2016.12.19更新

 

こんにちは、東京日本橋の弁護士秦(はた)です。

 

1.面会交流と親権はどのように関連するのか


 

 離婚調停などを進めている際、相手からの面会交流の要請に対して、これを一切拒否していると、調停委員から「特別な理由もなく面会交流を拒否することは親権獲得にあたって不利に働きますよ」などと言われることがあります。

 

 お子様の発達にあたっては、母性と父性両方に接する機会があった方が望ましいとされていますので、別居中でご夫婦のいずれかがお子様を育てているとしても、面会交流という方法で相手にもお子様に接する機会を与えた方がお子様のためになると言うことになります。そのため、調停委員が上記のような発言をすることがあるのです。

 問題は、面会交流を一切拒否することは親権獲得にあたってどの程度不利に働くのかという点です。

 

2.面会交流一切拒否が親権獲得にあたってどの程度不利に働くか


 

 率直に言いますと面会交流を一切拒否しているからといって、そのことだけで親権の獲得自体が難しくなるということはないと思われます。

 

 ただ、離婚後も一切お子様との面会交流を拒否する姿勢である場合には、親権獲得にあたっての考慮要素の一つとなることは否定できません。

 

3.まずは面会交流一切拒否の理由の整理が必要


 

 例えば旦那様が共同生活の中でお子様に対して度々暴力をふるっていたというような特別な事情がある場合で、お子様が旦那様に対して強い恐怖感を持っているような場合、お子様との面会交流を拒否したとしても、そのことには合理的な理由があるとされることもあり得ます。

 

 そのため、面会交流を拒否する場合には、具体的にどのような事情があって拒否を希望するのかをきちんと整理しておく必要があります。

 そうでないと、仮に離婚調停中の場合でも調停委員の理解を得ることは難しく、こちらの言い分が我が儘のように捉えられてしまう危険性があります。

 

 そして、面会交流を拒否する理由については、単にDV、暴言、モラハラ、奪取のおそれと言った抽象的なものにとどまらず、より具体的な事情を主張する必要があります。

 例えば、DVであれば、平成○年○月○日どこでお子様に対してどのような暴力をどの程度の時間ふるっていたのか、そのことで病院に行ったのか、警察や女性センターへの相談をしたのかと言った点をできる限り細かく特定し、その様な事情を思い出せるだけ挙げていく必要があります。

 

4.特別な事情がなければ面会交流を認めた方が手続はスムーズに進むことも多い


 

 上記のように面会交流拒否の理由をできる限り思い出していただき、それでも、面会交流を絶対に拒否するほどではない場合、逆に面会交流を認めた方が手続が早く進むことがあります。

 と言いますのは、離婚が成立する前ですらお子様との面会交流が実現しない場合、旦那様側は、離婚後はより一層お子様と会えなくなると心配されている方が多いので、面会交流を認めた方が旦那様の安心に繋がり、手続がスムーズになる可能性があるのです。

 

 また、調停手続中などに面会交流を実施した場合、毎回の面会交流の様子を調停委員に伝えるなどすれば、その際の問題点が洗い出され、離婚後の面会交流も安心して実施できるようになることもあります。

 

 さらに、面会交流が認められない場合、旦那様は養育費を出し渋るケースが非常に多いのですが、面会交流が認められるようになると養育費支払いのモチベーションを少なからず高める効果もあります。

 

5.想像するよりもトラブルは少ない


 

 面会交流一切拒否の理由として一番に挙げられるのは、旦那様によるお子様の連れ去りですが、調停の手続を利用している際に面会交流を認めるケースですと、トラブルが起きるケースは非常に少ないのが実情です。

 もちろんケースによりますし旦那様の性格にもよりますので、面会交流を最大限拒否すべきケースもあるでしょうが、実際に奥様が心配されるほどトラブルは起きていないと言うのが弁護士としての実感になります。

 

6.相手が面会交流の調停を起こしてきた場合は要検討


 

 こちらが面会交流一切拒否の姿勢を貫きますと、相手がお子様との面会交流を求めるという別の調停を起こしてくることがあります。

 

 この場合、通常は家庭裁判所調査官が調停手続に関わってくることが多いのですが、さらに調停が順調に進まない場合には、面会交流について審判手続に移行してしまうことがあります。

 面会交流について審判が言い渡されてしまいますと、裁判所の判断で面会交流を強制されることにもなりかねませんので、相手から面会交流の調停申立がなされた場合には、今後の対応について検討が必要になります。

 

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