2020.05.27更新

弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 

 

1.夫側に強い不満がある場合、円満で協議するか離婚で協議するかは非常に悩みどころ


 奥様の側で、私のところにご相談に来られる方は、離婚する決意を固めている方が大半です。
 ただ、ご相談の時点では、夫側に強い不満がありつつも、夫婦円満で話をする進めるべきか離婚で話を進めるべきか悩んでいらっしゃる方も相当数います。

 もちろん、その方の人生を左右しかねない話ですから、復縁を目指すか、離婚を目指すのかについて、私の方で決定することはできません。
 ただ、直接お話を聞きますと、お悩みになっている内容が本当に離婚すべき内容とまで言えるのかについてはアドバイスさせていただくことが出来ますので、そのようなアドバイスをすることは多いです。


 合わせて、あなたにとってご家庭の中で一番大事なのかを考え、その一番大切にしたいものとの兼ね合いで、円満と離婚どちらが良いかを時間をかけて選択してもらうことが多いです。

 

 

2.私が担当した事件


ご依頼者様:30代後半の女性

相手方:30代後半の夫

お子様:いらっしゃらない

婚姻期間:5年ほど

現況:ご依頼時別居中

ご依頼内容:男性不妊で不妊治療を受けてきたのに、夫側の理解が不十分である。夫側の兄弟や両親が何かを口を出してくるが、その中で侮辱されることも多い。ただ、夫との日常生活に大きな不満があるわけではないので、円満とすべきか離婚とすべきかで悩んでいる。

 

 

3.当初は離婚で臨むことに決定した


 ご依頼者様のお話を聞いておりますと、不妊治療の件では夫側に不満があるものの、ご依頼者様の最大の不満は、夫側の親族との関わりのように感じられました。
 そのため、まずは、夫側の親族と距離を置くことで円満方向での話し合いも可能なのではないかとアドバイスし、一旦はご依頼者様ご本人で夫側と話をしてみてもらいました。

 数週間後、夫と話をした結果として、夫の不妊治療への理解は進んだものの、この間も夫側親族が口を出してきて、そのことを夫が強く止めなかったことに不満があるとのことでした。


 また、ご依頼者様もこの間抑うつ症状が悪化してきているとのお話もありましたので、離婚で話を進めることにしました。
 なお、一般的に当初円満希望のところを離婚に変更することはできるものの、離婚希望を円満に変更することは通常難しい旨を伝え、ご依頼者様にも納得してもらったうえで、進めることにしました。

 

 

4.私の方から夫側へ通知


 今回は詳しい離婚条件の提示までは行わず、まずは離婚希望とその理由等を記載した内容証明郵便を発送することにしました。
 当面は、奥様も貴重品等の引き取りを優先したいと話をしていたこと、詳しい離婚条件を提示することで、相手を不用意に刺激したくないため、このような記載ぶりにしました。

 

 

5.荷物引き取り時の様子


 その後、ご依頼者様の荷物の引き取りの件などもあって、いったん自宅に戻りましたところ、夫側から親族との縁を切っても構わないので、戻ってきて欲しいとの話がありました。
 奥様の方は、夫側からここまでの話が出ることは今までなかったので正直かなり悩んでいる様子でした。

 そこで、私の方からは、「旦那さんがお身内と縁を切ると言っても法律上正式に縁を切ることはできないから、お身内が今後夫婦関係に口を出さないという誓約書のようなものの提出ができるか打診してみて、旦那さん側の覚悟のほどを見てみるのもよいのではないか?」と提案させていただきました。
 奥様側も数日検討したうえで、夫側の身内の誓約書が揃うようであれば円満に切り替えて話を進めたいということでした。

 

 

6.夫婦円満での合意


 無事、夫側から身内の署名押印した誓約書の提出がありましたので、円満方向で話を進めていくことにしました。
 夫側はこれまでの行いを真摯に反省したいということで、こちらが提示する条件をすべて受け入れる形で円満協議書が出来上がりました。
 円満協議書の概要は以下の通りです。
① 夫婦円満修復に努める旨の確認
② 妻側が別居を実行した経緯の確認と、それに対する夫側の謝罪表明
③ 不妊治療への理解を示す等の夫側の誓約事項
④ 妻側に渡す生活費の月々の額の明示

 円満合意書のサインにはご夫婦が揃ってお見えになり、仲良く揃ってお帰りになったのが印象的でした。

 

関連記事


>【弁護士秦の円満解決事例1◆夫側の事例◆】婚姻費用分担調停と並行して協議し、夫婦円満で決着したケース

>【弁護士秦の円満解決事例2◆夫側の事例◆】妻から申し立てられた夫婦円満調停で無事円満成立したケース

>【弁護士秦の円満解決事例3◆妻側の事例◆】妻側からの夫婦円満調停申し立て-一旦は諦めたものの最終的に夫婦円満で解決したケース

>【弁護士が解説】ケース別復縁難易度

>弁護士から見た夫婦立て直しの「秘訣」とは?

>夫婦円満調停ってなんだ?
 

 

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弁護士 秦(はた) 真太郎
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投稿者: 弁護士秦真太郎

2020.05.27更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 

 

1.夫に対して強い不満がある場合、円満で協議するか離婚で協議するかは非常に悩みどころ


 奥様の側で、私のところにご相談に来られる方は、離婚する決意を固めている方が大半です。
 ただ、ご相談の時点では、夫側に強い不満がありつつも、夫婦円満で話をする進めるべきか離婚で話を進めるべきか悩んでいらっしゃる方も相当数います。

 もちろん、その方の人生を左右しかねない話ですから、復縁を目指すか、離婚を目指すのかについて、私の方で決定することはできません。
 ただ、直接お話を聞きますと、お悩みになっている内容が本当に離婚すべき内容とまで言えるのかについてはアドバイスさせていただくことが出来ますので、そのようなアドバイスをすることは多いです。


 合わせて、あなたにとってご家庭の中で一番大事なのかを考え、その一番大切にしたいものとの兼ね合いで、円満と離婚どちらが良いかを時間をかけて選択してもらうことが多いです。

 

 

2.私が担当した事件


ご依頼者様:30代後半の女性

相手方:40代前半の夫

お子様:いらっしゃらない

婚姻期間:10年ほど

現況:別居中(夫側が勤め先の社員寮に住み始めてしまった)

ご依頼内容:夫の仕事が激務なのは頭では理解しているものの、あまりに夫婦としての時間が短じか過ぎるため、ここ2,3年前から不満を持ち始めていた。最近は、夫が仕事のストレスを家庭に持ってくるようになり、夫婦喧嘩が増えてしまっている。私としては夫への愛情がなくなったわけではないが、夫の方から「別れたほうが良いと感じている」といった話が出ており、どうすべきか悩んでいる。

 

 

3.間に入ってくれる適任者がいないかの検討


 ご依頼者様の方では、夫側と直接話をすると喧嘩になってしまい、結局は、夫側から「別れるしかない」という話しか出ない状況で困っているということでした。
 そのため、そのような場合には、私の方からは、身内の方でもよいので誰か間に入って話をしてくれる人物がいないかを検討してもらうことにしました。
 ただ、ご依頼者様の方で検討してもらいましたが、ご依頼者様のご両親も、夫側のご両親も実家が遠く、本件で顔を出してもらうことは難しい状況ということでした。
 そもそも、夫側は家庭の問題を身内を含めて家庭の外に話をすることを非常に嫌がる方ということで、誰かに間に入ってもらって話をしてもらうことは難しいということでした。

 

 

4.ご依頼者様の希望もあって調停を申し立てることにした


 そこで、私の方としては、私が弁護士として一度は旦那様と直接会って話をしてみたいということをご依頼者様にお伝えしました。
 ただ、ご依頼者様の方では、弁護士を雇ったと聞くと旦那様は逆上する可能性が高く、そうすると、夫婦円満の道が完全に閉ざされる恐れがあるので、調停を起こして欲しいと強く希望なさっていました。
 このように、ご依頼者様からの強い希望もありましたので、調停を申し立てることにしました。なお、調停を起こした際には、ご依頼者様が弁護士を立てたことは相手にも知られることはお伝えしたのですが、調停の手続きにのっとっていれば、相手も、下手なことはしないであろうという話でしたので、調停を進めることにしました。

 

 

5.離婚ではなく夫婦円満調停を申し立てた


 調停を起こすとなりますと、離婚という形で調停を申し立てるのか、夫婦円満で調停を申し立てるのかを予めしっかりと決定する必要があります。
 ご依頼者様の方でも、そこはかなり悩んでおり、夫側から別れたいと言われるようなら執着せずに別れてしまった方が良いのではないかという話もありました。


 ただ、ご依頼者様は、夫との愛情を失っているわけではないので、やはり夫婦円満で調停を申し立てて欲しいということでしたので、離婚ではなく夫婦円満調整の調停を申し立てました。
 なお、夫婦円満調停を申し立てる際には、調停委員によりますが、強く離婚を進めてくる調停委員も多いため、この点は予め了承してもらいたい旨は伝え、了承を得た上で、申立をしました。

 

 

6.調停期日2回目にして離婚やむなしとの意向伝達


 第1回調停期日においては、当方も夫婦円満の基本方針を維持しました。ただ、第1回調停期日において夫側は身勝手な言い分を並び立てており、ご依頼者様も、夫の身勝手さには付き合いきれないという表情を浮かべていました。
 ただ、ひとたび離婚と言ってしまいますと、離婚の方向で話が進んでしまいますので、夫婦円満を維持するか離婚にかじを切るかは第2回期日までに慎重に検討してきて欲しいということで、第1回期日では判断を保留にしておきました。


 結局、ご依頼者様の決断は第2回期日の1週間ほど前まで固まらなかったのですが、結論としては、①やはり第1は夫婦円満を目指したい、②但し、夫側がかなりの財産分与を支払ってくれるようであれば、その条件によっては離婚に応じてもよいという形で決断しました。
 第2回調停期日でも、調停委員に対して、そのように伝えましたところ、夫側は復縁は考えていないようで、財産分与の話を進めたいということでしたので、財産分与の対象財産の整理を進めていくことになりました。


 ただ、調停委員からは、夫側は口では、円満は考えていないということであったが、夫側から離婚裁判を起こすというように積極的に動く様子もないようで、多少真意が分からないという話もしていました。

 

 

7.財産分与の中での夫側の翻意


 財産分与を請求するにあたり、実は、当方では、相手の財産の所在はしっかりと事前に把握済みの状況でした。離婚の話になると、とかく夫側は自身の財産を隠そうとすることもありますので、事前にしっかりと把握しておいたのです。
 調停手続きの中で、こちらとしてしっかりと夫側の財産を把握している旨を伝え、その部分を一覧表に整理したうえで提示すると、夫側は調停委員に対して明らかに嫌な顔を浮かべたということでした。


 結局、夫側は離婚に当たってそんなにお金を払うくらいなら復縁の方向で話を進めて欲しいと言い始めました。
 このように夫側の優柔不断な様子が垣間見えたので、私の方からご依頼者様に対しては、このように相手が優柔不断だと今後の生活でも苦労が多いだろうということは伝えました。ただ、ご依頼者様としては、夫婦円満が第1希望だということは変わらないので、是非円満で調整して欲しいということでした。

 

 

8.夫婦円満で調停成立


 その後も夫婦円満のための条件作り等で話し合いを続け、最終的に夫婦円満にて調停成立にこぎつけることが出来ました。
 調停で約束した内容の概要は以下の通りです。
① 夫婦円満修復に努める旨の確認
② お互いに嘘を言わずコミュニケーション促進に努める
③ 夫婦共有の財産の処分は事前に相手と相談したうえで行う。
④ 妻側に渡す生活費の月々の額の明示
⑤ 妻側で④の生活費以上の支出を要する場合には、別途夫婦で協議を行う。

 

 

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2020.05.27更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 

 

1.お子様のことを考えると、円満で協議するか離婚で協議するかは非常に悩みどころ


 お子様がいらっしゃらず、夫婦のみの話の場合、離婚になるであろうというケースでも、お子様のことを考えると、円満で協議したほうが良いかもしれないというケースは多くあります。
 特に、お子様のあなたへの愛着関係が強い場合には、お子様に不憫な思いをさせたくないと考えることはごく自然なことです。
 ただ、そのことで、あなたが奥様とのぎくしゃくした関係を今後も継続しなければならないのかという点にはしっかりと向き合う必要があります。
 最終的には、あなたにとって何が一番大切なのかをしっかりと見つめてもらい、その中で夫婦円満が良いのか離婚が良いのかを最終判断していくしかないと思います。

 


2.夫側での復縁の可能性


 詳しくは、これから解説していきますが、今回のケースでは無事夫婦円満という形で事件を終了させることが出来ました。
 しかし、実際に私が旦那様側で事件を担当するケースで、実際に夫婦円満で解決できたケースはほんの一握りというのが現実です。
 特に、私が担当するケースは、既に奥様の側が弁護士をつけて離婚調停の申し立てまでしてしまっているというケースが多いため、それだけ復縁の難易度は上がってしまっていることが多いです。
 そのため、以下の私の担当ケースも、ほんの一握りのケースとご理解の上、ご覧頂ければと思います。

 

 

3.私が担当した事件



ご依頼者様:40代後半の男性
相手方:40代後半の妻


お子様:中学生のご長女お一人
婚姻期間:20年ほど

現況:同居中
ご依頼内容:長女の反抗期もあって、妻と長女との喧嘩が絶えない。長女の言い分が正しいと思えるところは、妻にも言って聞かせているのだが、妻側は、私の対応が不公平だということで、攻撃の矛先がこちらに向くこともあって困っている。妻は離婚するかかなり悩んだようだが、弁護士を立てて夫婦円満調停を申し立ててきたので、円満に向けて話を進めるにあたり、助力をいただきたい。

 

 

4.ご依頼者様の意思確認


 ご依頼者様の方では夫婦円満で話を進めて欲しいというところは、決意が固まっている様子でしたが、奥様の方から調停が起こされている以上、夫婦として何等かのわだかまりが大きいことは間違いないと思いますので、どのようなところが夫婦の対立点になっているのかといった点を丁寧に確認しました。
 そのような確認作業の中では、夫婦の間、家庭の中での様々な問題があることが分かったので、そのことを踏まえても夫婦円満を希望しているのかを再度確認しました。
 すると、ご依頼者様の方では円満を希望したいと即答されましたので、円満の方針で調停に臨むことにしました。

 

 

5.第1回調停期日での調停委員からの意思確認


 調停が申し立てられている場合には、第1回調停期日の前までに答弁書を提出しておく必要がありますので、当方としましては、答弁書に手円満希望であることを明記して裁判所にも提出しておきました。
 このように事前に書面でご依頼者様の意向は裁判所に伝えていたのですが、第1回調停期日に臨みますと、調停委員からは「このようなご夫婦の問題はお互いの気持ちが同じ方向を向いていないと、話がうまく進まないものですから、まずは旦那さんの方の意向を確認させてください」ということを、ややもったいぶった言い方で伝えられました。


 要するに、本当に夫婦円満でいいのか、離婚ということでも構わないということを聞かれたわけです。
 これに対して、当方からは円満を希望する旨の話をしましたところ、調停委員も、夫婦がお互いに円満を希望するのであれば、円満に向けての話し合いをしようということになりました。

 

 

6.一番苦労したのは奥様側からの多種多様な要望を、穏便に返答していく作業


 今回の調停で一番苦労しましたのは、奥様側から多種多様な要望が投げかけられたことでした。
 特に、奥様側はこの時にこう言ったことを認めて欲しい、あの時にこういう行動を取ったことを認めたうえで、今後同様の行為をしないことを誓約して欲しいなどと多種多様な要望が噴出しました。


 こちらとしても、非がある部分はもちろん認めますが、その全部を調停条項に盛り込むと、調停条項が長大になってしまいますし、今後の夫婦関係が窮屈になることは明らかでした。
 調停委員もその点は理解してくれて、あまり細々と定めない方がお互いにとって良いという話はしてくれたのですが、奥様側からは、これが入れられないならあれを入れてくれという話が延々と続きました。


 このような細かな話は1回の調停期日の中では収まりきらず、期日間にも相手弁護士からいろいろと要望が寄せられました。
 これに対しては、あまり相手を刺激しないような返答に努めつつ、他方で、あまり相手の要望を受け入れ過ぎずという返答を繰り返しました。

 

 

7.この間も家族の関係は改善していった


 このように調停期日や弁護士間のやり取りをしていると、夫婦の関係も険悪化してしまうというケースも多いのですが、ご依頼者様のご家庭は、良好な関係に改善していきました。
 と言いますのも、奥様側が家庭ではなかなか面と向かってご依頼者様に対して不満を言いにくいけれども、調停の場でしっかりと不満を言うことが出来て、それでストレス発散している様子がありました。
 こちらは、奥様の不満をそのまま受け入れてはいないのですが、極力奥様を刺激しないように対応したことが功を奏したようです。

 

 

8.約8か月の調停を経て調停成立


 奥様からの要望がだんだんと収斂していったのですが、いざ調停条項にどのように書き込むのかという点で、どういう表現にするのが良いのかという点でも随分と調整を重ねました。
このようにして調整を繰り返し調停で約束した内容の概要は以下の通りです。
① 夫婦円満修復に努める旨の確認
② お互いにコミュニケーション促進に努める
③ お互いに嘘を言わない。
④ 長女の成績についてはお互いに認識を共有する。
⑤ 長女の教育方針については都度お互いに協議を行う。
⑥ お互いの資産状況の透明化
⑦ 奥様側に渡す月々の生活費の額の明示

 

 

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こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 

 

1.お子様のことを考えると、円満で協議するか離婚で協議するかは非常に悩みどころ


 お子様がいらっしゃらず、夫婦のみの話の場合、離婚になるであろうというケースでも、お子様のことを考えると、円満で協議したほうが良いかもしれないというケースは多くあります。
 特に、お子様のあなたへの愛着関係が強い場合には、お子様に不憫な思いをさせたくないと考えることはごく自然なことです。
 ただ、そのことで、あなたが奥様とのぎくしゃくした関係を今後も継続しなければならないのかという点にはしっかりと向き合う必要があります。
 最終的には、あなたにとって何が一番大切なのかをしっかりと見つめてもらい、その中で夫婦円満が良いのか離婚が良いのかを最終判断していくしかないと思います。

 

 


2.夫側での復縁の可能性


 詳しくは、これから解説していきますが、今回のケースでは無事夫婦円満という形で事件を終了させることが出来ました。
 しかし、実際に私が旦那様側で事件を担当するケースで、実際に夫婦円満で解決できたケースはほんの一握りというのが現実です。
 特に、私が担当するケースは、既に奥様の側が弁護士をつけて離婚調停の申し立てまでしてしまっているというケースが多いため、それだけ復縁の難易度は上がってしまっていることが多いです。
 そのため、以下の私の担当ケースも、ほんの一握りのケースとご理解の上、ご覧頂ければと思います。

 


3.今回のケースの概要



ご依頼者様:40代後半の男性

相手方:40代前半の妻

お子様:小学校高学年のご長男お一人

婚姻期間:15年ほど

現況:別居中(奥様がお子様を連れて実家に無断別居してしまった)

ご依頼内容:長男との関係は良好で、中学受験に向けて熱心に受験指導も行ってきたつもりですが、どうしても、その中で長男を叱りつける場面が増えてしまっていました。私としては、理由があって叱っていたのですが、家内の方は、納得していない様子で、そのような言い方はやめるよう言われることも多くなっていました。つい先日妻が無断別居を始めてしまい、婚姻費用の調停を起こすというので、どうすればよいか分からなくなって相談に来ました。

 

 

4.ご依頼者様の意思確認


 最愛の妻の無断別居に加え、裁判所から呼び出される立場になったということで、ご依頼者様はかなり憔悴している様子が見えました。
 そこで、このような状態では、現状冷静な判断はできないだろうからということで、少し気持ちを落ち着かせる期間を置いて、その後に離婚するか夫婦円満で話を進めるかを慎重に検討して欲しいという話をしました。


 ただ、少なくとも、先方からは婚姻費用の調停が起こされている以上、これに対しては真摯に回答しておいた方が良いということで、算定表で定める程度の生活費は支払っていくという方向性で一致しました。

>>算定表はこちら

 

 

5.並行してカウンターで面会交流調停の申し立て



 今回のケースでは、ひとまず先方からは婚姻費用分担調停の申し立てしかなかったのですが、これでは、お子様との面会交流がいつ実現するか未知数でしたので、面会交流の調停を起こしました。
 ただ、突如こちらから調停を起こすと、先方を刺激する危険性もありますので、事前に調停を起こす旨をアナウンスしたうえで、調停を起こしました。

 

 

6.相手弁護士へ奥様の意向確認


 当職の方から相手弁護士に電話連絡を入れ、奥様から夫婦関係についての調停申し立てがないが、どのように考えているのかの確認を行いました。
 すると、相手弁護士の口からは「奥様としてはすぐに離婚だと言ったつもりはないようです」という言葉が出ました。


 一見、この回答は喜ぶべき様にも見えますが、残念ながら、そうとは限りません。
 と言いますのは、奥様としては婚姻費用を取れるだけ取ったうえで離婚したいと考えている場合もあり、「今は離婚するつもりはない」ということが「今は離婚するつもりはないが、近い将来離婚することは確実である」ということを意味する可能性が捨てきれないからです。
 そのため、私からご依頼者様にも、上記の可能性も伝えた上で、今後どのように対応するかを慎重に検討して欲しい旨を伝えました。

 

 

7.当人同士の直接の話し合いの実現


 これは、ご依頼者様からの希望でもあったのですが、奥様と直接会って話をしたいということでした。
 当事者双方に弁護士が付いている場合には、ご夫婦が当人同士で話をすることは非常にハードルが高いのが実情です。そのため、私の方からご依頼者様にも事前にその旨は伝えたうえで、相手弁護士に打診をしてみました。


 当初は、相手弁護士もかなり難色を示していましたが、婚姻費用の話でもこちらがかなり積極的に支払いたい旨を伝えたことを好印象と考えたのか、第2回調停期日が終了した頃には、とりあえずお互いの弁護士同席のもとであれば直接会って話をすることでも構わないという話になりました。
 結局、弁護士同席の話し合いは30分ほどの短時間で終わったのですが、その後は、後述のアンガーマネジメントの受講後に、お互いのLINEのやり取りが少しずつ復活していくようになったのです。

 

 

8.決定打はアンガーマネジメントのクリニック受診を開始していたこと


 当方としては、多少ご長男を叱責したことは認めていましたが、DVなどの極端な対応をしたつもりもありませんでした。
 弁護士が同席した上での当人同士の話し合いの際にも、奥様側からはプログラム受講の話が出ましたが、こちらも即答は避けました。
 そこで、私の方からは、DV専門のプログラムではなく、アンガーマネジメント要するに感情コントロールのプログラム受講であればよいのではないかとアドバイスをし、ご依頼者様の方でも受講していくことにしました。


 ご依頼者様の方では、DV専門プログラムであると、DV加害者としてレッテルを張られるようで絶対に納得できないとおっしゃっていて、当初は、アンガーマネジメントについてもプライドが許さないというようなことをおっしゃっていました。
 ただ、お子様を含めた家族への取り組み方の一環としてどうだろうかという話をしましたところ、受講を決断なさいました。


 このことについては、奥様の方もかなり好印象に感じたようで、このことが上記の直接のLINE復活の大きなきっかけになりました。
 また、ご依頼者様の方も実際に受講してみると、社会人生活を送るに当たってのヒントになるような話も多いということでした。

 

 

9.最終的にオーソドックスな内容で婚姻費用と面会交流調停をまとめたうえで調停は終了


 最終的に、調停としては夫婦関係についての調停は起こさずに、婚姻費用については月々に支払う生活費の金額を定め、面会交流については月1回程度面会交流させるというシンプルな条項にしたうえで調停を成立させました。
 ご依頼者様もおっしゃっていたのですが、奥様の方も調停に足を運ぶということ自体が心理的負担になっている様子があるということでしたので、敢えて夫婦円満調停の申し立て等は控え、今後の夫婦関係についての条件等は定めずに調停を終了させることにしたのです。
 この点は、奥様の方から夫婦円満に向けての条件提示等もあるかと思ったのですが、ご依頼者様がアンガーマネジメントの受講を継続している限りは安心だと感じたのか、条件提示等はありませんでした。

 

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2020.04.22更新

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こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。

 

1.そもそも「監護者」って何だ?



 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。


 親権とひとくくりに申しましても、親権には①身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)だけではなく、②お子様の財産管理権、③身分行為の代理権も含むとされています。
わかりやすく言いますと、監護権は、このような①から③の権利のうち、①だけを切り出した権利ということになります。

 


2.私が担当した事件         



① ご依頼者様 : 30代前半の女性(Aさんとします。)

② ご依頼内容 : 旦那様からの暴言・暴力に耐えかねて実家に避難したのですが、突如、夫側が監護者指定事件を起こしたということで裁判所からの連絡が来てしまいましたので、どう対応してよいか分からず相談に来ました。娘を夫に渡すことは絶対にできませんので対応をお願いします。

③ 関係者の概要等
この事件の相手方 : 30代後半の旦那様
お子様 : 小学校低学年の娘様お一人
婚姻期間 : およそ10年
家庭環境 : ご依頼時別居中

④ モラハラ・DVの概要
モラハラ)ほぼ毎日の様にこちらを侮辱する様な暴言、こちらを見下すような暴言も多い、娘に対する叱りつけ方が異常である等々
DV)一度首を絞められたことがあるほか、小物等を投げつけられたことが何回かある。

 

以下では、この事件に対して私が行った弁護活動の内容を解説していきます。

 

 

3.監護者指定事件はスピード勝負


 

 今回のケースもそうですが、監護者指定事件では、一般的に保全処分も同時に申し立てられます。保全処分とは、要するに緊急措置として暫定的に仮の監護者を定めて欲しい、暫定的に仮の引渡をして欲しいという申請ということです。
このような保全処分がありますと、手続きは、いわば「緊急事案」としてかなりスピーディーに進められます。

 

 そのため、こちらも迅速に資料の準備を進めていく必要があります。
 今回のケースでも、お子様の小学校の連絡帳、母子手帳といった最低限の資料準備はもちろん、「子の監護に関する陳述書」の準備に取り掛かりました。

 

 

4.第1回審判期日に調査命令が発令され、調査官の調査が開始


 

 事前にしっかりとした資料等を提出しておりましたので、第1回審判期日では、裁判官からの追加質問等も少なく、円滑に調査命令の発令がなされました。
 調査命令の対象事項は、①現在の監護状況と②子の意向調査ということになりました。
 なお、保全処分の申し立てもなされていましたので、今回のケースでも、担当調査官は3名の調査官が指名され、調査官も作業分担をしながら調査を進めました。

 

 

5.調査スケジュール


 今回のケースでは以下のようなスケジュールで調査が行われました。

① まず、東京家庭裁判所において夫側が調査官との面接

② 次に、(①とは別日に)東京家庭裁判所において、こちら側が調査官と面接(当職も同席)

③ その後、家庭裁判所調査官が娘様の通う小学校を訪問し、小学校での様子等を確認

④ こちら側の家への家庭訪問実施

⑤ ご依頼者様において娘様を東京家庭裁判所に連れてきてもらって、娘様と調査官のみで面接実施

 

 

6.調査に当たっての準備


(1)調査官面接への対応
①こちらの監護実績についてのしっかりとしたアピール
 調査官面接の前は、特に夫側からの主張に目が行きがちで、それに対する反論ばかりに気を取られがちですが、反論に終始してしまうのは危険です。
 調査官は、事前に提出された「子の監護に関する陳述書」の内容が実態に沿うものであるかをしっかりと確認したがりますので、まずは、こちら側の監護実績に偽りがないという点をしっかりと強調するようにしました。

②次いで、夫側の主張への反論
 今回、夫側からは大きなポイントとして、①娘様は体が弱いので、元気にしているかが心配である、②こちら側(奥様側)が育児や家事で憔悴しており、十分娘様の世話をできているか心配が強いというところでしたので、これらの点を重点的に反論準備しました。
 今回の夫側からの主張は、同居中奥様に対して発生ていた発言とは大きく矛盾するものでしたので、ご夫婦のLINEのやり取りなどを積極的に証拠提出して、夫側の主張を封じるようにしておりました。
 調査官面接でも、これらの点をしっかりと説明し、調査官の理解を得るように努めました。

(2)家庭訪問への準備
 家庭訪問を言いますと、皆さま室内の掃除・片づけはしっかりとしてくださるのですが、調査官は、お子様の身だしなみや躾が行き届いているのかといった点もしっかりと見極めようとしますので、あらかじめ注意すべき点などを洗い出して、家庭訪問に備えました。

 

 

7.奥様側を監護者にすべきとする調査報告(こちらの全面勝利)


 事前に入念に準備した甲斐があって、調査報告書の結果は、こちら側が娘様の監護者として相当であるという意見が付されていました。
 これを受けて、裁判官は、夫側に対して、事件申立の取下げを示唆していましたが、夫側は取り下げませんでしたので、最終的にはこちらが勝訴の審判が下りました。

 

 

8.面会交流について


娘様の調査官面接の際、娘様が父親である相手方との面会交流を希望したというところもありましたので、こちらも第三者機関を通じての面会交流に応じることにしました。

 

 

9.離婚調停等について


 この事件は、監護者指定事件と並行して、こちらから離婚調停と婚姻費用分担調停を申し立てていましたが、調停は夫側が復縁を強く希望したため難航しました。
 ただ、婚姻費用を支払い続けることの負担が大きいと感じたのか、最終的には夫側も離婚に応じたため、調停で離婚を成立させることが出来ました。

 

 

10.弁護士選びの注意点


 

 弁護士によっては、離婚問題は取り扱ったことがあるけれども、監護者指定事件の経験はほとんどないという弁護士も相当数います。

 特に監護者指定事件は、事件特有の特殊性もありますので、弁護士に依頼なさる際には、監護者指定事件に精通している弁護士を探すようにしてください。

 

 

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弁護士 秦(はた) 真太郎
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投稿者: 弁護士秦真太郎

2018.05.22更新

 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。

 

1.私が担当した事件


①ご依頼者様: 40代前半男性(Yさんとします)

②依頼内容: 突如家内が弁護士を立てて離婚調停を起こしてきた様なので、こちらも弁護士をつけて対応したい。

 

③関係者概要等

相手方: 40代前半の奥様 、 お子様:成人した長男・高校生の次男・中学生の三男と中学生の長女の合計4名 、 婚姻期間: 約20年 、 依頼時の家庭環境: すでに別居中

④相手が主張してきたモラハラ概要

飲酒するとくどくどと愚痴を言ってくる、長女に対する叱責が度を超している、無職の期間があり経済的に困窮させられた等々

 

 

2.ご依頼時の状況


 

Yさんの奥様が弁護士を立てて離婚調停を起こしてきたので、1回目の期日は自分一人で出席した。しかし、相手が弁護士を立てているからなのか、調停委員が相手の肩ばかり持っている様子がある。離婚した後に後悔したくないので、こちらも弁護士を立ててしっかりと対応したいということでした。

既に調停期日の1回目は終了してしまっていましたので、私が調停期日に出席したのは2回目の期日以降と言うことになりました。

 

 

3.離婚に応じるかどうか


 

Yさんと話をしたところ、モラハラと言われる様なことはしていないつもりだが、飲酒の際に愚痴ってしまったことは事実であるし、長女にきつくし過ぎてしまったことも事実である。既に別居して1年が経つが、特に家内と一緒にいたいという気持ちもわき上がってこないので離婚の方向で構わないという話でした。

念のため私の方からは、お子様に対して離婚のことをどこまで話をしたのか、どのように受けとめているのか等を確認しましたところ、子供達に対しては既に離婚のことも話しており、しっかりと受けとめてくれていると言うことでした。

 

そのため、離婚については争わずに対応する方針に決まりました。

特にこのケースでは、別居の際には夫婦で冷静な話し合いが行われており、別居についての感情のしこり等はなかったため、Yさんも離婚について冷静に受けとめている様子でした。

 

 

4.争点は面会交流と財産分与


 

(1)面会交流について

 第1回調停期日において、Yさんが次男と三男の親権者となり、奥さんが長女の親権者となることは合意ができており、実際にも現在次男と三男はYさんが育てており、長女は奥さんが育てている状況でした。

 奥さんが二男・三男との面会交流を強く希望していたのですが、Yさんとしては、奥さんが面会の際に、Yさんを誹謗中傷する様な発言をしないのか、また、調停でのやりとりなど詳しい内容を話してしまわないのか等について悩んでいました。

 

 といいますのも、当初の奥さんの言う「モラハラ」というのも、実際のYさんの発言を随分誇張して主張されており、一緒に住んでいた際にも、むしろ奥さん側のYさんへの悪口の方が多かったと言うことでした。そのため、面会交流の際にもYさんの悪口等が出てくるのではないかと不安視していたのです。

このような面会交流の条件については、相手にも弁護士が就いていますので、私の方から書面にてしっかりと提案をし、相手と交渉を行いました。奥さん側は、悪口を言わないと言うことは当たり前のことなので、わざわざ約束する話ではない、こんな話を受けること自体心外であるということで抵抗していましたが、Yさんの方から聞いておりました具体的エピソードなども交えながら話をして、相手にも納得してもらいました。

 

(2)財産分与について

この事件では、ご夫婦の資産はあまりなかったのですが、お子さんの学費の支払いのためにお子さん名義の預金として貯蓄しているものが多くありました。奥さん側がお子さん名義の預金を隠そうとしたため、その所在の把握がまず問題になりました。また、Yさんが無職の際に、Yさんの父親から生活費の借り入れをしており、その金額を財産分与額から差し引くべきかどうかが問題になりました。

 

まず、奥さんが管理するお子さん名義の口座については、こちらの方でも銀行名等は把握しておりましたので、調停の席で開示させることに成功しました。

次に、Yさんの父親からの借入れ分に関しては、全額生活費に支払われたと証明することが難しかったため、その半額を財産分与に組み込むことで妥協しました。

 

 

5.調停の雰囲気


 

前述の様にYさんは、調停委員が相手の味方をしている様で不満があるとのことでしたが、私が調停の席に出席する様になってからは「随分調停委員の対応が良くなった」とのことで満足している様子でした。

実際私が出席した様子を見る限り、調停委員が一方的にこちらに話を向けてくることもなく、円滑に調停を進めることができたと思います。

 

 

6.約半年間の調停での決着


 

相手が調停を申し立ててきて半年が経過した頃に、離婚調停が成立しました。

Yさんは、調停を抱えながらだと、育児に集中できないと言うことを言っていましたので、しっかりと離婚できて、これからは子供達のために時間を使ってやりたいと話していました。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2018.05.21更新

 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。

 

1.私が担当した事件


①ご依頼者様: 50代前半男性(Dさんとします)

②依頼内容: 妻が突如別居を開始した上で、弁護士から離婚を要求する書類が届いたが、納得が行かないので、相手の弁護士と話をして欲しい。

③関係者概要等

相手方: 50代前半の奥様 、 子供: いらっしゃらない 、婚姻期間: 5年未満 、 家庭環境: ご依頼時別居中 

 

 

2.DV保護命令事件の概要


 

私が離婚問題の弁護士に就いてから2,3週間もしないうちに、裁判所からDV保護命令の呼出通知が届いてしまいました。

私がDさんから聞いていた話では、DVといわれる様な暴力をしたこともなく、今一離婚理由がはっきりしないという話でしたので、まさに寝耳に水という様な話でした。

 

この保護命令の申立は、客観的証拠としては写真(肩を強く掴まれたと言うことで少しアザができた写真)とLINE(Dさんから多少強迫めいた内容のコメントをしてしまっていました)のみでした。

このように客観的証拠が乏しいことや、相手が主張する事実で虚偽の事実については逐一丁寧に反論をしたのですが、残念ながら裁判官にこちらの主張を受け入れてもらえず、保護命令が発令されてしまいました。

 

この保護命令に対して不服申立をすることも検討したのですが、Dさんとしても、自分から積極的に近づくつもりもないとのことでしたので、保護命令に対しては不服申立をしないこととしました。

 

 

3.そもそも離婚に応じるか

 


 

 

依頼を受けた当初、Dさんは離婚した方がよいのか悩んでいる様子でした。結婚から5年も経ていないため、離婚することがベストな選択なのか決めかねていたのです。

私の方からは、離婚というのは人生に一度や二度しかない重要な問題なので焦らずに結論を出して欲しいこと、悩んでいるのであれば、相手の弁護士にはとりあえず離婚に応じられないという返答をしておこうとお話ししました。

しかし、上記の通り突発的に保護命令の申立を受け、その申立書等には、明らかに虚偽と思われる記載も多数ありましたので、Dさんとしても、「こんな嘘つきと元の生活に戻ることはできない」という気持ちを強くし、こちらも離婚に応じる方向に梶を切ることにしました。

 

 

4.離婚問題については調停からスタートした


 

同時並行して奥さん側の弁護士が離婚調停を申し立てており、離婚の話し合いの場はすぐに調停の席に移りました。

Dさんも離婚の決意を固めておりましたので、私の方からは離婚について交渉での話し合いを要請したのですが、相手の弁護士が一切協議をしないというスタンスでしたので、協議離婚の議論は一切行われませんでした。

 

 

5.調停での先方の言い分


 

離婚調停では、奥さん側から慰謝料300万円の要求がありました。また、奥さん名義の自宅リフォーム代をDさんが負担しているのに、その部分の財産分与は一切しないということで、奥さん側の要求は非常に一方的なものでした。

先方はDVの保護命令が認められているため、慰謝料はもらって当然という態度で、金銭を要求してきました。

また、DVだけではなくモラハラ被害も受けているため、同情して欲しいという様な姿勢でした。

 

 

6.こちらが調停に臨む際に立てた作戦


 

 確かに、先方が言うとおり保護命令が発令されてしまっていることは、こちらにとって不利な事情になりますので、そのことも踏まえた上で作戦を組み立てる必要があります。そこで、調停に臨む際にはDさんとも綿密に打ち合わせをして、以下の様な作戦で臨むことにしました。

 

①Dさんが調停の席で感情的にならないこと

 調停委員は目の前のDさんの様子を見ながら調停を進めますので、Dさんが調停の場で感情的になってしまいますと、調停委員から「乱暴な人間」と評価されてしまう危険性が非常に高いです。

 そのため、私から事前にDさんに対して、調停の席で声を荒げないこと、感情を顔に出さないことを強く指導しました。合わせて、相手はこちらを挑発する様に無理な要求をぶつけてくる可能性が高いので、そのような挑発に乗ると相手の思うつぼであることを伝えました。

 

②保護命令が実質写真1枚だけで発せられたものであること等を丁寧に説明すること

 前述したとおり、保護命令の存在がこちらにとって一番不利な材料ですので、調停委員にも保護命令発令の経緯を丁寧に説明する様に心がけました。

 具体的には、先方の裏付けとして有力な証拠としては写真1枚だけであること、その際にもDさんが奥さん側に挑発されて多少手を出したに過ぎないこと、暴力をふるったのはこの1回のみであることなど詳しくかつ冷静に説明する様にしました。

 

③調停は白黒つける場所ではないこと

 さらに、調停はあくまで話し合いの場であって、夫婦のどちらに否があるのかを決定する場所ではないので、一方的にDさんが悪いというレッテルを貼る様な慰謝料請求には応じられないという論法を展開しました。

 

 

7.調停委員の反応


 

Dさんが調停の席で終始落ち着いて冷静に話をしていることについて、調停委員の印象はかなりよかったようでした。逆に、奥さん側は感情的になって調停委員に話をしていた様子で、印象を落としている様でした。

 

 

8.相手が調停を申し立ててきてから7か月後の決着


奥さん側は慰謝料の要望が強くなかなか妥協してこなかったのですが、途中裁判官が調停の席にはいるなどして説得してくれたおかげで、奥さん側も慰謝料の要望を取り下げました。

ただ、財産分与の話し合いの中で、多少こちらも譲歩する形で折り合いがつきました。

 

調停中、先方は早期離婚に向けて焦っている節がありましたので、逆にこちらは時間をかけてじっくりと臨む姿勢を見せたところ、先方がしびれを切らせて妥協してくるようになったのです。

 

 

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2016.08.15更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

 

1.婚姻中夫に隠れてデリバリーヘルスの仕事をすることは慰謝料原因になるか


 

 一般に慰謝料発生の原因とされる「不貞行為」とは、第三者と性交渉を持つことを意味するとされています。

 そうすると、デリバリーヘルス業務は、直ちに性交渉に結びつくわけではありませんので、厳密には「不貞行為」とは言えなさそうです。

 

(1)性交渉を持ってしまった場合慰謝料責任は避けられない

 デリバリーヘルス業務を行っていると、特定の客から何度か指名を受けているうちに懇意になり、性交渉に至ってしまうというケースも多くあります。

 このように関係を持ってしまった場合には明らかに「不貞行為」に該当しますので、慰謝料を支払う責任は避けられません。

 

(2)性交渉を持たなくとも慰謝料責任が発生する危険性は高い

 デリバリーヘルスについては、デリバリーヘルス店において、客との性交渉を禁止する旨の規則が定められていることが多くあります。このような規則の存在を理由にしてデリバリーヘルス嬢も客からの性交渉の要求を拒否するケースも多くあります。

 しかしながら、デリバリーヘルス業務は、性交に類似する行為が多分に含まれるため、婚姻中にこのような業務についていることを旦那様が知った場合には、大きなショックを受けることも多いと思います。

 

 そのため、デリバリーヘルス業務を行ってきたことは、慰謝料の発生原因になり得ると思われます。

 

2.私が担当した事件


 

・ご依頼者様:30代後半の女性(Yさんと言います)

・ご依頼内容

 旦那の暴言がひどいため離婚したいが、婚姻中デリバリーヘルス業務をしていたことを旦那が気付いてしまい、「慰謝料を請求する」と言われてしまっている、円滑に離婚できるように弁護活動を行って欲しい、というご依頼内容でした。

 

 なお、Yさんの旦那様:40代前半の男性、お子様:小学校に通う男の子2名、ご家庭環境:ご依頼時別居中、婚姻期間:10年程度というケースでした。

 

3.私の弁護活動


 

 まずは、Yさんからデリバリーヘルス勤務の期間や態様、その経緯などについて詳しくお話を伺いました。Yさん自身旦那様から追及された際に、デリバリーヘルス勤務をしていたことは認めてしまっていましたので、一切慰謝料を払わないと言うことは難しいと思いましたが、その金額をできる限り減額する事情がないかを詳しく聞くことにしたのです。

 

 この事件では、旦那様がYさんのデリバリーヘルス勤務に強く立腹しており、旦那様の方から家庭裁判所に対して離婚調停の申立がありました。

 

 この調停の中でも、旦那様はYさんに慰謝料400万円を支払わせるといったことを強く主張していました。

 

 これに対しては、デリバリーヘルス勤務の経緯を詳しく説明すると共に、デリバリーヘルス店の店内規則にて客との性交渉が明確に禁止されていることを説明しました。

 具体的には、このケースでは、旦那様が頻繁に高級品を購入していたため、そのことで生活費が圧迫され、Yさんとしても育児をしながら高額の収入を得るためにデリバリーヘルス業務に従事しなければならなかったという事情を説明しました。

 

 また、旦那様は、Yさんがデリバリーヘルスの客の○○さんと性交渉があったはずだということを強く疑っていましたが、濡れ衣でしたので明確に否認しました。

 

4.調停委員の風当たり


 

 上記の通り、当方としては、「不貞行為」はないと繰り返し主張しましたが、デリバリーヘルス業務自体が性交に類似する行為を含んでいることもあって、調停委員の理解を得ることは難しい状況でした。

 

 そのため、Yさんの現在の収入がパート収入のみで、ほとんど収入がないという点を積極的に押し出す形に作戦を変更しました。Yさんにはほとんど収入がないという点については、昨年度の課税証明書なども提出し、調停委員にも理解してもらいました。

 

5.1万円に満たない慰謝料を支払って離婚


 

 当方としては、Yさんにほとんど支払能力がないという点を全面的に押し出し、慰謝料の支払いが現実的に不可能であるという点を繰り返し強調したところ、旦那様の方も長期的な紛争は避けたいという意向に変化していきました。

 

 ただ、旦那様の心情として慰謝料ゼロと言うことには納得が行かないとのことでした。そこで、最終的にはYさんが1万円にも満たない少額を支払うという形で合意にこぎ着けることができ、調停が成立しました。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2016.08.01更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

 

1.不倫の誓約書


 

 

 旦那様の不倫が発覚した場合、奥様としてはまず、今後の夫婦関係をどのようにするのかについて真剣に考えなければなりません。

 旦那様が今後もこのようなことを繰り返す可能性が高いという場合には、離婚、もしくは、離婚しないまでも一定期間別居をするという選択肢もあり得るでしょう。逆に、小さいお子様がいるなどの事情で離婚に踏み切れないという場合、夫婦関係の修復を試みるということもあり得るでしょう。

 

 では、夫婦関係の修復を試みるという場合、今後同じようなことが繰り返されないために、旦那様に誓約書を記載させる必要があります。

 このような誓約書を書かせることは、旦那様自身の反省・謝罪の気持ちをきちんと書面に残しておくことに加え、旦那様自身にとって、その様な気持ちをきっちりと自覚させることにも繋がります。

 

 そして、不倫相手の女性についても、奥様がよく知る人物であるといった場合には、その不倫女性にも同様に誓約書を提出させるのが効果的です。

 

2.私が担当した事件


 

 

・ご相談者 40代前半の女性(Zさんと言います)

・ご相談内容

 妻子を持つdさんと浮気をしてしまったが、そのことがdさんの奥様に発覚して、一度誓約書を書いて提出している。この誓約書には今後dさんと連絡を取った場合には1回につき200万円を払うと書かれているが、これは有効なのか、というご相談でした。

 このケースでZさんは結局dさんと2度目の浮気をしてしまい、そのことでdさんの奥様から200万円を請求されているということでした。

 

 なお、dさんは40代前半の男性、dさんのご家庭は、奥様30代後半、小学校に通う男の子がお二人いる家庭でした。

 

3.「1回の違反に対して」200万円という約束の有効性


 

 誓約書にサインをしてしまった場合でも、その内容が当然に全て有効になるわけではなく、その内容が圧倒的に不倫被害者側に有利であるといった場合には、効力が一部制限されることもあると思われます。

 今回のケースで問題となった「連絡1回につき200万円」という約束も圧倒的に不倫被害者側に有利な定めになりますので、文面通りの効力は認められないものと思われます。

 

4.結局はケースごとの不倫慰謝料額が物差しになると思われる


 

 上記の通り一方的すぎる内容の誓約書の効力は制限されますが、問題は、どこまで制限されるのかという点です。

 

 一方的過ぎる内容であっても、全部無効ということにはならないと思いますので、具体的にZさんはいくら払えばよいのかが問題となります。

 

 この点は、このケースでの不倫慰謝料をいくら払うのが妥当かという金額が物差しになるのではないかと思われます。具体的には不倫慰謝料は以下のような点を考慮して定まります。

 

①不倫の悪質性

②被害配偶者が受けた精神的苦痛や肉体的苦痛

③不倫をきっかけにして夫婦関係が破綻したかどうか

④婚姻期間の長さ

 ⑤不倫女性の収入

 

5.このケースでの解決


 

 私は、上記のような相談を受け、合計の支払額が200万円ということであれば、不当に高額とも言えないのではないかとのお話しをさせていただき、Zさんも、その金額を支払うということで、私が間に立たずに問題は解決しました。

 

6.お金を支払う際の注意点


 

①可能な限り、200万円の支払いで終わりであると言うことを約束させること

 200万円を支払う際には、dさんの奥様にも、200万円を受け取ることで問題が解決済みであることを署名押印してもらうのが望ましいです。

 

 そうでないと、今後dさんの家庭が正式に離婚することになったとか、お子様がショックで体調を崩したといった事情の変化があった時に、その都度追加で慰謝料を請求される危険性が残るからです。

 具体的には、dさんの奥様に「200万円を受領したことに伴い、Zさんとの間に何らの権利義務がないことを確認する。」といった内容の合意書に署名押印してもらうとよいでしょう。

 

②dさんへの求償の問題も考慮すること

 不倫というのは男女が共同して行う不法行為のため、Zさんだけが200万円を支払ったという場合には、本来dさんに対して100万円程度のお金を請求しても良いことになります(これを法律用語では「求償」などと言います)。

 

 Zさんとdさんは共同で違法行為をしたことになるので、一方のみが金銭負担をするのは不公平だから、内部で調整を図るということです。

 

 ただ、実際にZさんがdさんに連絡を取ると、dさんの奥様からしてみると、「また疑わしい関係が続いている」と見られかねませんし、再度dさんの家庭を混乱させることにもなりかねません。

 そのため、このような求償を行うかどうかはZさんが慎重に考えていかなければなりません。

 

 ちなみに、今回のケースでは、Zさんはdさんへの求償はせずに終わらせました。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2016.07.25更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

 

1.退職金は財産分与で見落としがちな財産


 

 財産分与においては、相手の財産の在処(ありか)を事前に把握しておくことが重要になります。

 離婚で夫婦間の対立が激しくなりますと旦那様は少しでも財産を分けたくないと思い、財産を隠す傾向があるからです。

 

ただ、相手の財産の在処の把握と言いますと、通常の方は、旦那様の預金がどこにあるのか、株式をやっているがどこの証券会社でやっているのかといった点に目が行きがちですが、退職金を忘れてはいけません。

 

一口に退職金と言いましても、既に旦那様が定年退職して退職金を既に受け取っているという場合には、預金残高等に退職金が含まれますので、預金残高を考慮すれば実質退職金分が考慮されることになります。

 

他方、まだご夫婦ともに若く、退職まで30年以上あると言った場合には、定年退職という事情は不確実性が高いため、退職金は財産分与の対象としないことが多いように見受けられます。

 

2.私が担当した事件


 

・ご依頼者様:50歳代後半の女性(Oさんとします)

・ご依頼内容:旦那様が十分な生活費を渡さないので離婚したい、ついてはできるだけ多くの財産分与を受けたいとのご依頼内容でした。

 

 なお、この事件の旦那様:50歳代後半、お子様:既に成人されたお子様お二人、婚姻期間:25年程度、家庭環境:ご依頼時別居中というケースでした。

 

3.私の弁護活動


 

 Oさんのお話では、旦那様が婚姻期間中生活費を渡さなかったとのことでしたので、婚姻期間のうちいつ頃までいくらを渡していて、いつ頃から生活費を渡さなくなったのか、また、生活費を渡さなくなったきっかけについて詳しくお話を伺いました。

 

 このようなOさんのお話を踏まえて、こちら側の離婚条件をまとめ、旦那様宛に通知を送りました。

 なお、この通知においては、旦那様の財産の詳しい残高等が分かりませんでしたので、旦那様の財産を開示するように要求する内容を盛り込みました。

 

 この通知を受け取った旦那様は、直ぐに弁護士に依頼をし、旦那様側から離婚調停を起こしてきました。

 

3.退職金についての言い分


 

(1)こちらの言い分

 当方としては、旦那様の定年退職まで5年しかないため、当然退職金を財産分与で考慮すべきことを主張しました。

 

 考慮する金額については、将来定年退職することを前提としたうえで、勤続期間の中でも婚姻期間と重複する部分を考慮して算出するように主張しました。

 

 今回のケースでの具体的な数字は差し支えますが、分かりやすくサンプルとして数字をあてはめて説明しますと以下の通りになります。

 ①定年退職した場合の退職金が1000万円と仮定します。

 ②定年退職までの勤続期間を20年

 ③婚姻期間と重複する期間を15年

 ④具体的考慮額は、1000万円÷20年×15年=750万円

(※この金額はあくまでサンプルとしての参考額で、今回のケースでの金額とは異なります)

と言った計算方法になります。

 

 本来は、退職金を実際に受け取るのは5年後の話になりますので、将来利息分を差し引くのが一般的なのですが、調停手続中と言うこともありましたので、将来利息分を差し引かずに提案を行いました。

 

(2)相手の言い分

 旦那様は、以下のような主張を展開してきました。

 

定年退職まで5年もの年月があり、実際に定年退職するかの確実性がないため、そもそも、退職金を財産分与で考慮すべきではない。

不動産業社に勤務しており、この業界は人の移り変わりが激しく、定年退職する可能性は極めて低い、そのため、退職金を考慮するにしても、中途退職を前提として計算すべきである。

 

4.最終的にはこちらの計算より一部減額して調停成立


 

 Oさんともよく相談して結論を出しましたが、最終的には、こちらの計算する金額と先方が計算する金額の中間値に近い数字で合意しました。

 

 先方が主張するように退職金を一切考慮しないという案は応じられないと言うことでこちらも強く主張したのですが、考慮する退職金の金額については、退職が5年後という一定の不確実性もありましたので、多少減額して折り合う形にしました。

 

5.退職金考慮の難しい点


 

 退職金は支給されれば、それなりの金額になるのですが、離婚するのは退職前ですので、計算上退職金を財産分与で考慮するにしても、旦那様がそのお金をどのように工面するのかという問題が生じます。

 

 この問題を解決するために、「旦那様が将来退職金をもらった段階で、分配を受ける」という方法もありますが、これでは、旦那様が退職したことを黙っていれば、こちら側から退職金分の支払いを請求することが難しくなってしまいます。

 

 そのため、やはり、離婚する時に退職金分も考慮すべきですが、あまり高額に固執しますと、旦那様の手元資金を超えてしまい、話し合いがまとまらない虞があります。

 この場合には、離婚裁判に移行するという方法もありますが、長期戦になってしまいますので、手続の進捗状況やご依頼者様のご意向を踏まえて最終決断することになります。

 

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