うことはありません。

 ただ、いざ増額調停を起こすとなると、相手が出席しないことには、調停手続は進まなくなってしまいます。

 そのため、調停を起こしたときに、先方が出席しそうかどうかという点は慎重に見極めておく必要があります。

 なお、先方が出席しない可能性が高いという場合には、当初から審判も視野に入れた上で、対応した方がよいケースもあると思います。

 

④面会交流の実施状況

 面会交流の実施状況は、養育費等増額の直接の要因にはなりません。これまで面会交流をほとんど実施していなかったとしても、そのことで養育費増額が認められにくくなると言うことはありませんし、面会交流をしっかり実施してきたからと言って増額が認められやすくなると言うこともありません。

 ただ、いざ増額調停を起こしますと、、「子供に会えてもいないのにお金だけ取られるのは納得行かない」という言い分が出ることが多く、ケースによっては元旦那様側から面会交流調停も一緒に取り扱ってほしいと言うこともあります。

 そのため、増額調停を起こす際には、このような面会交流の件も話題にあがる可能性が高いことは考慮に入れておく必要があります。

 

⑤その他検討項目

1)これまでの支払状況

 これまでの先方からの支払状況そのものは、養育費変更の直接の要因にはなりません(あまりに支払状況が悪いからペナルティとして増額しやすくなると言うことはありません)。

 ただ、先方があまりに養育費の支払いを滞納し続けているという場合には、先方にしっかりと養育費等を支払わせる意味で養育費支払いの調停を起こしたり、もしくは、上記①や②の状況も踏まえて増額調停を申し立てることも考え得るかと思います。

2)相手の資産状況等

 相手の資産状況等は、直接養育費増額の要因にはなりません(例えば、相手が相続で多額の土地を取得したとしても、そのことは、養育費増額の要因にはなりません)

 但し、相手が現在どこに勤めていて、どこに資産があるのかはある程度把握しておいた方が、今後の手続を円滑に進めることができます。

 この点では、来年改正民事執行法が施行され、相手の勤め先等を把握する制度が創設されましたが、相手の勤め先把握のためには、まずは、財産開示の手続きを取らなければならないなど、手続に時間がかかることも予想されますので、今後の円滑な進行のためには、事前に相手の勤め先等を把握しておいた方が望ましいと思われます。

 

3.増額調停を起こすタイミング


 

 

 前述の通り、算定表の改定そのもののみを理由とした改定は認められないと思われますので、まずは、増額の前提として相手の収入増加やこちらの収入減といった客観的な状況変化の有無を検討していくことが必要になろうかと思います。

 もちろん、算定表改定と言うことが報道でも大きく取り上げられていますので、そのことを踏まえて、このタイミングに敢えて増額調停を起こすと言うことも検討してよいかと思います(相手も特に増額を意識する時期という意味では調停を申し立てるよいタイミングと言えなくもありません)。

 ただ、繰り返しになりますが、一度養育費を決めている場合には、その後の状況変化の有無が増額できるかどうかに大きく影響しますので、ほとんど状況変化がないとか、相手の収入が減ってしまっているような場合には、むしろ減額されてしまうリスクもありますので、この点は十分注意する必要があります。

 

 また、お子様の進学先等をしっかりと相談し、学費の支払い割合等も議論したいという場合には、なるべく早めに調停を申し立てるなどして議論する場を設けた方がよいと思います(もちろん、調停ではなく、調停外での話し合いで議論できるようであれば、調停外で話し合いをした方が望ましいことは言うまでもありません)。

 

4.まとめ


・養育費等増額調停を起こすか否かの検討項目としては以下のようなものが考えられる。

 ①お互いの収入変化

 ②お互いの家庭環境の変化

 ③先方が調停に出席するか否か

 ④これまでの面会交流の状況

 ⑤その他検討項目

・増額調停申し立てのタイミングとしては、相手の収入状況等を把握してからの方が望ましい。

 

 

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2019.12.23更新

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1.令和元年12月23日算定表改定発表


 

 

 報道もされていますのでご存じの方が多いと思いますが、最高裁判所の司法研修所が令和元年12月23日改定算定表を公表しました。詳しくは下記リンクの通りです。

>>改定算定表<<

 

 婚姻費用と養育費の決め方については、2003年に東京・大阪養育費等研究会が提案・発表した算定表が家庭裁判所にて広く活用されていました(但し、調停の手続の中では、ご夫婦がこの金額で双方納得すれば、合意が形成されますので、調停手続き上は「目安」という位置づけにはなりますが)

 このような算定表は、今から16年近く前に作られたものということもあって、その後の経済情勢の変化を反映していないという問題がありました。

 そのため、今回、経済情勢の変化等を踏まえ、改定が行われ、上記の通り公表されました(算定表の基礎となる計算式等には変更を加えず、各指数等を最新の統計結果等を踏まえた数字に変更したようです)。 

 

 

2.改定を踏まえた今後の調停・審判の進行は?


 

 

 既に調停や審判が開始していて、手続の途中だという場合、これまでの調停や審判の進行が大きく影響すると思いますので、改定表がどの様な影響を与えるかはケースバイケースであり、個別の事例次第と言うことになろうかと思います。 

 そのため、以下では、一般的な考え方として、ケースに分けて、算定表改定がどの様に影響するかという視点からご説明します。なお、以下の説明はすべて弁護士秦の私見でして、裁判所のオフィシャルの見解等では一切ありません。この点ご留意しながらご覧下さい。

 

(1)【ケース1】これから調停を申し立てようとしているというケース

 別居を開始したけれども、旦那が生活費を払ってくれないので、これから婚姻費用分担調停を申し立てようと考えているとか、旦那が生活費を払ってくれているけれども、こちらの要求額よりも少額しか払ってもらえていないのでこれから婚姻費用分担調停を申し立てようと考えているといったケースを想定しています。

 このようなケースでは、第1回調停期日が開催されるのは、早くとも年明けになると思いますので、調停においては、改定算定表での数字を目安として調停が進んでいくことになります(もちろん、ご夫婦がともに算定表を使わずに金額を取り決めたいという希望を持っている場合には、ご夫婦の希望する方法で進行することになりますが)

 なお、このケースは「これから新たに婚姻費用や養育費を取り決めようというケース」を想定していますので、既に決まっている婚姻費用等を変更しようというケースについては、後述の「ケース3」をご覧下さい。

 

(2)【ケース2】既に婚姻費用分担調停の手続中の場合

 このようなケースですと、前述の通り、これまでの調停の進行が大きく影響しますので、これまでの調停経緯をふまえた進行が行われます。ただ、当職が多数抱える調停の実情を踏まえますと一般的な傾向は以下の通りではないかと思います。

 そもそも、当職が抱えている家事調停では、11月中旬以降の調停期日では、必ず調停委員より「12月23日に算定表の改定版が公表されますので、改定版の公表内容を見てから婚姻費用・養育費を決めるか、今の算定表を元に決めるか考えて下さい」と質問してきており、通常の奥様側は、改定内容を見てから決めたいという意見を述べますので、ほとんどのケースで改定後の表に基づく算定を希望しています。

 そのため、ご夫婦の一方が改定表による議論を希望する場合、基本的には改定表を目安として婚姻費用や養育費を決定することになります(もちろん、調停委員から上記のように質問されたときに、敢えてご夫婦双方が「改定前の表で決めて欲しい」という意見を述べた場合には、改定前の表で決めていくことになろうとは思いますが)

 

(3)【ケース3】ついこの前婚姻費用の額を取り決めたけれども、表の改定を受けて、金額の見直しを希望する場合

 例えば、半年前に婚姻費用の金額について「5万円」と正式に合意したのに、表が新しくなって、より多くの婚姻費用をもらえそうなので、改定を求めて調停を起こすというケースになります。

 

 この場合、当初の「5万円」の取り決め方に大きく影響するかと思いますので、ケース分けしてご説明します。

①旦那が5万円で足りるだろうと言うから、もらえないよりマシだと思って5万円で合意したケース

 このように、当初から算定表を目にもせずに、旦那側の言うなりに金額を決めている場合には、この「5万円」そのものが、旧算定表の数字よりも低い金額にとどまっているというケースもあります(要するに、例えば、今は5万円しかもらっていないけれども、旧算定表だと10万円もらえるはずだった、改定算定表だと11万円もらえるはずだ、というようなケースです)。

 そのような場合には、当初取り決めた婚姻費用の額が少額に過ぎますので、その改定を求める調停(正式には婚姻費用増額調停) を起こすことができ、奥様側が改定表での数字決定を希望する場合、改定表によって算出された数字を目安に調停が進んでいくと思います。

 

②旧算定表で算出した数字が5万円というケース

 例えば、半年前に弁護士同士で話し合いをして、旧算定表で算出される5万円ということで合意したという場合、今回の改定要求は、表の変更のみを理由とする改定要求と言うことになります。

 この点は、改定表の説明にもありますとおり「本研究の発表は、養育費用の額を変更すべき事情変更には該当しない」とされていますので、表の変更それだけを理由とする改定は難しいと思われます。

 但し、婚姻費用を取り決めてから随分期間が経過し、その後のお互いの収入が大きく変化しているようなケースでは、改定表に基づく変更が認められるケースも出てくるかと思います。

 

3.その他の影響等は?


 

 

(1)自動計算ソフトへの影響

 当職自身は、これまでも婚姻費用や養育費の計算は、算定表の基礎となる算定式によって手作業で計算しておりましたので、インターネット上でよく見かける「自動計算ソフト」を使用したことはないのですが、この計算ソフトは、一般の方では利用なさっている方も多いのではないかと思います。

 ただ、この計算ソフトは旧算定表を元に作成されているものが多いと思います(令和元年12月23日現在)。

 そのため、今後インターネット上の自動計算ソフトのご利用をお考えになる方は、そのソフトが令和元年12月23日算定表改定公表を踏まえた修正を行っているかを慎重に見極めた上で利用するようにして下さい(おそらく、自動計算ソフトの注意書きにて同ソフトの更改日等が記載されていると思いますので、そちらをご確認下さい)。

 

(2)日弁連公表の新算定表との関係

 今回の司法研修所での改定の報道を受け、多くの方からご質問を受けたのですが、日弁連が公表しております新算定表と、上記の司法研修所の改定表とは全くの別物です。

 おそらく、今後の実務におきましては、今回発表されました最高裁判所司法研修所の改定表が大半のケースで利用されていくことになると思いますので、日弁連の新算定表と混同等なさらないようご注意下さい。

 

(3)算定表では決められないケースでは?

 例えば、旦那の収入が年収2000万円を超えるケースとか、離婚に伴ってお子様が分属するケースでは、ストレートに算定表を利用することはできません。

 そのようなケースでは、算定表の元となる算定式によって正確な数字を計算していたのですが、今後もこのような算定式による計算を行っていくことになると思います。

 ただ、この算定式における各指数等の数字が算定表改定に伴って変更になっていますので、今後の算定式への当てはめ等は、弁護士等の専門家にご相談なさった方がよいと思います(但し、改定表の元となる司法研修所報告原文は書籍として令和元年12月末日頃発刊予定ですので、具体的な計算は年明け以降可能になると見込まれます)。

 

 

4.まとめ


 

・これから調停にて新たに婚姻費用等を決めようというケースでは、改定表を目安に調停が進んでいく可能性が高い。

・既に調停手続中・審判手続中という場合には、これまでの進行を踏まえて手続が進んでいくが、既に改定表に基づいて手続を進めたいと奥様側が希望している場合には基本的に改定表を目安に手続が進む可能性が高い。

・既に決まっている婚姻費用等を改定する調停を申し立てようという場合、従前の婚姻費用の決まり方等によって今後の手続の進行が異なる。

・インターネット上の自動計算ソフトは、今回の改定を盛り込んだ計算になっているかを慎重に見極めた上で使用する必要がある。

・日弁連公表の新算定表と今回の改定表とは全く別物なので注意が必要である。

・算定表で決められないケースでの具体的計算は弁護士に相談した方がよい。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2019.12.09更新

弁護士秦 

 こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、>>「モラハラの連鎖を断ち切る!!」モラハラ被害女性のための総合サイトはこちら<<になります。

 

 正直に申しますと、モラハラ・DV夫が激しく離婚に反対してくる場合、最終的には離婚訴訟を提起しなければならなくなりますので、離婚に漕ぎつくためにはそれなりの期間を要することになります。そのため、あなたの離婚問題が長期化するかは、夫側のキャラクターや心情に大きく左右されます。

 ただ、状況等に応じて、ある程度離婚の難易度がどの程度なのかについては類型化することができますので、一般的な傾向として解説していきます。

 

 

1.法律的な難易度


 

 民法770条には、法律上の離婚原因が明記されているのですが、法律上の離婚原因は浮気や暴力等かなり限定的です。

 離婚の手順として、協議離婚(離婚届を提出して離婚するケース)できるのであればよいのですが、それが難しい場合には調停離婚(裁判所の調停で離婚するケース)、最後には裁判離婚(裁判所の裁判で離婚するケース)が必要になります。

 

 ただ、裁判をすれば必ず離婚できるのかというと、そうではなく、民法770条の離婚原因の存在が要求されているのです。

 夫婦の問題は当人同士で話し合いをすることが望ましいとの考え方から、裁判所によって強制的に離婚ができる事情は限定されているのです。

 

 逆に言うと、この民法770条の離婚原因がある場合には、裁判をすれば離婚できると言うことになりますので、継続的にDVが行われたケースになりますと、法律的な難易度は「低い」ということになります。

 他方、DVがあったとしても軽微であったり、お互いが手を出し合ってしまったケース、こちら側が過度に挑発してしまったケース等では、それだけでは直ちに離婚原因とは言えないと評価されてしまうケースもあります。

 

 また、モラルハラスメントのみのケースですと、当該モラハラのみをもって離婚原因とすることは難しいケースが多いと言えます。その意味では、法律的な意味での離婚難易度は「高い」ということになります。

 

 

2.実際の難易度は?


 

 これまでの解説は、「離婚裁判をした場合に勝てるのか?」というお話しです。

 そもそも、離婚裁判をせずに解決できるのであれば、短期間で解決できることになりますし、裁判に要する手数もかからないため、それに越したことはありません。

 

 そのため、離婚難易度といった場合、どの程度離婚調停で話をまとめられるか(もちろん、協議離婚ができればより一層望ましい)というところにかかってきます。

 

(1)難易度が高くなる要素

 離婚難易度(離婚調停までで離婚できる難易度)を高める要素は様々な要素があるのですが、私が弁護士として事件を担当している際によく感じる項目として以下のようなものがあります。

①モラハラ・DV夫の独自の発想・こだわりが強い。

②同居中のモラハラ・DV行為が執拗であった。

③モラハラチェック項目の項目に多数該当する。

 これらのケースですと、一般的に離婚難易度は上がる傾向にあると思います。

 

 なお、上記の①については、モラハラ夫の特徴の一つとも言えるものなので、該当する夫も多いと思うのですが、その全てのケースで離婚難易度が上がるというより、「突拍子もないような発送・こだわりを持っている」というイメージで考えてもらえればと思います。

 また、②や③のケースですとモラハラ・DV夫は、自身の行為が問題行為だったという認識に薄いため、離婚に反発する人が多く、離婚難易度を上げる原因になります。

 

(2)特定の夫を対象にした対策

 上記のような事情があると一般的に離婚難易度が上がるのですが、特徴に応じた対策を取ることによって早期離婚につなげる方法もあります。

 

①金銭に細かい夫を相手にする場合

 このような夫を相手にする場合、早急に婚姻費用を請求して、相手に金銭的負担をさせるという方法が効果的なことが多いです。

 要するに、夫側に「離婚しない限り毎月毎月お金を取られる」という意識を持たせることで、早期離婚に結びつけるのです。

 

②外面を強く気にする相手の場合

 このような夫を相手にする場合、調停等裁判所の手続を避けたがる人も多いので、そのようなケースであれば、極力協議離婚で解決することを目指します。私が担当したケースでも、3か月ほどで協議離婚にこじつけることができたケースもあります。

 

 他にも夫の特徴に応じて対抗策はありますので、気になる方はお気軽にご相談下さい。

 

 

3.同居中夫の方から「もう離婚だ」と言われることが多かった。


 モラハラ夫が離婚というワードを使う場合、こちらに対する「脅し文句」として使っている場合も多いため、必ずしもすぐに離婚できるとは限りません。

 もちろん、このような場合、相手がすんなり離婚に応じてくれることもあるのですが、離婚には応じても、離婚の条件(親権・養育費や財産分与の負担等)について対立が激しく、手続に時間がかかってしまうというケースもあります。

 

 

4.まとめ


・法律的な離婚難易度は、継続的な暴力等があれば下がる。

・実際の難易度としては、①独自の発想が強い夫や、②モラハラ・DVが執拗であったケース、③モラハラチェック項目に多数該当するケースだと難易度は上がる傾向にある。

・夫の特徴によっては効果的な対策を取ることで早期離婚にこぎ着けるケースもある。

・同居中モラハラ・DV夫が「もう離婚だ」といっていたからと言って簡単に離婚できるとは限らない。

 

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