2015.08.10更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

 

1.親権とは?


 

 ご夫婦が円満な婚姻生活を送っている間は、「親権」という言葉を意識することは少ないと思います。それが、夫婦生活に亀裂が生じ始め、離婚を意識するようになった時、ご夫婦のお子様をどちらが育てて行くのか、ということで、「親権」というものを意識し始めるのかと思います。

 

 では、このあまり聞き慣れない「親権」とはどのような権利なのでしょうか。

 

 多くの方は、(未成年の)「お子様を育てて行く権利」とお考えですが、親権の内容の半分のみ理解されているということになります。

 すなわち、親権とは、(未成年の)お子様を養育し育てて行くという意味の「身上監護権」と、お子様の財産を管理して行くという意味の「財産管理権」の2つの権利から構成されています。

 

 

2.親権をどちらが取得するか。


 

 ご夫婦が離婚する場合には、未成年のお子様の親権者をどちらかに決定したのかを離婚届に書かなければなりませんので、親権者を決定しないまま離婚するということはできません。

 

 そして、親権をご夫婦のどちらが取得されるかは、第1次的には、ご夫婦の話し合いで決めるものとされていますが、話し合いがうまく行かないことも多くあります。

 

 離婚の事件は、ご夫婦の話し合いがうまく行かない場合、いきなり裁判を起こすことができず、まずは、家庭裁判所に調停の申立をしなければなりません。この調停が上手くまとまればよいのですが、調停もまとまらず、裁判に発展することもあります。

 

 

3.親権の帰属につき最高裁判所まで争われたケース

 


 

・ご依頼者様 : 30代後半の女性(Fさんといいます)

 

・ご依頼内容 : 旦那様が家庭のことを一方的に決めてしまうので離婚したい、親権は必ず獲得したいとのご依頼内容でした。

 

なお、この裁判の相手 : 40代前半の旦那様、お子様 : 小学校に通う息子様のお一人、家庭環境 : ご依頼時別居中でした。

 

 

4.私の弁護活動        


 

 この事件は、奥様の強い希望もあって、ほとんど離婚協議をせずに、離婚調停を申し立てました。このように離婚協議をほとんど行わなかったのは、旦那様は独自の価値観を持っており、自分と違う意見には全く耳を貸さないという性格の持ち主だったからです。

 

 調停の席では、Fさんの着るものに至るまで旦那様が一方的に決めてしまっており、Fさんとしては結婚生活が窮屈で仕方なかったこと、このようながんじがらめの対人関係では、息子にとっても悪影響しかないと思い、もう旦那様とヨリを戻す意思は全くないので離婚したいということを強く打ち出しました。

 しかし、旦那様は、Fさんの言い分は事実無根で、誤解が解ければやり直せるので、ヨリを戻したいということで一歩も譲りませんでした。

 

結局、離婚するかしないかという点についてお互いの言い分が平行線でしたので、調停は不成立になり、この離婚の問題は裁判で争われることになりました。

 

5.裁判で相手は親権を強くクローズアップしてきた


 

上記の通り、離婚調停の席で、旦那様は「離婚したくない」の一点張りでしたので、親権をどのようにするのかについて十分な議論はなされませんでした。ただ、調停の席で旦那様が、Fさんの育児に問題があるのかどうかについて大きくクローズアップしてくることはありませんでしたので、私の目算としては、親権はあまり大きく争われない可能性もあるとも思っておりました。

 

しかし、離婚裁判では、旦那様側は、離婚したくないという主張を展開した他、仮に離婚するにしても、息子の親権は自分が取得するという形で争ってきました。裁判になって突如旦那様が「Fは息子に対して児童虐待をしていた」などと主張し始めましたので面食らってしまいました。

 

旦那様側が親権について一歩も譲らない姿勢でしたので、これまでの養育環境やご夫婦のお子様への接し方、現在のお子様の養育環境・生育環境、今後の育児の方針等々ご夫婦で激しい主張の応酬をしました。特に旦那様が言う様な児童虐待など存在しないことを丁寧に説明しました。

その後、家庭裁判所調査官によるお子様の生育環境等の調査も行われました。このようにして、第1審である家庭裁判所だけでも、2年以上の審理期間を経て、判決が言い渡されました。

 

 第1審の判決では、奥様の養育環境・生育環境は、お子様の福祉にかなっているということで、こちらの言い分が認められ、奥様が親権を取得するという判決を得られたのですが、相手方である旦那様が納得されずに、高等裁判所への控訴、その後は最高裁判所への上告までされました。

 

 なお、日本の裁判は三審制になっておりまして、1回判決が出ても、判決に不満がある当事者は、2回不服申立をすることができます。最初の判決に対する1回目の不服申立を、法律用語としては「控訴(こうそ)」と言い、この控訴審の判決に対する不服申立(2回目の不服申立)を、「上告」と言います。

 

 「上告」は、判決に憲法違反があるといったケースしか認められませんので、「控訴」よりも格段に要件が厳しいこともあって、離婚の事件で最高裁まで争われるケースは稀だと思います。

 

 最終的には、上告事件は上告の要件を満たしていないという結論で終了しましたので、結局、こちらの言い分が認められ、奥様が親権を取得することができましたが、最終解決までに4年半程度を要しました。

 

>>離婚事件を多数手がける弁護士秦真太郎への無料相談はこちら

 

関連記事

 


>>「一刻も早く離婚したい、、でも親権のことは慎重に考えて」

>>「親権者決定の3つのポイント」

>>「弁護士が取り扱う離婚問題の3つのステップ」

 

 

>>弁護士秦真太郎の離婚問題に関する情報はこちら

 

雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

TEL03-3666-1838|9:30~18:00

東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 

投稿者: 弁護士秦真太郎

2015.08.05更新

 

こんにちは、日本橋の弁護士秦(はた)です。

 

1.親権とは? 


 

 

 ご夫婦が円満な婚姻生活を送っている間は、「親権」という言葉を意識することは少ないと思います。それが、夫婦生活に亀裂が生じ始め、離婚を意識するようになった時、ご夫婦のお子様をどちらが育てて行くのか、ということで、「親権」というものを意識し始めるのかと思います。

 

 では、このあまり聞き慣れない「親権」とはどのような権利なのでしょうか。

 

 多くの方は、(未成年の)「お子様を育てて行く権利」とお考えですが、親権の内容の半分のみ理解されているということになります。

 

 すなわち、親権とは、(未成年の)お子様を養育し育てて行くという意味の「身上監護権」と、お子様の財産を管理して行くという意味の「財産管理権」の2つの権利から構成されています。

 

 

2.親権をどちらが取得するか。 


 

 

 ご夫婦が離婚する場合には、未成年のお子様の親権者をどちらかに決定したのかを離婚届に書かなければなりませんので、親権者を決定しないまま離婚するということはできません。

 

 そして、親権をご夫婦のどちらが取得されるかは、第1次的には、ご夫婦の話し合いで決めるものとされていますが、話し合いがうまく行かないことも多くあります。

 

 それでは、ご夫婦の言い分が対立した時、最終的にはどちらが親権を取得する可能性が高いのでしょうか。

 もちろん、ご夫婦のお子様へのこれまでの接し方や養育方法、経済的自立性等々様々な要素が絡みますので、個別の事情によりますが、一般的には奥様が親権を取得されるケースの方が多いのが現状です

 

 

3.父親が親権を取得したケース


 

・ご依頼者様 : 40代前半の男性(Gさんと言います)

・ご依頼内容 : 奥様の浮気をきっかけにして夫婦関係がうまく行かなくなり、奥様に対して慰謝料を請求したいというご要望とともに、浮気を繰り返す様な女性に子供達を引き取らせることはできないので、親権を取得したいとのご依頼でした。

 

なお、この事件の相手 : 40代前半の奥様、お子様 : 小学校に通う娘様と保育園に通う娘様の合計お二人、家庭環境 : ご依頼時別居中でした。

 

 

4.私の弁護活動         


 

 このケースでは、Gさんは調停や裁判と言った大がかりな手続きは踏みたくないので、できる限り協議離婚で解決したいと強く希望されていました。そして、弁護士をつけたことはGさんから奥様に直接お話しされたとのことでしたので、私の方から直接奥様にお電話を差し上げてお話をさせていただきました。

 このケースでは、奥様も浮気を全面的に認めていましたので、Gさんの方で浮気の証拠を集めるといった作業は必要なく、離婚についても争いはありませんでした。しかし、慰謝料の金額と、お子様の親権が激しく争われました。

 

5.奥様の言い分         

 


 

 

 このご家庭では、Gさんがお仕事をされており、日中お子様の面倒を見ることができないことから、奥様からは、Gさんが親権を取得するとお子様に目が届かなくなるということをしきりにおっしゃっていました。

 

 ただ、このケースでは、Gさんのお母様がこれまで同居して生活しており、お子様も、このお婆さまに懐いているという事情もあり、旦那様も休日は積極的にお子様の世話をしていたという事情がありましたので、それらの点を丁寧にご説明し、また、今回の離婚の発端が奥様の浮気にあることも強く主張させて頂きました

 

 さらに、旦那様が親権を取得しても、奥様が希望する場合には柔軟にお子様との面会交流を認める意向であることもお伝えしました。

 

 これに対して、奥様は、浮気については申し訳ないことをしたけれども、今後二度と同じ過ちを繰り返さないので、お子様の幸せを第一に考えて親権者を決めてほしいと言ってきました。奥様の話しぶりは、自分の言い分を強く主張してくるというよりも、Gさんに考え直してほしい、お願いしたいという論調でした。

 

 Gさんとも再度お話ししましたが、お子様の幸せを第1に考えるのであれば、簡単に浮気などするはずがない、そのことをきちんと反省しているのであれば、きちんと責任を取って早めに離婚問題を解決させて欲しいとのご意見でした。

 そのため、その旨を奥様にも直接お伝えしました。

 最終的には、Gさんの意思が固いことが分かったからでしょう、奥様もGさんが娘様お二人の親権を取得することに同意して下さり、協議離婚が成立しました。なお、平行して慰謝料の額についても交渉を続けておりましたが、この点もお互いの同意が得られました。

 

 お互いが合意した内容を離婚協議書にまとめ、双方が署名押印して、協議離婚が成立しました。

 

6.親権の取得が本格的な紛争になりそうな事件はお早めに弁護士にご相談下さい。


 

 

 ご夫婦のいずれが親権を取得するのかについては、色々な要素が絡まって決定しますので、一般の方には理解しにくいものがあります。

 

 また、ご夫婦の間で話し合って決定するのなら良いのですが、裁判に発展する可能性があるような場合には、特に慎重に対応して行く必要があります。

 このような親権紛争の問題になりそうな事件については早めに専門の弁護士にご相談下さい。

 

>>離婚問題を多数手がける弁護士秦真太郎への無料相談はこちら

 

関連記事

 


>>「一刻も早く離婚したい、、でも親権のことは慎重に考えて」

>>「親権者決定の3つのポイント」

>>「弁護士が取り扱う離婚問題の3つのステップ」

 

  

>>弁護士秦真太郎の離婚問題に関する情報はこちら

 

雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

TEL03-3666-1838|9:30~18:00

東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 

投稿者: 弁護士秦真太郎

2015.05.25更新

 

 こんにちは、日本橋の弁護士の秦です。

 

1.親権について争われる事件は増加傾向にある?


 

 相手の配偶者に愛想が尽きて離婚を決意したとき、お子さんがいらっしゃる場合には、親権を取得できるかどうかは重要な問題だと思います。弁護士を10年しておりますと、離婚については決心が付いていても、お子さんの親権を先方に渡すのだけは納得が行かないという話を伺うことも多くあります。最近は少子化の影響もあってか、親権について争われるケースが多くなってきている様にも思えます。

 

 私が今回ご紹介する事件も、親権の取得について激しく争われた離婚訴訟のケースになります。このケースでは、訴訟中に依頼者様(奥様)が突発的な記憶障害に襲われてしまい、お子様の養育に支障がないかが大きな問題となりました。

 

 

2.私が取り扱った実際の裁判


 

・ご依頼者様 : 30代後半の女性(Hさんと言います)

・ご依頼内容 : 旦那からのモラハラがひどいため、当人同士の話し合いでは解決できないので、離婚の交渉をお願いしたいというものでした。

 

なお、この事件の相手方:30代後半の旦那様、お子様:小学校低学年の男の子と6歳未満の女の子のお二人、婚姻期間:10年程度、ご依頼時の家庭状況:別居中でした。

 

 このケースでは、Hさんの代理人として、離婚の任意交渉、離婚調停の手続をしましたが、折り合いがつかず、離婚裁判にまで発展しました。夫婦間では養育費の額や財産分与についても激しく争われたのですが、最も大きく争われましたのは、お子様の親権でした。

 

 ご長男の親権については、当時より旦那様が養育していたこともあり、あまり大きく争われていませんでしたが、ご長女の親権が大きく争われました。そして、このケースは複雑な事情がありご長女が児童養護施設に入所しているまま離婚訴訟の手続が進みました。

 

 ご長女はHさんが親権者として養育して行くことを強く望んでいましたので、当初はHさんが親権取得に有利な方向で審理が進んでいたのですが、Hさんが突発的に重度の記憶障害に襲われてしまったため、主治医からも奥様の養育には疑問があるとの意見が提出されてしまい、家庭裁判所調査官による調査においても、奥様のご体調を考慮すると、現時点では旦那様を親権者とする他ないとの意見が出されてしまいました。

 

 ところで、家庭裁判所調査官は、お子様の養育状況等に関して調査する専門家に該当しますので、家庭裁判所調査官の意見は、裁判所の判決にそのまま反映されるのが一般的です。ですので、Hさんには、その旨と、家庭裁判所調査官から厳しい意見が出てしまった旨お話しはさせていただいていました。

 

 

3.この事件での勝訴の鍵        


 

 私は、この事件では、以下のような工夫をして、最終的には奥様を親権者とする判決の言い渡しを受けました。この判決に対しては、旦那様が猛反発して、控訴したのですが、控訴審でも第1審判決が維持されました。

 

①奥様の体調回復のため慎重に手続きを進めたこと

 奥様の記憶障害は、奥様の判断能力に影響を及ぼすほどの重度のものでしたので、奥様の保護者(成年後見人)を選任すべきではないかとの議論もありました。

 

 そこで、まずは、奥様の記憶障害の詳細な説明や保護者選任の手続に着手するなどしました。もちろん、むやむに審理を遅延させることは弁護士の活動として許されるものではありませんが、奥様の記憶障害の状況も踏まえ、適切な手続きを取るべく慎重に準備を重ね、平行して奥様のご体調の回復を待ちました

 結局、奥様のご体調が相当程度回復しましたので、保護者の選任には至りませんでした。

 

②調査官の調査報告書の誤りの指摘

 家庭裁判所調査官は確かにお子様の養育状況等について把握する専門家であることは間違いないのですが、調査時間が限定されていることもあり、調査報告書が必ずしも正確ではないことがあります。

 今回のケースでも不正確な記載が何点か見受けられましたので、その点は事細かにご指摘させていただきました。

 

③親族の協力のクローズアップ

 上記の通り、奥様が重度の記憶障害を負ってしまいましたので、奥様のお姉様やお母様といった方の緊密な支援が受けられることを強くクローズアップしました。この点は、どのように主張すればお姉様やお母様による万全の補助を受けられる状況にあるのかを工夫して主張しました。

 

担当児童福祉士とのきめ細かな連携

  ご長女は児童養護施設に入所しておりますので、ご長女の状況は担当児童福祉士が最も良く事情をご存じでしたので、頻繁に担当児童福祉士と連絡を取り、ご長女の状況を把握することに務め、良好な関係を築くようにしました。

 

 上記のような努力も奏功し、奥様の体調もかなり改善傾向に向かいましたので、最終的には奥様の方で親権を取得することができました。

 

 これまで、私は、家庭裁判所調査官による監護状況調査が入る事件を何度も経験したことがありましたので、その経験上、調査官の調査に事前に備えることができたことと、調査報告の内容に適切に対応できたことがこのような結論に結びついたものと思いました。

 

4.後日談              


 

 

 上記の通り、Hさんにとって不利な内容の家庭裁判所調査官報告書でしたので、Hさんは娘様の親権を取得できないのではないかとかなりご不安に思われていたようです。判決でHさんの親権が認められ、大変喜んでいました。

 その後、Hさんの体調は徐々に改善してゆき、娘様は児童養護施設を退所するにまで至りました。体調が回復してきたとはいっても、Hさんが一人で娘様と生活してゆくことには不安がありましたので、Hさんの親御様と同居して、娘様とも一緒に生活されているとのことです。

 

>>離婚問題を多数手がける弁護士秦真太郎への無料相談はこちら

 

関連記事

 


>>「一刻も早く離婚したい、、でも親権のことは慎重に考えて」

>>「親権者決定の3つのポイント」

>>「弁護士が取り扱う離婚問題の3つのステップ」

 

>>弁護士秦真太郎の離婚問題に関する情報はこちら

 

 

雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

TEL03-3666-1838|9:30~18:00

東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 

 

投稿者: 弁護士秦真太郎

弁護士 秦真太郎 -雨宮眞也法律事務所- 受付時間 9:30~18:00 定休日 土日・祝日 住所 東京都中央区日本橋兜町1-10日証館3階

  • top_img03.png
  • top_spimg03.png
  • ご質問・ご相談はこちらご質問・ご相談はこちら

※事前予約があれば平日夜間(22時まで)も対応可能です。

  • 初回相談無料 まずはお問い合わせください! 03-3666-1838 受付時間 9:30~18:00 予約時に秦(ハタ)をご指名ください 面談予約・ご質問はこちら
  • 法律相談が 初めての方へ

法律相談が 初めての方へ

  • 弁護士ブログ
  • Q&A
  • 実際の解決事例
  • お客様の声