2022.05.09更新

弁護士 秦

 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。なお、>>「モラハラの連鎖を断ち切る!!」モラハラ被害女性のための総合サイトはこちら<<になります。

 

 

1.別居時の持ち物を点検する理由



 モラハラ夫側が離婚に同意してくれなくとも、夫婦間の冷却期間として別居については同意しているという場合には、別居時の持ち物についてあまり神経を使う必要がないかもしれません(後日取りに行くことが比較的容易なので)。



 他方で、モラハラ夫側に事前に話をせずに別居する場合には、予め必要なものを持ち出しておいた方が無難と言えます。

 私が担当した事件では、別居後直ぐに旦那様が奥様の持ち物を全て勝手に処分してしまったといったケースや、別居後ほどなくして旦那様が自宅の鍵を交換してしまって自由に入れなくなってしまったケースなどもあります。



 このようなことも想定されますので、別居時の持ち物についてはできる限り漏れがないように注意する必要があります。
 他方で、余りあからさまに準備をしてしまいますと、折角夫に事前に別居話をせずに準備していたのに、別居を夫に察知されて、色々と追及されたり、妨害されるリスクもありますので、この点にも注意が必要です。

 



2.別居時の持ち物        




 別居の際には、以下を参考に荷物の整理をしてみると良いと思います。

(1)貴重品や普段の生活に必要なもの
・今後の生活にあてる当座資金

・あなた名義の預貯金通帳 ※繰越済みのものもあった方がベターです。

・お子様名義の預貯金通帳

・キャッシュカード、クレジットカードその他のカード類

・あなた名義の保険証券(生命保険、学資保険等)

・銀行届出印

・あなたの実印、印鑑登録カード

・運転免許証、パスポート

・健康保険証

・年金手帳、母子手帳

・(余裕がある様ならば)あなたの高価品(宝飾品や骨董品)や婚姻前の記念品

・常備薬・処方薬

・普段利用している手帳

・お子様の学校生活で利用する教材やノート等

・お子様の記念写真や、写真・画像のデジタルデータ

・ある程度の衣類
※どうしても処分されたくないもの等は別居時に持ち出したほうが良いですが、難しい場合には、その物の写真を撮っておく場合もあります(そうすると、後でモラハラ夫から勝手に処分された場合でも、処分されたことの証明になるため)


(2)モラハラの証拠となるような資料
・ボイスレコーダー(夫のモラハラ発言についてボイスレコーダーで録音を取ったことがあるようなケース)

・以前使用していた携帯電話及び充電器(以前の携帯電話にデータを保存していた場合)

・自宅PCに保管していたデータ類

・写真(モラハラ夫が物を投げて壁や家電を破損した場合に、破損部位を撮影した写真や、モラハラ夫からの暴力であなたが怪我をした時の怪我の写真等)

・子育て支援センターや警察からの開示資料(保存期間が経過してしまうと今後開示申請をしても入手できないこともあるため、既にお持ちであれば持って出た方が無難)

・あなたがつけていた日記等


(3)財産に関する資料
・直近の源泉徴収票

・直近3か月分の給料明細書

・夫の収入が分かる資料のコピー等がこちらの手元にあるようなら、その資料

・夫の資産のありかが分かる資料コピー等がこちらの手元にあるようなら、その資料

・その他財産に関する資料のコピー(不動産権利証のコピー等)

 上記は一例ですので、事件によっては、ほかにも持ち運んでおいた方がよい荷物があるケースもあります。また、今回の解説では、大がかりなものを持ち運ぶ余裕がないということを前提にしていますので、家具や家電類は含んでおりません。

 

 

3.荷物を持ち出すタイミング


 私がご相談を受け取りますと、「新型コロナウイルスの影響で、モラハラ夫が在宅勤務をしている日が多くて別居日がなかなか決めずらい」とか「モラハラ夫が在宅勤務をしているので、荷物の整理や、事前に荷物を送付することがやりづらい」というご相談を受けることも多いです。
 そのような場合でも、夫が出張に行っているタイミングがあるとか、夏期休暇や冬期休暇中、夫は一人で実家に帰るということで、そのようなタイミングで別居をスタートされる方も多いようです。


 また、大掛かりな引っ越し業者に頼むことが難しいという場合には、事前に何回か小分けにして段ボールを一つ一つコンビニ等から宅急便で送るとか、実家が近所なので、小分けした段ボールを何回かに分けて実家に一時保管しておくという進め方をする方もいます。

 

 

4.まとめ


・別居後夫が勝手に処分等してしまうリスクもあるので、別居の際には極力漏れなく荷物を搬出したほうが良い。
・搬出すべき荷物のカテゴリーとしては以下を意識して整理するとよい。
①貴重品や生活必需品等
②モラハラの証拠となるような資料等
③財産に関する資料等
・夫が在宅勤務をしている場合には、皆様工夫しながら荷物を整理しているようである

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2022.05.02更新

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1.別れ話をした時のモラハラ夫の反応は?


 あなたの方からモラハラ夫に別れ話をした時、どのような反応をするのか、ある程度想定して準備しておけると、あなた自身混乱することも少なくなるでしょうし、今後の離婚に向けての対策につながるケースもあります。
 そのため、以下では、私が直接担当した事件で、モラハラ夫がどのような反応を示すのか、夫の反応を踏まえて、どのような伝え方が良いのかといったことを説明していきたいと思います。

 

 

2.【ケース1】モラハラ夫が全く真剣に受け取ってくれない


 私が事件を担当していて、モラハラ夫の反応として一番多いと思われるのが、真剣に受け取らないという反応です。
 特に、あなたが専業主婦であったり、パート勤務で収入が少ないような場合には、「離婚しても自分の収入だけで生活できるはずがない」などと考えるモラハラ夫が多いようです。
 また、これは別れ話のタイミングにもよるのですが、夫婦喧嘩の際などに、別れる旨を話した場合には、モラハラ夫は、こちらが一時的な感情で離婚や別居を口にしたと誤解しているケースも多いです。
 このようにモラハラ夫が真剣に受け取らないという場合には、真剣に受け取るような伝え方をしていくのが良いと思います。例えば、お互いの両親を交えた大家族会議のような形式をとるとか、具体的な別居開始日を決定してしまって話をするとか、もしくは、別居開始後に改めて話をするといった方法が考えられます。

 

 

3.【ケース2】モラハラ夫が急に神妙になる・謝ってくる


 モラハラ夫は、家庭内ではモラハラ発言等ばっかりであっても、家庭の外では、まるで別人のように社交的にふるまうというような人物も多いです。そのようなモラハラ夫の共通点としては、「自分がどのように行動すると自分に有利になるのか」と言ったことを計算できるということです。
 そのため、あなたが真剣に別居や離婚のことを伝えると、一旦はあなたを落ち着かせたほうが良いと考え、モラハラ夫は神妙になったり、急に謝ってくるのです。


 このような場合によく質問を受けるのが「今は神妙にしているけれども、演技なので長続きしませんよね?」といったご質問です。
 私は実際にあなたの夫に直接会ったことも直接話したこともないため確証をもってお話しできないのですが、「これまでのモラハラ行為の重症度に応じて推測するしかありません」とお答えすることが多いです。これまでのモラハラの重症度が重い場合には、残念ながら、今は神妙にしていても長続きしなかったり、モラハラ行為が再燃する確率が高いと言えますし、逆に、これまでのモラハラの重症度がそこまで重くない場合には、モラハラ行為が再燃する確率は高くはないかもしれません。


 なお、モラハラ夫がこれまで一度も謝ったことがなかったような場合には、今回初めてモラハラ夫が謝ってきたことであなたも嬉しくなってしまい、安心してしまうということもありますが、残念ながらそれが演技の可能性もありますので、今後も多少なりとも用心しながら生活したほうが良いと思います。

 

 

4.【ケース3】モラハラ夫が猛反発してくる


 これまでのモラハラが重症のケースが多いのですが、あなたが真剣に別れ話をしたことで、猛反発してくるケースです。
 そもそも、モラハラ行為をする人間は、自分が悪いことをしていないと考えている人が多いです。「あなたが俺を怒らせるのが悪い」「怒らせる原因を作ったのはあなただ」「あなたの家事があまりに不十分なので注意しただけで、感謝されても責められる謂れがない」といった発想です。
 このようにモラハラ夫としては何も悪いことをしていないと考えていますので、突如あなたから離婚や別居を突き付けられて、信じられない思いや、もっと家族円満にできるようあなたの方が努力すべきだなどと強く反発してくるのです。


 このような場合、あなた一人でこれ以上別れ話を進展させていくことは難しいですし、あなたのモラハラ被害が拡大していくだけなので、他の親族の協力を得るなど話の持って行き方や、離婚に向けての手順等をしっかりと検討していったほうが良いと思います。

 

 

5.【ケース4】表面的に波風を立てないようにしつつ離婚準備を始める


 表面的にモラハラ夫側の動きが見えにくくなるので、一番油断がならないケースです(ただ、私が実際に担当した事件でも、このように対応するモラハラ夫はごく少数です)。


 例えば、①表面的にはこちらへの圧が大きく軽減されたが、子供への関わりが非常に積極的になったケース(最悪離婚になっても、新件を獲得すべく準備しているケース)、②表面的にはモラハラ発言等が大きく減ったが、預金をインターネットバンキングに変更したり、これまで置いてあった共用スペースから勝手に移動し始めた(最悪離婚になっても、財産分与でなるべくお金を渡したくないので、財産隠ぺいを目論んでいるケース)といったものが考えられます。
 モラハラ夫はこちらの予想以上に計画的に準備を開始している可能性もありますので、十分用心する必要があります。

 

 

6.上記のケースはあくまで代表例であること


 上記のケースはこれまで私が直接担当した事件での実際の事例なのですが、あくまで代表的なものに過ぎません。
 そのため、前述のケースの枠に入らない反応を示すケースもあると思います。
 また、前述のケースは、必ずしも、どれか一つのみが当てはまるということではありません。複数が当てはまるというケースも往々にしてありますので、この点も留意が必要です。

 

 

7.まとめ


・私が担当した実際のケースにてモラハラ夫の反応としては以下のようなものがある。
①全く真剣に受け止めない
 ②急に神妙になる・謝罪してくる
 ③猛反発してくる
 ④表面的には波風を立てないようにしつつ離婚準備を進める
・これらはあくまで代表例なので、違うケースもあり得るし、複合的なケースもあり得る。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2022.04.18更新

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1.事前にモラハラ夫に相談した方が良いか?



モラハラ離婚のケースで一番悩まれるのは、離婚することや別居することを事前に相手に伝えるべきかという問題だと思います。
 何も言わずに別居してしまうと、後から何を言われるか分からないし、他方で、事前に話してしまうとその際にどのような暴言・態度を受けるか分からないと言うことで、悩まれている方も多くいます。

 基本的に、モラハラの内容がDVの一歩手前といえる様な深刻な内容の場合には、事前に離婚や別居を切り出さずに別居を開始した方が良いことが多いと思います。事前に話をすると重大な被害につながりかねないため、自分の身の安全を守るためにも、事前に話をしないのです。また、度重なるモラハラで精神的に不調を来しているというような場合にも、無理に事前に話をしない方がよいと思います。



 他方で、モラハラ被害がそこまで大きくはないという場合には、事前に離婚や別居を切り出した方が良いケースの方が多いかと思います。ただ、この場合にも、相手がどのような行動に出るか予測できないという場合には、事前に別居話や離婚話をするか慎重に検討する必要があります。



 事前に何も相談せずに別居を開始してしまうと「悪意の遺棄」になってしまい、後から離婚しづらくなるのではないかと考えている方もいます。しかし、モラハラ被害防止というきちんとした理由がある場合、事前に相談せず別居したからと言って離婚にあたって不利になることはほとんどありません。
 ただ、事前に何も伝えておかないと、①こちらの真意がいつまでもモラハラ夫に伝わらない、②離婚協議を始めても、先方の反発が強くて手続が大きく遅延していってしまうというリスクもありますので、事前に話ができるようなら、極力話はしたほうが良いと思います。

 

 

2.モラハラ夫から猛反発される危険性が高いなら、事前に話さないほうが良いかもしれない


 前述の通り、モラハラ被害がどの程度のものなのか、あなた自身の体調面を考慮して、事前に話をするかどうかは決めたほうが良いと思いますが、モラハラ夫がどのような反応を示すのかということも考慮要素にしておいたほうが良いと思います。

 

 と言いますのは、こちらから別居話をした際に、モラハラ夫が猛反発してくることが強く予測される場合には、「話をしたことで余計に別居しづらくなる」という事態に陥りかねませんので、そのような場合には、事前に話をしない方が良いかもしれません。
 モラハラ夫が猛反発し始めた場合、そんな中で別居を開始すると、「こちらが大反対している中で勝手に出ていった」と言われるリスクが高まってしまうと思います。

 

 

3.何も伝えないというのも気が引けるので嘘をつくのはどうか?


 これもよくご相談を受けるのですが、以下のようなご質問を受けることも多いです。
① 本当は別居を開始するつもりだが、夫が反発しないように「連休中子供を連れて実家に帰省する」と伝えて家を出るのはどうか?(結局は、そのまま実家から自宅に帰らない)
② 本当は離婚したいのだが、「今後家族が仲良く生活していけるよう前向きな別居をしたい」と伝えて家を出るのはどうか?

 

結論から申しますと、積極的に虚偽を述べることは混乱のもとになりますので、あまりオススメしません。
なお、上記の②のケースの場合、敢えて「前向き」と伝える必要もありませんので「あなたとの結婚生活がしんどい。今すぐ離婚したいと言えるかは少し考えたいので、少し距離を置いて考えさせてほしい」といった伝え方の方が良いかと思います。
特にモラハラ夫は、こちらの話を自分にとって都合が良いように誤解しやすい人が多いので、普段の連休中のただの帰省だとか、復縁を予定した別居というように話してしまいますと、モラハラ夫が変な期待をしてしまい、今後余計に混乱する気がします。

 

 

4.仮に伝える場合、どう伝えるか?


 モラハラ夫を目の前にすると、頭が真っ白になってしまうとか、上手く話せる自信がないという方も多いと思います。
 そのため、夫婦2人だけの話し合いではなく、あなたのご両親や親族等も間に入れて話をするというケースも相当数あります。
 また、夫婦二人きりで話すことは良いとしても、自宅内だと怖いので、喫茶店とか他の人の目があるところで話をするというケースもあります。

 

 

5.仮に伝える場合、どこまで伝えるか。


 一番シンプルなのは、一緒に生活していることが精神的につらいので一旦別居したいという伝え方かと思いますが、モラハラ夫は自分が悪いことをしてきたという自覚がない人が多いため、「どうしてそのように言われるのかが分からない」とか「思い当たるところがない」という反応を示されることもあります。
 そのため、どうして別居したいのか、どうしてモラハラ夫と一緒にいることが精神的につらいのかの理由についてもある程度説明していく必要があろうかと思います。
 詳しい内容を口頭で伝えることが難しいという場合には、手紙等の形で渡すという方法もあろうかと思います。

 

 

6.伝える前の準備


 あなたの方から別れ話を切り出すと決意した場合、どのように話を持って行ったほうが良いか、どこまで話をするのかという点についてはしっかりと準備することが多いと思いますが、その前に別の準備が必要になります。
 と言いますのは、こちらが別れ話をすると、先方は、最悪離婚になっても良いように自分名義の資産を隠し始めるといったケースがあるのです。
 そのため、別れ話を切り出す前に、①集められるモラハラの証拠は集めておく、②相手の財産のありかを把握しておくということが必要になります。

 

 

7.まとめ


・モラハラの被害が深刻な場合には、事前に別居のことを伝えないほうが良いことが多く、逆に、深刻とまでは言えない場合には、伝えたほうが良いことの方が多い。
・モラハラ夫が猛反発しそうなら、事前に話をしないほうが良いかもしれない。
・嘘を伝えることはあまり望ましくない。
・仮に伝える場合でも、夫婦二人だけの席で伝えづらいというときには親族等の協力を得ることも多い。
・仮に伝える場合、別居したい理由の説明も必要になると考えておいた方が良い
・別れ話を切り出す前に、①集められるモラハラの証拠は集めておく、②相手の財産のありかを把握しておくということが必要

 

 


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投稿者: 弁護士秦真太郎

2022.04.04更新

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1.「何が起きているのかが飲み込めない」という方も多いのでは?


 あなたはお子様と一緒に家を出て、今後先方に対して離婚の意思を突き付けようと考えていたといったところではないかと思います。つまり、あなたとしては、あなたの方から離婚に向けて主導的に動こうと考えていた矢先に、むしろ、夫側から先に監護者指定事件を起こされたということで驚いているというのが率直な心境かと思います。

 

 

2.そもそも「監護者」って何だ?



まず、「監護者」と言われても、そのような用語を聞くのも初めてという方も多いのではないかと思います。
そのため、まずは、監護者というのがどのようなものなのかについて理解する必要があります。


(1)監護権というワードは馴染みが薄い。
 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。


(2)親権の意味のおさらい
 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。
 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。
1)身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)
2)財産管理権(お子様の財産を管理する権限のことです)
3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)

(3)要するに監護権って?
 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。

(4)監護者指定審判とは?
 離婚が正式に成立するまでは、お子様の親権は夫婦の共同親権になるのですが、このような共同親権の中でも監護権のみを切り出して、監護権を取得するものを夫婦どちらかに指定して欲しいという審判が監護者指定審判の手続きになります。
 「審判」というと聞き慣れないかもしれませんが、調停のように話し合いの手続きではなく、裁判官が強制的に監護者を指定する手続きになります。



3.まずは、弁護士探し


 夫側から送られてきた監護者指定審判申立書を読むことも大事なのですが、それよりも、急いで弁護士を探すことをオススメします。
 監護者指定審判事件は、特殊性が高い事件になりますので、ご本人様だけで乗り切ることは非常に難しいと思います。そのため、まずは弁護士を探し、事件を依頼するということに最優先で取り組む必要があります。
 もちろん、既に離婚のことで依頼している弁護士がいるとか、正式な依頼はしていないけれども相談している弁護士がいるということでしたら、その弁護士に事情を早めに伝えて下さい。

 

 

4.弁護士探しのポイント


 弁護士探しのポイントは、何よりも監護者指定審判事件という特殊な事件について「詳しい」弁護士なのかという点になります。
 率直に申しますと、離婚事件についてよく取り扱う弁護士であっても、監護者指定事件はほとんど取り扱ったことがないとか、一度も担当したことがないという弁護士もいますので、できれば、これまでにも監護者指定事件を何回か取り扱ったことがある弁護士を探したほうが良いと思います。


 ただ、私が相談を受けておりますと、沢山の弁護士に相談し過ぎて、ご本人様でも、よく分からなくなってしまっているという方をお見かけすることもあります。
 そのため、「何人かの弁護士に会ってみて決める」ということだとしても、せいぜい5,6人の弁護士に相談してみて、その中から選ぶということの方が良いかと思います。
 特に監護者指定事件は、保全事件を同時に申し立てられていることが多く、事件の進行は早いことが多いので、あまりゆっくりと弁護士選びをしていると、準備の時間が足りなくなってしまいかねません。

 

 

5.監護者指定審判申立書を読むにあたって


 前述の通り、じっくりと夫側の書面を読むよりも前に弁護士探しを優先したほうが良いと思います。
 そのため、あなたが監護者指定審判申立書にじっくり目を通すのは、弁護士にお願いした後ということでも構いません(それだけ、弁護士探しを急いだほうが良いということです)。
 なお、監護者指定審判申立書を読み込むにあたっては、申立書の内容も当然大事なのですが、どのような証拠資料が添付されているのかということの方が大事です。

 そのため、監護者指定審判申立書を読み解くにあたっては、どのような証拠が添付されているのかをしっかりと把握し、それに対して、あなたの方ではどのような反論資料を提出できるのかという簡単なイメージを持っているとベストです。
 それ以上の詳しい指示は、弁護士がアドバイスしてくれますので、弁護士のアドバイスに従って準備をすれば大丈夫です。

 

 

6.後は弁護士のアドバイスに従ってしっかりと準備をしていくこと


 あなたの方で正式に依頼する弁護士が決まりましたら、あとは、その弁護士からのアドバイスに従って、反論の主張を組み立てたり、証拠集めをするなどの準備をしていくことになります。
 監護者指定事件は、迅速に手続きが進みますので、場合によってはご実家のご両親に無理を言って育児を分担しながら、短期集中で準備に取り掛からなければならないこともあります。
 どこまでの準備が必要になるのかは、事件によって異なってきますので、詳しくは依頼した弁護士に相談して下さい。

 

 

7.まとめ


・監護者指定審判の申立てがなされた場合、まずは、「監護者」の意味を理解すること
・何よりも急いでやらなくてはならないのは、弁護士探しになる。
・弁護士選びにあたっては、監護者指定審判事件に詳しい弁護士に依頼するのがベストである
・監護者指定審判申立書を読み解くにあたっては、添付の資料の内容の方が重要なことが多い。
・監護者指定事件に対応するにあたっては「短期集中」で取り掛かる必要があることが多い。

 

 

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2022.04.01更新

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1.「別居」と言っても大まかに二通りの「別居」がある


 「別居」と一口に言いましても、大まかには、以下の二通りがあります。
  ①離婚を決意して、もう自宅には戻らないという意味での別居
  ②まだ離婚を決意しきれておらず、冷却期間としての別居
 以下では、この二通りについて、それぞれ解説していきます。

 

 

2.離婚前提での別居


 私のところにご相談に来られる方は、既に離婚の決意を固めてご相談に来られる方も多いですが、まだ悩んでいるという方も多いです。
 そして、「秦弁護士はモラハラに詳しいと聞いていますので、私が離婚したほうが良いか教えて下さい」とか「このような状況だと離婚したほうが良いと思いますよね?」と質問を受けることも多いです。
 ただ、離婚するかどうかはあなた自身の人生に関わるお話ですので、私が決めることはできません。
 そうはいっても、モラハラ夫と離婚したほうが良いのかどうかは、大きく以下のような検討事項がありますので、参考になさって下さい。

 

 

3.モラハラの重症度?



 このような回答をすると、「皆さんどうなさっているんですか?」とか「私のケースって皆さんのケースと比べてどうなんでしょうかね?」といった再質問を受けることも多いです。
 そのため、私のご相談に来られた方には、おおよそのモラハラ被害の重症度をお話することもあります。ただ、初回の無料相談ですと、時間が限られているというところもありますし、正確な数値化が難しいというところもありますので、「100点満点の中での○○点です」といった点数化まではしていません。
 要するに、深刻なものだと感じたときには、私の方からも、「それなりに深刻なものだと感じます」とお伝えしますし、逆に、そこまで重くはないと感じたときには「残念ですが、当事務所にいらっしゃる方はもっと重い方の方が多い印象です」といったご回答をすることもあります。


 あくまで重症度の目安をお伝えするというイメージになります。




4.「重症イコール離婚」、「重症ではないイコール離婚しない」というわけではない!



(1)必ずしも相関関係にはないこと
 ここまで説明をしますと、皆さん、「私の場合重症なのかしら?」ということを気になさると思います。そして、「重症だと言われたら別れなくっちゃ」と考える方も多いと思います。
 ただ、そこまで単純に割り切れる話ではありません。
 弁護士の目から見ても重症と思われるケースですと、率直に言って同居生活を続けていくことはオススメできませんので、私の場合、目の前の相談者の方には「重症と思われますので、同居を続けることはオススメしません」と率直にお伝えすることが多いです。

 

 しかし、それでも離婚まではしたくないという方も相当数いらっしゃるのも事実です。大きな要因としては以下のようなものがあると思います。
①その人の感じ方の問題
②お子様のことを考えての結論
③今後の生活の問題
以下、それぞれについてご説明します。

 

(2)その人の感じ方の問題
 より分かりやすく言いますと、許容性とか寛容性といったお話になります。
 どんなに言われようと受け流すことができたり、逆に、必要な範囲で言い返すことができるので、離婚という最終決断まではしなくてもやっていけるといったことです。
 このことは逆も然りでして、重症とまでは言えないケースでも、そのことで、気に病んでしまっているとか、心身に不調が生じているというような場合には、今後の同居継続は見直した方が良いかもしれません。

 

(3)お子様のことを考える
 片親にすると子供に不憫であるといった話です。このことは、お子様が旦那様にどのくらい懐いていて、また、旦那様の方もお子様とどのように接しているのかといった点も大きく影響すると思います。
 ただ、最近は離婚される方も増えてきていますので、片親だと子供が差別されるということは以前よりもかなり減ってきているように感じます。
 また、モラハラやDVによってあなたの心身に不調をきたしているようなケースですと、これ以上我慢はしない方が良いとアドバイスさせていただくことも多いです。

 

(4)今後の生活のこと
 いざ離婚したとしても、今後の生活に大きな支障を来すようであれば、簡単に離婚できないということもあろうかと思います。
 金銭的なお話は、弁護士としても色々とアドバイスできるところでもありますので、必要に応じてシミュレーションさせていただくこともあります。
 なお、都内で部屋を新たに借りることは経済的に厳しいということでご実家を別居先に選択する方も多くいらっしゃいます。


 これらの点を踏まえて、じっくりとモラハラ夫と離婚すべきか、離婚を目指して別居すべきかを検討してみて下さい。

 

 

5.離婚を前提としない別居


 前述のような要素を考慮して、あなた自身モラハラ夫と決別すると固く決意できれば良いですが、決めきれないということもあると思います。
 そのような場合には、無理に離婚を急ぐ必要もないと思いますので、一旦別居するという選択をする人もいます。


 離婚するか決めきれていないけれども別居するという選択には以下のような意義等があります。
  ①あなた自身の体調が悪く、一旦離れて体調を回復したい。
  ②モラハラ夫のひどい行動・言動があったので、反省させるために一旦別居する。
  ③夫婦喧嘩が絶えず、自宅にいると冷静に考えをまとめられないので、冷静に考えるために別居する。
  ④自宅という場所から一旦抜け出して、これまでの生活を客観的に見つめ直すために別居する。
  ⑤モラハラ夫の本当の気持ちを確かめるために別居する。(例えば、夫婦喧嘩の時などに、モラハラ夫は「もう離婚だ」ということを口にするが、それが真意なのかを確かめるために一旦別居するといったケースです)


 なお、夫婦としての再生の道を諦めていないのでしたら、別居ではなく、モラハラ夫の両親その他の親族等にも間に入ってもらって話し合いをするとか、夫婦カウンセリングを受けるという選択をする方もいますので、そちらも検討してみて下さい。

 

 

6.まとめ


・「別居」には、大まかに離婚前提の別居と、離婚するか悩みながらの別居の二通りがある。
・「重症イコール離婚」、「重症ではないイコール離婚しない」という相関関係では必ずしもない。
・離婚前提の別居に踏み切るかは、①夫のモラハラが許容限度内なのか、②お子様のこと、③今後の生活の経済的問題等も考慮に入れて検討する必要がある。
・離婚するか悩んでいる時点で、一旦別居するという選択もある。
・ただ、離婚するか悩んでいる場合、「別居」ではなく、親族等に間に入ってもらって話し合いをしたり、夫婦カウンセリングを受けるといった手段もある。

 

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弁護士 秦(はた) 真太郎
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投稿者: 弁護士秦真太郎

2022.03.21更新

弁護士秦

 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかり勝つ」をモットーに、分かりやすく解説していきます。

 

 

1.離婚の際に親権のことが一番心配


 夫婦喧嘩の中などで離婚や別居を口走ったとき、旦那側から「お前ひとりで出ていけ」とか「親権は絶対渡さないからな」と言われる経験をしたことがある方も多いと思います。
 そうでなくとも、旦那側の普段の様子から、簡単に親権を諦めないと強く予想されることもあります。
 旦那との普段の生活を顧みるとこれ以上一緒に生活できない、離婚は覚悟しているという場合でも、親権のことが非常に心配に感じるという方は多いと思います。
 今回は親権のことで、特に、妻側の面会交流姿勢にスポットライトを当てて解説していきます。

 

 


2.面会交流姿勢は、親権紛争の際と監護権紛争の際とではもつ意味合いが異なる。


 一般的に監護者指定の判断要素と親権者の判断要素とはほとんど異ならないと解説されることが多いです。
 監護者というのは、親権という権利の中の、お子さんの身の回りの世話等を行う権利を切り出したような権利というイメージですので、両者の判断要素が似通ってくるのは当然と言えば当然です。
 しかし、実務的には、監護者指定審判等では、妻側の面会交流姿勢がかなり重視されている印象でして、裁判官から直接、面会交流を強く打診してくること等も多くあります(もちろん、裁判官からのこのような打診を拒絶したからと言って、それだけで監護者の指定が覆るということはあまりないのですが、裁判官から直接打診されると断りにくいのも事実です)。
 これに対して、親権の指定の場面では、裁判官が直接面会交流を打診してくるようなケースは稀で、実務の運用上、大きな差があるという印象です。

 

 

3.親権紛争における面会交流姿勢の持つ意味合い


 親権者指定のポイントは実際には多岐に渡るのですが、その中でも特に重要なポイントは以下の7つの点に集約できると思います。
1)現在の監護状況
2)(別居前の)監護実績
3)連れ去りの違法性
4)過去の児童虐待の有無・程度
5)子供の意思
6)今後の監護計画
7)面会交流の姿勢


 ただ、この7個の要素の中でも、優先順位はあり、面会交流姿勢は、優先順位としては低めになると思います。
 もちろん、面会交流姿勢以外の判断要素において夫婦の実力が伯仲するというケースはあり、そのようなケースですと、面会交流姿勢の持つ意味合いは相対的に高くなりますが、そのような特殊なケースでなければ、やはりほかの要素の持つ意味合いの方が高いです。

 


 
4.それでは、理由もなく面会交流を拒否して良いのか?


 ただ、そうだからと言って理由もなく面会交流を拒否して良いというわけではありません。
 お子様自身がお父さんである夫と会いたいと切望しているような場合にまで、これを制限することが子の福祉にかなうとは思えません。
 また、面会交流できない期間が長期化していくと、夫側も態度を硬化させていき、紛争の長期化を招きかねません。
 そのため、お子様自身、夫との面会交流を希望しており、これを拒否する合理的な理由がなければ、面会交流には応じた方が良いことの方が多いと思います。

 

 

5.まとめ


・監護者指定事件では、面会交流姿勢は事実上重視される傾向だが、親権者指定では、それほど大きく重視されることはない。
・少なくとも親権を判断する際の7個の考慮要素の中では相対的に重要性は下がる。
・そうはいっても、理由もなく面会交流を拒否することは望ましくない。

 

 


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投稿者: 弁護士秦真太郎

2022.03.14更新

弁護士秦

 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかり勝つ」をモットーに、分かりやすく解説していきます。

 

 

1.離婚の際に親権のことが一番心配


 夫婦喧嘩の中などで離婚や別居を口走ったとき、旦那側から「お前ひとりで出ていけ」とか「親権は絶対渡さないからな」と言われる経験をしたことがある方も多いと思います。
 そうでなくとも、旦那側の普段の様子から、簡単に親権を諦めないと強く予想されることもあります。
 旦那との普段の生活を顧みるとこれ以上一緒に生活できない、離婚は覚悟しているという場合でも、親権のことが非常に心配に感じるという方は多いと思います。
 今回は親権のことで、特に、児童虐待にスポットライトを当てて解説していきます。

 

 


2.「児童虐待」の位置付けの確認


 たまに、私のところにご相談に来られる方の中には、夫の児童虐待をしっかりと証明できれば親権を確実に獲得できるので、児童虐待の証明だけに全力を注ごうと考えている方を見かけます。
 確かに、児童虐待をしっかりと証明できれば、親権の争いで大きくリードできることは間違いないのですが、親権の争いの中では、現在の監護状況と別居前の監護実績といった点も非常に重視されます。そのため、児童虐待にばかり目を奪われて、他の対策が疎かにならないよう注意する必要があります。

 

以下では、どのような証拠が児童虐待の証明として効果的なのかを解説していきます。

 


3.一番強力なのは、お子様の診断書や怪我の写真


 お子様が重大な児童虐待に曝されており、夫がお子様に対して直接殴る蹴るの暴力を加えてきたような場合には、怪我をした際の診断書や怪我の写真は、児童虐待を直接証明する証拠になります。

そして、このような診断書や痣の写真等があれば、夫側の直接暴力を証明できますので、親権争いにおいて決定的に有利になるケースも多いです(但し、痣と言っても、写真だと判別しにくいというような場合には、決定的とまでは言えないケースもあります)。

 

 

4.その次に確実なのは録音データ


 

夫側がお子様に対して手を上げるものの、怪我をするほどのものではないとか、直接手を上げないけれども、あまりにも叱り方が高圧的でお子様も怖がっているというような場合には、その様子を録音した録音データが確実な証拠になります。

 なお、録音をする場合には以下の様な点にも気を付けながら実施して下さい。
(1)録音は前後の会話も含めて当時の状況が分かる形で録音した方がよい。
 たまに相手が暴言を吐いている数秒、数十秒の録音データをお持ちになる方がいますが、これでは、相手が暴言を発する経緯や、あなた自身がどのように反応したのかといった点が分かりません。
 また、暴言部分のみのデータですと、こちらで編集したデータであると言った形で、相手から争われる危険性もあります。
 そのため、相手が暴言を発する際には、その一部始終を録音し、相手がどのように暴言を発し始めたのか、お子様がどのように反応したのか、あなたが間に入ったのか、相手がどのような形で落ち着いていったのかったと言った点をすべて録音できるとベストです。

(2)録音データは複数あった方が心強い
 モラハラ夫の暴言のフレーズは、「いつも同じような発言が多い」ということもあります。
 しかし、同じフレーズばかりだから、「1回だけ録音しておけばよい」とか「この前録音したのと似た様な録音だから削除する」と言うことは絶対にしないで下さい。

 まず、複数録音しておくと、相手が頻繁に暴言を吐くと言うことを正確に裁判官に伝えることができますので、その意味で「同じフレーズでもデータの数は多いに越したことはない」ということになります。また、フレーズは似通っていても、そのときの雰囲気や様子はそれぞれ別な場合がありますし、お子様の反応やあなたの対応が異なる場合もあります。このような点は弁護士といった法律の専門家でなければ、違いを判断できないと言うこともありますので、複数録音データがあると、活用方法は拡がる可能性があります。

 




5.LINEやメール


 


 例えば、お子様が既に自身のスマートフォンを持っていて、夫がお子様に対して直接メールにて中傷する発言をしてきたというような場合、有力な児童虐待の証拠になり得ます。

 ただ、このようなメールやLINEのやり取りですと、旦那の普段の声の大きさ、声のトーンやその場の雰囲気までは伝わらないため、どうしても、録音データよりは証拠としての価値が落ちる面はあります。それでも、メールやLINEの文面から明らかにお子様を誹謗中傷する内容のような場合には、十分児童虐待の証拠にはなります。

 ラインやメールに関しては、バックアップをきちんと取っておくことに努めて下さい。と言いますのは、メールやラインをスマートフォンでしか保存していないと、スマートフォンが故障した場合には、記録がなくなってしまいますし、ケースによってはモラハラ夫によってスマートフォンを壊されてしまい,そのことで証拠がなくなってしまう危険性があるのです。

 バックアップの方法としては、問題となるメールやラインをスマートフォンで開き、スクリーンショットをパソコンアドレスに送信するといった方法がオーソドックスかと思います。ラインのやりとりをSIMカードにてそのままパソコンに移行しても文字データのみになってしまうことが多いと思います。相手がメールやラインの内容を否定しなければいいのですが、相手が否定した場合、文字データのみですと、簡単に改変できるデータになりますので、相手から「このデータは偽造されている」とか「一部家内の都合が悪いところが削除されている」といった言いがかりを付けられるリスクがあるので注意が必要です。

 また、お子様によっては、実の父親からの中傷メールやLINEはすぐに消してしまうということも多いと思います。あまり期間が経過してしまっていると復元は難しいと思いますが、消してしまったデータの中に、決定的なフレーズがあったというような場合には、本格的に復元を検討してみたほうが良いケースもあります。

 




6.物の被害




 夫がお子様めがけて物を投げつける場合はもちろん、お子様が見ている目の前で壁に向かってお子様のものを投げつけて壊すといったことも当然児童虐待に該当します。
例えば、旦那が投げつけたために大破したスマートフォン、夫が殴りつけて空いた壁の穴、夫が何度も蹴りつけるためにバラバラになってしまった洗濯籠等、壊れた物の写真も一つの証拠にはなります。

 ただ、これらの写真に関しては、例えばスマートフォンの場合、子どもがふざけていて割ってしまった等、相手が言い逃れをしてくる危険性がありますので、証明できる範囲に限界があることには注意が必要です。

 




7.警察署・子ども家庭支援センター等への相談記録



 夫からの児童虐待に悩まされてきた場合、その間に警察署、子ども家庭支援センターや児童相談所にご相談されている方もいらっしゃいます。そのような場合には、その記録の開示を受けると、証拠になり得ます。なお、警察署・子供家庭支援センターの記録は、一般的には警察・センター側の応答も開示されるケースが多いのですが(但し、ところどころ黒塗りにされることも多いです)、児童相談所への相談記録は、基本的に、こちら側の発言内容しか開示されず、児童相談所担当職員の応答内容は開示されません。この点には留意する必要があります。

 なお、児童虐待の証拠としてどこまで利用できるのかは、その開示された資料の内容次第と言うことになります。例えば、子ども家庭支援センターへの相談記録ですと、育児の悩みがメインで記載されていて、児童虐待の件があまり記載されていないこともあります。

 たまに、私のところに相談に来られる方の中には「大変なことがなければ警察に相談するはずないんだから、相談をしているだけで、児童虐待の証拠になりますよね?」とおっしゃる方もいますが、必ずしもそうとは言い切れません。
 現状の裁判実務を見ますと、「警察に相談した」イコール「大変なことが起こった」とまでは評価されないこともありますので、結局は開示証拠に何が書かれているのかをよく検討して判断すると言うことになろうかと思います。

 




8.証言


 


 証言といった場合、直接の目撃証言なのか、奥様の話を伝え聞いた話なのかによって、その価値に差が生じます。

 例えば、下の子が虐待を受けている様子を、上の子が直接目撃していて証言してくれるという場合には、直接の目撃証言になりますが、下の子が虐待を受けている様子を、あなたが直接目撃していたが、それをあなたのご実家に相談したという場合、ご実家の証言は直接の目撃証言にはなりません。
 また、虐待を受けた当事者であるお子様本人も、虐待を受けていた当時すでに小学校高学年だったというような場合には、その証言は直接の証言になり得ます。

 一般的には目撃証言の方が証拠の価値は高いのですが、お子様の証言という場合、目撃したときに何歳だったのか、証言時に何歳なのかといった点の考慮が必要になりますし、お子様の立場も考慮する必要があります。例えば、お子様が離婚に大賛成という場合、父親の児童虐待を誇張して話していないのかという懸念も生じ得ます。

 いずれにしましても、人間の記憶には限度がありますので、証拠の価値としては録音データ等の方が格段に評価が高いのが実情です。

 




9.児童虐待の証拠が少ない、ほとんどないという場合




 もちろん、上記の様な録音データがあれば良いのですが、そのような証拠が少ない、または、ほとんどないというケースも多くあります。
 その場合には、あまり児童虐待の点に固執せずに、監護実績等他の点で親権を確実に獲得できるよう努力したほうが良いと思います。

 



10.まとめ


・児童虐待は親権者を決めるにあたって重要なポイントではあるが、それだけで親権者が決まるわけでもないので、他の判断要素を疎かにしてはいけない。

・児童虐待の強力な証拠としては、お子様の診断書や写真が強力である。

・録音データは虐待の有力の証拠になるが、その内容については注意点もある。

・ラインやメールは書き込みの内容次第であるが、誹謗中傷発言などが直接かかれていれば有力な証拠になる。

・警察署や子ども家庭支援センター、児童相談所等への相談記録も記載内容に応じて証拠の価値がある。

・物の被害を写した写真は、直接虐待の証明にすることは難しいケースもある。

・証言は、録音データ等の証拠に比べると、証拠としての価値は見劣りしてしまう。

・虐待の証拠が少ない場合には、他の親権の重要要素で勝負したほうが良いかもしれない

 



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2022.02.28更新

弁護士秦 

 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかり勝つ」をモットーに、分かりやすく解説していきます。

 

 

1.離婚の際に親権のことが一番心配


 夫婦喧嘩の中などで離婚や別居を口走ったとき、旦那側から「お前ひとりで出ていけ」とか「親権は絶対渡さないからな」と言われる経験をしたことがある方も多いと思います。
 そうでなくとも、旦那側の普段の様子から、簡単に親権を諦めないと強く予想されることもあります。
 旦那との普段の生活を顧みるとこれ以上一緒に生活できない、離婚は覚悟しているという場合でも、親権のことが非常に心配に感じるという方は多いと思います。
 今回は親権のことで、特に、お子様の不登校にスポットライトを当てて解説していきます。
 なお、お子様の不登校については、①お子様が同居中から不登校だった場合と、②お子様が同居中は不登校ではなかった場合とで状況が異なりますので、場合分けして解説していきます。

 

 

2.お子様が同居中から不登校だった場合


 お子様が同居中から不登校だった場合、その責任があなたの方だけにあるというケースはごく少数だと思います。
 夫が頻繁にモラハラ発言に及ぶような場合、あなたに対して「専業主婦なんだから、子供を学校に行かせられないなんてありえない」とか「学校に行けないなんて子供を不幸にしている」とか色々と言ってくるかもしれませんが、逆に、夫側は奥様に育児を任せっきりにしていたので、このような事態になっているので、奥様だけの責任とは言えないと思います。


 ただ、同居中から不登校だった場合でも、別居後徐々に学校に行けるようになった方が、お子様のためになることは間違いありません。
 そうはいっても、お子様が学校に行くという状況を無理に作り出すことは、かえってお子様の負担を増やすことにもなりかねませんので、スクールカウンセラーやお近くの子供家庭支援センター、療育施設や小児心療内科等にもご相談されながら、お子様にとって最も良い方法を模索していくことが重要かと思われます。

 

 

3.お子様が同居中は不登校ではなかった場合


(1)どのように対策すべきか
 お子様が同居中は不登校ではなかったのに、別居後に不登校になったような場合、特に夫側からは、奥様の育児についての批判を強めていくと思いますし、親権獲得にあたっても重要なポイントになりますので、不登校になった原因をしっかりと究明していくことが重要になります。
 特に、夫との同居中は、家族全員が夫に従わざるを得ず皆が窮屈な生活を送っていたというような場合、同居中は、学校に行かないと夫から何を言われるか分からないという強迫観念から登校していたが、いざ別居すると、そのような強迫観念から解放されたが、他方で、力が抜けてしまって登校できなくなってしまうとか、同居中の心理的ストレスの影響が別居後に大きく表れるというケースもあります。


 同居中は登校していたのに、別居後不登校になったというような場合には、同居中の心理的ストレスが非常に大きかったというケースも多いので、スクールカウンセラーやお近くの子供家庭支援センター、療育施設や小児心療内科等にもご相談されながら、丁寧に不登校の原因を究明していく必要があります。
 このような原因究明の結果、お子様の不登校の原因が同居中の夫からの言動に起因するような場合、あなたの責任ではありませんので、不登校そのものが親権獲得にあたりあなたに不利になることはほとんどないかと思います。


(2)具体的にはどのような例がある?
 同居しているときは、学校に登校できていたのに、別居してから学校に登校できなくなってしまったケースとして、私自身が担当したケースとしては以下のようなものがあります(もちろん、実際にはもっと様々なケースがあると思いますが、私自身が担当した事件としての事例として以下のようなケースがあるという意味です)。
①夫側が非常に厳格な人間で、同居中は夫の目もあって不登校など許されるような雰囲気がなかったが、別居すると緊張の糸が切れたように登校できなくなってしまった。

②夫は妻に対して事あるごとに暴言を吐いており、妻が家庭内で一番立場が下であった。別居後も、そのような立場関係が引き継がれてしまい、子供が妻の言うことを全く聞かなくなってしまって登校も拒否するようになった。

③元々学校のカリキュラムが厳しく、お子様に合っていなかったが、別居後にその問題が一層顕在化して、不登校になった。

④別居後も新型コロナウイルス感染予防の観点から学校のオンライン授業期間が長く、自宅での生活が乱れてしまったせいで、いざ通常授業が始まっても登校できなくなってしまった

 

 


4.まとめ


・お子様の不登校の問題については、同居中から不登校だったかどうかが一つの大きなポイントである。
・同居中から不登校だった場合、別居後も不登校が続いても、そのことだけで親権者として不適格ということにはならない。
・同居中は登校していたのに、別居後不登校になった場合には、不登校になった原因の究明が非常に重要になる。

 

 

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2022.02.21更新

 弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかり勝つ」をモットーに、分かりやすく解説していきます。

 

 

1.離婚の際に親権のことが一番心配


 夫婦喧嘩の中などで離婚や別居を口走ったとき、旦那側から「お前ひとりで出ていけ」とか「親権は絶対渡さないからな」と言われる経験をしたことがある方も多いと思います。
 そうでなくとも、旦那側の普段の様子から、簡単に親権を諦めないと強く予想されることもあります。
 旦那との普段の生活を顧みるとこれ以上一緒に生活できない、離婚は覚悟しているという場合でも、親権のことが非常に心配に感じるという方は多いと思います。
 今回は親権のことで、特に、「夫側が育メンの場合」にスポットライトを当てて解説していきます。

 

 

2.育児負担がほぼ夫婦対等という場合、徹底的な準備が必要


 一概に育メンと言っても、実際には夫側の関わり方は多様でしょうし、その割合にも差が大きいのが一般的かと思います。
 例えば、週末の土日のどちらかは、夫側が食事の支度も含めてすべて担当するという関わり方であったり、共働きなので平日も含めてほぼ育児負担は対等だというケースもあると思います。
 特に、共働きで、かつ、平日も含めて育児負担がほぼ対等だというケースですと、親権について夫側が強く争ってくることも想定して、あなたの方でも徹底的に準備していく必要があります。
 なぜなら、別居前の育児の負担度合いが、親権者を決めるに当たって最も重視される要素だからです。


 ただ、具体的に何をどのように準備するのかという点を解説する前に、今あなたが置かれている状況によって、勝率が大きく変わってきますので、その点についてまずは解説します。

 

 


3.あなたが置かれている立場(あなたが現在お子様を育てているのかどうか)



(1)あなた自身がお子様を今育てているケースの場合
 以下は、あなた自身が現在お子様と暮らしており、お子様自身もその暮らしに大きな不満を持っていないという前提でのお話になりますが、しっかりと基本的な準備を整えておけば、勝訴の可能性はかなり高いと考えてよいと思います。

そして、この場合の基本的な対策の最重要ポイントになるのは、この現状の監護状況を極力長期化させることです。もちろん、お子様自身が夫側との生活を強く望んでいるのに、無理やりこちらとの生活を長期化させるようなことはしてはいけませんが、お子様自身も望んでいるようでしたら、現状の状況を長期・安定化させることは、お子様のためにもなります。
特に、夫側は監護者指定審判の申立をしてきたり、面会交流の機会を利用して、連れ去りやお子様への圧力を強めるといったことも考えられますので、夫側の対応に応じて、こちらも対策を練る必要があります。

 

(2)あなたがお子様と一緒に生活していない場合
まず、あなたが現在お子様を育てていない状況になった経緯が非常に重要になります。大きく分けると、①旦那側がお子様を連れ去ってしまったケースと、②(体調や仕事その他の理由で)あなた自身が旦那側にお子様の監護を委ねたケースの二つに分かれると思います。


ア 旦那側がお子様を連れ去ってしまったケース
 この場合、旦那側がお子様の育児を一手に担うという状況が長期化することを防止する必要があります(この状態を認めると、親権紛争で大きく不利になってしまうため)。
 そのため、この場合には、離婚や親権の紛争の前に、まずは、監護者指定・子の引き渡し審判の申し立てをしていくことになります。
 要するに、離婚が成立する前には夫婦がお子様の共同親権をお互いに持っていますが、その中でもお子様の実際の身の回りの世話をする方(監護者)を決めるよう裁判所に求めるのです。
 この監護者指定手続きで勝訴することができれば、今後の親権紛争でも一歩リードすることができます。
 監護者指定手続きの勝率については、①別居前の監護状況(要するに、夫婦どちらがメインで子育てに関わってきたのか)、②連れ去りの経緯、③お子様の意思等を考慮して決定しますので、一概にあなたが有利と言い切れるものではありません。
 いずれにせよ、監護者指定審判を申し立てるにあたっては、弁護士はほぼ必須になりますので、弁護士に頼む前に、あなたの具体的な事情を説明して、勝率等を尋ねてみたほうが良いと思います。


イ あなた自身が旦那に育児を委ねたケース
 この場合には、①あなたが育児を委ねた経緯・理由、②旦那側のみが育児を担ってきた期間がどのくらいの期間に及ぶのか、③現在はあなたがお子様を育てられる事情の詳細、④お子様の意思等を考慮して夫婦どちらが親権者として適格か判断されます。
 特に、旦那側のみで育児をしていた期間が長期間に及べば及ぶほどこちらには不利になっていきます。
 この点も、上記の①から④を含めた様々な事情を考慮して、親権者の適格性が決まりますので、詳しくは弁護士に相談することをオススメします。

 

 

4.どのような対策を取るべきか


(1)どのように対策すべきか
 あなたが現在お子様を育てている場合とそうでない場合の対応は上記の通りです。
 それでは、この点を一旦置いたうえで、どのような対策が必要なのかについて解説していきます。
 親権者指定のポイントは実際には多岐に渡るのですが、その中でも特に重要なポイントは以下の7つの点に集約できると思います。
1)現在の監護状況
2)(別居前の)監護実績
3)連れ去りの違法性
4)過去の児童虐待の有無・程度
5)子供の意思
6)今後の監護計画
7)面会交流の姿勢


 夫側が育メンだという場合でも、上記の7個のポイントが重要になることは変わりありません。
 そのため、それぞれのポイントに応じて対策を取っていく必要があります。
 上記の「1)現在の監護状況」については、既に前述したとおりです(あなたがお子様を育てているのかどうかで場合分けしてご説明いたしました)。
 特に、相手が育メンだという場合の対策では「2)(別居前の)監護実績」と「4)過去の児童虐待の有無・程度」が非常に重要なポイントになります。


(2)別居前の監護実績
 要するに、別居前に、育児をどのように分担して担ってきたのかというお話です。
 この別居前の監護実績の準備にあたっては、(お子様の年齢がまだ幼少の場合には)お子様の連絡帳が非常に重要な役割を果たします。特にきめ細かく保育園・幼稚園との連絡やり取りをしている場合、誰が連絡帳を記帳していたのか、誰が園への送迎をしていたのかといった点がかなり明確に分かるケースも多く、非常に有力な証拠とされることが多いです。
 また、あなただけがお子様と一緒に出掛けた際の写真、お子様に料理その他家事を手伝ってもらったとか、一緒に家事を行った写真などの証拠があれば、あなたの育児の実績を客観的に証明できますので、これも有力な証拠となり得ます。


(3)過去の児童虐待の有無・程度
 夫側が育メンという場合、お子様に熱心過ぎる反面、躾の範囲を超えて手が出るとか、怒鳴りつけるとか、度を越してしまっている場合もあります。
 いくらお子様とのかかわりが深いとは言っても、その関わり方が虐待に陥ってしまっているような場合には、夫側は親権者としてふさわしくありません。
 このような虐待の証明が容易であれが問題はないのですが、その証明が困難な場合、夫側は虐待の事実を認めないことも多いので、要注意です。
 夫側の暴力でお子様が怪我をなさっているのであれば、診断書や痣の写真、夫側が暴言を吐いているようであれば、その録音などがあると、暴力や暴言を直接証明できますので、非常に有力な証拠になります。
 このような明確な証拠がない場合でも、対策の方法はありますので、詳しくは弁護士にご相談ください。

 

 

5.まとめ


・育児負担がほぼ対等だったような場合には、徹底的な準備が必要になる。
・現状あなたが子育てを担っている場合、基本的な準備を怠らなければ勝訴の可能性は高い。
・現状あなたが子育てを担っていない場合には、大きく以下の2パターンがある。
① 旦那側が連れ去った場合→まずは、監護者指定審判事件の対応を要する。
② 旦那側にこちらから委ねた場合→その経緯等の詳しい事情の確認が必要になる。
・そのほかの対策としては「別居前の監護実績」と「過去の児童虐待の有無・程度」が重要なポイントになる。
・この二つのポイントについて、どこまでの証拠を揃えられるのかが非常に重要である。

 

 


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2022.02.07更新

弁護士秦

 

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1.離婚の際に親権のことが一番心配


 夫婦喧嘩の中などで離婚や別居を口走ったとき、旦那側から「お前ひとりで出ていけ」とか「親権は絶対渡さないからな」と言われる経験をしたことがある方も多いと思います。
 そうでなくとも、旦那側の普段の様子から、簡単に親権を諦めないと強く予想されることもあります。
 旦那との普段の生活を顧みるとこれ以上一緒に生活できない、離婚は覚悟しているという場合でも、親権のことが非常に心配に感じるという方は多いと思います。
 今回は親権のことで、特に、夫側の思惑にスポットライトを当てて解説していきます。

 

 


2.大半のケースは、夫側のお子様への愛情の強さの表れというケースである


 今回のブログのタイトルが「夫が親権にこだわる思惑」としているため、実際にはお子様への愛情以外の理由で親権を主張する夫が多いという印象を与えてしまったかもしれません。
 ただ、実際、私が様々なケースを担当しておりますと、親権問題について激しく対立するケースでは、夫側がお子様への愛情の強さがゆえに争っているケースが大半だと感じます。いわゆる「夫が子供を溺愛している」というケースが多いということです。


 しかし、この「溺愛」というのが、あなたの方でも理解できるような形であったり、方法であれば、家庭内の不和には結びつかないのですが、理解しにくい形であったり、その方法に違和感を覚えるようなものだと、そのこと自体が離婚理由になることもあります。
 いずれにしましても、夫側がお子様を溺愛し、親権について一歩も譲らないというような場合には、離婚紛争について裁判まで視野に入れなければならないケースも多いです。

 

 

3.少数ながら「お子様への愛情」とは言えないケースとは?


 前述の通り、夫側が親権を激しく争ってくるケースでは、夫がお子様を溺愛しているケースの方が多いとは思いますが、そうではないケースも相当数あります。
奥様の目から見ていても、同居中に夫側がほとんどお子様の面倒を見たことがないとか、お子様と週末一緒に遊ぶこともほとんどなかったというようなケースですと、とても、お子様への愛情から親権を主張しているとは考えにくいです。
そのような場合、夫側の思惑としてはどのようなものがあるのでしょうか。


 私が取り扱った事件では、以下のようなケースがありました。

(1)【夫側の思惑1】とにかく勝ち負けで主張しているというケース
 男性心理として、何としても妻よりも優位に立ちたい、負けたくないという発想の男性は相当数います。その場合、とにかく勝ち負けで物事を考えますので、親権だけではなく、離婚すべきかどうかについても争ってくるケースが多いです。要するに、自分が悪くないということを証明したいと考えるのです(自分が悪くないので、離婚する理由がないし、自分が悪くないので、子供も自分の手元で育てるという発想のようです)
 このような発想が非常に強い人物ですと、「離婚に応じる」イコール「自分に悪いところがあったことを認める」という考え方になりますので、離婚を断固拒否してくることも多いです。親権を譲ることについても、「これを譲る」イコール「自分が子供に悪いことをしたことを認める」という考え方になり、激しく親権を争ってくることも多いです。


(2)【夫の思惑2】後継者としての期待
 特にお子様が男の子の場合、自分の後継者として自分の手元で育てていきたいと考えるのです。
 このケースは、夫側の両親も同じような意向を持っているケースが多く、むしろ、夫本人よりも夫の両親が、孫の親権を手放したくないと強く考えているケースもあります。
 夫側が会社を経営していたり、家業を営んでいる場合には、その仕事を子供に引き継がせたいというのもあるのでしょうが、特に家業のようなものがないケースでも、自分の名前を残しておきたいとか、昔ながらの家督承継のように、いわゆる家を継がせたいという発想で親権を主張してくるケースもあります。


(3)【夫の思惑3】夫の利己的な考え
 最後にご紹介するのは、夫側の利己的な考えによるものです。
 例えば、奥さんやお子様達が全員別居してしまいますと、夫側は広い部屋にたった一人取り残されることになっていますので、単純に寂しいので、子供と一緒に暮らしたいとか、老後の心配等があるので、子供に身の回りの世話を期待しているといったケースが該当します。

 

 

4.夫の思惑は、親権紛争に影響するか。


 親権者指定のポイントは実際には多岐に渡るのですが、その中でも特に重要なポイントは以下の7つの点に集約できると思います。
1)現在の監護状況
2)(別居前の)監護実績
3)連れ去りの違法性
4)過去の児童虐待の有無・程度
5)子供の意思
6)今後の監護計画
7)面会交流の姿勢


 そのため、夫側の思惑は、親権の判断にあたって直接影響を及ぼす事情ではありません。
 ただ、事前に夫側の思惑を予測できれば、例えば、面会交流の回数を多少融通することで、離婚裁判を避けられるとか、対応に幅を持たせることもできます。
 そのため、今後の手続の選択や対応方針を決定するにあたっては、夫側の思惑が分かるようならわかっていた方がベターと言えます。

 

 

5.まとめ


・夫が親権を強く争うケースの大半は、お子様への愛情の強さによるケースである。
・少数ながら、以下のような理由で親権を争ってくるケースもある。
 ①勝ち負けで物事を判断するがゆえに争ってくる
 ②後継者として期待している
③利己的な考え方で主張している
・ある程度夫側の思惑が分かると、今後の対応等の判断の参考になる。

 

 

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