2020.05.27更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 

 

1.お子様のことを考えると、円満で協議するか離婚で協議するかは非常に悩みどころ


 お子様がいらっしゃらず、夫婦のみの話の場合、離婚になるであろうというケースでも、お子様のことを考えると、円満で協議したほうが良いかもしれないというケースは多くあります。
 特に、お子様のあなたへの愛着関係が強い場合には、お子様に不憫な思いをさせたくないと考えることはごく自然なことです。
 ただ、そのことで、あなたが奥様とのぎくしゃくした関係を今後も継続しなければならないのかという点にはしっかりと向き合う必要があります。
 最終的には、あなたにとって何が一番大切なのかをしっかりと見つめてもらい、その中で夫婦円満が良いのか離婚が良いのかを最終判断していくしかないと思います。

 


2.夫側での復縁の可能性


 詳しくは、これから解説していきますが、今回のケースでは無事夫婦円満という形で事件を終了させることが出来ました。
 しかし、実際に私が旦那様側で事件を担当するケースで、実際に夫婦円満で解決できたケースはほんの一握りというのが現実です。
 特に、私が担当するケースは、既に奥様の側が弁護士をつけて離婚調停の申し立てまでしてしまっているというケースが多いため、それだけ復縁の難易度は上がってしまっていることが多いです。
 そのため、以下の私の担当ケースも、ほんの一握りのケースとご理解の上、ご覧頂ければと思います。

 

 

3.私が担当した事件



ご依頼者様:40代後半の男性
相手方:40代後半の妻


お子様:中学生のご長女お一人
婚姻期間:20年ほど

現況:同居中
ご依頼内容:長女の反抗期もあって、妻と長女との喧嘩が絶えない。長女の言い分が正しいと思えるところは、妻にも言って聞かせているのだが、妻側は、私の対応が不公平だということで、攻撃の矛先がこちらに向くこともあって困っている。妻は離婚するかかなり悩んだようだが、弁護士を立てて夫婦円満調停を申し立ててきたので、円満に向けて話を進めるにあたり、助力をいただきたい。

 

 

4.ご依頼者様の意思確認


 ご依頼者様の方では夫婦円満で話を進めて欲しいというところは、決意が固まっている様子でしたが、奥様の方から調停が起こされている以上、夫婦として何等かのわだかまりが大きいことは間違いないと思いますので、どのようなところが夫婦の対立点になっているのかといった点を丁寧に確認しました。
 そのような確認作業の中では、夫婦の間、家庭の中での様々な問題があることが分かったので、そのことを踏まえても夫婦円満を希望しているのかを再度確認しました。
 すると、ご依頼者様の方では円満を希望したいと即答されましたので、円満の方針で調停に臨むことにしました。

 

 

5.第1回調停期日での調停委員からの意思確認


 調停が申し立てられている場合には、第1回調停期日の前までに答弁書を提出しておく必要がありますので、当方としましては、答弁書に手円満希望であることを明記して裁判所にも提出しておきました。
 このように事前に書面でご依頼者様の意向は裁判所に伝えていたのですが、第1回調停期日に臨みますと、調停委員からは「このようなご夫婦の問題はお互いの気持ちが同じ方向を向いていないと、話がうまく進まないものですから、まずは旦那さんの方の意向を確認させてください」ということを、ややもったいぶった言い方で伝えられました。


 要するに、本当に夫婦円満でいいのか、離婚ということでも構わないということを聞かれたわけです。
 これに対して、当方からは円満を希望する旨の話をしましたところ、調停委員も、夫婦がお互いに円満を希望するのであれば、円満に向けての話し合いをしようということになりました。

 

 

6.一番苦労したのは奥様側からの多種多様な要望を、穏便に返答していく作業


 今回の調停で一番苦労しましたのは、奥様側から多種多様な要望が投げかけられたことでした。
 特に、奥様側はこの時にこう言ったことを認めて欲しい、あの時にこういう行動を取ったことを認めたうえで、今後同様の行為をしないことを誓約して欲しいなどと多種多様な要望が噴出しました。


 こちらとしても、非がある部分はもちろん認めますが、その全部を調停条項に盛り込むと、調停条項が長大になってしまいますし、今後の夫婦関係が窮屈になることは明らかでした。
 調停委員もその点は理解してくれて、あまり細々と定めない方がお互いにとって良いという話はしてくれたのですが、奥様側からは、これが入れられないならあれを入れてくれという話が延々と続きました。


 このような細かな話は1回の調停期日の中では収まりきらず、期日間にも相手弁護士からいろいろと要望が寄せられました。
 これに対しては、あまり相手を刺激しないような返答に努めつつ、他方で、あまり相手の要望を受け入れ過ぎずという返答を繰り返しました。

 

 

7.この間も家族の関係は改善していった


 このように調停期日や弁護士間のやり取りをしていると、夫婦の関係も険悪化してしまうというケースも多いのですが、ご依頼者様のご家庭は、良好な関係に改善していきました。
 と言いますのも、奥様側が家庭ではなかなか面と向かってご依頼者様に対して不満を言いにくいけれども、調停の場でしっかりと不満を言うことが出来て、それでストレス発散している様子がありました。
 こちらは、奥様の不満をそのまま受け入れてはいないのですが、極力奥様を刺激しないように対応したことが功を奏したようです。

 

 

8.約8か月の調停を経て調停成立


 奥様からの要望がだんだんと収斂していったのですが、いざ調停条項にどのように書き込むのかという点で、どういう表現にするのが良いのかという点でも随分と調整を重ねました。
このようにして調整を繰り返し調停で約束した内容の概要は以下の通りです。
① 夫婦円満修復に努める旨の確認
② お互いにコミュニケーション促進に努める
③ お互いに嘘を言わない。
④ 長女の成績についてはお互いに認識を共有する。
⑤ 長女の教育方針については都度お互いに協議を行う。
⑥ お互いの資産状況の透明化
⑦ 奥様側に渡す月々の生活費の額の明示

 

 

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