2023.12.25更新

 弁護士秦

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1.別居期間が長くなると離婚になるって本当?


 私が相談を受けておりますと、「別居期間が長くなると離婚になると聞きましたが、本当ですか?」と質問してくる方もいます。
 このような質問の趣旨として、別居期間が一定期間に達してしまうと、パートナーが離婚届を提出すると(あなたが署名押印しなくても)それが役所で受理されてしまうと誤解されている方も多くいますが、そういうことではありません。
 別居期間が長くなったとしても、あなた自身が離婚届に署名押印しない限り、勝手に離婚届が受理されるということはなく、あくまで裁判をしない限り、離婚は認められません。
 そのため、あなたの知らないところで、離婚届が受理されるということはありませんので、この点はご安心ください。
 なお、一概に「別居期間が長くなる」と言いましても、ケースによってどのくらいの期間を置けばいいのかといった点が異なってきますので、ケースに分けて解説していきます。

 

 

2.【ケース1】相手が有責配偶者の場合


 相手、すなわち離婚を要求してきている側が有責配偶者というケースです。
(1)有責配偶者って?

 まず、有責配偶者の意味を確認しておきますが、有責配偶者とは、婚姻関係を破綻させる主な原因を作った配偶者のことを指します。
 このように書きますと、あなたにとって、婚姻関係を破綻させたのは相手の方だから、相手が悪いとおっしゃるかもしれませんが、そう単純な話ではありません。
 即ち、有責配偶者の「有責性」が認められるためには、①相手が第三者と浮気したとか、②あなたに暴力をふるって大怪我をさせたとか、③あなたの生活が直ちに立ち行かなくなることを認識しながら、何か月も生活費を渡さず生活を著しく困窮させたとかの特別な事情が必要になるのです。

 俗な言い方をしますと、相手が「非常に悪質と言えるような特別の事情があるケース」である必要があるのです。

 

(2)相手の有責性の証拠が必要

 また、このような事情については、しっかりとした裏付けが必要になります。

 たまに私のところに質問を受けることもあるのですが、「相手が他の異性と関係を持ったストレートな証拠はないんですが、二人でレストランに入った証拠はあるんです」と相談されることがあります。しかし、不貞の証拠としては、パートナーが他の異性と性的関係を持ったことの証拠が必要になりますので、それでは証拠不足になります。

 その意味で、「しっかりとした証拠」は皆さんがお考えよりもハードルが高いことも多いです。
 このような事情がしっかりと裏付けに基づいて認められるようでしたら、相手は有責配偶者ということになりますので、相手からの離婚請求は簡単には認められません。
 基本的には、未成年のお子さんがいる間は離婚請求が認められませんし、そうでなくとも、別居期間が7年程度は続かないと離婚請求は認められないと言われています。

 

 

3.【ケース2】あなたが有責配偶者の場合


 前述の通り、有責配偶者の条件はかなり厳しいのですが、あなたがそれに当てはまってしまう場合には、相手からの離婚請求は特段の別居期間がなくとも認められてしまいます(前述の通り、こちらが争った場合には、相手は離婚の裁判を起こす必要はあります)。
 なお、このような場合でよくご質問を受けるのが、「確かに私が浮気してしまったのは事実ですが、今からもう10年以上前の話なので関係ないんじゃありませんか?」とか「私が浮気したのは、夫のモラハラがひどく、家庭に居場所がなかったことが原因なので、このような場合は私だけの責任ではないと思います」といったものです。
 それぞれ解説していきます。


(1)有責行為がかなり以前の話の場合
 あなたの有責行為がかなり以前の事情だとしても、有責行為があったことは事実ですから、依然こちらがかなり不利だという状況に変化はありません。
 ただ、あまり古い話の場合、相手もあなたの有責行為を証明する十分な証拠を残せていない場合もあり、そのような場合には、証拠不十分として相手の離婚請求が認められなくなる可能性もあります。


(2)相手の行動や言動に影響されている場合
 相手の行動などが、それ自体有責行為と言えるようなひどい内容の場合は別として、そうでない場合には、残念ながら、あなたの有責行為が正当化される可能性は低いと思います。
 このようにお話しますと、「相手の問題行動はお咎めなしで、こちらのことばかり責められるのはおかしい」とおっしゃる方も多いのですが、仮に相手からのモラルハラスメントがあったとしても、そのことで浮気に及ぶ人が多いのかと言いますと、残念ながら少数だと思います。また、前述の通り、有責行為に該当する行為は、夫婦関係に重大な悪影響を及ぼすような事情ばかりですので、その責任が重たくなるのは致し方ない面があります。

 

 

4.【ケース3】どちらでもないケース


 上記の「ケース1」と「ケース2」のいずれでもないケースです。多少はどちらかに問題があったとしても、前述の「有責性」までは認められないケースです。
 実際に離婚が争われるケースでは、この「ケース3」の事案が大半を占めるのではないかと思います。
 このような場合、お互いに決定打がないため、いつまでも離婚が認められないということではなく、裁判を経る必要がありますが、一定の別居期間が経過すると、離婚を認める判決が言い渡されることになります。
 一定の別居期間が経過しますと、もう夫婦としてやり直すことは難しいだろうということで、離婚を認める判決が出てしまうのです。


 なお、この「一定の別居期間」というのは、これまでの同居期間やお子様の人数や年齢などが影響してきますが、3,4年の別居期間を指すことが多いです。
 ちなみに、同居期間が30年とか、かなり長期間の場合には、「別居期間が10年くらいないと離婚は認められませんよね?」などと誤解されている方もいますが、基本的には、別居期間3,4年のうち、「4年に多少近付くかもしれない」という程度の差とお考えになった方が良いと思います。

 

 

5.別居期間が重要視される理由


 これまで解説して参りました通り、別居期間がどの程度の年数に及んでいるのかという事情は、離婚裁判においては非常に重要な指標になります。
 その理由としては、①同居中の行動や言動は客観的な証明が難しいのに対して、別居期間は客観的に動かしがたい事情であること、②夫婦としての愛情が残っているようであれば、一旦別居しても再び同居を再開するはずであり、別居が長引いているということは、それだけ婚姻関係が傷ついていると一応言えることなどが挙げられます。


 まず、①について詳しく説明いたしますと、同居中の行動や言動は、普段の生活の中で録音機械で常に録音しているという人はまずいないと思いますので、どのような行動があったのか、言動があったのかを正確に証明することはほぼ不可能だと思います。また、離婚裁判の場になりますと、離婚を請求する方は、離婚するために事実をより相手に不利な内容で追及していきますし、離婚を請求された側は、逆に自分に有利な内容で主張を展開しますので、言い分が大きく食い違うということもままあります。
 そのため、裁判官としても、双方の言い分を聞いていても、どちらの方が正しいのかがよく分からない、ということが多いのです。
 そのような場合に、全てのケースで「判断ができない」としてしまいますと、いつまでも離婚が認められなくなってしまいます。


 他方で、別居期間は、お互いが一緒に寝泊まりしなくなった期間ということなので、お互いの認識が大きくずれないことの方が多いと思います。
 このように、別居期間は、客観的に動かしがたい事情として、裁判官が判断のよりどころにしやすい事情と言えるのです。
 また、②については、夫婦としてのコミュニケーションなどが取れているケースですと、パートナーの一方が家を出たとしても、コミュニケーションの結果、自宅に戻るというケースも多いので、裏を返すと、別居期間が長く続いているということは、夫婦関係がもうやり直せない状況に至っていると一応言えるということです。

 

 

6.まとめ


・別居期間が長くなってもそれだけで離婚できるということではなく、裁判を経る必要がある。
・相手が有責配偶者の場合、相手からの離婚請求はかなり認められにくくなる。
・逆にこちらが有責配偶者の場合、特段の別居期間がなくとも相手の離婚請求は認められてしまう。
・どちらにも有責性と言えるほどの大きな落ち度がない場合、3,4年の別居期間が経つと(裁判を経る必要があるが)離婚が認められることになる。
・このように別居期間が重要な指標になるのは、客観的に動かしがたい事情であること、それだけ長期間別居が続いていること自体が夫婦としてやり直せない状況と一応言えるということが理由である。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2023.12.11更新

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1.夫婦関係修復の作戦として面会交流を利用すると、夫側に見透かされることが多い


 私がご相談を受けておりますと、夫からの離婚請求意思を弱める作戦として面会交流させたいという話をなさる方が多いように思えます。
 確かに、面会交流を通して、夫側の心境変化に成功したケースも少なからずありますが、このような作戦であることが夫側に見透かされて、夫の離婚意思を余計に強めてしまいます。
 また、お話を聞いておりますと、①夫婦関係を修復できるようなら、なるべく沢山子供と会って欲しいけれど、②夫婦関係の修復が難しいようなら、なるべく子供に会わないで欲しい、ということをおっしゃる方もいます。そのようなお気持ちも分からないではないのですが、あまり途中から面会交流についてのこちらのスタンスが大きく変わりますと、こちらに不利に働くこともありますので、当初の段階でこちらのスタンスはある程度固めてから話を進めていくことが多いです。

 

 

2.面会交流調停はこちらから起こすこともできる


 たまに誤解されている方もいるのですが、面会交流調停はこちら(奥様)から申し立てることも可能です。
 そのため、夫側が面会交流に消極姿勢の場合には、こちらから面会交流調停を起こすこともあります。
 ただ、こちらから先行して面会交流調停を起こすと、夫側にもこちらの真意が伝わりにくくなってしまうと思いますので、通常は夫側が離婚調停を起こしてきた後に、時期を見てこちらから面会交流調停を起こすというパターンがオーソドックスだと思います。
 なお、夫婦円満調停と面会交流調停をこちらから先に起こしたいという方もいますが、あまり調停の手続きがスピーディーに進んでしまいますと、夫側からの離婚裁判を早める結果につながりかねませんので、夫からの離婚調停を待つべきケースの方が多いと思います。

 

 

3.「父親としての責任を果たせ」という姿勢は避けるべき


 これもよくあるお話なのですが、今後の夫婦関係がどうなっていくのかは分からないにせよ、子供と向き合うのは父親の責任なのだから、父親としての責任を果たせ、ということを強くおっしゃる方もいます。
 確かに、残されたお子様の心情のことも考えますと、おっしゃることは良く分かります。
 ただ、法律上、離婚した後の父親の責任というものは、一般的には養育費を支払う責任と捉えられる傾向が強く、面会交流までも当然に父親の責任とは言いにくいと思います。

 

 

4.夫側にとって重荷だと感じると逆効果


 前述のように夫側に対して、面会交流が父親の責任という形で強く要求しますと、夫側にとってはそのことが余計重荷に感じて、夫婦関係修復ではなく、むしろ離婚の意思を強めてしまうということもあります。
 また、同居していた時から夫側のお子様への関心が薄いようなケースですと、元々、お子様との面会交流を重荷に感じているという人も少なからずいます。
 そのため、面会交流の話も、夫側の捉え方や様子を踏まえながら、提案していくという方法もあります。

 

 

5.面会交流の条件などを緩やかにすると良い方向に進むことが多い


 お話を聞いておりますと、「父親としてもっと子供に会って欲しい」と言いつつも、その条件をかなり厳しく設定するという方もいます。例えば、もうお子様が小学校に上がっているのに、あなた自身の立会を必須にするとか、学校行事に夫婦そろって出席して欲しいといった具合にです。
 このように面会交流の条件を厳しく設定してしまいますと、夫側は余計に不信感を募らせがちですので、「まず会ってもらうこと」を優先する場合、条件面は多少緩やかにした方が良いかと思います。

 

 

6.まとめ


・夫婦関係修復の作戦として面会交流をセッティングすると夫側に見透かされてしまうことも多い。
・面会交流調停は妻側からも起こせるが、こちらが先行して調停申立はしない方が良い。
・父親としての責任を果たせという姿勢だとうまくいかないことが多い。
・夫側が重荷に感じるようであると、面会交流の提案時期等も慎重に検討した方が良い。
・面会交流の条件はあまり厳しめにしない方が上手くいくことが多い。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2023.12.04更新

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1.面会交流のトピックスの重み



 例えば、奥様が突如お子様を連れて別居を開始し、お子様と自由に会うこともできなくなったとした場合、あなたとしては今すぐにでもお子様の元気な姿を確認したいと思うかもしれません。
 このようにあなたにとってお子様のことが非常に大事だとしても、奥様が離婚の調停を起こしたようなケースでは、面会交流は離婚の一つの条件としてしか議論されなくなってしまいます。
 他方で、面会交流の議論にばかり時間を割いてしまうと離婚するかどうかという問題の議論が疎かになりかねません。
 そこで、今回は、面会交流というトピックの取り扱い方等について解説します。

 



2.夫婦関係修復を目指す以上、一定の配慮をしながら進めていく


 夫婦円満を目指すケースでも、面会交流を強く希望する場合には、面会交流調停を起こすことを私は推奨しています。
 但し、夫婦円満を最終ゴールとする場合には一定の配慮が必要です。

(1)【配慮1】夫婦関係の問題を置き去りにしないこと
 お子様に会いたいという気持ちが逸ることは致し方ないと思いますが、そのことばかりを話題にしてしまいますと奥様が置き去りになってしまいます。そうしますと、当然、奥様からも、夫婦円満の真剣度を疑われることになってしまいます。
 そのため、まずは、奥様と子供達が自宅に戻ってきてもらうこと、元の生活に戻ってきてもらうことを強く希望していることをしっかりと伝え、奥様が今すぐ戻ることが難しいという場合には、まずお子様だけでも会わせて欲しいという伝え方をするのがベターです。
 要するに、夫婦円満を第一目標にしていると言うことを言葉でしっかりと調停委員や奥様に向けて表明しておくことが重要です。



(2)【配慮2】調停を起こす前に奥様側の意向・事情を確認しておく
 こちらから面会交流調停を起こす場合には、事前に奥様側の意向を確認した方が望ましいのは当然ですが、そのことに加え、仮に今会わせたくないという場合には、会わせたくない理由も確認しておくのがベターです。
 そもそも、先方が面会交流について拒否姿勢ではない場合、敢えてこちらから調停を起こす必要性は薄まりますし、また、いきなり調停を起こすと相手も反発してくる危険性もありますので、これらの確認をしておいた方が良いです。



(3)【配慮3】面会交流頻度
 ケースによっては毎週末面会交流するというケースもなくはないのですが、限られた例外的なケースです。一般的には面会交流頻度は月1回程度というのがオーソドックスですので、当初はこれ以上の頻回を求めない方が、相手の生活に配慮している姿勢を示すことができて良いことが多いです。
 もちろん、奥様によっては、お子様をこちらに預ける方が自由な時間ができて都合がよいと考える方もいますので、そのような場合には、出来る限り面会交流に応じた方が良いと言うこともあります。

 

(4)【配慮4】できる限り、こちらから先に調停を仕掛けない

 大事なお子様の話ですから、相手と話がうまくいかない場合、急いで面会交流調停を起こしたいと考えることも自然なことかと思います。

 ただ、こちらから先に面会交流調停を起こしてしまいますと、奥様は、あなたから先制攻撃を受けたという風に捉えてしまう危険性があるのは事実です。

 そのため、できる限り、奥様の方からの離婚調停を待ってから、その調停に被せる形で面会交流調停を起こす方が望ましいことが多いです。

 

 

3.面会交流の話題を取り上げるタイミング


 奥様の側も、あなたとお子様との関係を案じている場合には、奥様の側から面会交流の話題が出ることもあります。
 当然ながら、奥様側から面会交流の提案が出た場合には、あなたとしても、早くお子様達に会いたい旨を伝え、早期に面会交流の調整に入った方が良いかと思います。
 しかし、実際には、奥様側から面会交流の話題が出ることは稀で、奥様の方が話題にしたい離婚や婚姻費用の話ばかり言ってくるということの方が多いと思います。
 その場合には、すぐに面会交流の話題を出すのではなく、しばらく様子を見てから、面会交流の件に言及した方が良いというケースもあります。あまり急いで面会交流の話を始めると、奥様側から見ると、自分の離婚の要望が認められない中で、夫の要望を飲むことに強く抵抗してくることも多いからです。
 そのため、ひとまずは夫婦関係の修復に全力を注ぎたいという場合には、まずは夫婦関係の話に焦点を絞って対応し、妻側が離婚調停を起こしてきたタイミングで、こちらから面会交流調停を起こすという対応をすることが多い気がします(調停になって初めて面会交流を話題にするという意味です)。

 

 

4.面会交流の場を関係修復の糸口にすることは?


 お子様がまだ小さい年齢だというような場合には、奥様が面会交流に立ち会うというケースも多くあります。そうなった場合、面会交流の場が、奥様と直接顔を合わせる接点になるということもあります。
 このような場を関係修復の糸口にしたいというお話が出ることもあります。
 確かに、面会交流の様子を見て、奥様の方が離婚を取り下げるというケースもありますが、これは、あなたがお子様と自然に接し、その様子を見て奥様が心境を変化させるというケースの方が多いと思います。また、少なくともお互いが弁護士を立てているような場合には、あまり面会交流の場で奥様と込み入った話をすることは避けた方が良いです。
 さらに、関係修復を狙っているというところが奥様に伝わってしまうと、奥様の目から見ると、「お子様をダシに使っている」と感じてしまい、夫婦関係は余計にこじれてしまうと思います。
 そのため、少なくとも面会交流であからさまに夫婦修復を狙っているような行動や言動は避けた方が良いかと思います。

 

 

5.まとめ


・夫婦円満を目指す以上、以下の点に配慮した方が良い。
 1)夫婦円満が第一目標であることをしっかりと調停の場で示すこと
 2)事前に相手の意向をしっかりと確認すること
 3)あまり頻回を求めないこと
・夫婦関係修復に全力を注ぐために、一旦面会交流の話題は封印するという対応を取ることもある
・面会交流の場を夫婦関係修復の糸口としてあからさまに利用することは避けた方が良い。

 

 

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