2017.08.07更新

弁護士 秦 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、>モラハラ・DV情報盛りだくさんの総合サイトはこちら<になります。

 

1.DV被害時に110番通報をする場面


 

 あなた自身又はお子様が旦那から暴力を受けている場合、その様な暴力が続くと生命の危険に関わるという場合や暴力の内容が普段と大きく異なるなど身の危険を感じる場合に110番通報をすることが多いと思います。

 そうすると、DVの現場に警察官が足を踏み入れることになりますので、あなたやお子様の怪我の内容等によっては、警察から被害届を提出するか質問されることになります。

 

 あなたとしても咄嗟の判断として110番通報をしていますので、その場では判断が難しい場面も多いと思います。

 そこで、今回は、被害届を提出した場合にはどのようなメリット、デメリットがあるのかをまとめてみました。

 

 

2.【被害届を提出するメリット1】DV夫に反省させる


 

 特にDVを繰り返す旦那の場合には、あなたがいくら暴力に対して抗議しても聞き入れないことが多いと思います。また、旦那がDVを繰り返す場合、更なる暴力を怖れて、旦那に抗議すること自体が難しいと言うことも多いと思います。

 その様なことを考えると、被害届を提出すると、端的に、暴力を深刻な問題と捉えていることをDV旦那に伝えることができます。そのため、当面の抑止力になることは間違いないと思います。

 

 ただ、DVを繰り返しているケースですと、このことで旦那が改心して今後二度と暴力をふるわないというケースは極めて稀だと思います。そのため、「被害届を出せば、旦那も悔い改めて今後二度と暴力をふるわなくなるはずだ」と考えることは避けた方が良いと思います。

 

 

3.【被害届を提出するメリット2】DV夫を逮捕してもらい避難の準備を調える


 

 DVの被害が深刻な場合や繰り返されてきたという場合、被害届を提出することで警察がDV旦那を逮捕してくれる場合があります。

 その様な場合には、逮捕されている2日間程度の時間は避難のための時間を稼ぐことができます。

 

 さらに、DV旦那が勾留されることになれば、さらに10日ないし20日間はDV旦那が自宅に戻ってくる心配がありませんので、避難という意味では余裕ができます。

 

 

4.【被害届を提出するデメリット1】今後の生活費の問題


 

 前述の通り警察に被害届を提出しますと、その被害内容やこれまでのDVの内容を考慮して警察が積極的に逮捕してくれる場合があります。しかし、逮捕が勾留につながり、旦那が出勤できない状態が長引くと、その仕事を辞めなければならないという事態に発展しかねないリスクがあります。

 そうしますと、一家を支える収入を得られなくなる可能性が高まりますので、この点には留意する必要があります。

 

 

5.【被害届を提出するデメリット2】DV夫の逆恨み


 

 DV旦那は、自分の考え方が100%正しいと誤解している人が多いため、警察に対しては「すまないことをしたと思っています」「反省しています」といった言葉を発していても、いざ外に出ると「俺は逮捕されるようなことはしていない」ということを平気で言う人もいます。

 自分のしていることが過ちだと考えていないので、「些細なことで騒ぎ立てて警察まで呼ぶなどとはけしからん」とか「この暴力の発端を作ったのは誰だと思っているんだ」などと言い出すケースも往々にしてあります。

 

 そのため、DV旦那が警察に対して反省の意思を示していたとしても、安易に信用せず、逮捕・勾留後に釈放された旦那がその後、あなたに対して再度暴力をふるわないか、暴言を吐かないかという点については十分注意する必要があります。

 

 但し、「どうせ逆恨みされるなら警察を頼るのは止めよう」「自分さえ我慢すればよい話だ」という発想は絶対に持たないようにして下さい。むしろ、逆恨みされる危険性があるので、早めに旦那と縁を切ろう、離婚しようという発想の方が、正解のように思えます。

 

 

6.【被害届を提出するデメリット3】捜査に協力しなければならない負担


 

 警察に被害届を提出すると言うことは、旦那に対して刑事処罰を求めることになりますので、刑事処罰を受けさせるために、これまでの経緯やDV暴力時どのような暴力を受けたのかと言った点を事細かに警察に話さなければならなくなります。

 このような話の中には、あまり思い出したくなエピソードなどが含まれることも多く、このような話をすること自体が苦痛になるというケースもあります。

 

 

7.DV離婚の問題を数多く取り扱っている弁護士としての実感


 

 DVの案件を数多く取り扱っている立場からしますと、被害届は、速やかな避難の実施のために利用するのが一番効果的かと思います。

 

 これまでほとんどDV暴力をふるってこなかった旦那が突如暴力をふるったというケースですと、110番通報や警察から厳重注意してもらうという対応で十分お灸を据えるという効果は得られるのではないかと思います。(但し、今後このようなことが続かないかということについては、旦那の実家にも相談して、旦那の過去の行動等について確認しておく必要があると思います。結婚するときには知らなかったけれども、実家の両親に強く問い詰めると、旦那が不良グループに属していたことがあったとか、暴力団の知人が多いといった情報を得られることもあります)

 

 逆にこれまでDV暴力を繰り返してきたという場合には、被害届を提出して逮捕・勾留してもらったとしても、おそらく旦那が改心する可能性は低いと思います。そのため、早めに避難するという選択をした方が良いケースが多いように感じます。

 

 

8.まとめ


■被害届を提出することで、旦那が反省する場合もある(但し、何度もDVが繰り返されたケースだと基本的に期待薄だと考えた方がよい)

■被害届を提出して、旦那を逮捕・勾留してもらっている間に避難するというのが最も効果的な被害届の使い方とも言い得る。
■旦那が逮捕・勾留されると職を失うリスクがある。
■旦那が釈放された後に逆恨みしてくるリスクがある。
■被害届を提出するとあなた自身も事情を聴かれるため負担になる。

 

 

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