2020.11.23更新

弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

今回コロナ離婚に関わる問題として解説していきますが、令和2年6月現在、当職の担当事件で直接コロナ離婚を扱っている事件はごく少数です。おそらく、今は、緊急事態宣言発令が解除したばかりで、外出を自粛しているという事情もあって、別居や離婚という大きなアクションを起こしていないからではないかと思います。
ただ、当職は長くモラハラ離婚をはじめとして様々な離婚のケースを取り扱ってまいりましたので、そのような経験から予測できるところを踏まえ、解説していく次第です。

 

 

1.家内が「コロナ離婚」という言葉を使い始めた



 最近、報道でもコロナ離婚というフレーズが使われる頻度も増えてきていますので、奥様が軽率にそのフレーズを使った可能性も十分にあります。
 ただ、奥様がその様な言葉を発し始めたときの対応を誤ってしまいますと、離婚に向かって大きく話が進み始めてしまうリスクがありますので、この点は十分に注意する必要があります。
 そこで、奥様がコロナ離婚というフレーズを使い始めた場合の対処方法について以下で解説していきます。

 




2.初期の段階の対応



 奥様がコロナ離婚という言葉を口にし始めた初期の段階では、通常の夫婦の間で生じるような多少の行き違い等の話の可能性もあり、そうであれば、奥様の話を聞くだけで奥様も気持ちが晴れるということもあると思います。

 ただ、奥様がこのように言い始めることには何らかの発端があるのが通常ですから、奥様の話をないがしろにすることは厳禁です。
 「在宅勤務で業務中なのが見て分からないのか」
 「こっちも家事を手伝っているのになんなんだ」
 「そんなことを言っている暇があったら、ちゃんと子供の面倒を見ろ」
 といった返答は避けた方が良いでしょう。

まずは、奥様がそのような話を始めたシチュエーションや状況、話しぶり等から、どこまで本気なのかといった点を推測してみたほうが良いと思います。

 また、奥様とのコミュニケーションが円滑に取れているケースで、奥様の言い分がもっともだという場合には、あなたも多少の範囲で改善等をする必要も出てくると思います。
 確かに、あなたとしては、コロナウイルスの関係で不仲になったのは一過性の問題なのに、納得できないという面もあると思いますが、感情的になってしまうことは得策ではありません。




3.家内が離婚を強く要求してきた



 これまで奥様が離婚と言った言葉を口にしてきたことはないのに、急に「別居したい」「別れたい」「離婚したい」といった言葉を口にし始めた場合、あなたもしっかりと対応していく必要があります。

(1)基本姿勢は、冷静にメリハリを付けて対応すること
 奥様がどのようにしてコロナ離婚などと言い始めたのかは分かりませんが、コロナの問題で強い閉塞感を感じている可能性もありますハラ被害者であるということで気持ちが盛り上がってしまっている場合があります。
 これに対して過剰に反応してしまいますと、夫婦関係はぎくしゃくしていき、いずれは離婚という方向に話が進んでしまいます。

 他方で、相手が理不尽な要求をしてきたのに、その全てに付き合ってもいられません。
 そこで、奥様からの離婚要求に対する基本的な姿勢は、「冷静にメリハリを付けて対応すること」ではないかと思います。あなたが奥様よりも一歩大人になって、冷静に対応するというのが夫婦円満の秘訣ではないかと思います。具体的には以下の通りになりますので、参考になさって下さい。



(2)まずは、奥様の言い分をしっかりと聞く
 奥様が離婚したいがために、事実と異なる話や事実を誇張した話をしてくることがあります。
 その様な場合、あなたとしてはすぐさま反論したくなると思いますが、すぐには反論せず、まずはしっかりと奥様の話を聞くようにして下さい。
 奥様の言い分が複数に上るような場合には、こちらもメモを取るなどした方が良いでしょう。

 何故、先に奥様に一通り話をさせるのかというと、後から奥様に以下のように言われることを防止するためです。
 ①夫が最初から喧嘩腰だったのでほとんど話をできなかった。
 ②少し話し始めた途端、夫が長々と言い訳を始めたので、「この人には何を言っても無駄」だと思って、話すのをやめた。
 ③こちらが真剣に相談しているのに、夫に怒鳴りつけられて、もう離婚するしかないと決断した

 もちろん、「奥様の話を一通り聞く」ということは、あなたが反論してはいけないと言うことでは決してありません。一通り聞いた後に、あなたの方で必要な反論をするようにして下さい。奥様が誤った認識を持っている場合には、しっかりと誤解を解く必要があります。但し、その際にもあまり感情的にならずに、冷静に話をするように努めて下さい。



(3)奥様が隠し録音をしているかもしれないということに注意
 最近はスマートフォンの性能が良いため、簡単にスマートフォンで夫婦間の会話を録音することができます。
 奥様が真剣に離婚を決意している場合には、あなたとの会話を録音している可能性もあります。

 そのため、録音されている可能性も考慮して以下の点には最低限注意して下さい。
 ①感情的になって話をしないこと(怒鳴ったり、大声を出すことは厳禁)
 ②相手が言う離婚理由を安易に認めないこと(後で、奥様から「あの時の会話で夫は認めていた」と揚げ足を取ってくる危険性があります)
 ③こちらが離婚に応じても良いというような発言は控えること



(4)あなたとしても非があるようなら、その点だけは改善する
 奥様の言い分のうち、虚偽や誇張に関しては、あまり真剣に取り合う必要もないと思いますが、事実としてあなたが反省すべき点があるようなら、時には謝罪し、時には改善していく必要もあると思います。
 奥様の方も、あなたが誠実に対応するようならば、離婚に突き進むのではなく、考え直す可能性もあるのではないでしょうか。



(5)改善が難しい点はその旨を伝える
 残念ながら、コロナウイルス感染拡大で、奥様が強い閉塞感を感じ、感情に走って、何でもかんでも直せと要求してくることも考えられます。

 そこで、あなたの仕事の関係上応じることが難しい事項等については、しっかりと「改善できない」と相手に伝える必要があります。
 なお、奥様からの要求が理不尽なもののため、ついあなたも感情的になってしまいそうですが、冷静になって落ち着いた口調で話をした方が良いと思います。



(6)奥様が離婚話に固執し冷静な話し合いができない場合
 奥様が感情的になって、離婚以外の選択肢がないような発言を繰り返す場合、夫婦2者間での話し合いには限界があるかもしれません。
 その様な場合には、奥様も冷静になって話ができるような身内の方や友人の方を間に入れる方法を検討してみて下さい。

 



4.夫婦なので「お互い様」が基本的な考え方



 夫婦関係には通常波がありますので、関係が非常に良好なときもあれば、多少険悪化してしまうときもあります。ただ、険悪化した原因が全てあなたにあるのかというと、通常は様々な経緯や状況・環境があってのことだと思います。
 特に現在はコロナウイルスの影響で、常にお子様がいる、夫婦が顔を合わせる機会が増える、旅行やレジャーに出かけることも難しいため家族で楽しむイベントを企画しにくいなど、夫婦関係・家族関係に悪影響を及ぼす環境が揃ってしまっています。
 そのため、お互いにギスギスしてしまうのも無理はないのですが、このことは夫婦どちらかの問題というよりも環境の問題という側面が強く、夫婦関係としては「お互い様」ということが多いと思います。

 ただ、あなたが一方的に悪者扱いされていることに対して感情的に対立してしまっては、円満な夫婦生活を送っていくことは難しくなります。
 そこで、前述のように、冷静にメリハリを付けて対応することが肝要かと思われます。

 



5.まとめ


・奥様が「コロナ離婚」と叫んでも、その時のシチュエーション等を考慮して対応する必要がある。
・奥様が強く離婚を切り出し始めたような場合には慎重な対応が必要になる。
・基本姿勢は、冷静にメリハリを付けて対応する姿勢が大事
・まずは、奥様の言い分をしっかりと聞くこと
・あなたに非がある部分は改善し、対応困難な点は対応できないとしっかりと伝えること
・冷静な話し合いが難しい場合には、身内や友人を間に入れることも検討する。




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投稿者: 弁護士秦真太郎

2020.11.09更新

弁護士秦
 こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。




1.まずは調停申立書を読み解くこと



 調停申立書は簡単に目を通しただけでは見落としてしまうような項目も複数ありますので、しっかりと読み解く必要があります。
 この調停申立書をしっかりと読み解くことが答弁書等作成の大前提になるからです。




2.まず何を裁判所に提出すればよいかを把握する



 裁判所から送られた書類には色々な書類が入っているため、整理する必要があるのですが、あなたが提出しなければいけないのは、①答弁書(夫婦関係調整)、②進行に関する照会回答書(相手方用)、③連絡先等の届出書の3つになります。



 それぞれの書類の意味合いについて概説しますと以下の通りになります。
 まず、答弁書は、奥様からの離婚調停申立に対してどのように考えるかを記載する書類になりまして、あなたが提出する書類の中で一番重要な書類になります。

 「進行に関する照会回答書」は、今後の調停事件の進め方について、あなたの意見を記載する書面になります。裁判所としては、あなたに裁判所に出席してもらわないことには調停を進められないわけですから、あなたが調停に出席できるか、出席できない場合、いつなら出席できるのか等について、あなたの意見を求めているのです。

 最後に「連絡先等の届出書」は、裁判所からの今後のあなたへの連絡方法を記入する書類になります。
 このように「進行に関する照会回答書」と「連絡先等の届出書」は、事務連絡文書ですので、そこまで重要な書類ではありません。ただ、裁判所としても事件の整理にあたって必要な書類ですので、必ず調停期日の1週間前までには提出するようにして下さい。




3.答弁書の書き方



(1)そもそも答弁書は出した方が良いのか
 たまに私が質問を受ける中には「調停の日に裁判所に行って話をすればいいから、こんなもの出す必要ありますか?」とか「相手は弁護士を付けているから素人が書面を書くと揚げ足を取られそうだから、出さない方が良いんじゃないですか?」とか、「そもそも、調停は家内の我が儘で始まったことなので、調停の日に行く必要はないし答弁書なんか出す必要もないですよね?」といった意見を聴くことがあります。

 ただ、弁護士としては「極力答弁書は提出した方が良いですよ」という返答になります。と言いますのは、答弁書を提出しないと、調停委員は、あなたがどのように考えているのかがさっぱり分からないということになってしまいますし、裁判所としては、1週間前までに答弁書を提出して欲しいと要請しているわけですから、答弁書を提出しないという行動は、「裁判所の要請には従えない」という誤ったメッセージを送ることになりかねません。当然調停委員の印象も悪くなってしまいます。

 なお、調停手続に一切欠席すると言う人もいるようですが、調停の席に着かないと、相手の言い分が分からなくなってしまいますし、奥様は蔑ろにされたと感じてしまいますので、得策とは思えません。
 いずれにせよ、答弁書を提出しないと言うことにはデメリットしかないので、必ず事前に裁判所に提出するようにして下さい。



(2)答弁書を書き始める前に
 あなたの人生にとって裁判所から書類が届くという事態は稀な経験だと思いますので、調停申立書を受け取った瞬間に、焦ってしまう、何も考えられなくなってしまうだとか、逆に奥様に対する怒りの感情を抑えられないと感じてしまうなど、冷静でいられなくなってしまうことは普通のことです。
 ただ、だからといって、そのときの感情にまかせて答弁書を記載しては絶対にいけません。
 答弁書は裁判所に提出する書類で、奥様側も目にする可能性が高い書類ですので、慎重に記載する必要があるのです。

 そして、離婚はあなたの人生にとって1回や2回しかない重要な出来事ですので、答弁書を書き始める前に、冷静になってじっくりと離婚した方が良いのか、復縁した方が良いのかを考えてみて下さい。
 そのときには奥様への愛情がどのくらい残っているのか、これまでの夫婦の接し方、家族行事の様子、お子様との関係性等に色々と考えを巡らせた上で、結論を出して下さい。
 そして、その結論が出てから、答弁書を書き始めて下さい。ただ、いつまでも結論が出ないからといって答弁書を裁判所に提出しないわけには行きませんので、どうしても結論が出ない場合でも答弁書は提出して下さい。その場合の書き方についても後述します。



(3)答弁書の書き方
 1)まずは、離婚するかどうかにチェックを入れる。
  離婚で構わないと考えるか、離婚したくないと考えるかについては慎重に検討してもらうとして、その結論が出た場合には、答弁書の最初の項目である「円満に調整してほしい」「離婚したい」「検討中」のいずれかのチェックボックスにチェックを入れる必要があります。
  なお、離婚するか迷っている場合には、絶対に「離婚したい」にチェックは入れないで下さい。たまに、家内がここまで強く離婚を求めてくるなら「仕方ないかな」と諦めてしまって、「離婚したい」にチェックしてしまう人もいるのですが、そうすると、調停手続は、離婚の条件を決めるだけの手続になってしまいます。
  迷っていて結論が出ていないという場合には、最低限「検討中」にチェックして下さい。

 2)意見覧の記載
 「円満に調整してほしい」「離婚したい」「検討中」のチェックボックスのすぐ下に「意見」の覧があります。1行だけしか記載できない仕様になっていますが、あなたの意見があれば記載して下さい。
 例えば、円満に調整してほしい場合「コロナウイルス感染拡大の影響で、私も在宅勤務になりましたが家内への配慮が足りなかったと思いますので、改善して円満な家庭を築いていきたいです」や「コロナの関係でギスギスしていましたので、当分はこのまま別居で構いませんが、コロナの問題が収まった後は一緒に生活していきたいと思います」といった形で簡潔に記載します。

 なお、調停委員に伝えたい項目が沢山ある場合には、答弁書に「別紙」を設けて、円満調整に向けての意見等を記載する方法や、答弁書とは別に陳述書を作成するといった方法もあります。ただ、あまり詳しい事情を記載してしまいますと、逆に奥様を刺激するという危険性もありますので、別紙を作成するにしても1,2ページ程度にとどめるべきでしょう。記載に当たりましては、長々とコロナの影響ばかりを記載してしまいますと、逆効果になりかねませんので(奥様はそれ以前から夫婦仲は良くなかったと言ってきそうなので)、その点には留意してください。

 3)円満に調整してほしい場合
  この場合、「(付随申立について)」と書かれている以降の(1)から(7)については特に記載せず、大きく斜線を引いてもらう形で結構です。
  親権や養育費等は、離婚することが決まった場合に決定する事項ですので、あなたが離婚を希望しないのに親権等について意見を述べるというのは行動として矛盾してしまいます。ですので、(1)から(7)の箇所には斜線を引いておくのです(なお、空欄で提出してしまうと、裁判所の方から「書き漏れですか?」という問い合わせが来てしまうことがありますので、斜線を引いておいた方が良いでしょう)

 4)こちらも離婚に応じる場合
  この場合、「(付随申立について)」と書かれている以降の(1)から(7)についてもしっかりと記載する必要があります。
  奥様がお子様を育てていくことに不安がある場合には、あなた自身が親権者になるという意見を出すべきかもしれませんし、お子様と会えていない場合には、面会交流についての意見等も述べる必要があります。

  ただ、考えなければいけない項目が多すぎて整理が付かないという場合には、「検討中」にチェックを入れて、とりあえずは調停の席で話を聞きながら考えると言うことでも良いと思います。
  一番大事なのは、離婚の条件もあなたの人生にとって非常に重要な事項ですので、安易に妥協せず、投げやりにもならず、今後あなたが後悔しない選択をすべきということです。

 5)離婚するかどうか「検討中」の場合
  この場合、円満に調整してほしいという気持ちの方が優勢の場合、現時点では「検討中」にチェックせず「円満に調整してほしい」にチェックを入れた方が良いと思います。
  「検討中」としてしまうと、「条件次第では離婚も考える」と読めてしまいますので、円満に調整してほしいという気持ちがどちらかというと強いという場合「円満に調整してほしい」にチェックした方が、あなたの心境により近い表現になるからです。

  逆に、離婚の気持ちの方が優勢という場合でも、離婚という決断を決めかねているという場合には、現時点では「検討中」と記載して下さい。
  先ほども説明しましたように、現時点で「離婚したい」にチェックしてしまいますと、調停の場では離婚の付随条件を決めていくという流れになってしまうからです。離婚の気持ちが優勢だとしても決めかねているという場合には「検討中」にチェックするのがあなたの心境により近い表現になると思います。

 6)「2 申立書の『申立ての理由』について」の覧
  まず、同居日と別居日は、離婚原因や財産分与にも絡む重要な日付ですので、奥様が記載してきた同居日と別居日の記載に誤りがないかしっかりと確認して下さい。
  皆さん離婚するかどうかや離婚の付随条件にばかり頭がいってしまい同居日と別居日については「だいたいこんなもんでしょ」と簡単に回答してしまうこともあるのですが、重要な日付ですのでしっかりと確認する必要があります。

  次に「申立の動機」に対する意見については、奥様の主張が事実無根だという場合には、簡潔にあなたの意見を記載して下さい。例えば、暴力を振るったことがないのに調停申立書に「暴力を振るう」とチェックされている場合には、そのような事実がないことを記載することになります。
  なお、あなたの希望として夫婦円満を希望する場合、あまり奥様の申立動機に対して詳しい反論をしてしまいますと、そのことが夫婦不和の原因にもなりかねませんので、いわゆる「書き過ぎ」には注意して下さい。

 7)「3 その他」の覧について
  ここには、これまで記載した中で記載しきれなかった事項について記載することになります。
  よくありますのは、夫婦として円満を希望しているけれども、お子様と面会できていないことだけは不満があるので、お子様との面会について協議させてほしいとか、お子様の登校や学業成績について心配しているので、確認したい、といった要望を記載することになります。



(4)「進行に関する照会回答書」の書き方
 1)「1 別紙期日通知書の期日に出席できますか」
  まず、期日通知書の日時に出席できるか、あなたの日程を確認して記入して下さい。
  なお、「第1回期日には出席した方が良いですか?」という質問をよく受けますが、あなたの方でも弁護士を立てる予定で、弁護士の都合がつかないような場合には、第1回期日は欠席にして下さい(弁護士だけ欠席で、あなた本人のみは出席ということは通常せず、あなたも弁護士も欠席することになります)。
  逆に、あなたの仕事の都合がつき、調停期日にはあなた自身でまずは対応してみたいと考えているような場合、第1回期日は出席するようにして下さい。

 2)「2 最初の期日に欠席する場合、その後の期日について希望曜日をお書き下さい」
  あなたが第1回期日に出席できる場合、この「2」は空欄のままで大丈夫です。
  あなたが第1回期日に出席できない場合には、なるべく沢山候補日を記入して下さい。なお、調停の時間は、午前中は午前10時(但し、相手方は10時30分集合の場合あり)から12時頃まで(延長の可能性あり)、午後は午後1時30分(但し、相手方は2時00分集合の場合あり)から3時30分頃まで(延長の可能性あり)になりますので、その時間帯を視野に、出席できる日付を複数記入して下さい。

 3)「調停での話合いは円滑に進められると思いますか」
  この覧は参考程度の記載項目ですので、あまり神経質にならずに記載してもらって大丈夫かと思います。
  なお、離婚するかどうかや、その付随条件で意見対立が激しいようであれば「進められないと思う」にチェックして下さい。
  奥様の言い分が今一はっきりしない場合には「分からない」にチェックする形で問題ありません。

 4)「4 申立人の暴力等がある場合には、記入して下さい」
  あなた自身が奥様から暴力を受けた経験がある場合には記入して下さい。夫婦喧嘩がヒートアップして多少お互いに手を出し合う形になったというような話であれば、とりたてて記載しなくてもよいと思います。
  この記載項目は、例えば妻側が凶器を持参してくる危険性等もあるという場合には、調停委員も身の安全を考えなければならないといった問題もありますし、あなた自身に危害が加わらないような配慮も検討しなければならないので、設けられている項目だからです。

 5)「5 裁判所に配慮を求めることがあれば、その内容をお書き下さい」
  これは、前述の「4」の延長なのですが、相手からの暴力を受ける危険性等がある場合に、集合時間を相手とずらすなどの配慮を求めるといった記載をします。



(5)「連絡先等の届出書」の書き方
 あなたが裁判所からの書類を受け取りたい場所と、電話番号を記載する書類になります。
 通常は「申立書記載の住所のとおり」にチェックを入れ、あなたの携帯電話番号を記入することになると思います。




4.まとめ



・答弁書を書き始める前に、まず調停申立書を読み解く必要がある。
・答弁書を書き始める前に、「あなたにとって」離婚した方が良いかをしっかりと考える必要がある。
・答弁書には、離婚で後悔しないと決断しきっている場合以外には「離婚したい」とは記載しない。
・離婚したい場合と夫婦円満を目指す場合とで答弁書の書き方は異なるので注意しながら記載する必要がある。
・「同居日」と「別居日」の覧は軽視されがちだが、重要な日付なのでしっかりと確認して記載する必要がある。
・調停期日の1週間前までに届くように、答弁書、「進行に関する照会回答書」、「連絡先等の届出書」を提出する必要がある。




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投稿者: 弁護士秦真太郎

2020.11.02更新

弁護士秦
 こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 



1.突如裁判所から離婚調停の書類が届いた。



 こちらとしては、一旦冷却期間を置いた上で、または、他の身内等を交えた上で今後の夫婦関係についてしっかりと議論しようと考えていたのに、無断で奥様が調停の申立をしており、裁判所から調停期日のお知らせが届いてしまうと大きなショックを受けることと思います。
 なかなか、奥様の調停申立という現実を受け入れられないという方も多いかもしれません。
 ただ、「過去こうしておけばよかった」と後悔ばかりをしていても、今後の夫婦関係にとってメリットは少ないと思いますので、まずは、奥様が申立をした調停申立書の内容を読み解く必要があります。




2.まずは、調停申立書を取り出す。



 裁判所から送られてきた書類は何枚もの紙が入っており理解しにくいかと思います。そこの中からまずは、調停申立書を取り出す必要があります。
 右上の方に「夫婦関係等調整調停申立書 事件名(離婚)」と書いてある書類が入っていると思いますが、それがいわゆる離婚調停申立書になります。奥様か、奥様が雇った弁護士の(赤い)判子が押されている書類が離婚調停申立書です。
参考までに、最高裁判所ホームページ上の調停申立書記載例等はこちらになりますので、必要に応じてご参照下さい(なお、こちらの最高裁のサイトは、離婚調停を申し立てる側からの記載方法の解説になりますので、ご留意下さい)。




3.離婚調停申立書を読み解く



 離婚調停申立書に記載されている情報は限られているのですが、そこから読み取ることができる情報はありますので、読み取れる情報は全て読み取っておく必要があります。以下では、離婚調停申立書を読み解く上でのチェックポイントについて解説します。

(1)奥様が弁護士を雇っているかどうかのチェック
 調停申立書を見れば、奥様が現時点で弁護士を雇っているのか雇っていないのかを知ることができます。
 調停申立書1頁目の右上の方に(赤い)判子が押されている箇所があると思うのですが、①その判子が奥様のものであれば、現時点で弁護士を雇っていない、②その判子が弁護士のものであれば、既に弁護士を雇っているということが分かります。
 相手が弁護士を雇っているという場合、こちらも弁護士を雇うことを考えた方が良いので、まず最初に確認しておきたい項目になります。



(2)申立人の住所欄
 奥様が自身の居場所をこちらに秘密にしているケースですと、調停申立書の申立人(奥様)の住所欄を見れば、奥様の居場所を探ることができると考える方も多いのですが、残念ながらほとんどの場合、現在の居場所を書いていることはありません(もちろん、こちらに奥様の居場所を明かしているケースでは、現住所を住所欄に記載することの方が多いです)。
 そのため、申立人住所欄を見ても、奥様の住所は分からないことが多いです。

 実際上の記載方法としては、夫婦が一緒に住んでいたときの自宅住所が記載されていることが多く、「虚偽記載」ではないかと思われる方もいると思いますが、裁判所の実務ではこのような便法が認められておりますので、この点を追求してもあまり効果がないのが実情と言えます。
 なお、申立人が希望すれば、申立書に現住所を記載しないという手法について、裁判所は特に綿密な審査等はせずに認める扱いですので、「妻の住所欄に現住所が書かれていない」イコール「裁判所が、妻の言い分をそのまま認めた」ということはありませんので、この点はご安心下さい。



(3)2頁目の「申立の趣旨」
 調停申立書の2頁目を開きますと、上から中央あたりまで縦線が一本伸びており、その右側に何箇所かチェックが入っていると思います。このチェック部分に書かれている項目が、奥様が調停の「議題」にしたいと考えている項目になります。合わせて、奥様のご意見もそこに書かれていますので、これを見れば、奥様の要望の概要をつかむことができます。

 以下詳しく各項目に対して解説していきます。
①離婚について
奥様は今回の調停で離婚を求めていますので、そのことに対してあなたがどのように返答するかについては慎重に検討する必要があります。
奥様が調停まで申し立てているので「諦めます」とおっしゃる方もいますが、離婚はあなたの人生にとっても1度や2度しかないような重要な事柄ですので、後で後悔しないよう離婚すべきかどうかは慎重に検討する必要があります。

なお、あなたが調停の席で一度でも「離婚も仕方ないと思います」と発言してしまうと、離婚することが前提で話がドンドン進んでいってしまいますので、この点の発言は慎重さが求められます。
また、あなたとして離婚に断固反対ということでしたら、調停の場では親権や養育費・財産分与の議論はしないというスタンスになります。親権や養育費・財産分与は、離婚する場合に決定すべき事項なのであって、離婚しない場合には決める必要がない項目になるからです。
お子様のことについて

②調停申立書の「申立の趣旨」「(1)」~「(3)」にはお子様のことが書かれています。
   奥様が親権獲得を希望しているのであれば、親権を獲得することを前提として、あなたに養育の支払いを求める内容になっていると思いますので、親権を奥様に渡してよいのか、養育費の金額は、あなたの収入から支払い可能な金額なのかどうか等について検討する必要があります。
   なお、養育費に関しては「相当額」の覧にチェックが入っている場合がありますが、これは、「裁判所の実務で一般的に用いられる算定表の数字で構わない」と言う意味になりますので、あなたの方でもインターネット等にて算定表の数字を確認して、支払い可能な数字なのかを確認してみて下さい。
   ちなみに、奥様側が積極的にお子様とあなたとの面会を希望していない場合には「(2)」の項目に何もチェックが入っていません。そのため、逆にあなたの希望としてお子様に会いたいという希望が強い場合には、調停の場などで強く面会交流を求めていくことになります。

③財産分与について
 財産分与とは、夫婦として同居生活を送っている間に蓄えた財産を折半するというものです。
 この点の奥様の要望は「申立の趣旨」の「(4)」に記入されます。ただ、この項目には「相当額」にチェックが入っていることが多いです。「相当額」の意味合いについては、通常「別居時の夫婦の財産を半分にして欲しい」という趣旨で用いられることが多いです。
 財産分与はお互いが財産状況を開示しないと正確な数字を算出できないため、「相当額」と記入することが多いのが実態です。

④慰謝料について
   慰謝料とは、夫婦として同居生活を送っている間に精神的苦痛を受けた場合、それを慰謝すべき金額として要求するものです。通常は、あなたが不倫をしたり、奥様に暴力を振るったような場合にのみ発生するものになります。
   この点の奥様の要望は「申立の趣旨」の「(5)」に記入されます。
   この慰謝料額については、500万円だとか1000万円だとかの高額の金額が記入されていることもありますが、奥様側が感情的に金額を記載しているというケースも多くありますので、そのような場合、こちらとしてすぐに金策に走らなければいけないと言うことはありません。

⑤年金分割について
   年金分割とは、離婚するまでの婚姻期間中の年金加入記録を折半するというもので、実務的には0.5で折半することが定着しておりますので、「申立書の趣旨」の「(6)」にも「0.5」の覧にチェックが入っていることが通例かと思います。

(4)2頁目の「申立の理由」
①上段について
 「申立の理由」の上段には「同居を始めた日」と「別居をした日」の覧があります。これらの日付は財産分与の判断等にあたって重要な日付になりますので、奥様の記入に間違いがないかしっかりと確認して下さい(こちらが離婚に応じないという場合、財産分与の議論に応じる必要はないのですが、こちらが答弁書を作成するにあたっても「同居を始めた日」と「別居をした日」に間違いがないかはいずれにせよ記入が不可欠になりますので、これらの日付が正確かはしっかりと確認しておく必要があります)。

②下段について
 ここに「申立ての動機」の動機がチェックされていますが、これらが「奥様が離婚したいと考えている理由」の部分になります。
 普段あまり聞き慣れないものとして「8 精神的に虐待する」という項目がありますが、これは、いわゆるモラハラ行為等を指しており、代表的なものは暴言や物を壊すといった行動になります。

 いずれにしましても、このチェック項目だけでは、奥様の不満の概要は分かっても、いつのどのような行動が問題になっているのかといった具体的内容が何も分かりません。なぜこのような簡単な記入に限定しているのかというと、あまり詳しい内容を記載してしまうと、夫婦間の感情的対立が激化する危険性がありますので、簡略な記載に限定しているのです。

 なお、この「離婚の動機」についてどこまでの検討を要するかは、あなたが①離婚でもよいのか、または、②復縁を目指すのかによって大きく異なってきます。あなたが離婚に応じてよいと考えているのでしたら、調停委員も離婚理由について突っ込んだ議論はあまりしてこないことが多いと思いますから、必ずしもしっかりとした検討は必要ないことの方が多いです。他方で、あなたが復縁を目指すのであれば、奥様が主張する離婚理由についてしっかりとした事情説明が必要になりますから、事前に十分検討しておく必要があります。

 ちなみに、コロナ離婚のケースでは、コロナウイルス感染拡大という異常事態の影響で夫婦仲が一時的に非常に険悪になってしまったというケースも多いとは思います。もちろん、そのことで、あなた自身「奥様に愛想が尽きた」ということなら別ですが、復縁を目指す場合には、奥様の訴えを軽視しない方が良いと思います。

 


4.まとめ



・調停申立書の1頁目の赤い判子が押されている箇所を見れば、奥様が弁護士を雇ったか雇っていないかが分かる。
・調停申立書2頁目の「申立の趣旨」を見ると、奥様が希望する離婚条件が分かる。
・調停申立書2頁目の「申立の動機」上段の同居開始時期と別居日は重要な日にちなのでしっかりと確認する必要がある。
・調停申立書2頁目の「申立の動機」下段に、奥様が離婚を希望する理由が書かれているが、抽象的なので、詳しい内容は調停期日まで分からない。

 



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弁護士 秦(はた) 真太郎
TEL03-3666-1838|9:30~18:00
東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

投稿者: 弁護士秦真太郎

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