2022.10.03更新

弁護士秦


こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。

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1.そもそも「監護者」って何だ?


(1)監護権というワードは馴染みが薄い。

 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。


(2)親権の意味のおさらい
 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。
 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。
1)身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)
2)財産管理権(お子様の財産を管理する権限のことです)
3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)

(3)要するに監護権って?
 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。

(4)監護者指定審判とは?
 離婚が正式に成立するまでは、お子様の親権は夫婦の共同親権になるのですが、このような共同親権の中でも監護権のみを切り出して、監護権を取得するものを夫婦どちらかに指定して欲しいという審判が監護者指定審判の手続きになります。
 「審判」というと聞き慣れないかもしれませんが、調停のように話し合いの手続きではなく、裁判官が強制的に監護者を指定する手続きになります。

 

 

2.監護者指定事件は実は3個の事件が同時並行で審理されている


 「監護者指定審判事件」と言いますと、事件は「1個」のように誤解されがちですが、監護者指定審判事件では、子の引渡し審判事件と、これらの事件の保全事件も一緒に申し立てられているのが通常です(よく「三点セット」などと言われたりします)
 そして 保全事件(仮処分などと言ったりもしますが)は、一般的な審判事件よりも特に急いで結論を出してほしいと要求する事件ということになります。言い換えると、暫定措置として子の引渡し等の結論を出してほしいという申立てになります。

 

 

3.裁判官から「保全の結論を先に出す」と言われたがどういうことか?


(1)前述の通り、監護者指定事件では、①監護者指定事件と②子の引渡し事件、③保全事件の3つの事件が同時並行で審理されています。
 「保全の結論を先に出す」というのは、上記の①と②の事件の結論が出る前に、先に③の結論を出すということになります。


(2)要するにどういうことか?
 特にお子様をあなたが育て続けることで問題がないようでしたら、保全事件のみ先行して結論を出す必要はありません(上記の①から③の事件を同時並行で審理継続すれば良いという意味です)。
 そのため、「保全の結論を先に出す」という意味は、監護者指定を申し立てた夫側のいう通りに、暫定的にせよ、仮の監護者を夫に指定する、お子様を引き渡せという結論を出すという意味です。
 そして、保全についての結論が出た場合、これに対して不服申し立て(即時抗告と言います)をしても、執行停止が認められないと、保全に基づく執行が実行されて、お子様を夫側に引き渡さなければならなくなります。
 そのため、裁判官が「保全の結論を先に出す」と発言したことは、こちらにとって不利な結論を想定しているとイメージした方が良いです。

 

 

4.どんなケースで保全先行となるのか?


 保全先行となる事件は複数あり得るのですが、以下では代表的なものをご紹介いたします。


(1)あなたが海外での生活を近日中に予定している
 一時的に海外出張を予定しているとかであれば、それだけで保全の結論が先行する可能性は低いのですが、数年単位で海外に生活する予定であるといった場合には、仮に夫側の監護者指定事件の申立てが認められても、それを執行し得ないという事態になり得ますので、保全の結論が先行することがあり得ます。


(2)連れ去りの違法性が顕著な場合
 特に夫側に事前に別居のことを相談していなかったとしても、①これまであなたが中心となってお子様の育児を担ってきたこと、②お子様自身は別居に同意していたことという両方の条件を満たす場合には、それが「違法な」連れ去りと評価される可能性は極めて低いです。
 逆に、上記の①と②の条件のいずれか又は両方を満たさず、連れ去りの違法性が顕著だと認定されてしまいますと、裁判所も「早くお父さんのところにお子さんを返してあげたほうが良い」と考えて保全の結論を先行させることもあり得ます。


(3)虐待の危険性が高い場合
 監護者指定事件になりますと、夫側があなたの逆外を疑っている旨の主張がなされることが多いのですが、それだけで保全が認められることはまずありません。
 ただ、その虐待主張に裏付けがあり、その内容次第では裁判所が保全の結論を先行させるということもあり得ます。


(4)住居の不安定性
 あなたの住居が友人宅を転々としているというような場合には、残念ながらお子様の住環境が一定しないと言ことになり、お子様にとって少なからず悪影響となっていることは否めません。
 そのため、その内容によっては、保全の結論先行となるケースもあります。


(5)上記のような事情があればすぐに保全先行となるわけではないこと
 保全事件の結論を出すためには、監護者指定事件が認められる「蓋然性」が必要だとされています。
 すなわち、「夫側が監護者としてふさわしいという結論に至る可能性が高い」という状況が必要だということです。
 そのため、代表的なケースを前述の通りに紹介しましたが、そのような事情があっても、それまでのお子様の育児をあなたが担っていて、今後もその育児を継続した方が望ましいというケースですと、保全先行となることはほとんどないかと思います。

 

 

5.まとめ


・保全事件(仮処分などと言ったりもしますが)は、一般的な審判事件よりも特に急いで結論を出してほしいと要求する事件のことである。
・保全先行というのは、暫定的に夫側を仮の監護者に認める結論を想定している可能性が高い。
・代表的なケースとしては、以下のようなケースで保全先行とされることがあり得る。
 ①あなたが海外での生活を近日中に予定している
 ②連れ去りの違法性が顕著な場合
 ③虐待の危険性が高い場合
 ④あなたの住居が不安定な場合
・上記の①から④の事情があっても、夫側が監護者にふさわしいというような事情がないと保全先行で結論を出すことは少ない。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2022.09.26更新

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1.そもそも「監護者」って何だ?


(1)監護権というワードは馴染みが薄い。

 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。


(2)親権の意味のおさらい
 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。
 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。
1)身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)
2)財産管理権(お子様の財産を管理する権限のことです)
3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)

(3)要するに監護権って?
 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。

(4)監護者指定審判とは?
 離婚が正式に成立するまでは、お子様の親権は夫婦の共同親権になるのですが、このような共同親権の中でも監護権のみを切り出して、監護権を取得するものを夫婦どちらかに指定して欲しいという審判が監護者指定審判の手続きになります。
 「審判」というと聞き慣れないかもしれませんが、調停のように話し合いの手続きではなく、裁判官が強制的に監護者を指定する手続きになります。

 

 

2.裁判官は監護実績についてどう判断するのか?


(1)監護実績については言い分が大きく対立することも多い
 これまでの監護実績(同居中、お子様の育児にどのくらい関わってきたのか)は監護者指定にあたって非常に重要な要素です。
 ただ、監護実績については、お互いの言い分が大きく食い違うケースも非常に多いのが実情です。裁判官によっては、アバウトにお互いの監護割合を確認したいので「これまでの育児の割合として、あなたの比率と旦那さんの比率だとどのくらいですか?」と質問してくることも多いのですが、そのようなときに、あなたは9対1と答え、夫側は、自分の方が比率が高く7対3(夫7で妻が3という趣旨)と答えるなど、言い分が大きく食い違うことが往々にしてあります。


 それでは、裁判官はどのように監護実績を判断するのでしょうか。


(2)一番大きな鍵になるのが連絡帳
 お子様を保育園に通わせている場合には、毎日連絡帳を記帳していることも多いと思います。このように連絡帳を誰が記入しているのか、どこまでの内容を書いているのかという点は非常に重要な判断要素になります。
 率直に言いますと、監護実績について端的に証明できる証拠は通常ほとんどなく、連絡帳がほぼ唯一の証拠と言えるからです。連絡帳は、日々、自然な形で記帳していますので、当時の様子を探る貴重な資料とされることが多いのです。


(3)育児日記は?
 監護者指定事件で時折問題になる「育児日記」というのは、自主的にノートなどに普段のお子様の様子やかかわり方等を定期的に記帳した日記のことを言います。
 当時から毎日記帳していたということを相手側も認めているようでしたら、育児日記も貴重な資料となります。ただ、相手が「妻は普段からそんな日記は付けていなかった。今回の審判に向けてバックデートで作ったものに違いない」などと言ってきた場合には、それほどの証拠価値は認められなくなってしまうことも多いです。

 特に育児日記とは言っても、大切なイベントなどがあったときのことしか書いていないというものについては、本当にその日に作成したのかという点の証明が難しいのが難点です(連絡帳の場合、毎朝記帳しなければならず、その後に毎日保育園の保育士の返答コメントがありますので、バックデートで作成することは非常に困難です)


(4)お互いの勤務形態も重要
 同居中のお互いの勤務形態も、育児への関わり具合を探る重要な判断要素になります。
 例えば、夫側は毎日遅くまで仕事をし、他方妻側は専業主婦だったという場合には、妻側の方が育児に関わる場面は大きかったということになります。同様に、共働きでも、妻側は時間短縮勤務で、夫側はフルタイム勤務という場合にも、妻側の監護割合の方が大きいと判断されやすいと思います。


(5)写真は?
 写真をどこまで重視するかは裁判官によるところが大きいです。裁判官によっては、お子様との関わりを示す資料になるので、「写真も出してほしい」とリクエストしてくることもありますが、全体的には少数派ではないかと思います。
 写真はどうしても普段の様子というよりは、旅行等特別な行事の時などに撮影することが多いので、「普段の監護実績」の証明資料としては弱いという面があります。

 

 

3.まとめ


・監護実績についてはお互いの意見が大きく対立することが多い。
・連絡帳は監護実績を探る貴重な資料とされることが多い。
・育児日記は、それまでの作成経緯、相手がどこまで争ってくるのかによる
・お互いの勤務形態等も監護実績を探る客観的状況として重要である。
・写真は、あまり重視されない傾向が強い。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2022.09.12更新

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1.そもそも「監護者」って何だ?


(1)監護権というワードは馴染みが薄い。

 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。


(2)親権の意味のおさらい
 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。
 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。
1)身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)
2)財産管理権(お子様の財産を管理する権限のことです)
3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)

(3)要するに監護権って?
 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。

(4)監護者指定審判とは?
 離婚が正式に成立するまでは、お子様の親権は夫婦の共同親権になるのですが、このような共同親権の中でも監護権のみを切り出して、監護権を取得するものを夫婦どちらかに指定して欲しいという審判が監護者指定審判の手続きになります。
 「審判」というと聞き慣れないかもしれませんが、調停のように話し合いの手続きではなく、裁判官が強制的に監護者を指定する手続きになります。

 

 

2.「今後の監護計画」って?


 「今後の監護計画」と言われても、初めて聞くとピンとこないことが多いと思いますが、要するに「今後お子様をどのように育てていくのか」といことです。
 より具体的に言いますと、①どこに住んで、②誰と一緒に生活し、③どの保育園・学校に通い、④週末や長期休暇時にお子様にどのような体験をさせ、⑤離れて暮らす夫との面会交流をどうしていくのかといった今後の具体的な計画になります。


 このような監護計画は、短くまとめてしまいますと、「実家の両親が住む○○県○○市の一軒家で、子供にとっては母親である私、祖父母と一緒に暮らしていく予定です。実家から徒歩10分ほどのところに認可保育園がありますので、そこに通園させる予定です。実家の近くには大きな公園や山があるので、週末などは自然に存分に触れ合って暮らしていく予定です。夫とは月1回程度は直接子供と会ってもらう予定です」というような形になります。
 ただ、人によっては、もっとより具体的で、子供にとっても素晴らしい環境であることを強くアピールしたいということを強く仰る方もいます(人によっては、監護計画だけで、3,4ページほどの文章を練り上げてくる人もいます)。

 

 

3.監護計画はどこまで重視されるか


 監護計画については、特に「お子様について特別なケアが必要な場合」には、しっかりと記載する必要がありますが、そうでなければ、そこまで重視される要素ではありません。
 なぜなら、監護計画はあまり具体的な裏付けがなくとも記載できる項目なので、それを全て実現できる保障がないからです。


 なお、ここでの「お子様について特別なケアが必要な場合」というのは、例えば、お子様に障害等がある場合とか、不登校になってしまっていたりとか、現在は児童養護施設に保護されており、施設退所後のケアが必要になるケース等が想定されます。お子様に障害等がある場合には、どのような支援学校に通わせるのか、医療的措置が必要ならば、どのような病院に通院させるなどするのかといったことを具体的に書く必要がありますし、不登校になってしまっている場合には、学校とどのように連絡を取ってケアしているのか、スクールカウンセラー等をどのように利用しているのかといったことを書く必要があります。児童養護施設に保護されている場合には、児童相談所とどの程度連絡を取って、同所とどの程度の信頼関係が築けているのかといった点を記載していくことになります。

 

 

4.実績を伴わない計画は裁判官の心に響かない


 いくら素晴らしい監護計画を披露しても、これまでの監護実績が不十分ですと、そのような計画を実践できるのか、裁判官は疑念を持ってしまうと思います。
 なぜなら、これまでしっかりお子様と関わってこなかった人が、「これからはしっかりと育てていきます」と言っても簡単に信用されないからです。
 従いまして、やはり監護者指定事件については、今後の監護計画というよりも、これまでの監護実績の方が重要性が高いです。
 これまでの監護実績が十分なものでしたら、今後もその親に任せた方がお子様も安心だと感じるでしょうし、また、お子様のことを大切に思っていたからこそ、それだけこれまでも関わってきたのだと言えるからです。

 

 

5.まとめ


・今後の監護計画は、そこまで重視される要素ではない。

・お子さんのケアが必要な事案では、どのようにケアしていくのかを具体的に記載しなければならない。

・実績を伴わない計画は、裁判官の心には響かない。

 

 

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2022.09.05更新

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1.そもそも「監護者」って何だ?


(1)監護権というワードは馴染みが薄い。

 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。


(2)親権の意味のおさらい
 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。
 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。
1)身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)
2)財産管理権(お子様の財産を管理する権限のことです)
3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)

(3)要するに監護権って?
 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。

(4)監護者指定審判とは?
 離婚が正式に成立するまでは、お子様の親権は夫婦の共同親権になるのですが、このような共同親権の中でも監護権のみを切り出して、監護権を取得するものを夫婦どちらかに指定して欲しいという審判が監護者指定審判の手続きになります。
 「審判」というと聞き慣れないかもしれませんが、調停のように話し合いの手続きではなく、裁判官が強制的に監護者を指定する手続きになります。

 

 

2.家庭裁判所調査官があなたの自宅を訪れて家庭訪問を実施し特に問題なさそうだとなった場合、安心して良いか?


 監護者指定事件で、主に調査を実施するのは家庭裁判所調査官なので、その調査官が家庭訪問時に「特に問題なさそうですね」と発言する場合もあります。あなたとしてはその言葉を聞いて安心してしまうかもしれませんが、実際には安心しきれない場合もあります。
 では、どのような場合で要注意なのでしょうか。代表的なものを以下で解説いたします。


(1)その後に夫側の家庭訪問を予定している場合
 あなたの家庭訪問が終わった後に、夫側の家庭訪問を予定している場合には、要注意と言えます。
 と言いますのは、裁判所が既にあなたに監護権を委ねる意向が強い場合には、あなたの家の家庭訪問は実施しますが、夫側の家庭訪問は最初から実施しないというケースも多いです。
 もちろん、夫側の家庭訪問を実施するから敗訴の可能性が高いとまでは言えないのですが、夫側の家庭訪問なしのケースよりは慎重に臨む必要があります。
 また、あなたの家庭訪問時に家庭裁判所調査官が「特に問題なさそうですね」と発言しつつ、夫側の家庭訪問時にも同様に「特に問題なさそうですね」と発言するケースもあります。
 そうすると、あなたの家庭訪問時の調査官の発言だけをもって、あなたが大きく有利になったと考えるのは危険かもしれません。


(2)他にも大きな争点がある場合
 例えば、お子様に対する不適切なかかわり方(特に虐待の有無・程度など)などが争点になっていて、その問題の方がお子様の生活状況よりも重要性が高いケースもあります。
 そのような場合には、家庭訪問で大きな問題がなかったからと言って、安心するのは早いかもしれません。


(3)その後のお子様の発言等
 前述のように家庭訪問を実施しても、その後に、調査官がお子様と直接会って話をする機会が設けられるケースが多いです(お子様の年齢によりますが)。
 家庭訪問の際にも、あなたとお子様とが触れ合っている様子などは確認するのですが、お子様があなたと一緒ですと、あなたに遠慮して話をする可能性もあります。その確認の意味もあって調査官はお子様と1対1で話をしたいと言ってくるのが通常です(お子様があまり小さい年齢の場合には、1対1での話しは家庭訪問時に行うケースもありますが)。
 そのような1対1の話し合いでのお子様の様子や発言も、監護者指定事件では重要な意味を持つことが多いです。

 

 

3.現在の監護状況と監護実績とは別であること


 家庭訪問は、監護者指定事件の中でも重要なイベントであることは間違いありません。
 ただ、家庭訪問は、別居してからどんなに早くても2,3か月後頃に行われることが多いので、別居後の環境にお子様が慣れてしまっていることが多いです。
 そのため、現在のお子様の生活が安定していたとしても、別居後暫く間が空くことでお子様が順応してしまった結果なのか、その前からの絆の深さの結果なのかを判断することは難しいです。


 このような事情もありますので、裁判所は、現在のお子様の生活が安定していることの確認はしますが、そのことばかりを重視するのかというとそうではなく、むしろ、別居前お子様にどのようにどの程度関わってきたのかということの方を重視します。このような別居前お子様への関わりの程度は、監護実績などと言われたりしますが、「過去の監護実績」の方が「現状」よりも重視されるという視点は重要な視点かと思います。

 

 

4.まとめ


・家庭訪問時に特に問題がないとの発言があったとしても、その後の以下の調査の内容によっては安心できない。
 ①その後の夫側の家庭訪問
 ②他にも大きな争点がある場合
 ③その後のお子様の意向調査結果
・監護者指定事件では、現状よりも過去の監護実績の方が重視されるという視点を忘れてはならない。

 

 

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1.そもそも「監護者」って何だ?


(1)監護権というワードは馴染みが薄い。

 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。


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 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。
 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。
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3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)

(3)要するに監護権って?
 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。

(4)監護者指定審判とは?
 離婚が正式に成立するまでは、お子様の親権は夫婦の共同親権になるのですが、このような共同親権の中でも監護権のみを切り出して、監護権を取得するものを夫婦どちらかに指定して欲しいという審判が監護者指定審判の手続きになります。
 「審判」というと聞き慣れないかもしれませんが、調停のように話し合いの手続きではなく、裁判官が強制的に監護者を指定する手続きになります。

 

 

2.「審問」・「調査官面接」って何?


 「審問」や「調査官面接」と言われましても、ピンとこない方の方が多いと思いますので、ご説明しますと、「審問」とは、裁判所が事件を審理するために、口頭弁論によらずに、当事者等から事情を問いただすこと、などと言われます。
 よくドラマなどで、法廷の真ん中に座って、裁判官が話を聞く手続きがあると思いますが、その手続きに似たようなものとイメージすると分かりやすいかと思います。


 ただ、一般のドラマやっているのは「尋問」でして①公開の法廷で行われます(端的に言いますと、傍聴席で傍聴人が傍聴できるということ)し、②通常の尋問は弁護士の方が主体的に質問します(ドラマなどでも、主人公役の弁護士などが決定的な質問などをしていると思います)が、「審問」は①非公開の法廷で行われ、②主な質問者は裁判官ということになります(弁護士からの質問は補助的)。
 いずれにしましても、審判廷にて質問が行われますので、イメージとしましては「尋問」に近いです(但し、東京家庭裁判所では、審問はほぼ審判廷にて行われますが、地方の裁判所などでは、会議室のようなところで実施するところもあります)。


 これに対して、調査官面接というのは、事件を担当する家庭裁判所調査官が、会議室のようなところで事情を確認する手続きです。
 「審問」と「調査官面接」の大きな差は、①実施場所、②相手側当事者の手続参加、③所要時間、④代理人の関わり、⑤秘匿可否、⑥その結果がどのような書面に登載されるかという点ではないかと思います。

 詳しく整理しますと
① 実施場所…「審問」は審判廷、「調査官面接」は会議室のようなところ(面接室が多い)
② 相手当事者の手続参加…「審問」は、相手当事者側が見ているところで実施、「調査官面接」は、相手当事者側が見ていないところで実施
③ 所要時間…「審問」は短いことが多い(長くても通常は30分程度)「調査官面接」は長いことが多い(一般的には1時間半から2時間程度)
④ 代理人の関わり…「審問」では、当事者の回答に対して、代理人が何か口を挟むことは基本的にできないのですが、「調査官面接」の場合、代理人もその場で意見を差し挟むことができます。
⑤ 秘匿の可否…「審問」では基本的に秘匿不可、「調査官面接」では一部秘匿可
⑥ 結果として作成される書面…「審問」では、その概要について審問調書が作成され、「調査官面接」の結果は、調査報告書に登載されることになります。

 

 

3.監護者指定事件で実施されるのは?


 監護者指定事件では、ほとんどの事件で「審問」または「調査官面接」のいずれかが実施されます(事件によっては、両方実施することもありますし、審問を何度か実施するケースもあります)。
 ただ、そのいずれを実施するかは裁判官の裁量に委ねられていますので、基本的に裁判官の判断に従うことになります。

 

 

4.「審問」または「調査官面接」は何時頃に実施されるか?


「審問」または「調査官面接」は、本格的な調査実施前に行われることが多いです(イメージを持ちやすくご説明しますと、家庭訪問実施前とイメージすると分かりやすいかと思います)。
 一般的に監護者指定事件では、子の監護に関する陳述書等にて詳しい事情を書面で事前に提出していることが多いのですが、その書面からは分かりにくい事情や、念のため、その内容に補足して確認するために、「審問」または「調査官面接」が行われることになります。

 

 

5.どこまで準備すべきか?


率直に申しますと、「調査官面接」の場合には、その事件のポイント等を押さえておけばよく、そこまで詳しい準備まではしないことの方が多いです。調査官面接の場合には、あなたの横に弁護士が座って、適宜フォローすることができるからです(但し、あくまで調査官に対して主体的に話をするのは、あなた自身です)。
これに対して、「審問」は、あなたの弁護士がその場でフォローすることが難しいので、ある程度の準備をして臨むことが多いです。
準備事項としては、「調査官面接」同様、その事件の大きなポイントの確認をし、更に、各証拠の中でこちらに不利な点等もフォローしておくことが多いかと思います。

 

 

6.まとめ


・監護者指定事件では、ほとんどの場合、「審問」または「調査官面接」のいずれかを実施する。
・「審問」と「調査官面接」のいずれを選択するかは裁判官の裁量で決まる。
・「審問」と「調査官面接」とでは、様々な違いがある。
・「審問」と「調査官面接」いずれにせよ、本格的な調査実施前に実施することが多い。
・「調査官面接」のときより、「審問」の方がしっかり準備したほうが良い。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2022.08.15更新

弁護士秦


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1.そもそも「監護者」って何だ?


(1)監護権というワードは馴染みが薄い。

 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。


(2)親権の意味のおさらい
 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。
 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。
1)身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)
2)財産管理権(お子様の財産を管理する権限のことです)
3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)

(3)要するに監護権って?
 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。

(4)監護者指定審判とは?
 離婚が正式に成立するまでは、お子様の親権は夫婦の共同親権になるのですが、このような共同親権の中でも監護権のみを切り出して、監護権を取得するものを夫婦どちらかに指定して欲しいという審判が監護者指定審判の手続きになります。
 「審判」というと聞き慣れないかもしれませんが、調停のように話し合いの手続きではなく、裁判官が強制的に監護者を指定する手続きになります。

 

 

2.「子の監護に関する陳述書」って?


 監護者指定事件では、「子の監護に関する陳述書」の提出がほぼ必須なのですが、これは、これまでのお子様の成育歴、それに対するあなた自身の関わり方、あなた自身の生活状況や今後の監護計画等をひとまとめにした書面です。これを見れば、裁判所の方も、お子様がどのように育ってきたのか、あなたが今後どのようにお子様を育てていこうとしているのかの概要を把握することができる書類ということになります。
 東京家庭裁判所で提出を要求される書式についてはインターネット上に公開されておりますので、参考になさって下さい。
 なお、「子の監護に関する陳述書」の書式は各裁判所によって記載項目等が少し異なっているので、以下では、東京家庭裁判所の例で解説いたします。

 

 

3.「子の監護に関する陳述書」の書き方のコツ


 「子の監護に関する陳述書」は書式が決まっておりまして、記載例もありますので、記載例を参考にすれば、作成そのものはそこまで難しくません。ただ、この陳述書の中でも、特に裁判官が重視する部分というものがありますので、漫然と記載するのではなく、「特に裁判官が重視する部分」について手厚く記載していく必要があります。
 特に裁判官が重視する部分は、以下の点になります。


(1)「これまでの監護状況」
 簡単に言いますと、お子様の衣食住に関連して、どのような育児を担ってきたのかという点です。「子の監護に関する陳述書」の記載項目の中で最重要と言っても過言ではない事項と言えます。
 そのため、「これまでの監護状況」の部分については特に重点的に記載する必要があります。
 なお、その記載に当たっては、以下のような点を考慮して下さい。
  ①お子様の成長具合に応じて区分けして記載する。
  ②監護割合については、極力明示する。
  ③習い事での関わりも記載する。


「①お子様の成長具合に応じて区分けして記載する」というのは、例えば、お子様が小学校に入学する前の段階、小学校入学後、中学校入学後といったように時期を分けて記載するといったことです。このように区分けすることで、どの時期にどのような育児をしてきたのかを詳しく記載することができます。


「②監護割合については、極力明示する。」というのは、例えば、「寝かしつけはほぼ100パーセント私が対応していました」とか「保育園への送りは私が80パーセント程度対応していました」というように、どのくらいの比率で対応していたのかを明記するということです。


「③習い事での関わりも記載する。」というのは、そのままの意味なのですが、皆さん、家庭内での様子や保育園、学校との関わりは漏らさずご記載されるのですが、習い事との関わりの記入を失念してしまっているケースが多いので、ご留意して欲しいということです。


(2)「一日の生活状況」
 この項目には、現在の生活スケジュールだけではなく、別居前の生活スケジュールを記載することも多く、そのスケジュールを見ますと、お子様がどのような生活を送ってきたのか、あなたがどのように関わってきたのかが端的に分かるので、これも重要な記載になります。


(3)「今後の面会交流についての考え方」
 一般的に、お子様は両親双方と関わりを持ち、双方の愛情を受けながら育った方が望ましいとされています。
 そのため、夫婦のどちらか一方が監護者になったとしても、もう片方の親との交流をどこまで認めるのか、配慮できるのかという点は、重要な要素とされています。


(4)あとは事案に応じてということになる
 これまでの解説は、どの事件でも一般的に重点的に記載すべき項目についての解説でして、事件によっては、他の項目が非常に重要になってくるケースもあります。
その場合には、当然その項目についても重点的に記載する必要があります。
 具体的には、弁護士に相談し、事件に応じて重点項目の洗い出しを行ったほうが良いかと思います。

 

 

4.夫からのモラハラ被害や虐待行為はどこに書くのか?


(1)あなた自身が夫からモラハラや暴力被害を受けた場合
 あなたが夫からモラハラや暴力被害を受けてきた場合で、そのことでお子様自身も心を痛めてきたというような場合には、監護者指定事件とも関連する事情と言えます。
 ただ、「子の監護に関する陳述書」は、前述の通り、お子様のこれまでの成育歴等を記載する書面ですので、そこに、夫からのモラハラや暴力を記載することは一般的にしません。
 そのため、これらの事情は別途主張書面と言った書面にまとめて提出することが多いかと思います。


(2)お子様ご本人への虐待について
 お子様ご本人への虐待についても基本的には前述と同様でして、ストレートに「子の監護に関する陳述書」には盛り込まないことの方が多いかと思います。
 ただ、①当該虐待行為があまりに苛烈な場合や②その虐待によってお子様の体調や登校状況等にまで悪影響を及ぼしている場合には、これまでのお子様の成育歴等とも直接関連する事情になりますので、関連する範囲で記載することもあります。

 

 

5.まとめ


・「子の監護に関する陳述書」の中では「これまでの監護状況」という項目が最重要である。
・「これまでの監護状況」の記載に当たっては以下の点を考慮したほうが良い。
  ①お子様の成長具合に応じて区分けして記載する。
  ②監護割合については、極力明示する。
  ③習い事での関わりも記載する。
・「一日の生活状況」「今後の面会交流についての考え方」の項目も、他の項目と比較すると重要性は高い。
・他にも事案に応じて重点的に記載したほうが良い項目が出てくることもあるので、弁護士と相談したほうが良い。
・夫からのモラハラ被害や虐待といった事情は「子の監護に関する陳述書」ではなく、主張書面等で別途まとめることが多い。

 

 

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1.そもそも「監護者」って何だ?


(1)監護権というワードは馴染みが薄い。

 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。


(2)親権の意味のおさらい
 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。
 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。
1)身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)
2)財産管理権(お子様の財産を管理する権限のことです)
3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)

(3)要するに監護権って?
 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。



(4)監護者指定審判とは?
 離婚が正式に成立するまでは、お子様の親権は夫婦の共同親権になるのですが、このような共同親権の中でも監護権のみを切り出して、監護権を取得するものを夫婦どちらかに指定して欲しいという審判が監護者指定審判の手続きになります。
 「審判」というと聞き慣れないかもしれませんが、調停のように話し合いの手続きではなく、裁判官が強制的に監護者を指定する手続きになります。

 

 

2.調査官が夫の外面に騙されないか


 私は、モラルハラスメントの問題も多数取り扱いますので、その中で、調査官がモラハラ夫の外面に完全に騙されてしまっているというケースを見かけることもあります。
 特にモラハラ夫は、社会的ステータスが高く、職場等では理想的な対人関係を築いている人も多いため、調査官も、そのような外面に騙されてしまうのです。
 このように調査官が夫の外面に流されてしまいますと、①こちらに対して「あたりが強い」ということになってしまったり、②強く面会交流を指示してくるなど実害となって表れてしまうこともあります。
 特に、監護者指定事件は迅速に事件が進行することが多く、調査官が誤ったイメージで調査を実施してしまいますと、こちらに不利な結論になってしまう危険性すらあります。

 

 

3.調査官のイメージを変えるには、夫の家庭内での様子を端的に示すのが一番効果的


 極端に外面が良いモラハラ夫は、そのことのストレスからか家庭内では非常に自己中心的・独断的にふるまう人も多いです。
 あなたが離婚に向けて、そんなモラハラの証拠を集めていたのであれば、その証拠を突き付けて、夫の本性が分かる証拠を見せると、調査官のイメージを大きく変えることができます。

 なお、何の裏付けもなく、夫は普段このように話しているとか、家庭内ではこのようなモラハラ夫だということを主張するだけでは、なかなか調査官のイメージを変えることは難しいので、できるだけモラハラの証拠を突き付けたほうがいいです。

 

 

4.イメージ作戦は早めに


 調査官が直接夫とやり取りをするのは、通常は、第1回審判期日での審問か、もしくは、第1回審判期日以降の調査官面接のときになります。
 そのため、第1回審判期日よりも前に、夫の家庭内での様子を端的に証拠化して、調査官がモラハラ夫の外面に騙されないようにしておくことが重要になります。
 もちろん、第1回期日前の準備としては、夫側の監護者指定審判申立書に対して入念に反論することが一番大事なのですが、夫側のイメージ戦略についても、反論書の中でしっかりと言及し、証拠も提出しておくべきでしょう。

 

 

5.こちらのイメージを良くしておく必要はないか?


 夫側のイメージというような話を致しますと、よく奥様の方から「こちらのイメージを良くするために何かしておいたほうが良いでしょうか?」という質問を受けることもあります。
 ただ、審判で一番大切なのは、勝つためにどれだけ証拠資料を提出することができるのか、という点になりますので、あまりこちらのイメージという部分の対策は意識し過ぎないほうが良いかと思います(イメージというところを意識し過ぎてしまいますと、逆に後からボロが出てしまうということにもつながりかねないと思います)。

 

 

6.まとめ


・残念ながら、調査官によってはモラハラ夫の外面に騙されてしまうケースはある。
・家庭内でのモラハラの様子を証拠として提出して、誤ったイメージを持たれないようにする必要がある。
・このような証拠提出は第1回期日前までの方が良い。
・こちらのイメージはそこまで意識し過ぎないほうが良い。

 

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1.そもそも「監護者」って何だ?


(1)監護権というワードは馴染みが薄い。

 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。


(2)親権の意味のおさらい
 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。
 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。
1)身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)
2)財産管理権(お子様の財産を管理する権限のことです)
3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)



(3)要するに監護権って?
 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。


(4)監護者指定審判とは?
 離婚が正式に成立するまでは、お子様の親権は夫婦の共同親権になるのですが、このような共同親権の中でも監護権のみを切り出して、監護権を取得するものを夫婦どちらかに指定して欲しいという審判が監護者指定審判の手続きになります。
 「審判」というと聞き慣れないかもしれませんが、調停のように話し合いの手続きではなく、裁判官が強制的に監護者を指定する手続きになります。

 

 

2.面前DV、面前モラハラって?


 面前DVとは、お子様の目の前だというのに、夫があなたに対して暴力を振るってくること等を意味します。面前モラハラとは、お子様の目の前だというのに、夫があなたに対して暴言を浴びせてくること等を意味します。
 面前DVとか面前モラハラという表現を使う際には、夫がお子様に対して直接暴力を振るったり、お子様に暴言を吐くことは「含まず」、あなただけが攻撃対象になっていることを意味することが多いです。

 

 

3.面前DV等は児童虐待なのでは?


 児童虐待防止法第2条第4号は、お子様の面前での夫から妻への暴力や妻の心身に有害な影響を及ぼす言動を「児童虐待」と定義しています。なお、暴言については、単なる誹謗中傷では足らず、妻の生命または身体に危害を及ぼし得る程度の発言であることが必要とされています。
 また、警察や児童相談所が介入しているケースですと、警察官や児童福祉司は「お子さんの前で暴力を振るったり、夫婦喧嘩することは、お子さんに悪影響を及ぼすのでやめてください」と言われることが多いと思います。

 

 

4.裁判所は、お子様への直接の虐待かどうかで強く線引きすることが多い


 前述の通り、面前DVや面前モラハラは、児童虐待防止法の児童虐待に該当するのですが、監護者指定事件では、夫の暴言などが直接お子様に向かっているかどうかという点が非常に重視されます。
 裏を返しますと、仮にあなたが暴力を受けていても、お子様が一切直接の暴力や暴言被害を受けていないという場合には、監護者指定事件の中ではあまり重視されないということになってしまうということです。
 そのため、DV夫やモラハラ夫の気性の粗さなどは、直接あなたに向けられたものであるという視点ではなく、お子様に向けられたものであるという視点から整理して主張・立証していく必要があります。
 もちろん、あなたとしては、「今は子供が被害に遭っていないけれども、子供が成長すると同じ被害を受けるかもしれないと思うので、すごく心配」という気持ちはよく分かりますが、監護者指定事件では、他にも監護者を決める重要な検討項目がありますので、面前DVや面前モラハラを大きく取り上げるというよりは、他の項目で有利な点をクローズアップすることの方が良いと思います。

 

 

5.発言そのものが性的虐待と捉え得る場合は別


 前述の通り、モラハラ夫の発言があなたに向けられたものの場合、残念なことに、監護者指定事件ではあまり重視されません。
 ただ、モラハラ夫があなたに対してした発言の中でも、それをお子様に聞かせてしまうこと自体が性的虐待に該当するケースはあり、その場合には、監護者指定事件でも重視されることはあります。
 一般的には、夫があなたの不倫を疑って口論になったとか、夫の不倫の中での口論での発言が問題になるケースが多いかと思います。
 要するに、例えば、お子様が女の子で、ある程度性知識などもあるのに、夫が妻に性的に露骨な発言を繰り返したり、性的に放送禁止用語に近い発言をするといったものがこれに含まれます。

 

 

6.まとめ


・面前DVや面前モラハラは、児童虐待防止法上の「児童虐待」に該当する。
・しかし、面前DV等だけでは、裁判所はあまり重視してくれないことが多い。
・ただ、面前モラハラの中でも、そのような発言をお子様に聞かせることそのものが性的虐待に該当するようなケースだと重視されることが多い。

 

 

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1.そもそも「監護者」って何だ?


(1)監護権というワードは馴染みが薄い。

 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。


(2)親権の意味のおさらい
 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。
 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。
1)身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)
2)財産管理権(お子様の財産を管理する権限のことです)
3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)

(3)要するに監護権って?
 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。

(4)監護者指定審判とは?
 離婚が正式に成立するまでは、お子様の親権は夫婦の共同親権になるのですが、このような共同親権の中でも監護権のみを切り出して、監護権を取得するものを夫婦どちらかに指定して欲しいという審判が監護者指定審判の手続きになります。
 「審判」というと聞き慣れないかもしれませんが、調停のように話し合いの手続きではなく、裁判官が強制的に監護者を指定する手続きになります。

 



2.「児童虐待」の位置付けの確認


 たまに、私のところにご相談に来られる方の中には、夫の児童虐待をしっかりと証明できれば監護権を確実に獲得できるので、児童虐待の証明だけに全力を注ごうと考えている方を見かけます。
 確かに、児童虐待をしっかりと証明できれば、監護権の争いで大きくリードできることは間違いないのですが、監護権の争いの中では、現在の監護状況と別居前の監護実績といった点も非常に重視されます。そのため、児童虐待にばかり目を奪われて、他の対策が疎かにならないよう注意する必要があります。

以下では、どのような証拠が児童虐待の証明として効果的なのかを解説していきます。

 

 

3.一番強力なのは、お子様の診断書や怪我の写真


 お子様が重大な児童虐待に曝されており、夫がお子様に対して直接殴る蹴るの暴力を加えてきたような場合には、怪我をした際の診断書や怪我の写真は、児童虐待を直接証明する証拠になります。
そして、このような診断書や痣の写真等があれば、夫側の直接暴力を証明できますので、監護権争いにおいて決定的に有利になるケースも多いです(但し、痣と言っても、写真だと判別しにくいというような場合には、決定的とまでは言えないケースもあります)。




4.その次に確実なのは録音データ



夫側がお子様に対して手を上げるものの、怪我をするほどのものではないとか、直接手を上げないけれども、あまりにも叱り方が高圧的でお子様も怖がっているというような場合には、その様子を録音した録音データが確実な証拠になります。

 なお、録音をする場合には以下の様な点にも気を付けながら実施して下さい。


(1)録音は前後の会話も含めて当時の状況が分かる形で録音した方がよい。
 たまに相手が暴言を吐いている数秒、数十秒の録音データをお持ちになる方がいますが、これでは、相手が暴言を発する経緯や、あなた自身がどのように反応したのかといった点が分かりません。
 また、暴言部分のみのデータですと、こちらで編集したデータであると言った形で、相手から争われる危険性もあります。
 そのため、相手が暴言を発する際には、その一部始終を録音し、相手がどのように暴言を発し始めたのか、お子様がどのように反応したのか、あなたが間に入ったのか、相手がどのような形で落ち着いていったのかったと言った点をすべて録音できるとベストです。

 

(2)録音データは複数あった方が心強い
 モラハラ夫の暴言のフレーズは、「いつも同じような発言が多い」ということもあります。
 しかし、同じフレーズばかりだから、「1回だけ録音しておけばよい」とか「この前録音したのと似た様な録音だから削除する」と言うことは絶対にしないで下さい。

 まず、複数録音しておくと、相手が頻繁に暴言を吐くと言うことを正確に裁判官に伝えることができますので、その意味で「同じフレーズでもデータの数は多いに越したことはない」ということになります。また、フレーズは似通っていても、そのときの雰囲気や様子はそれぞれ別な場合がありますし、お子様の反応やあなたの対応が異なる場合もあります。このような点は弁護士といった法律の専門家でなければ、違いを判断できないと言うこともありますので、複数録音データがあると、活用方法は拡がる可能性があります。

 

 

5.LINEやメール


 例えば、お子様が既に自身のスマートフォンを持っていて、夫がお子様に対して直接メールにて中傷する発言をしてきたというような場合、有力な児童虐待の証拠になり得ます。

 ただ、このようなメールやLINEのやり取りですと、旦那の普段の声の大きさ、声のトーンやその場の雰囲気までは伝わらないため、どうしても、録音データよりは証拠としての価値が落ちる面はあります。それでも、メールやLINEの文面から明らかにお子様を誹謗中傷する内容のような場合には、十分児童虐待の証拠にはなります。

 

 ラインやメールに関しては、バックアップをきちんと取っておくことに努めて下さい。と言いますのは、メールやラインをスマートフォンでしか保存していないと、スマートフォンが故障した場合には、記録がなくなってしまいますし、ケースによってはモラハラ夫によってスマートフォンを壊されてしまい,そのことで証拠がなくなってしまう危険性があるのです。

 バックアップの方法としては、問題となるメールやラインをスマートフォンで開き、スクリーンショットをパソコンアドレスに送信するといった方法がオーソドックスかと思います。ラインのやりとりをSIMカードにてそのままパソコンに移行しても文字データのみになってしまうことが多いと思います。相手がメールやラインの内容を否定しなければいいのですが、相手が否定した場合、文字データのみですと、簡単に改変できるデータになりますので、相手から「このデータは偽造されている」とか「一部家内の都合が悪いところが削除されている」といった言いがかりを付けられるリスクがあるので注意が必要です。

 

 また、お子様によっては、実の父親からの中傷メールやLINEはすぐに消してしまうということも多いと思います。あまり期間が経過してしまっていると復元は難しいと思いますが、消してしまったデータの中に、決定的なフレーズがあったというような場合には、本格的に復元を検討してみたほうが良いケースもあります。

 

 

6.物の被害


 夫がお子様めがけて物を投げつける場合はもちろん、お子様が見ている目の前で壁に向かってお子様のものを投げつけて壊すといったことも当然児童虐待に該当します。

例えば、旦那が投げつけたために大破したスマートフォン、夫が殴りつけて空いた壁の穴、夫が何度も蹴りつけるためにバラバラになってしまった洗濯籠等、壊れた物の写真も一つの証拠にはなります。

 ただ、これらの写真に関しては、例えばスマートフォンの場合、子どもがふざけていて割ってしまった等、相手が言い逃れをしてくる危険性がありますので、証明できる範囲に限界があることには注意が必要です。

 

 

7.警察署・子ども家庭支援センター等への相談記録


 夫からの児童虐待に悩まされてきた場合、その間に警察署、子ども家庭支援センターや児童相談所にご相談されている方もいらっしゃいます。そのような場合には、その記録の開示を受けると、証拠になり得ます。なお、警察署・子供家庭支援センターの記録は、一般的には警察・センター側の応答も開示されるケースが多いのですが(但し、ところどころ黒塗りにされることも多いです)、児童相談所への相談記録は、基本的に、こちら側の発言内容しか開示されず、児童相談所担当職員の応答内容は開示されません。この点には留意する必要があります。

 なお、児童虐待の証拠としてどこまで利用できるのかは、その開示された資料の内容次第と言うことになります。例えば、子ども家庭支援センターへの相談記録ですと、育児の悩みがメインで記載されていて、児童虐待の件があまり記載されていないこともあります。

 

 たまに、私のところに相談に来られる方の中には「大変なことがなければ警察に相談するはずないんだから、相談をしているだけで、児童虐待の証拠になりますよね?」とおっしゃる方もいますが、必ずしもそうとは言い切れません。
 現状の裁判実務を見ますと、「警察に相談した」イコール「大変なことが起こった」とまでは評価されないこともありますので、結局は開示証拠に何が書かれているのかをよく検討して判断すると言うことになろうかと思います。

 

 

8.証言


 証言といった場合、直接の目撃証言なのか、奥様の話を伝え聞いた話なのかによって、その価値に差が生じます。

 例えば、下の子が虐待を受けている様子を、上の子が直接目撃していて証言してくれるという場合には、直接の目撃証言になりますが、下の子が虐待を受けている様子を、あなたが直接目撃していたが、それをあなたのご実家に相談したという場合、ご実家の証言は直接の目撃証言にはなりません。
 また、虐待を受けた当事者であるお子様本人も、虐待を受けていた当時すでに小学校高学年だったというような場合には、その証言は直接の証言になり得ます。

 一般的には目撃証言の方が証拠の価値は高いのですが、お子様の証言という場合、目撃したときに何歳だったのか、証言時に何歳なのかといった点の考慮が必要になりますし、お子様の立場も考慮する必要があります。例えば、お子様が離婚に大賛成という場合、父親の児童虐待を誇張して話していないのかという懸念も生じ得ます。

 いずれにしましても、人間の記憶には限度がありますので、証拠の価値としては録音データ等の方が格段に評価が高いのが実情です。

 

9.児童虐待の証拠が少ない、ほとんどないという場合


 もちろん、上記の様な録音データがあれば良いのですが、そのような証拠が少ない、または、ほとんどないというケースも多くあります。

 その場合には、あまり児童虐待の点に固執せずに、監護実績等他の点で監護権を確実に獲得できるよう努力したほうが良いと思います。

 


10.まとめ


・児童虐待は監護者を決めるにあたって重要なポイントではあるが、それだけで監護者が決まるわけでもないので、他の判断要素を疎かにしてはいけない。
・児童虐待の強力な証拠としては、お子様の診断書や写真が強力である。
・録音データは虐待の有力の証拠になるが、その内容については注意点もある。
・ラインやメールは書き込みの内容次第であるが、誹謗中傷発言などが直接かかれていれば有力な証拠になる。
・警察署や子ども家庭支援センター、児童相談所等への相談記録も記載内容に応じて証拠の価値がある。
・物の被害を写した写真は、直接虐待の証明にすることは難しいケースもある。
・証言は、録音データ等の証拠に比べると、証拠としての価値は見劣りしてしまう。
・虐待の証拠が少ない場合には、他の親権の重要要素で勝負したほうが良いかもしれない

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2022.07.04更新

弁護士秦


こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

1.そもそも「監護者」って何だ?


(1)監護権というワードは馴染みが薄い。

 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。


(2)親権の意味のおさらい
 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。
 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。
1)身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)
2)財産管理権(お子様の財産を管理する権限のことです)
3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)



(3)要するに監護権って?
 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。



(4)監護者指定審判とは?
 離婚が正式に成立するまでは、お子様の親権は夫婦の共同親権になるのですが、このような共同親権の中でも監護権のみを切り出して、監護権を取得するものを夫婦どちらかに指定して欲しいという審判が監護者指定審判の手続きになります。
 「審判」というと聞き慣れないかもしれませんが、調停のように話し合いの手続きではなく、裁判官が強制的に監護者を指定する手続きになります。

 

 

2.勝つ為の秘訣は?


 結論から申しますと、監護者指定事件でのいわゆる「必勝法」のような簡単なものは存在しません。


 ただ、監護者指定事件は迅速性が求められ、時間が限られている中で要領よく準備をしなければならない関係で、よく感じる点をまとめると以下の通りです。
① 目先の文章にとらわれ過ぎないこと
② 何よりも「裏付け」という視点が大事
③ 手続が進んでいく中で状況が大きく変化する場合もあるので、臨機応変に対応すること


(1)目先の文章にとらわれ過ぎないこと
 監護者指定事件においては、夫側の言い分に対してしっかりと反論し、こちらの言い分を述べていく必要があります。
 ただ、夫側の文章があまりにこちらを悪く書いているときなどには、「夫をぎゃふんと言わせるくらいのきつめの文章を作って欲しい」とか「夫が15ページ文章を書いているので、こちらは最低でも2倍の30ページは文章を書いて提出して欲しい」と言ったことをおっしゃる方もいます。
 また、裁判官の気持ちを揺さぶる文章を作りたいので、表現方法を突き詰めて検討したいということを言うような人もいます。


 もちろん、こちらの言い分をしっかりと示すことは重要なのですが、その表現や分量といった形式面にとらわれ、そのことに時間を多く費やすことは得策とは言えません。
 監護者指定事件は準備の時間が限られていることが多いので、後述の「裏付け」の整理に時間を費やした方が良い結果に結びつくと思います。


(2)何よりも「裏付け」という視点が大事
 極端な言い方をしますと、監護者指定事件ではお互いに弁護士をつけていることが多いので、文章の表現力という面では大きな差は出ないことの方が多いです。そして、文章の表現力で勝敗が大きく変わるという事件はほとんどありません。
 むしろ、相手の言い分が間違っていると証明できる「裏付け」としてどれほどのものがどの程度あるのか、こちらの言い分が正しいと証明できる「裏付け」としてどれほどのものがどの程度あるのか、という整理の方がはるかに重要です。


(3)手続きの変化を読み取り臨機応変に対応すること
 手続きを進めていくと、①こちらが予測していなかったような証拠が夫側から提出されたり、②こちらの想定以上に裁判官が気にかけている争点が発見されたりと、事前の予測に反する展開になるケースもあります。
 特に監護者指定事件は、短期集中で審理が進んでいくケースが多いため、このような変化が生じることは、ままあります。
 そのような場合に、これまでの考え方に固執して手続きを進めてしまいますと、思わぬ結果となってしまうこともありますので、このような手続きの変化があった場合には、臨機応変に対応していく必要があります。

 

 

3.まとめ


・勝つための簡単な必勝法のようなものは存在しない。
・しかし、大きな視点としては以下のような点が重要である。
① 目先の文章にとらわれ過ぎないこと
② 何よりも「裏付け」という視点が大事
③ 手続が進んでいく中で状況が大きく変化する場合もあるので、臨機応変に対応すること

 

 

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