2019.05.07更新

弁護士秦

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2019.04.01更新

 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。

 

1.性格の不一致は離婚理由になるか?


 

 「離婚理由」という場合、大きく分けて二つの意味があります。一つめは、相手に離婚を切り出す理由になるかという意味、二つめは、裁判で勝てるだけの理由になるかという意味です。 

 

 まず、一つめの離婚理由という意味で言いますと、あなた自身性格の不一致で夫との今後の生活に限界を感じているという場合、『性格の不一致』は立派な離婚理由になります。ただし、実際に相手に離婚を切り出すとなると、具体的にどのような夫の言動や動作から今後一緒にやっていけないと感じたのかをしっかりと整理して旦那に話す必要が出てくると思います。

 

  次に、「裁判で勝訴できるだけの理由」という意味での離婚理由になるかというと再度詳しく検討していく必要があります。

 と言いますのは、離婚裁判ですと、裁判所が強制的に離婚を命じることができるのですが、本来離婚するかどうかは当人同士の意思に委ねるべき話ですから、「裁判で勝てるだけの離婚理由」というのは法律で厳格に制限されているのです。そのため、本当に性格の不一致以外に一切離婚理由が存在しないという場合、「裁判で勝てるだけの理由とは言えない」と言われてしまうリスクが非常に高くなってしまいます。 

 

 

2.別に裁判をしたいわけではないんだけれど…


 

 私の経験上離婚のケースで大半は裁判にまで行かずに調停または協議で解決しています。

 そのため、あまり裁判ということで身構えて考えて頂く必要性は少ないと思います。

  しかし、少数ですが相手の反発が大きく裁判を避けられないと言うこともありますので、事前に裁判になることを考えながら準備を進めていけると安心です。

 

 

3.そもそもそれってモラハラでは?


 

 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージを持たれる方も多いと思います。しかし、あなた自身がモラハラの意味をしっかりと理解していませんと、あなたの本当の離婚理由を見極めることはできませんし、夫からも軽く見られてしまう可能性があります。本当はモラハラなのに、モラハラの意味がよく分からないがために離婚できないということは絶対に避けなければいけません。 

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。

 

 これだけではなかなかピンと来ないと思いますので、ある程度類型化して整理しますと、以下のようにまとめられると思います。

 

①直接こちらに暴言を吐く(「お前なんかと結婚したのは失敗だった」、「バカが移るから近付かないでくれ」等々)

②こちらに危害を加えるような発言をする(「一度殴られないと直らないのか?」、「むしゃくしゃしてお前を殺してしまいそうだ」等々)

③家事や育児の些細な問題を執拗に責め立てる(「棚に埃が付いてたけど、ちゃんと掃除しているのか?」「いつも言っているけどお前の料理は味が濃すぎて食べれない」「小学校の教科書を忘れて行かせるなんて母親失格だ」等々)

④こちらの容姿を侮辱する(「まるでオランウータンみたいな顔してるよな」「足が太くてドラム缶かと思った」等々)

⑤金銭感覚が自分に甘く、こちらに対しては厳しい(しょっちゅう飲み会に出かけているのに、こちらがランチに行くというと不機嫌な態度を取る等々)

⑥こちらの意見を聞き入れない、自分の考えが正しいと固執する(「お前みたいな考え方する奴今まで見たことがない」「お前の常識、世間の非常識」といった発言等々)

⑦自分の労働や給料を誇示してくる(「誰の給料で飯が食えてると思っているんだ」「俺の仕事は特別なんだからな、そのことに毎日感謝しろよ」等々)

⑧機嫌が悪いと物に当たり散らす。大きな物音を立てる(席を立つ際に椅子を乱暴にテーブルにぶつける、大きな音を立ててドアを閉める等)

⑨唐突に怒り始めるため、その理由が分からない、理由を話してくれないので、いつも旦那の動向を気にしながら緊張感を持って生活しなければならない。

⑩相手の生活態度等を注意すると逆ギレする、聞き入れてくれない(トイレのドアをいつも開けっ放しで出てくるため、注意すると「その方が喚起になって良いんだ」と強弁する等)

⑪友人や親戚の前でこちらの悪口を言う。

⑫子供の前でこちらの悪口を言う(通常はこちらにも聞こえるように言ってくる)

⑬一定期間意図的にこちらを無視してくる。

⑭こちらの行動を制限してくる(門限を23時と決めて、それ以降の帰宅を認めない、生活が苦しいのにパート勤務に出ることを許してくれない、毎日の食事の献立を事細かに指定してくる等々)

⑮気に入らないことがあると舌打ちやため息をついてくる。

⑯家庭の重要事項の決定(住居の購入、引越先の選定、自動車等の大きな買い物、子どもの進学や習い事等)をこちらに任せつつ、後から文句を言う

⑰性交渉の際の要望や要求が多い、性欲が旺盛であり対応に苦慮する。

⑱身内や友人を侮辱する(「お前の親は貧乏人だから価値観が合わない」「お前の友人は知識レベル低いよな」等々)

⑲異常なまでに話を誇張してくる、大げさに言う(風邪を引いただけなのに「俺はもう長くないかもしれないから、娘のことをよろしく頼む」と言ってくるとか、すれ違いで通行人の肩がぶつかっただけなのに「今殺されそうになった。この道は危ないから今後二度と通らない方が良い」と発言する等)

  夫との日常生活の中で、上記のようなモラハラ行為のいくつかを実際に体験しているのではないでしょうか。そうしますと、あなたの離婚理由は「性格の不一致」ではなく「モラハラ被害」になる可能性があります。

 

 

4.モラハラ内容の整理



  上記のようなモラハラの項目に当てはまる場合、夫婦生活の中で具体的にどのようなエピソードがあったのかをしっかりと思い出す必要があります。

具体的には5W1Hの要領で「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「何故」「どのように」したのかを思い出すようにして下さい。特にモラハラ夫から心ない言葉を浴びせられたという場合、具体的なセリフまで思い出すのが望ましいです。

 このようにして思い出す作業を通じて、あなたとしても離婚の意思を固めることができると思いますし、夫側にも詳しい話をしやすくなると思います。

 

 

5.いざ離婚という場合どのように手続を進める必要があるか


 

 通常、離婚は直接あなたの口から夫側にしっかりと伝える必要があります。そして夫婦でしっかりと話ができるようでしたら離婚に向けた話し合いをしてみて下さい。

 当人同士での話し合いが難しい場合、身内や友人等間に入ってくれる人間を探して、話し合いをすることも検討してみると良いでしょう。

 その様な身内等を入れての話し合いも難しいという場合には、家庭裁判所への調停も検討対象になります。調停は裁判所で行われる手続になりますから、不安があるようでしたら弁護士に依頼することもいよいよ考えなければなりません。 

 

 

6.まとめ


・性格の不一致も、そのことであなたが夫とやっていけないと考えるのであれば、離婚を切り出すに当たっては十分な理由になる。

・ただし、相手が激しく抵抗してきて離婚裁判も視野に入れなければならない場合、離婚裁判に耐えられるかの検討が必要な場合もある。

・性格の不一致のつもりでも、実際にはモラハラというケースも多いので、その様な観点から検討する必要がある。

・モラハラの項目に当てはまる場合、その具体的エピソードを5W1Hの要領で思い出していくと良い。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2019.03.20更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。

本日、東京家庭裁判所入り口付近にて女性が刺殺されるという痛ましい事件が発生してしまいました。被害女性の方及びご遺族の方々には心よりご冥福をお祈りいたします。

 

1.現場に居合わせた身として、離婚事件の専門家としてどの様に思うか


 

 実は、私は本日東京家庭裁判所に事件の関係で向かっておりまして、偶然事件現場に遭遇しております。被害女性のご遺族の方々のご心境等を考えますと、私の方からは、当時の様子等についてこの場でお話しすることはできないのですが、現場に居合わせた身としまして、今回の様な事件が発生したことについては遺憾という他申し上げられないという気持ちです(なお、私は、今回の事件の加害男性や被害男性の代理人弁護士ではございませんし、その他の直接の事件関係者でもございません)。

 私は、モラハラ・DVを含めた離婚事件に力を入れております関係で、今回の事件について若干のコメントをさせて頂こうかと思います。

 

(1)私としては3重にショック

 1)やはり、今回被害者の方がお亡くなりになった、尊い命が失われたと言うことについて非常に大きなショックを受けております。

 2)次にショックを受けたのは、裁判所という公的な場で今回の様な凶行が行われたと言うことです。軽度のモラハラ加害者であれば、裁判所では恐縮するという人物も多いのですが、今後は「裁判所であっても何が起こるか分からない」という気持ちをさらに強めつつ事件処理にあたっていく必要があると感じております。

 3)最後にショックなのは、調停中ということです。調停は裁判所を間に入れた話し合いであって、いわゆる「裁判」とは異なります。調停中どの様なやりとりがあってこのような惨事が起きてしまったのか分かりませんが、このような話し合いの最中に事件が起きたことにはショックを禁じ得ません。

 

(2)東京家庭裁判所の保安検査について

 東京家庭裁判所正面にはセキュリティがひかれておりまして、いわゆる空港の入場時検査の様な手荷物検査、ゲート型金属探知器等があります。そのため、私が普段東京家庭裁判所を利用する際には、「裁判所建物内では凶器や危険物の処理が非常に難しい状況にある」という認識ではおりました。

 今回の事件は、このような検査手前の場所(「東京家庭裁判所建物内ではあるけれども保安検査のゲートの直前の場所」という意味です)が事件現場になっておりますので、上記の保安検査の不備等ではないのかと思います。

 

 今回のトラブル発生時に警備員の方々が適切に対応できていたのか等については、今後の報道等にて、事後的に検証されていく問題かと思います。

 

(3)特にDV離婚のケースでは常に調停時にトラブルが発生しないか神経を遣っている

 私はDV離婚のケースも取り扱いますので、被害女性の方と一緒に調停に臨む場面もあります。その場合に一番神経を遣いますのは、①家庭裁判所への出入りの際に加害男性から暴力その他の攻撃を受けないかという点と②家庭裁判所から出た後加害男性から尾行されないかという点になります。

 今回の様な事件が起きる前から、上記①②のトラブルが発生しない様、裁判所にも配慮を求め、裁判所にも対応してもらってきたのですが、今回の事件を受けて、他に対応できる点がないか慎重に考えていく必要があろうかと思っております。 

 

 

2.そもそも弁護士を立てているのに本人が裁判所に足を運ぶ必要があるのか?


 

 

 今回の東京家庭裁判所の刺殺事件において、加害者や被害者が弁護士を立てていたのかは分かりかねるのですが、私が対応している事件では基本的にご本人にも家庭裁判所にご足労願っております。それは以下の様な理由によるものです。

①これまでの夫婦関係の詳しい事情はご本人にしか分からないため、弁護士だけでは調停委員との受け答えに限界がある。

②これまでの夫婦関係の詳しい事情はご本人の口から話をしてもらった方が調停委員への印象力が大きい。

③調停を担当している調停委員の様子や調停の進め方などご本人にもしっかりと把握してもらった上で手続を進めたい(離婚するかどうかは人生に1度や2度しかない重要な出来事なので、その経過についてもしっかりと把握して欲しいと考えております)

④少なくとも離婚調停成立時にはご本人が出席していただかないと手続が完了しない。

⑤ご本人が調停に参加することで弁護士として新たな気付き等がある。

 

 ほとんどの弁護士は離婚調停に取り組むにあたって、ご本人にもご足労願っていると思いますが、私もそのような手続の進め方をさせていただいております。

 

 

3.今後どの様な配慮が必要になるか


 

 

 今回の事件を受けて、特にDV被害を受けてきた女性の方々は、より一層家庭裁判所に足を運ぶことに恐怖感をお持ちになったことと思います。

 そのため、まず、DVの明確な証拠が複数存在するケースでは、私の様な弁護士のみが調停の場に出席し、極力ご本人には裁判所まで足を運んでいただかないという方法が考えられます。

 この方法で、調停の道筋がつくようでしたら最後の調停期日のみご本人に出席していただいて調停を成立させるという方法が考えられます。他方、調停の道筋が到底就かなさそうという場合には、早めに調停手続に見切りをつけて、離婚裁判を起こすという方向での検討もできるかと思います。

 

 悩ましいのは、DVの明確な証拠が少ないというケースです。この場合、あまり早急に裁判に訴えることは敗訴のリスクがありますので、取り得ないということになります。このような場合に被害者の方の不安を軽減させながら、裁判所にご出席いただく方法が検討できないか慎重に裁判所とも協議していくほかないと思います。

 

 

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弁護士 秦(はた) 真太郎

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2019.03.11更新

 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 

 

1.内縁解消裁判という裁判はない


 

離婚の問題の場合、離婚調停が上手く行かなかった場合、離婚裁判を起こすことになります。そして、この離婚裁判の中で、養育費や財産分与、慰謝料の問題もセットで審理していくことが可能です。

これに対して、内縁の場合には「内縁解消の裁判」というものはありません。離婚の場合、相手が断固として離婚届にサインをしないければ、離婚することができませんから、どうしても離婚したい場合には、裁判所が言い渡す判決で離婚する他ありません。

 

これに対して、内縁の場合、最初から内縁関係は戸籍に登載されておりませんので、内縁解消届といった書類へのサインは必要ありません。そうすると、裁判所が内縁解消を命令しなくとも、同居を解消してしまえば事実上内縁は解消できてしまいますから、「内縁解消の裁判」というものはないのです。

そのため、内縁解消調停で解決しなかった問題は、それぞれ個別に審判や裁判を起こさなければならなくなります。

 

 

2.具体的にはどういう手続きを取るの?


 

先ほど説明しましたとおり、内縁解消の問題はそれぞれの問題について裁判や審判を起こす必要が出てきます。

具体的には、養育費や面会交流、財産分与、慰謝料といった問題が出てきますが、それぞれの事件を起こさなければならなくなるのです。離婚の場合には、「離婚裁判」という大本の手続が一つ出来上がりますので養育費や財産分与、慰謝料といった問題は、大本の手続である離婚裁判に付随する形で取り扱ってくれますので、この点が内縁解消と離婚の大きな手続の違いといえます。

 

より具体的に申しますと、養育費審判、面会交流審判、財産分与審判という3つの審判手続と、慰謝料訴訟という一つの裁判が乱立するような形になるのです。審判は同じ家庭裁判所で審理が行われますから、併合して手続を行うように求めることができますが、慰謝料の問題だけは裁判で行わねばならず、これは地方裁判所で審理を行う関係上、審判と一緒に審理してもらうということはできません。

 

 

3.審判・裁判と調停の違い



  調停と比較していくと裁判や審判がどのようなものか、概要を掴むことができると思いますので、まずは比較しながら概説いたします。

 

 審判・裁判と調停との間にはいくつもの違いがあるのですが、大きな違いとしては以下のような点が挙げられます。

①裁判は判決を目指すものであるのに対して、調停は当事者間の合意を目指す。

②裁判は原則公開法廷で行われますが、調停は非公開で行われます。

③裁判には控訴という不服申立ができますが、成立した調停に対する不服申立はできません。

④裁判は書類の提出をメインで行い、調停のような口頭での説明がメインではありません。

⑤裁判では基本的に当事者本人が出席する必要がありませんが、調停では基本的に当事者本人が出席する必要があります。

 

 それぞれについて具体的に説明して行きます。

(1)裁判は判決を目指す

 冒頭でも説明しましたとおり、裁判は判決を得ることを目的としており、判決が言い渡されて、その内容が確定すると、不満のある当事者も判決の内容に従わざるを得なくなります。

 調停の場合には、相手の提案に納得が行かない場合には、納得いかない旨を述べれば調停は成立しませんので、相手の言い分を強要されることはありませんので、この点が裁判と調停の一番大きな違いと言えます。

 

(2)裁判は原則公開法廷で行われる

 調停は調停室という会議室のような部屋で行われるのですが、裁判は原則として法廷(テレビドラマなどに出てくるのは通常この「法廷」になります)で行われます。但し、裁判の途中から弁論準備手続という手続に入ることも多く、弁論準備手続は基本的に非公開で行われます。

 

(3)判決に対しては控訴という不服申立ができる(審判に対して即時抗告)

 離婚裁判の結論として判決が言い渡された場合でも、その判決に不満がある当事者は、控訴をして、その判決内容を争うことができます。

 これに対して、調停が成立した場合、後で気持ちが変わったとしても調停の内容を覆すことはできません(不服申立手段がありません)。

 なお、離婚裁判の中で当事者間の話し合いが上手くいった場合には、「和解」が成立することがありますが、この和解に対しては不服申立ができません。

 

(4)裁判では書類のやり取りが中心になる

 裁判では、最終的には裁判官が判決を書くことになりますので、当事者の言い分が不正確にならないように、お互いの言い分は準備書面といった書面に書き起こして主張してゆくことになります。

 調停の場合には、特に調停委員が希望する場合を除いて、言い分は調停室内で口頭にて述べられますので、この点も裁判との違いになります。

 

 このように裁判では本人の言い分が裁判官にきちんと届くように書面をまとめることが非常に重要になりますので、裁判期日当日というよりも当日よりも前の準備書面の準備が重要になります。

 実際上も、裁判期日当日は、短い時には5分程度で終わってしまうこともあります(「事前に書類を提出したとおりです」と発言するだけで終わってしまうこともあるからです)。

 

(5)裁判には原則本人は出席しなくて良いし、通常は出席しない

 内縁関係解消調停の場合、仮に弁護士が代理人に就いたとしても、本人が調停手続に出席する必要があります(弁護士も同席します)。

 これに対して、裁判の場合、代理人が法廷に出席すれば良く、本人が出席する必要はありません。

 裁判の場合、上記の通り、書類のやり取りが中心になりますので、期日当日本人に事実確認をする必要がなく、御本人に出席していただく必要はなくなるのです。

 

 

4.裁判の具体的イメージは?


  

 裁判というと、よくドラマでやる様な相手を証言台に立たせて尋問することをイメージする方も多いと思いますが、実際の裁判は少し違います。

 大きなイメージとしては、①お互いの言い分を言い尽くすステップ→②必要な証拠を出し尽くすステップ→③尋問手続→④判決という流れになります。この説明だけでは、今一ぼんやりとしか分からないと思いますので、より具体的にご説明します。

 

①お互いの言い分を言い尽くすステップ

 前述の通り、裁判は調停とは違って口頭で説明するのではなく書面を提出して説明していくことになります。要するに、養育費の金額が○円というのが正当だと考える根拠や慰謝料○円が正当だと考える根拠といった点を詳しく説明する書類を裁判所に提出するのです。

 このような説明書類はいったん説明すれば済む気もするのですが、このような説明書類に対しては相手も反論してきます。相手の反論に対して再反論し、また相手から反論がありと言ったやりとりを何度か繰り返していくことになります。

 

②必要な証拠を出し尽くすステップ

 上記の言い分を言い尽くすステップの中で通常は、裏付け証拠も一緒に提出していくことになります。例えば、相手からのモラハラがあった証拠として相手からのLINEを証拠で提出したり、と言った具合です。

 前述の言い分を再度振り返って、提出が漏れていた証拠などを発見することもありますので、最後に、証拠を出し尽くすステップが設けられるのが通常です。

 

③尋問のステップ 

 上記の様なやりとりを経て、ようやく尋問のステップに到着します。いわゆるドラマでよくやる証言台で相手から話を聞くステップです。

 このように尋問のステップは、かなり終盤で実施されるステップとお考えいただければよいと思います。

 なお、養育費や財産分与の審判などは金銭問題に的を絞った審判になりますので、通常は尋問は行われません。

 

④判決(決定)

 上記の様なすべてのステップが終わると、裁判所の方から判決が言い渡される期日が指定されます。お互いの言い分と証拠がすべて出そろったので、裁判官が、言い分や証拠をもとに判決文を書き上げるのです。前述の通り判決文には強制力がありますので、それには従う必要があります(但し、判決に不服がある場合には控訴することが可能です)。

 

 

5.ケースにもよるが弁護士としてはあまり裁判をオススメしない


 

 もちろんケースにもよりますので一概には言えないのですが、私が弁護士としての立場で申し上げさせてもらいますと、裁判はあまりオススメしません。大きな理由は以下の通りです。

 

①最終解決までに時間がかかる

 裁判の手続を進めますと細かな資料の提出を求められるなどして相当期間を要することが多いため、最終的な離婚までに時間がかかってしまいます。

 

②御本人にとって精神的負担が大きくなる

 ①の点にも増して、裁判になると御本人の精神的負担が大きくなります。

 といいますのは、裁判になりますとお互いが主張の出し惜しみをしなくなりますので、お互いに内縁生活でイヤだと思った点、傷ついた点、不十分であった点などを最大限主張してゆくことになるので、このような書面を見るたびに気持ちが滅入ってしまいます。

 

 相手の言い分が事実ならば多少はよいのですが、裁判になりますと誤解に基づく発言や当時のシチュエーションを無視した主張などがなされますので、余計に精神的な負担が大きくなります。

 もちろん当事者間の対立が激しく、相手が不合理な言い分に固執しているような場合などは裁判に手続を進める他ないでしょうが、そうでない場合には基本的に調停による決を目指す方が望ましいと思います。

 

 内縁関係解消調停が行き詰まるなどして、今後の進め方に不安があるような場合には早めに弁護士にご相談下さい。

 

 

6.内縁解消特有の問題


 

 内縁解消に伴う財産分与や慰謝料の紛争では、ほとんどのケースで、相手がそもそも最初から内縁関係は成立していないといった言い分が述べられます。そのため、こちらから内縁が成立しているという根拠を証拠と共に主張していかなければならないケースがほとんどです。

 また、仮に内縁が成立していたとしてもお互い納得の上で一旦解消しているから今更慰謝料は払わないという主張が展開されることもあります。その様な場合にはしっかりと内縁解消には至っていないといった事情を証拠と共に主張していかなければならないケースもあります。

 特に内縁の成立については慎重に判断しようと考える裁判官も多いため、難所の一つと言えます。

 

 

7.まとめ


・内縁解消裁判というカテゴリーの裁判は存在しない。

・結局内縁解消時の問題に関してはそれぞれの問題について個別に審判や裁判を起こす必要がある。

・裁判と調停を比較するとより手続を理解しやすいと思うが、具体的には大きく以下のような違いがある。

①裁判は判決を目指すものであるのに対して、調停は当事者間の合意を目指す。

②裁判は原則公開法廷で行われますが、調停は非公開で行われる。

③裁判には控訴という不服申立ができますが、成立した調停に対する不服申立はできない。

④裁判は書類の提出をメインで行い、調停のような口頭での説明がメインではない。

⑤裁判では基本的に当事者本人が出席する必要はないが、調停では基本的に当事者本人が出席する必要がある。

・大きな裁判の流れとしては以下のようなステップで審理が進んでいく

①お互いの言い分を言い尽くすステップ→②必要な証拠を出し尽くすステップ→③尋問手続→④判決

・裁判には時間と心理的負担がかかるため極力避けた方が望ましい。

・内縁解消に伴う裁判の場合、相手が内縁を否定してくることがほとんどなので、その証明が必要になることが多い。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2019.03.04更新

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 

1.内縁関係解消調停って何だ?


 

 内縁関係解消調停とは、一般的には、内縁夫婦が当人同士でお話し合うことが難しい時に、家庭裁判所の調停委員を間に入れて内縁解消時の条件等について話し合いをする手続などと言われたりします。

 しかし、この説明だけでは漠然としていてイメージを掴むことは難しいと思いますので、できる限り具体的に内縁関係解消調停というものがどのようなものなのかをご説明します。

 

 

2.そもそもこの調停は何を目指す調停なのか?


 

 通常この調停を起こす場合、内縁関係は成立しているけれども、相手が急に態度を豹変させたとか、連絡が取れなくなってしまったという場合に、内縁解消自体には合意しつつ、金銭面を含めた条件について話し合いをする手続になります。

 調停の席での話し合いが順調に進めば、内縁解消の条件等を調えることができます。

 ただ、相手が頑なに内縁関係の継続を希望するような場合、調停では解決しないという場合はあります。

 

 

3.調停を申し立てる前にすべきこと


 

(1)相手に最後通告を送る

 いきなり調停を起こしますと、裁判所からの封書が来て相手は驚いてしまうと思います。そのため、相手には最低1回は内縁関係解消調停を起こす旨の最後通告はしておいた方が良いと思います。

 このような最後通告を行うことによって、相手が話し合いに応じてくる可能性もありますので、極力事前に通告をしておいて下さい。

 

(2)相手が内縁関係を否定してきた場合に備えて証拠の準備

 相手が調停の場で、内縁関係の存在そのものを否定してくる可能性もあります。そのため、内縁関係を証明できる証拠があれば、事前に証拠集めをして、調停の場でも調停委員に見せられるように準備しておいた方が良いと思います。

 

 

4.調停委員ってどんな人?


 

 内縁関係解消調停は、裁判官1名と調停委員2名(男性1名、女性1名)の合計3名が間に入って執り行われます。と言っても、裁判官は複数の事件を担当していますので、実際に調停室で直接話をするのは基本的に調停委員2名と言うことになります。

 

 では、この調停委員というのはどういう人なのかと言うことですが、原則として40歳以上70歳未満の人で、社会生活上の豊富な知識経験や専門的知識を有する裁判所職員になります。弁護士、大学教授や裁判所書記官OBなどが調停委員になるなどしています。

 

 

5.内縁関係解消調停ってどこで行うの?


 

 内縁関係解消調停は家庭裁判所の建物内の一室で行われます。調停委員に、こちらの自宅などに出向いてもらって話し合いをするということはできません。

 

 テレビのドラマなどを見ていますと、いわゆる裁判所の法廷の場面が映し出されていますが、調停が行われるのは一般的な法廷ではなく、イメージとしては会議室のような場所で行われます。

 会議室と言っても何十人も座れるような広い会議室ではなく、6人掛け(いわゆる誕生日席2席を加えると8名が座れる程度)のテーブルが入って多少余裕がある程度の部屋とイメージしていただければ分かりやすいと思います。

 

 

6.内縁関係解消調停って何時行うの?


 

 調停が開催される期日は完全事前予約制なので、予め日時を決定しておき、その日に裁判所に足を運ぶという方式になります。

 調停が行われるのは平日の日中ということになりますので、土日祝日や夜間に調停を行うことはできません。そのため、平日お仕事をされている方は、調停の日はお仕事を休むか早退するなどして出席することになります。

 

 この調停期日は一方的に裁判所から決められることはなく、基本的にはご本人の都合を聞いて日時が決定されます(但し、第1回調停期日については、相手方の都合は聞かずに日時が決定されます)。

 

 ただ、担当調停委員によって担当曜日が決まっているのが一般的ですので、その曜日の中から日時を選択するという形式が一般的です。つまり、担当曜日が月曜日と木曜日というように決まっているという場合、月曜日か木曜日の中から期日を選択して行くことになります(逆に言うと水曜日を希望しても水曜日に調停を開催することは難しいということになります)。

 

 

7.1回の調停はどのくらいの時間がかかるの?


 

 1回の調停は2時間程度で終わります。ただ、話し合いの状況に応じて2時間よりも長くなったり短くなったりすることもありますので、2時間というのは一つの目安だと考えて下さい。

 

 

8.当日の調停の流れは?


 

 調停の流れは裁判所や調停委員によって差があるので画一的ではないのですが、一般的には以下のような流れで進むケースが多いです。

①内縁夫婦はそれぞれ別々の待合室で待機

        ↓

②調停委員に事件番号(またはお名前)を呼ばれるので、調停委員の案内で調停室に入室

        ↓ 

③内縁夫婦双方が揃った調停室にて調停委員から調停手続の概要を説明(第2回目の場合、前回の調停での話し合いのおさらい及びその日の調停での目標等の確認)

        ↓

④申立人のみが調停室に残って調停委員と話し合い(30分程度が目安)(相手方は待合室で待機)

        ↓

⑤申立人が調停室を退室し、入れ替わりで相手方が調停室に入室、相手方のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(申立人は待合室で待機)

        ↓

⑥相手方が調停室を退室し、入れ替わりで申立人が調停室に入室、申立人のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(相手方は待合室で待機)

        ↓

⑦申立人が調停室を退室し、入れ替わりで相手方が調停室に入室、相手方のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(申立人は待合室で待機)

        ↓

⑧内縁夫婦双方が揃った調停室にて調停委員と次の調停の日時を決定し、同時に次回までの宿題などの確認をする。

 

 なお、上記の③と⑧については、調停委員によっては内縁夫婦別々で確認を行うということもあります。

 

 

9.調停室内に入れるのは誰?


 

 よく自分一人で調停室に入っても上手に話ができるか不安があるので、ご自身のお姉様やお母様も同席させて欲しいとおっしゃる方もいます。

 しかし、調停の手続は非公開の手続(御本人以外の方の傍聴などが認められていないということです)ですので御本人以外が入室することはできません。

 なお、弁護士に事件を依頼した場合には、弁護士も調停室に同席することができますので、その点では安心です。

 

 

10.調停が開催される頻度は


 

 調停の期日の間隔は1か月程度になります。ただ、夏期や年末年始は調停を行わない時期がある関係で、この時期の調停の間隔は1か月以上空くことが多いです。

 

 

11.そもそも相手は調停に来るか?


 

 調停はあくまで裁判所を利用した話し合いの場になりますので、相手が法律的な出席義務を課されることはありません。

そうすると、相手が欠席するのではないかと不安に思われる方もいますが、家庭裁判所から封書が届きますので、相手も出席してくることの方が多いと思います。そのため、最初から「相手が出てこないかもしれない」と考えて調停を起こさないのではなく、相手も来る可能性が高いものとして調停は活用して行ければと思います。

 

 

12.調停が成立した場合の拘束力は?


 

 よく「調停が成立すると判決と同様の拘束力がある」と言われたりします。

そのため、例えば養育費をいくらだとか、財産分与をいくらと定めたのに、相手が約束を破った場合、強制執行をして強制的に取り立てることができるようになります。強制執行とは裁判所の手を借りて、相手の預金や給料からお金を取り立てることをいいます。

 そのため、調停での結論には強い効力が認められています。

 

 

13.まとめ


・内縁関係円満調整調停は、内縁夫婦の関係が円満な形を取り戻すことを目指す手続である。

・調停委員は40歳以上70歳以下の学識経験者等が就任する。

・内縁関係円満調整調停は、裁判所建物の中の会議室のような場所で行われる。

・調停は平日の午前または日中に行われる。

・1回の調停は合計2時間程度で終わる。

・2時間の調停では最初に手続の説明、その後交互に調停委員が本人から話を聞くなどし、最後に次回までの宿題等の確認を行うという手順で進むことが多い。

・調停室には本人しか入れない(弁護士が就いている場合は弁護士も入れる)

・調停は1か月に1回程度の頻度で開催される。

・相手は調停の席に出席する義務はないが、大体の人は出席してくることが多い。

・調停が成立した場合には判決と同じ効力が認められる。

 

 

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雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

TEL03-3666-1838|9:30~18:00

東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

投稿者: 弁護士秦真太郎

2019.02.18更新

 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。「本当に分かりやすい詳しいブログ解説」を目指して解説していきます。

  

1.大ざっぱに言うと内縁解消の問題には3つのステップがある


 

大ざっぱに言いますと、内縁解消の問題には3つのステップがあります。

 

①話し合いのステップ

      ↓

②内縁関係解消調停のステップ

      ↓

③各種裁判のステップ

 

一般的には皆さんどのような手順で手続を進めるのが多いのかを含めて、以下で詳しくご説明致します。

 

 

2.話し合いのステップ      


 

(1)まずは本人同士の話し合い 

最終的には内縁生活の精算を含めたお金のやり取り等を含めて全て話し合いで解決することをゴールとする手続です。

このような話し合いがまとまればよいのですが、話し合いがまとまらない場合には、「当人同士の話し合い」以外の方法を模索する必要があります。

  

(2)本人同士の話し合いがまとまらないとすぐに調停なのか?

 本人同士の話し合いがまとまらない場合、ご両親等の身内の方を交えて話をしたり、友人等に間に入ってもらって話をするというケースもあります。身内や友人を間に入れれば、感情的な議論を避ける効果がありますので、間に入ってくれるような的確な人物がいないか検討してみて下さい。

 上記のような的確な第三者が居ないという場合には、弁護士が間に入って話し合いをするケースもあります。弁護士を間に入れると、すぐに調停手続になると誤解されている方も多くいますが、弁護士が間に入ることで話し合いがまとまるケースもありますので、弁護士としては話し合いによる解決を目指すケースの方が多いと思います。

 

 (3)協議書は作った方が良い?

内縁解消の際には養育費や財産分与、慰謝料といったお金に関わる問題についても話し合いをしますので、その様な話し合いの結果は、「協議書」といった書面にまとめ、内縁夫婦双方の署名押印をして下さい。特に養育費などは、お子様が少なくとも成人するまで支払う必要があるお金になりますの で、きちんと協議書に金額を明記しておくと安心です。

 

 (4)内縁関係かどうかで対立することがかなり多い

 以上が一般的な内縁解消の話し合いの進め方になりますが、そもそも、お金の話を持ち出すと、相手が「あなたとの関係は内縁と呼べるような関係ではなかった」といったことを言い始める人も多いのが実情です。

 このような議論に発展する場合には、細かな内縁解消の条件についてまで話が進みませんので、いよいよ調停も視野に入れなくてはならなくなりますし、調停準備にあたっては内縁を証明できる資料がどこまであるのかの整理も必要になってきます。

 

(5)最後通告はしておいた方が良い

  身内の方や友人等が間に入っても内縁解消条件の話し合いがまとまらないケースや、間に入ってくれる的確な人物が居ないという場合には、本格的に弁護士を雇うことや調停を申し立てることを考えなければならなくなります。

 

 ただ、その場合にも、可能であれば「このまま話し合いが進まなければ弁護士を雇うことになるよ」という最後通告はしておいた方が良いと思います。このような最後通告をしますと、相手も諦めて譲歩してくる可能性もあるからです。

 

 また、相手が一時的に感情的になっていると思われる場合には、一旦相手が冷静になるように1,2か月期間を置くことで順調に話し合いができたというケースもありますので、一定期間間を置くという方法も検討の余地があります。

 

 

3.内縁解消調停のステップ      


 

 (1)話し合いの次の手続は内縁解消調停

上記のような話し合いのステップが全て上手く行かなかった場合、次のステップは内縁解消調停ということになります。

内縁解消調停となりますと、話し合いをベースにする手続とは言っても、裁判所において行われる手続になりますので、本格的に、弁護士に依頼するかを検討しなければならないタイミングでもあります。

 

内縁解消調停は、1か月に1回程度の頻度で裁判所の調停委員が間に入って話し合いが行われることになります。調停手続では原則として内縁夫婦本人同士が直接顔を合わせることはありませんので、その点は安心して手続を進められると思います(但し、最初の手続の説明や最後の調停条項の読み上げなど一時的に内縁ご夫婦同席となるケースもありますので、この点はご注意下さい)

 

なお、内縁解消の問題はほとんどが金銭問題のみになりますので、慰謝料請求訴訟等すぐに訴訟を起こすことができるのですが、内縁解消調停の枠組みの方が内縁解消に伴う条件を全て話し合うことができますので、通常は内縁解消調停を起こし、調停が上手く行かなかったときに訴訟という手順を取ります。

 

(2)内縁解消調停が不成立になった場合、すぐに裁判か?

  ちなみに、内縁解消調停手続で折り合いがつかなかった場合、すぐに裁判を起こすべきかについては慎重に検討する必要があります。

 裁判は互いに相手を中傷し合う場になりますので、心理的負担が大きいとともに、手続の終了まで時間がかかることが多いため、裁判をしないで済む場合には、 しない方が良いからです。

 

  そのため、どのタイミングで裁判を起こすのかについては、慎重な検討が必要になります。

 

 (3)分離合意の可能性の模索

 内縁解消の条件としては、主に、養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割といった問題を話し合うのですが、慰謝料の問題は意見が食い違っているけれども、養育費や財産分与については意見の食い違いがほとんどないというケースもあります。その様な場合には、養育費や財産分与についてだけ調停を成立させ、慰謝料の問題だけを別の手続にするという方法を取ることもあります。

 後述するように、内縁解消の金銭問題は、それぞれの問題について審判や裁判の手続きが必要になりますので、その全てについて審判や裁判を起こすと、手続が分岐して手数が多くかかってしまいますし、最終的な解決までに時間がかかってしまう虞があるからです。

 

 

4.裁判のステップ      


 

上記の「内縁解消調停」も上手く行かない場合には、裁判の手続きに進むことになります。

 

  なお、離婚の場合には「離婚裁判」というものがありますが、内縁の場合には「内縁解消の裁判」というものはありません。離婚の場合、相手が断固として離婚届にサインをしないければ、離婚することができませんから、どうしても離婚したい場合には、裁判所が言い渡す判決で離婚する他ありません。

 これに対して、内縁の場合、最初から内縁関係は戸籍に登載されておりませんので、内縁解消届といった書類へのサインは必要ありません。そうすると、裁判所が内縁解消を命令しなくとも、同居を解消してしまえば事実上内縁は解消できてしまいますから、「内縁解消の裁判」というものはないのです。

 

 従って、裁判に移行するという場合には、養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割といったそれぞれの問題について、それぞれ裁判・審判の手続を行う必要が出てきます。

裁判と調停との大きな差は、①調停委員会ではなく、裁判官が間に入る、②話し合いではなく判決(決定)という命令を得るために主張を戦わせて行くことになるという点です。なお、裁判においては、裁判期日で詳しく事情を聴かれることはあまり多くないので、ご依頼者様ご本人が出席する必要は基本的にありません。

 

このように裁判は、内縁解消の手続きの中でも最終ステップに位置付けられる手続になり、裁判官から最終結論が示されることになります。分かりやすく俗な言い方をさせていただきますと「白黒つける」手続になります。

 

ただ、内縁ご夫婦の問題になりますので、裁判官も最終的な判決言い渡しではなく、和解による解決を促してくることが多く、実際にも和解で解決するケースも少なくありません。

 

 

6.まとめ


 ・内縁解消の手続きには、①話し合い、②内縁解消調停、③審判や裁判という3つのステップがある。

・当人同士の話し合いが上手く行かなかったからと言って、すぐに調停ではなく、身内や友人を間に入れる方法や弁護士を間に入れて合意を目指すという方法もある。

・内縁解消調停に進む決意をした場合や、弁護士を雇う決意をした場合でも、最後に相手に最後通告はした方が良いことが多い。

・話し合いのステップが全て上手く行かなかった場合には、内縁解消調停の申立を考える必要がある。

・内縁解消調停で上手く折り合いがつかなかった場合でも、裁判を起こすタイミングは慎重に検討する必要がある。


 

 

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弁護士 秦(はた) 真太郎

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2019.02.11更新

 

 こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。「本当に分かりやすい詳しいブログ解説」を目指して、解説していきます。

 

 

1.内縁解消の際に話し合う必要がある事項とは?



  内縁解消にあたっては、離婚届の提出のような戸籍上の手続は必要ありません。しかし、特に内縁夫婦間にお子様がいる場合などには、内縁解消の条件をしっかりと定めておかないと、後から大きなトラブルに発展することもあります。

 また、内縁解消の問題になると、慰謝料に目が向かいがちですが、慰謝料だけではなく様々に決めなければならない事項があります。

 

 まず、全体像を把握するためにも、内縁解消の際に話し合う必要がある事項としては、どのような項目があるのかについて解説いたします。通常は以下の6項目について話し合う必要があります(お子様がいらっしゃらない場合には、(1)、(4)~(6)の4項目になります)。

 

(1)そもそも内縁解消すべきかすべきではないか

(2)養育費をどのようにするか。

(3)面会交流をどうするか。

(4)財産分与をどのようにするか

(5)慰謝料をどのようにするか

(6)年金分割をどのようにするか

 

 

2.内縁解消すべきか解消すべきではないか


 

 こちらが内縁解消を切り出したところ、内縁の夫側の反発が非常に強いような場合、少し立ち止まって離婚すべきなのかについて検討すべき場合もあります。

 特にお子様がいらっしゃる場合には、お子様のことも考えて結論を出す必要があると思います。

 

 

3.養育費をどのようにするか。



 念のため補足して説明しておきますが、内縁関係の場合、離婚のように親権者を決定する必要はありません。内縁夫婦間の子どもについては、出産と同時に内縁の妻の子となり、内縁の妻の単独親権となるため、内縁の夫が親権を取得することはないからです。 

 

 そして、養育費の問題が生じるのは、内縁の夫が子どもを認知した場合に限定されます。内縁の夫が子どもを認知しないと、内縁の夫と子どもの間に父子関係が発生しませんので、養育費の問題が発生しないのです。

 以下では、内縁生活中に認知されているという前提で解説していきます。

 

(1)まずは、養育費をいくらにするかを話し合う。

 養育費を月々いくらにするのかについては、実務上「算定表」というものが活用されており、具体的な内容は、最高裁判所のホームページなどにもありますので、具体的な内容はそちらのサイトをご参照下さい。

算定表のサイト

 なお、「養育費」というと「毎月いくら支払わせるか」という点に目が行き、他にも決めるべき点について疎かになると言うこともありますので、以下の点にも十分注意して話し合って下さい。

 

(2)支払い終了時期を何時にするか。

 最もオーソドックスな内容としては、「お子様が成人するまで」となります。

 しかし、お子様が大学に進学することを予定している場合、大学卒業までは養育費を払ってもらいたいと考えるのが通常でしょう。特にお子様がまだ幼児であったり小学生の場合には、「大学入学はまだまだ先のこと」というイメージをお持ちかもしれませんが、今決めておかなければ、将来相手が養育費を出し渋る可能性もありますので、「いつまで養育費を払ってもらうのか」について、きちんと取り決めておく必要があります。

 

(3)入学費用や進学費用等の取り決め

 今後のお子様に関する教育費として、私立高校への入学費用や進級時の学費、大学の入学費用や進級時の学費等は重要な問題になります。前述のようにお子様が小さい場合、まだイメージを持ちづらいかもしれませんが、入学費用等は高額なことが多く、月々の養育費では支払いきれないことが多いため、離婚時にきちんと話し合っておくべき項目になります。

 ただ、お子様がまだ小さい場合には、「入学や進学の費用の負担について今後きちんと話し合いの席を持つ」といった取り決め方もあり得るかと思います。

 

 他方、既にお子様が私立高校や大学に在学中という場合には、必要な学費の金額等も明らかになっているでしょうから、学費の半分を相手の負担とするといった具体的な数字を取り決めるべきことになります。

 

 

4.面会交流をどのようにするか


 

(1)まずは、面会交流の頻度を取り決める。

 内縁を解消する場合、あなたがお子様を育てていくことになりますので、内縁の夫とお子様とは別々に生活していくと言うことになります。そうすると、内縁の夫としては、今後どのくらいの頻度でお子様に会うことができるのかについては重要なトピックになります。これが面会交流の問題です。

 まずは、面会交流の頻度について話し合う必要がありますが、一般的には1か月に1回か、2か月に1回程度とすることが多いように思われます。

 

 なお、安易に頻繁な面会交流を約束してしまいますと、生活環境の変化(例えば、あなたが遠方に引っ越すことになり、内縁の夫の自宅との距離がかなり遠くなってしまった場合とか)等で頻繁な面会交流の実現が難しくなったときにトラブルのもとになりますので、どんなに多くとも、1か月に1回程度で十分だと思います。

 

(2)それ以上に細かな内容を取り決めるべきかはケースバイケース

 面会交流については、相手がどこまでの要望を申し立ててくるかにもよりますが、あまり細々とした内容にしない方が良いケースが多いです。お子様の成長や環境に応じて離婚時とは状況が変化していく可能性も高く、そうすると、あまり画一的に取り決めておかない方が柔軟に対応できるからです。

 相手から要望が出されることが多い項目としては、①宿泊を伴う面会交流の要求、②旅行を伴う面会交流の要求、③学校行事や習い事の発表への参加の要求等があり得ます。

 

 

5.財産分与


 

(1)財産分与というのはそもそもどんな話なのか

 財産分与というのは、内縁期間中に内縁夫婦で築いた財産をどのように分けるのかを取り決めると言うことです。

 内縁生活中は、別れることを見越して準備しているという内縁夫婦はいないと思いますので、通常内縁夫婦の財産は均等ではないことが多いと思います。例えば、内縁の奥様が専業主婦で、内縁の夫が仕事をしているという場合、内縁の夫名義の預金はそれなりの額貯まっているとしても、内縁の奥様の預金はそれほど貯まっていないというケースもあると思います。

 

 そんなときに、内縁の夫側が「これは俺の名義の預金だから離婚の時には、びた一文お前には渡さない」としてしまいますと、内助の功があった内縁の奥様にとって酷な話になってしまいます。

 そこで、別れる時には、内縁夫婦どちらの名義になっているかを問わず、内縁中に築いた財産は半分ずつに清算すべきだというのが財産分与の基本的な考え方になります。

 

(2)慰謝料とは別問題なのでご注意

離婚に伴うまとまったお金の問題と言うことで、慰謝料の問題と混同している方が多いのですが、財産分与と慰謝料は別の問題とお考え下さい。

即ち、慰謝料というのは、相手に浮気や暴力といった一方的有責性がある場合に、こちらが受けた精神的苦痛を慰謝させるものになるのに対して、財産分与は、このような有責性の問題を抜きにして、夫婦の財産を清算しようという話になりますので、別次元の話と言うことになるのです。

(一昔前には、「財産分与の慰謝料的要素として、慰謝料分も考慮する」といった議論をすることもありましたが、最近は、財産分与は財産分与、慰謝料は慰謝料として話し合うのがオーソドックスです)。

 

(3)実際問題どのような手順で話をすべきか

 厳密に財産分与の計算をする場合には、①対象財産の特定→②財産の評価→③総合計額の算出→④分与方法の検討という手順を踏むことになります。

 

 以下具体的に解説いたします。

①対象財産の特定

 財産分与は内縁夫婦で築いた財産を分ける仕組みですので、内縁夫婦で築いた財産以外の財産は対象外になります。

 例えば、独身時代に貯めていた預金や相続で取得した財産は対象外になります。

 対象財産として代表的なものは、内縁生活の中で購入したご自宅、自動車、預貯金、生命保険や学資保険、株式等になります。

 まずは、内縁夫婦で築いた財産としてどのようなものがあるかを割り出して行く作業をすることになります。

 

②財産の評価

 預貯金などは金額が明らかなので問題は少ないのですが、例えば自宅などはいくらになるのかおおよその評価額を調べる必要があります(住宅ローンが残っている場合、通常はローン残高は差し引いて評価することが多いです)。

 他にも、生命保険等については今解約したらいくらになるのかを保険会社に問い合わせる必要があります(実際には解約しませんが、いくらの価値があるかを確認するために、保険会社に「今解約した場合いくらになるか教えて下さい」と電話するのです。

 

③総合計額の算出

 上記のように各財産の価値を算出することができた場合、それらの数字を全て足し算して総合計額を算出していくことになります。

 

 例えば、内縁の夫名義の資産がご自宅(評価額3000万円、ローン残高2400万円)、学資保険(解約返戻金額200万円)、預金(3つの通帳の残高合計が300万円)で、内縁の奥さん名義の資産が預金のみ(2つの通帳の残高合計が100万円)というケースですと、総合計額は(3000万円-2400万円)+200万円+300万円+100万円で、総合計は1200万円になります。

 この総合計額を算出する際には、内縁の夫側の資産だけではなく、あなたの資産分も加算する必要がありますので、ご注意下さい。

 

④分与方法の検討

 前述の例ですと、総合計額が1200万円になりますので、あなたの取り分は半額の600万円になります。

 

 このような600万円の取り分で何を取得するか、あなたの希望を検討することになります。

 即ち、自宅の価値が600万円なので、自宅を取得し、同時に住宅ローンの名義もあなたに変更するという方法もあり得ますし、逆に、自宅は内縁の夫側に渡して、内縁の夫名義の学資保険をこちらに名義変更し、旦那さんの預金額全額を取得するという方法もあります。

 要するに、取り分の範囲で何を要求していくのかという問題です。

  

 

6.慰謝料をどのようにするか


 

 内縁解消の問題は、相手から突発的に内縁解消を切り出されるとか、相手が勝手に別居生活を始めてしまうなど、内縁破棄に向けた何らかの行動が発端になることが多いです。

 ただ、内縁関係は婚姻に準じて保護される関係になりますから、これを正当な理由もなく破棄しようとする場合には、慰謝料の問題が発生します。そして、内縁を一方的に破棄できる「正当な理由」は法律上の離婚原因(民法770条)に準じるような重大な事由がないと認められないものとされています。 

 慰謝料をいくらにするのかは悩ましい問題ですが、相手が浮気を繰り返したり、あなたへの暴力を繰り返すような場合には、一般的な内縁解消のケースよりも高額な慰謝料を要求しても良いと思います。

 

 

7.年金分割について


 

 内縁の年金分割の前提としては、内縁の妻が、内縁の夫の勤務先の保険や年金の被扶養者となっていることが必要です。年金事務所としても、内縁の妻が被扶養者になっていないと、記録上内縁関係にあるのかどうかの判断がつかないから、被扶養者であることが一つの条件になります。

なお、そもそもの年金分割のシステムというのは、内縁の夫が会社勤めで、内縁の妻は専業主婦というケースでは、内縁夫婦の年金積立額は大きく異なってきます(内縁の夫側は給料天引きで相当額の厚生年金を支払っていることと思います)。年金分割とは、婚姻中の内縁の夫の厚生年金支払履歴の半分を内縁の妻側に移す制度になります(つまり、年金分割をしておくと、将来年金の支給を受ける年齢になったときに、もらえる年金が増えると言うことになります(内縁の夫側は逆に減ることになります))。

 

 年金分割の手続のためには、「年金分割のための情報通知書」を年金事務所にて入手する必要がありますので、事前に準備しておいて下さい。

 この年金分割については、内縁夫婦で半分に分かるというのが一般的で、年金分割の合意ができあがったときには、年金事務所に書類を提出しなければいけません。

 

 

8.話し合いがまとまったときには必ず協議書を作成する。


 

 前述のように、養育費など離婚後長期間にわたって約束された項目などもありますので、話し合いの内容は必ず離婚協議書という形で書面化して下さい。

 この離婚協議書では「当事者間では本離婚協議書に定める他何ら債権債務がないことを確認する。」という一文を入れておけば、後から話が蒸し返される危険性はほとんどなくなります。

 

 

9.まとめ


・内縁解消の際には、以下の事項を取り決める必要がある。

(1)そもそも内縁解消すべきか解消すべきではないか

(2)養育費をどのようにするか。

(3)面会交流をどうするか。

(4)財産分与をどのようにするか

(5)慰謝料をどのようにするか

(6)年金分割をどのようにするか

・項目ごとに注意事項があるので、注意事項に留意しながら取り決める必要がある。

・話し合いがまとまった段階で、協議書を作成した方が良い。

 
  

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2019.01.28更新

 

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1.内縁関係円満調整調停って何だ?


 

 内縁関係円満調整調停とは、一般的には、内縁夫婦が当人同士でお話し合うことが難しい時に、家庭裁判所の調停委員を間に入れて話し合いを円滑に行い内縁関係を円満な形に戻すための話し合いの手続などと言われたりします。

 しかし、この説明だけでは漠然としていて内縁関係円満調整調停のイメージを掴むことは難しいと思いますので、できる限り具体的に内縁関係円満調整調停というものがどのようなものなのかをご説明します。

 

 

2.そもそもこの調停は何を目指す調停なのか?


 

 通常この調停を起こす場合、内縁関係は成立しているけれども、相手が急に態度を豹変させたとか、連絡が取れなくなってしまったという場合に、相手の真意を確認したり、内縁夫婦間のとげを取り除いてやり直すために行われる手続になります。

 調停の席での話し合いが順調に進めば、内縁夫婦の行き違いを調整し、円満な状態に戻すことを目標にした手続にはなります。

 ただ、相手が頑なに内縁関係の継続を拒否する姿勢の場合、内縁解消に向かって話が進んでしまうリスクはあります。

 

 

3.調停を申し立てる前にすべきこと


 

(1)相手に最後通告を送る

 いきなり調停を起こしますと、裁判所からの封書が来て相手は驚いてしまうと思います。そのため、相手には最低1回は内縁関係円満調整調停を起こす旨の最後通告はしておいた方が良いと思います。

 このような最後通告を行うことによって、相手が話し合いに応じてくる可能性もありますので、極力事前に通告をしておいて下さい。

 

(2)相手が内縁関係を否定してきた場合に備えて証拠の準備

 相手が調停の場で、内縁関係の存在そのものを否定してくる可能性もあります。そのため、内縁関係を証明できる証拠があれば、事前に証拠集めをして、調停の場でも調停委員に見せられるように準備しておいた方が良いと思います。

 

 

4.調停委員ってどんな人?


 

 内縁関係円満調整調停は、裁判官1名と調停委員2名(男性1名、女性1名)の合計3名が間に入って執り行われます。と言っても、裁判官は複数の事件を担当していますので、実際に調停室で直接話をするのは基本的に調停委員2名と言うことになります。

 

 では、この調停委員というのはどういう人なのかと言うことですが、原則として40歳以上70歳未満の人で、社会生活上の豊富な知識経験や専門的知識を有する裁判所職員になります。弁護士、大学教授や裁判所書記官OBなどが調停委員になるなどしています。

 

 

5.内縁関係円満調整調停ってどこで行うの?


 

 内縁関係円満調整調停は家庭裁判所の建物内の一室で行われます。調停委員に、こちらの自宅などに出向いてもらって話し合いをするということはできません。

 

 テレビのドラマなどを見ていますと、いわゆる裁判所の法廷の場面が映し出されていますが、調停が行われるのは一般的な法廷ではなく、イメージとしては会議室のような場所で行われます。

 会議室と言っても何十人も座れるような広い会議室ではなく、6人掛け(いわゆる誕生日席2席を加えると8名が座れる程度)のテーブルが入って多少余裕がある程度の部屋とイメージしていただければ分かりやすいと思います。

 

 

6.内縁関係円満調整調停って何時行うの?


 

 調停が開催される期日は完全事前予約制なので、予め日時を決定しておき、その日に裁判所に足を運ぶという方式になります。

 調停が行われるのは平日の日中ということになりますので、土日祝日や夜間に調停を行うことはできません。そのため、平日お仕事をされている方は、調停の日はお仕事を休むか早退するなどして出席することになります。

 

 この調停期日は一方的に裁判所から決められることはなく、基本的にはご本人の都合を聞いて日時が決定されます(但し、第1回調停期日については、相手方の都合は聞かずに日時が決定されます)。

 

 ただ、担当調停委員によって担当曜日が決まっているのが一般的ですので、その曜日の中から日時を選択するという形式が一般的です。つまり、担当曜日が月曜日と木曜日というように決まっているという場合、月曜日か木曜日の中から期日を選択して行くことになります(逆に言うと水曜日を希望しても水曜日に調停を開催することは難しいということになります)。

 

 

7.1回の調停はどのくらいの時間がかかるの?


 

 1回の調停は2時間程度で終わります。ただ、話し合いの状況に応じて2時間よりも長くなったり短くなったりすることもありますので、2時間というのは一つの目安だと考えて下さい。

 

 

8.当日の調停の流れは?


 

 調停の流れは裁判所や調停委員によって差があるので画一的ではないのですが、一般的には以下のような流れで進むケースが多いです。

①内縁夫婦はそれぞれ別々の待合室で待機

        ↓

②調停委員に事件番号(またはお名前)を呼ばれるので、調停委員の案内で調停室に入室

        ↓ 

③内縁夫婦双方が揃った調停室にて調停委員から調停手続の概要を説明(第2回目の場合、前回の調停での話し合いのおさらい及びその日の調停での目標等の確認)

        ↓

④申立人のみが調停室に残って調停委員と話し合い(30分程度が目安)(相手方は待合室で待機)

        ↓

⑤申立人が調停室を退室し、入れ替わりで相手方が調停室に入室、相手方のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(申立人は待合室で待機)

        ↓

⑥相手方が調停室を退室し、入れ替わりで申立人が調停室に入室、申立人のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(相手方は待合室で待機)

        ↓

⑦申立人が調停室を退室し、入れ替わりで相手方が調停室に入室、相手方のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(申立人は待合室で待機)

        ↓

⑧内縁夫婦双方が揃った調停室にて調停委員と次の調停の日時を決定し、同時に次回までの宿題などの確認をする。

 

 なお、上記の③と⑧については、調停委員によっては内縁夫婦別々で確認を行うということもあります。

 

 

9.調停室内に入れるのは誰?


 

 よく自分一人で調停室に入っても上手に話ができるか不安があるので、ご自身のお姉様やお母様も同席させて欲しいとおっしゃる方もいます。

 しかし、調停の手続は非公開の手続(御本人以外の方の傍聴などが認められていないということです)ですので御本人以外が入室することはできません。

 なお、弁護士に事件を依頼した場合には、弁護士も調停室に同席することができますので、その面では安心です。

 

 

10.調停が開催される頻度は


 

 調停の期日の間隔は1か月程度になります。ただ、夏期や年末年始は調停を行わない時期がある関係で、この時期の調停の間隔は1か月以上空くことが多いです。

 

 

11.そもそも相手は調停に来るか?


 

 調停はあくまで裁判所を利用した話し合いの場になりますので、相手が法律的な出席義務を課されることはありません。

そうすると、相手が欠席するのではないかと不安に思われる方もいますが、家庭裁判所から封書が届きますので、相手も出席してくることの方が多いと思います。そのため、最初から「相手が出てこないかもしれない」と考えて調停を起こさないのではなく、相手も来る可能性が高いものとして調停は活用して行ければと思います。

 

 

12.調停が成立した場合の拘束力は?


 

 よく「調停が成立すると判決と同様の拘束力がある」と言われたりします。

 ただ、これは調停の内容次第です。

 

 例えば、相手に金銭を支払わせるという内容の調停調書には、強制力がありますが、「今後互いを尊重し、コミュニケーションを絶やさず円満な内縁関係を築くことができるように努力する」と言った条項は、ある意味精神論を謳った条項に過ぎず、この内容に強制力を認めることはできません。 そのため、内縁関係円満調整調停のゴールそのものに強制力はないことになってしまいます。

 強制力とは「相手が反対しても無理矢理実行させる」という効力になりますが、国家権力が相手を無理矢理自宅に連れ戻したり、内縁の夫として理想的な行動や言動を強要することは人権上問題になりますので、認められないのです。

 ただ、このように約束すれば、相手もなかなかその内容を反故にすることは難しいと思います。

 

 

13.まとめ


・内縁関係円満調整調停は、内縁夫婦の関係が円満な形を取り戻すことを目指す手続である。

・調停委員は40歳以上70歳以下の学識経験者等が就任する。

・内縁関係円満調整調停は、裁判所建物の中の会議室のような場所で行われる。

・調停は平日の午前または日中に行われる。

・1回の調停は合計2時間程度で終わる。

・2時間の調停では最初に手続の説明、その後交互に調停委員が本人から話を聞くなどし、最後に次回までの宿題等の確認を行うという手順で進むことが多い。

・調停室には本人しか入れない(弁護士が就いている場合は弁護士も入れる)

・調停は1か月に1回程度の頻度で開催される。

・相手は調停の席に出席する義務はないが、大体の人は出席してくることが多い。

・調停が成立した場合には判決と同じ効力が認められることもあるが、内容次第である。

 

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雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

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東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 

 

投稿者: 弁護士秦真太郎

2019.01.21更新

 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 

1.そもそも内縁(事実婚)って何だ?


 

 内縁関係とは、婚姻届を提出していないけれども、婚姻意思を持って、夫婦共同生活を営んでいる関係などと言われたりします。事実上夫婦としての生活を送っているため「事実婚」と言われることもあります。

 要するに、①婚姻意思を持って(要するに「結婚するつもりがあって」)、②夫婦共同生活を営んでいる(同居して夫婦同様の生活を営んでいる)事が必要になります。

 

 

2.それは「同居義務」違反では?



 それでは、このような内縁関係(事実婚)にあるときに、内縁の夫が突如音信不通になった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。まず、具体的な対処法について検討する前に、これが同居義務違反にならないか解説していきます。

 民法752条には、「夫婦は同居し、互に協力し扶助しなければならない。」と規定されておりまして、夫婦の同居義務を定めています。そして、内縁が成立している場合には、結婚に準じて保護されますので、内縁夫婦にも民法752条が準用されるものとされています。

 唐突に内縁の夫が家を出る行為は、この同居義務に違反するようにも見えます。

 

 ただ、同居拒否に正当な理由がある場合には、同居義務違反の責任は発生しないものとされていますし、そもそも、裁判所の命令をもってしても、同居義務を強制することはできないと解釈されています。現在の民法のスタンスは、法律は内縁夫婦や家庭の問題に極力立ち入るべきではない、つまり、家庭の問題は当人同士の話し合い等に委ねるべきであって、強制に馴染まないというスタンスを取っているため、このような解釈が導かれてしまうのです。

 

 そのため、内縁の夫を強制的に同居させると言うことは非常に難しいのが現状と言えます。

 

3.そもそも内縁の夫の居場所が分からない場合どのように所在を確認するのか?


 

そもそも、内縁の夫と連絡が取れなくなったと言うだけではなく、どこに行ってしまったのか分からない場合、どのようにして居場所を突き止めればよいのでしょうか。

 

(1)本人で調べる方法

ご本人で内縁の夫の所在を確認する方法としては、住民票を入手するとか、警察署に捜索願を出すという方法も考えられます。しかし、通常内縁の夫は住民票を移動していないでしょうし、事件性がない場合には警察署は捜索願を受理しないケースの方が多いように思われます。仮に捜索願が受理されても、内縁の夫側に事情があって、こちら側に居場所を教えたくないと強く申告してきた場合、仮に警察が内縁の夫の居場所を確認できたとしても、こちらにその情報を教えてくれませんので、いずれにせよ、限界があります。

 

 そこで、ご本人が調べる方法としては、内縁の夫のご実家に連絡を取るというのが現実的な手段になります。内縁の夫は別居に際してはご実家に事前に相談しているケースも多いため、ご実家が何らかの事情を知っていることも多いからです。

 内縁の夫に兄弟姉妹がいる場合には、兄弟姉妹のところに連絡を取るという方法も考えられます。

 

(2)弁護士を雇うと調べられるか?

たまに、弁護士には強い調査権限があって、相手の居場所も簡単に突き止めてしまうと誤解されている方もいらっしゃいますが、弁護士の調査権限には限界がありますので、残念ながら、あまり期待しない方が良いと言えます。

 

 

4.急に内縁の夫が音信不通になった場合どう対処すればよいか?



  以下では、内縁の夫の所在そのものは判明したと言うことを前庭に解説していきます。

(1)音信不通になる直前の相手の言動や行動等を良く思い出す

 相手が音信不通になった場合、通常はその様な行動を取る原因がありますが、その原因を探るのは、音信不通になる直前の相手の言動や行動を思い出してみると解明できる場合があります。

 音信不通になる前で最後に相手と会ったときの相手の行動や言動、または、最後に電話で話をした会話内容等で、こちらとして聞いていて、または見ていて引っかかるような言動や行動がなかったのかを良く思い出してみて下さい。

 

 また、音信不通になる直前ではなく、その一定期間前から相手の表情や言動等が冷めているように見えたという場合には、相手の態度が変わった原因を探っていくと、今回の音信不通の原因を見付けられる場合もあります。

 

(2)相手が音信不通になった原因がほぼ確定できた場合

 原因が分かっているのであれば、それに対する対処法を考えればよいと言うことになります。

 あなたが、相手を怒らせてしまうような言動や行動を取ってしまったという場合、真摯に謝罪すると言うことを考えても良いと思います。もしくは、些細なことで相手が感情的になっているという場合には、敢えて1,2週間こちらからも連絡を取らないという方法の方が良いと言うこともあるでしょう。

 いずれにせよ、原因が分かっているのですから、あなた自身で答えを出さずに、友人等とも相談して、しっかりと対策を練っていくのがよいと思います。

 

(3)音信不通の原因に全く心当たりがない場合

 このような場合には、あなたの言動や行動が原因ではないというケースもありますが、他方で、これまでのあなたの言動や行動等が積もり積もって相手が怒ってしまっているという場合もあり得ます。

 あなたとして全く心当たりがないという場合には、身内や友人等に詳しい経緯を相談するなどして、何か原因が考えられないか等を検討してみると良いと思います。

 

 なお、その際には、相手に積極的にコンタクトを取る方が良いか、逆に、一定期間連絡を取らない方が良いのかと言った点も友人等に相談してみるとよいでしょう。

 このような友人等へのご相談をオススメするのは、あなた自身では焦り等の気持ちで冷静に判断できていないと言うこともありますので、友人等から状況を客観的に見てもらうと、原因等も簡単に分かってしまうと言うケースもあるからです。

 

(4)相手がこちらとの話し合い等に全く応じない場合

 相手と連絡が取れなくなった原因が分かり、キチンと謝ったのに、全く関係が回復しない場合、または、結局原因が分からず相手にコンタクトを取っているのに、全く相手にしてもらえないという場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

 

 この場合には、あなたと直接話をすることを相手が嫌がっている場合もありますので、両親や友人等に間に入ってもらうという方法が考えられます。

 ただ、音信不通になってからそれほど期間が経たないうちに、このような第三者を間に入れる方法を取りますと、相手はより態度を頑なにしてしまう危険性がありますので、第三者を入れるタイミングは慎重に探った方が良いと思います。

 

(5)長期間相手の態度がはっきりしない場合

 せっかく内縁夫婦として共同生活を送ってきたのに、半年も連絡が取れないとか、相手の態度がはっきりとせずきちんとした話し合いもできないという場合の最終手段としては、家庭裁判所に調停を申し立てるという方法も考えられます。

 ただ、このような手段は本当に最終手段として、極力、第三者を入れて話し合いをする程度にとどめておくのが望ましいと思います。

 

 そして、仮に調停を申し立てるにあたっても、調停申立前に相手に対して「最後通告」(「これ以上全くこちらからの連絡に応じない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てます」といった内容のメール等を送ることになります)はしておいた方が良いと思います。

 相手も裁判所というとビックリするでしょうから、このような最後通告がなされると、話し合いに応じてくる可能性もあります。

 

(6)調停という場合、どんな調停を起こすの?

  あなたが相手と婚約している場合には「内縁関係円満調整の調停」という調停を申し立てることになります。

 あなたとしては、それなりの期間相手の態度がはっきりしない状態が続いているため、内縁関係を破棄したいと考えているかもしれませんが、こちらから内縁破棄を言い出しますと不利に扱われるリスクがありますので、「内縁解消の調停」を申し立てるのではなく「内縁関係円満調整の調停」を起こした方が良いと思います。

 

 もちろん、最初は「内縁関係円満調整の調停」を申し立てても、調停時の相手の態度等を見て内縁関係を解消したいと思えば、内縁関係解消の調停に衣替えするということもできますので、相手の態度等に応じてこちらも対応を考えればよいと思います。

 

 なお、たまに調停になると相手と直接顔を合わせると考えている人もいますが、基本的に調停は別々に部屋に入りながら進めていきますので、直接顔を合わせることは基本的にありません。そのため、家庭裁判所にて相手の顔を直接見ることはできませんので、その様な目的で調停を申し立てない方が良いと思います。

 また、調停というと、相手が欠席するのではないかと不安に思われる方もいますが、家庭裁判所から封書が届きますので、相手も出席してくることの方が多いと思います。そのため、最初から「相手が出てこないかもしれない」と考えて調停を起こさないのではなく、(最終手段としてですが)調停は活用して行ければと思います。

 

(7)慰謝料という話をして相手を驚かせる方法は?

 詳しくは別のブログで解説しますが、相手が正当な理由なく内縁関係を破棄した場合、こちらは相手に対して慰謝料を請求することができます。

 たまに「相手の態度が許せないので慰謝料の話をすれば、相手もビックリしてヨリを戻したいと言ってきませんかね?」という質問を受けることもあります。

 

 ただ、慰謝料の話をしますと、もちろん相手は驚くでしょうが、同時に、あなたのことを金銭欲が強い女性と考える可能性もありますので、慰謝料請求が内縁関係を順調にすることにはならないかもしれません。

 このようなリスクがありますので、弁護士としては、「相手との内縁関係解消を覚悟した上で慰謝料請求はした方が良い」という話をさせて頂くことが多いように思えます。

 

 

4.まとめ


・内縁の夫が突如自宅を出る行為は同居義務違反だが、同居を強制させることはできない。

・内縁の夫の所在確認は、夫側の実家や兄弟姉妹から情報を得るのが現実的である。

・内縁の夫が音信不通になってしまった場合、その直前の相手の言動や行動を良く思い出してみる必要がある。

・原因が究明できた場合、相手に積極的にコンタクトを取るのがよいか、それとも多少冷却期間を置くのがよいかを慎重に見極める必要がある。

・当人同士の話し合いが上手く行かない場合、身内や友人に間に入ってもらうことも考えて良い

・最終手段としては内縁関係円満調整調停を考えてみる。

・相手との内縁関係を順調にしたい場合、あまり慰謝料請求の話はしない方が良い。 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2019.01.14更新

弁護士秦 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 

1.重婚的内縁とは?



  重婚的内縁とは、内縁夫婦の一方または双方に法律上の婚姻関係が存在する場合のことを言います。内縁の夫が既婚者のため、離婚してくれないと正式に入籍届を出せない状況といったケースなどが、これにあたります。

 

 まず、重婚的内縁も内縁の一種ですので、内縁の要件を満たす必要があります。

内縁関係とは、婚姻届を提出していないけれども、婚姻意思を持って、夫婦共同生活を営んでいる関係などと言われたりします。事実上夫婦としての生活を送っているため「事実婚」と言われることもあります。

 要するに、①婚姻意思を持って(要するに「結婚するつもりがあって」)、②夫婦共同生活を営んでいる(同居して夫婦同様の生活を営んでいる)事が必要になります。

 

 ここまでが、通常の内縁の要件でして、重婚的内縁の場合には、これらに加えて、③法律上の婚姻関係が事実上離婚状態にあることが必要とされています。

 日本法が一夫一妻制度を採用しているため、法律上の婚姻関係と内縁関係両方を法律的に保護することはできませんので、重婚的内縁が保護されるためには、法律上の婚姻が実態を失っているところまで必要になるのです。 

 

 

2.要するに法律婚は事実上離婚状態にあればよい


 

 このように、重婚的内縁の妻の権利が認められるためには、法律婚が事実上離婚状態にあれば良く、正式に離婚届が受理されている必要はありません。

 ただ、法律家としましては、内縁の夫が法律上の婚姻を解消しておいてもらうことを強くオススメします。

 

 

3.法律婚を離婚させておく方が良いという事情(1)


 

 前述のように、法律婚がしっかりと離婚によって解消されていた方が望ましいと言えますが、その理由の一つが「事実上の離婚」のハードルがかなり高いからです。

 重婚的内縁と認められるためには、法律婚が事実上の離婚状態にある必要がありますが、「事実上の離婚状態」といっても今一分かりにくいと思います。

 

 この点は、判例の姿勢がほぼ決まっておりまして、①別居の経緯、②別居の期間、③婚姻関係を維持または修復するための努力の有無、④別居後における経済的依存の状態、⑤別居後における婚姻当事者間の音信及び訪問の状態、⑥重婚的内縁関係の固定性等を総合的に考慮して判断しています。

 そして、例えば②の別居期間は10年以上が一つの目安とされ、④や⑤についても、法律婚夫婦の経済的依存や音信がほとんど存在しない状況でなければならないとされています。

 

 このように重婚的内縁の要件は、一般の内縁の要件よりも格段に厳しいのです。

 ただ、このように重婚的内縁の要件が加重されているのは、法律上の婚姻関係が残っていることに起因しますので、法律上の婚姻が離婚で解消されていれば、この要件の問題を議論する必要が一切なくなります。

 

 

4.法律婚を離婚させ特法が良いという事情(2)


 

前述のように、法律婚がしっかりと離婚によって解消されていた方が望ましいと言えますが、その理由の二つめは、「事実上の離婚」の立証が難しいことにあります。

 前述のように事実上の離婚状態かどうかについては、①別居の経緯、②別居の期間、③婚姻関係を維持または修復するための努力の有無、④別居後における経済的依存の状態、⑤別居後における婚姻当事者間の音信及び訪問の状態、⑥重婚的内縁関係の固定性等を総合的に考慮して判断されています。

 

 そして、事実上の離婚状態かどうかは、内縁の妻であるあなたの方が証明しなければなりません。

 上記のような事情は内縁の夫と正式な配偶者とのやり取りに関わる部分になりますので、あなたの方では詳しい事情が分からないということも多いと思います。

 このように詳しい事情が分からない中で、その裏付けを探していかなければなりませんので、その立証が困難を極めるということも多いのが実情です。

 

 

5.法律婚の離婚は一つのけじめと考えた方が良い。


 

 あなたの内縁生活が長期間に及ぶ場合、内縁の夫に法律婚の離婚を強く求めづらいということもあるかもしれません。

 しかし、重婚的内縁の要件は、重く、その立証も簡単ではないことが多いです。

 

 そして、重婚的内縁の要件を満たさない場合、内縁の夫が急に内縁を解消したいと言い始めてしまった場合、あなたの権利は非常に限定されることになってしまいます(婚約破棄と法律構成して慰謝料等を請求するといったことぐらいしかできません)。

 内縁の夫が法律婚を解消することは、あなたとの生活をしっかりと営んでいくにあたっての前提になる話ですので、きちんとけじめを付けてもらった方が良いと思います。

 

 

6.まとめ


・法律婚は正式に離婚していなくとも、事実上離婚状態であれば、内縁の妻は保護される。

・しかし、法律家としては、法律婚がしっかりと離婚されていた方が良いと言わざるを得ない。その主な理由は以下の通り。

 ①事実上離婚状態という要件は重たい要件である。

 ②事実上離婚状態の証明は簡単ではない。

・法律婚の離婚は一つのけじめであると、内縁の夫に伝えた方が良い。

 

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