2016.04.05更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

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1.旦那様は親権の獲得を希望する?希望しない?


 

離婚の問題を取り扱っておりますと、特に小さいお子様がいらっしゃる場合、ご夫婦のいずれが親権を取得するのか激しい争いに発展することもあります。それでは、旦那様は親権獲得を希望するのでしょうか?希望しないのでしょうか?

 

結局は、旦那様の人柄等にもよるのですが、私が離婚問題を解決していく中で感じたのは、両極端に分かれる傾向があるという点です。

つまり、徹底的に親権の獲得を強く主張してきて一切譲歩しない方と、逆に、それほど強く親権を主張して来ない方とで両極端に分かれることが多いように思われます。

 

正確な統計を取ってはおりませんが、最近は少子化の影響もあり、親権の獲得を強く希望される旦那様が増えてきているように見受けられます。

 

 

2.私が担当した事件           


 

・依頼者様 : 40代後半の女性(Wさんとします)

・ご依頼内容

 旦那様からの暴言がひどく一緒に生活して行くことができないので離婚したい、離婚するにあたっては確実に親権を取得したいというご依頼内容でした。

 

なお、この事件での相手方 : 30代後半の旦那様、お子様 : 保育園に通園する娘様お二人、婚姻期間 : 5年程度、家庭環境 : ご依頼時別居中でした。

 

 

3.私の弁護活動               


 

 

この事件は直接の暴力こそ無かったものの家具を壊すといった間接的暴力があり、暴言の内容も酷いものでしたので、DV事件に近いものとして、まずは、Wさんから詳しい間接的暴力や暴言の状況について聞き取りを行いました。

このような聞き取りを通じて、間接的暴力の頻度や内容を把握できました。

 

このような被害内容をお伺いすることは、Wさんにとっても思い出したくないことを思い出す作業にはなってしまいますが、この点を確認しませんと離婚事件の全容を把握することができません。また、被害実態を解明することでWさんと認識を共有することができ、一緒にこの離婚問題に取り組むにあたっての出発点になります。

 

このようなWさんからの事実確認の後、私の方から旦那様宛に離婚の希望と離婚条件を書き記した通知書を郵送で送りました。

 

すると、旦那様側も弁護士に依頼し、弁護士同士の話し合いになりました。

 

しかし、親権をどちらが取得するかという点で協議は暗礁に乗り上げ、旦那様側の弁護士より調停が起こされました。

 このようにして、議論の場は裁判所の調停手続に移りました。

 

 

4.相手の言い分              


 

 

 旦那様は、Wさんに対する間接的暴力や暴言を一切否定し、むしろ、暴言を放っていたのはWさんの方であるといった主張を展開しました。

 

 また、Wさんはほとんど家事もせず、旦那様が主体的に育児をしてきたといった主張もし、絶対に旦那様が親権を取得した方が子供のための幸せになるという主張を展開してきました。

 

 これに対しては、Wさんが暴言を放った事実がないこと、Wさんが育児を精力的に行ってきたことなどを積極的に反論しましたが、お互いの主張に客観的裏付けがない状況でした。

 

 

5.Wさんが親権者として適確な事情


 

 

 客観的な裏付けがないとは言っても、Wさんが親権者として適確であると言うことは調停委員に積極的にアピールして行く必要がありますから、これまでの娘様の生育歴や現在の生育状況、今後の育て方などについて積極的に主張しましたし、旦那様のこれまでの娘様への接し方に大きな問題があったこと、旦那様一人で娘様を育てて行くことなどできないことを事細かに主張しました

 

 もちろん、このような主張を展開するにあたっては、Wさんご本人から詳細なヒアリングをした上で、入念な準備を重ねました。

 

 

6.家庭裁判所調査官の調査を活用


 

 上記の通り、Wさんが親権者として適確な事情を事細かに主張しても、旦那様側は、こちらの主張に徹底抗戦の構えで、話は平行線をたどりました。

 ただ、調停当時、Wさんが娘様お二人と生活していたのですが、旦那様は、現在の娘様が劣悪な環境で生活しているのではないかと強く不安視していました。

 

 そこで、私は、Wさんに、家庭裁判所調査官による調査の利用をオススメし、了解を得られましたので、調停委員にも相談しました。

 

 調停委員は裁判官とも相談の上、家庭裁判所調査官による調査が実施されることになりました。

 

 この家庭裁判所調査官の調査というものは、家庭裁判所調査官がお子様の生活状況を直接確認し、現在の生活環境が適正かどうか調査するというものです。家庭裁判所調査官が直接Wさんのご自宅に訪問して、お子様とも直接話をしますので、実際のお子様の生活状況を客観的に把握できる機会とも言えます。

 

 このような調査を実施しますのは、現在娘様がWさんと順調に生活を送っており、旦那様が娘様を引き取るのが望ましくないという事実を家庭裁判所調査官の目ではっきりと確かめて欲しいと思ったからです。こうすることで、旦那様が親権を諦めることを期待して、調査を依頼しました。

 

 

7.家庭裁判所調査官の調査結果


 

 前述のような調査の結果、家庭裁判所調査官からは、Wさんのもとでの娘様の生育に問題がない旨の結果が示されました。

 

 このような結果を軸として、旦那様を積極的に説得してもらうよう調停委員に働きかけました。

 

 しかし、旦那様は意固地になっており、親権を諦めるような様子はありませんでした。

 

 そこで、旦那様側の弁護士が調停を不成立にしたい旨の意見を述べ、最終的に調停は不成立になって終了してしまいました。

 このように調停は不成立になってしまいましたが、Wさんからすれば、家庭裁判所調査官から、娘様の育て方に問題がない旨のお墨付きを得たことになりますから、今後の生活にあたっての自信にもなりました。

 

 

8.最終的には協議離婚成立


 

 前述の通り調停が上手く行きませんでしたので、旦那様側から離婚裁判が起こされるものと考えていましたが、結局は旦那様が親権を諦める形で協議離婚が成立しました

 

 調停が不成立で終了してから2か月後の解決でした。

 

 旦那様側の弁護士の話では、家庭裁判所調査官の調査結果がキチンと示されたため、旦那様も悩んだ末に協議離婚を受け入れることにした、というお話しでした。

 

 

9.調停での家庭裁判所調査官の調査の活用について


 

 今回の事件については、調停手続の中での家庭裁判所調査官の調査について、裁判官の理解もあったため、調査を実施することができました。

 しかし、現実の裁判所の運用を見ておりますと、調停手続内での家庭裁判所調査官の調査実施には消極的な裁判官の方が多いのが実情です。

 

 本来家庭裁判所調査官による調査は、離婚裁判で実施されることが多く、調停手続で実施することに躊躇いがあるようです。

 

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