2020.08.17更新

弁護士秦 

こんにちは、東京・日本橋(神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。)の弁護士秦(はた)です。>「理不尽な離婚に対してNO!」旦那様側の夫婦関係総合サイトはこちら<になります。

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1.面会交流のトピックスの重み


 

 例えば、奥様が突如お子様を連れて別居を開始し、お子様と自由に会うこともできなくなったとした場合、あなたとしては今すぐにでもお子様の元気な姿を確認したいと思うかもしれません。

 このようにあなたにとってお子様のことが非常に大事だとしても、奥様が離婚の調停を起こしたようなケースでは、面会交流は離婚の一つの条件としてしか議論されなくなってしまいます。

 他方で、面会交流の議論にばかり時間を割いてしまうと離婚するかどうかという問題の議論が疎かになりかねません。

 そこで、今回は、あなたが離婚に応じても良いというケースと離婚には応じられないというケースで場合分けした上で、面会交流の問題への取り組み方について解説します。

 

 

2.離婚に応じる意向の場合


 

(1)まずは離婚に応じて良いか慎重に検討すること

 まず、離婚に応じるかどうかはあなたの人生にとっても大変大事な話題ですので、離婚に応じて良いかはじっくりと検討してみて下さい。

 このようにじっくり検討してみた結果、離婚に応じても良いという場合で、お子様と定期的にしっかりと会っていきたいという場合には、面会交流の問題については早急に議論の対象とした上で協議を行っていくべきです。

 

(2)こちらから面会交流の調停を起こす

 離婚の調停がスタートしても、まずは、奥様の生活費である婚姻費用の議論は避けられませんし、離婚に関係して親権や養育費、財産分与等の他の関連する問題の整理も必要になります。

 そのため、こちらが離婚に応じて良いとしても、すぐにお子様に会えるかどうかは別問題です。

 

 もちろん相手が当初から面会交流に応じる姿勢の場合には敢えて面会交流調停を申し立てるメリットは大きくないかもしれませんが、相手が拒否姿勢の場合には、早急に面会交流調停を起こすことを推奨しています。

 このように調停を起こすと、調停手続の中に「面会交流」という大きなテーマを打ち立てることができますので、今後の調停の流れに大きな影響を与えます。また、面会交流調停を起こすと、当初から調査官が調停手続に参加してくれることも多く、調査官が面会交流実現のために奥様を説得してくれることもあります。

 

(3)面会交流しなくて良いから養育費を払わないと言うことは難しい

 たまに私のところにご相談に来られる方の中には、「今後向こうにも新しい生活があるだろうから、子供とは会わなくて良いので、養育費も支払わない」とおっしゃる方もいます。

 しかし、例え離婚しても、父子関係がなくなるわけではありませんから、養育費を払う責任を免れることは難しいです。また、養育費の問題と面会交流の問題は別問題ですので、会わなくて良いから払わなくて良いと言うことにはなりません。

 

 

3.夫婦円満を目指す場合(離婚に応じない場合)


 

 夫婦円満を目指すケースでも、面会交流を強く希望する場合には、面会交流調停を起こすことを私は推奨しています。

 但し、夫婦円満を最終ゴールとする場合には一定の配慮が必要です。

 

(1)【配慮1】奥様を置き去りにしないこと

 お子様に会いたいという気持ちが逸ることは致し方ないと思いますが、そのことばかりを話題にしてしまいますと奥様が置き去りになってしまいます。そうしますと、当然、奥様からも、夫婦円満の真剣度を疑われることになってしまいます。

 そのため、まずは、奥様と子供達が自宅に戻ってきてもらうこと、元の生活に戻ってきてもらうことを強く希望していることをしっかりと伝え、奥様が今すぐ戻ることが難しいという場合には、まずお子様だけでも会わせて欲しいという伝え方をするのがベターです。

 要するに、夫婦円満を第一目標にしていると言うことを言葉でしっかりと調停委員や奥様に向けて表明しておくことが重要です。

 

(2)【配慮2】調停を起こす前に奥様側の意向・事情を確認しておく

 こちらから面会交流調停を起こす場合には、事前に奥様側の意向を確認した方が望ましいのは当然ですが、そのことに加え、仮に今会わせたくないという場合には、会わせたくない理由も合わせて確認しておくのがベターです。

 そもそも、先方が面会交流について拒否姿勢ではない場合、敢えてこちらから調停を起こす必要性は薄まりますし、また、いきなり調停を起こすと相手も反発してくる危険性もありますので、これらの確認をしておいた方が良いです。

 

(3)【配慮3】面会交流頻度

 ケースによっては毎週末面会交流するというケースもなくはないのですが、限られた例外的なケースです。一般的には面会交流頻度は月1回程度というのがオーソドックスですので、当初はこれ以上の頻回を求めない方が、相手の生活に配慮している姿勢を示すことができて良いことが多いです。

 もちろん、奥様によっては、お子様をこちらに預ける方が自由な時間ができて都合がよいと考える方もいますので、そのような場合には、出来る限り面会交流に応じた方が良いと言うこともあります。

 

 

4.まとめ


・離婚に応じるかどうかを問わず、離婚調停を申し立てられているケースではこちらも面会交流調停を起こした方が良いケースが多い。

・但し、夫婦円満を目指す場合には、以下の点に配慮した方が良い。

 1)夫婦円満が第一目標であることをしっかりと調停の場で示すこと

 2)事前に相手の意向をしっかりと確認すること

 3)あまり頻回を求めないこと

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2020.08.10更新

 弁護士秦

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1.法律上支払義務がある


 

 民法760条は、婚姻中の生活費の支払義務を明確に定めておりまして、これを婚姻費用分担と言ったりします。

 このように法律上は、明確に収入の多い方(通常は旦那様)に奥様の生活費を負担すべきと言うことが決めっています。

 

 

2.それでも心情的に生活費を支払いたくないんだが…


 

 このように法律上は婚姻費用の支払義務があると分かってはいても、生活費を支払うことに割り切れないと考える旦那様もいると思います。

 奥様が別居を開始する前に夫婦でしっかりとした話し合いがなされていればまだしも、しっかりとした話し合いがなされていないとすると、「勝手に出て行っておきながら生活費を要求してくるのには納得が行かない」とか「離婚を口にするなら、しっかりと自分の収入だけで暮らしていくだけの覚悟を持つべきだ」と考える方もいます。

 また、そもそも、こちらも離婚に応じるという姿勢の場合、お互いに離婚という結論が一致している以上、婚姻費用を支払う必要性を感じないという方もいると思います。

 

 

3.婚姻費用を支払わなくて良いという判例があると聞いたが?


 

 たまに私のところにご相談に来られる方の中には、「婚姻費用を支払わなくて良いと判断した判例があるようなので、私も婚姻費用は支払いたくありません」とおっしゃる方もいます。

 確かに、そのような判例もありますが、奥様が浮気をして家庭を棄てた上で、浮気相手と一緒に生活しているような極めて特殊なケースですので、特殊な事情がない限り、婚姻費用の支払義務を免れることはないと考えてもらった方が良いと思います。

 

 

4.現実問題払った方が良いのか


 

 結論から申しますと支払った方が良いです。

(1)離婚するケース

 まず、離婚するケースですが、婚姻費用を出し渋りますと、奥様側は、離婚した後の養育費の支払いを強く危惧することが多いです。

 そのため、今後の生活のことを考え、財産分与や慰謝料でまとまった金額を得ようとする傾向が強まり、離婚の条件でもめる要因になりかねません。

 そのため、婚姻費用を支払った方が円滑な離婚に結びつきやすいです。

 

(2)夫婦円満を希望するケース

 夫婦円満を希望する場合、婚姻費用を出し渋りますと、奥様側の態度をより一層硬化させかねないため、一定額を支払った方が良いでしょう。

 確かに、奥様側が勝手に出ていき、例えばお子様の面会交流も否定的という場合には、直ちに婚姻費用を支払うことに納得行かないというのも分からなくはないですが、相手との信頼関係を築いていかないと、夫婦円満の道は閉ざされてしまいますので、ある程度懐の広さを見せた方が良いケースが多いです。

 

 

5.いくら払うか


 

(1)(改定)算定表が一つの目安

 裁判所の実務で一般的に用いられている算定表が令和元年12月23日に改定されたことをご存じの方は多いと思いますが、今後の調停等での婚姻費用の支払いについては、この改定後の算定表を目安として話し合いをすることが主流になると強く見込まれます。

そのため改定表での数字が一つの交渉の目安になるとお考え下さい。

>>改定表はこちら<<

 

(2)実際の支払額は応相談

 このように改定表の数字が一つの目安であることは事実ですが、だからといって、その額を支払わなければならないと言うことではありません。

 相手の生活もあることなので、一切支払わないというのは対応方法として強硬すぎるとしても、手放しで満額を支払うことは慎重にしても良いと思います。

 即ち、例えば、相手が面会交流を強行に拒否姿勢であるとか交渉の糸口を探るためにも、満額は支払わないと言うことも考えられます。そのような場合には、例えば、①養育費の算定表の数字のみを支払うとか、②同居生活中に渡していた小遣いの金額のみ払うと言った方法も考えられます。

 ただ、このように現状満額の支払いを拒否したとしても、実際婚姻費用分担審判になった際には、満額の支払いを命じられる可能性が高いですし、未払分についての精算を求められることが多いと言うことには注意が必要です。

 

(3)口座引落分は差し引いて良い

 別居後も、あなたの口座から奥様の携帯電話代や保険料、お子様の給食費や習い事代等が引き続き自動引落になっている場合、それらの金額は、本来奥様の方で婚姻費用の中でやり繰りすべきお金になりますので、当該引落額は差し引いて問題ありません。

 

 

6.いつの分から支払うか


 相手もしっかりと生活費を要求したい場合には、早期に婚姻費用分担調停を申し立ててきますので、その申立月以降の分を支払うのが一つの目安と言えます。要するに、例えば、別居を開始したのが令和元年7月、婚姻費用分担調停を申し立てたのが令和元年8月、調停の書類がこちらに届いたのが令和元年9月だとすると、調停申立月である令和元年8月分以降の生活費を支払うと言うことになります。

 ただし、調停を申し立てる前に正式な書面等にて明確な数字を明記した上で婚姻費用の支払いを請求しているような場合には、その月の分から支払うべき場合もあります。

 

 

7.お子様の学費負担


 お子様の学費については、お子様が公立校に通っている場合には、婚姻費用の中に含まれていますので、別途負担の問題は基本的に発生しません。

 他方、私立校の学費については、通常婚姻費用でカバーされている額を超えていますので、別途負担の問題が生じます。

 一般的には、公立校でかかる学費分を差し引いた額について、お互いの収入額で按分計算することがオーソドックスですが、学費の支払いについては通常の月々の婚姻費用とは別途協議を行うことが多いです。

 なお、同居中から、お子様の私立校への進学に反対していたことが明確に証明できる場合には、学費負担をゼロとすべきケースもあります。

 

 

8.まとめ


・婚姻費用の支払いは法律上の義務である。

・無断別居などのケースでは納得しにくいのは分かるが、婚姻費用は支払った方が良い。

・支払額は(改定)算定表が目安になる。

・ただ、今後の調停の進行を見極めながら、一部支払いにとどめるケースもある。

・婚姻費用は調停申立時以降の分を支払うケースが多い。

・学費の負担については別途協議事項である。

 

 

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