2021.06.21更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

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1.今回の解説は「旦那様側」の視点での検討



 即時抗告とは、第1審の結論が出た後に、その審判内容が正しいのかどうかを改めて高等裁判所に検討してもらう手続きになります。分かりやすく、第1審の手続を「第1ラウンド」とすると、即時抗告は「第2ラウンド」だと説明することもあります。
 監護者指定審判事件の第1審で敗訴した場合に、即時抗告すべきか否かは、旦那様側と奥様側とで検討要素等が異なります。
 今回は、「旦那様側」の視点から検討します(「奥様側」の視点は、別途ブログを準備しますので、そちらをご覧ください)

 

 

2.敗訴の意味をまずは理解する


 即時抗告すべきかどうかの検討に入る前に、第1審での敗訴の意味合いを解説します。

(1)奥様の側が正式な監護者と指定されてしまったということ
 監護者指定審判事件で敗訴するということは、あなたが監護権を取得できず、奥様が監護権を取得してしまったということになります。実質的には、あなたがお子様を育てていくよりも、奥様が育てていく方が適任だと判断されたということを意味してしまいます。

 即ち、親権には大きく以下の権利を総称した権利と言われますが、そのうちの身上監護権を奥様だけが持つ形になったという意味になります。
1)身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)
2)財産管理権(お子様の財産を管理する権限のことです)
3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)
 従って、奥様の方でお子様の居所指定権も持つことになりますので、こちらの方にお子様を引き渡すよう求めることはできなくなります。


(2)親権争いへの影響
 親権の判断要素と監護権の判断要素はほぼ同一ですので、監護権で敗訴した状態になってしまいますと、今後の離婚紛争の中で親権争い上圧倒的に不利になることは否めません。
 もちろん、奥様が離婚を急いでおらず(もしくは、経済的な理由からすぐに離婚を希望していない)すぐに親権争いの問題が浮上しないということでしたら良いのですが、矢継ぎ早に離婚・親権の問題に直面しなければならないという場合には、監護者指定がなされたことは重要な判断要素になってしまいます。


(3)家庭裁判所が判断を下したことの重み
 監護者指定審判は、裁判官が必要だと考える調査等を実施した上で、適切だという判断を下しているのですから、やはりそれなりの重みをもつことになります。
 要するに審判手続きの途中の状態ですと、裁判所の正式な判断が下されていない状態ですので、当事者のお互いの立場は優劣がない状態となりますが、既に判断が下されてしまっていますので、こちらが即時抗告をするにしても劣勢からのスタートという位置づけになってしまうのです。

 

 

3.【旦那様側から見た】即時抗告すべきかの判断ポイント


 旦那様側から検討した場合の即時抗告すべきか否かの判断ポイントとしては主に以下のようなものがあります。
①第1審の審理でどこまで目的を達成できたか
②奥様との復縁を希望しているか否か
③第1審での敗因の分析

 以下詳しく解説していきます。


(1)第1審の審理でどこまで目的を達成できたか
 旦那様側から監護者指定審判を起こす場合には、「妻がどこにいるのかもわからず、子供が元気にしているのかすら分からない」といった理由で、安否確認・お子様の生活状況の確認を主眼としている場合もあります。
 もしくは、監護者指定審判事件がかかっている場合、一般的に奥様の側は面会交流を断固拒否という姿勢は貫きにくいため、面会交流の早期実現を主眼としている場合もあります。
 このような場合、結論としては敗訴してしまったとしても、一応の奥様側の生活状況を把握できたり、面会交流は実現されるようになったというような場合には、主たる目的が達成できていますので、即時抗告まで起こす必要性は低いかもしれません。


 逆に、奥様のもとではお子様の健全な成長が期待できないとか、こちらとしてもどうしてもお子様と一緒の生活を強く臨むという場合には、敗訴では全く目的を達成できていませんので、即時抗告を申し立てるべきという方向に傾くと思います。


(2)奥様との復縁を希望しているか
 監護者指定事件では、奥様との一定の紛争は避けられないのですが、特に離婚を希望しているわけではなく、むしろ、奥様とは今後も良好な関係を保ちたいという場合もあると思います。
 そのような場合には、即時抗告をしますと、紛争のステージは高等裁判所に移ることになりますので、奥様の心理的負担が増大すること、紛争の長期化は避けられません。
 奥様の負担のことも考えて、即時抗告はしないという選択肢も出てくることになります。


(3)第1審での敗因の分析
 以前、他のブログに書かせて頂きましたが、監護者指定に当たっての重要な6個の判断要素は以下の通りです。
1)監護実績
2)連れ去りの違法性
3)現在の監護状況
4)過去の児童虐待の有無・程度
5)子供の意思
6)面会交流の姿勢
 あなたの事件での敗因は、上記の6個の要素の複数の項目であなたが奥様よりも不利であるということにあると思います。
 第1審の調査報告書も改めて見返したうえで、何が敗因だったのかをしっかりと分析し、その敗因をリカバーできるだけの要素があるのか、敗因を逆転できるような証拠等があるのかを慎重に分析する必要があります。

 

 

4.どの弁護士に依頼するのか


(1)即時抗告すべきか否か迷ったときにはセカンドオピニオンを取ってみるのも良い
 前述の通り、即時抗告すべきか否か判断するにあたっては、第1審の審判で示されたこちらの敗因をしっかりと分析する必要があります。
 基本的には、これまで依頼していた弁護士に意見を聴くことになりますが、その弁護士の言動等に不安を覚えるようであれば、他の弁護士の意見を聞いてみるという方法もあり得ます(いわゆるセカンドオピニオン)。

 

(2)弁護士を変更すべきか
 それでは、即時抗告をしていくという方向になった場合に、弁護士を維持するのかという問題があります。
 結果的には、第1審で敗訴していますので、即時抗告というタイミングで弁護士を変更すべきかを検討するのです。
 率直に言いますと、第1審の結論だけから弁護士を変更することはオススメしません。
 第1審の手続を戦っている間、その弁護士の弁護活動にそれなりに満足して手続を進めることができていたということであれば、無理に弁護士を変えて臨むよりも、弁護士はそのまま戦ったほうが十分な準備ができると思います。


 特に即時抗告にあたっては、審判書を受領してから2週間以内に即時抗告を申し立て、その更に2週間以内に抗告理由書を提出しなければなりません。これらの書類は即時抗告にあたって、いわゆる「即時抗告の顔」となるような重要な書類ですので、しっかりと準備する必要があります。
 新しい弁護士を探し、その弁護士に第1審の記録を精査してもらい、十分な準備を整えるという場合、上記の期間的制限があると、かなり活動が制限されてしまうのです。

 

 

5.まとめ


・監護者指定審判事件での敗訴の意味合いをしっかりと把握する
・旦那様側から即時抗告すべきか判断するにあたっては、以下のような要素を検討する。
①第1審の審理でどこまで目的を達成できたか
②奥様との復縁を希望しているか否か
  ③第1審での敗因の分析
・即時抗告するか迷った場合にはセカンドオピニオンをとっても良いが、弁護士の変更はあまりオススメではない。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2020.12.14更新

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1.いきなり面会交流審判を起こしても、調停に戻されるケースが大半である。



 離婚について調べていると、手続のステップは、①協議→②調停→③裁判の3つ手続きを経るという記事を見かけることもあるのではないでしょうか。
 そして、離婚の場合、いきなり離婚裁判を起こすことはできず、必ず事前に調停を起こしておく必要があります(これを「調停前置主義」と呼びます)。

 これに対して、面会交流事件には、調停前置主義が適用されませんので、調停を経ずにいきなり審判を起こすことができます。


 それでは、いきなり面会交流審判を起こした場合、裁判所はどのように対応するのでしょうか。
 面会交流の事件は、これまでのご夫婦のお子様に対する関わり方なども問題になりますし、実際に面会交流を実施するにあたっても、今後トラブルが発生しないように慎重に進めるべき場合もあります。
 そのため、裁判所としては、いきなり審判で強制的に行わせるよりも、まずは裁判所での話し合いをすべきとして、調停に戻して話し合うよう要求されるケースが大半です。


 結局、法律上はいきなり審判を申し立てられるとしても、実際の裁判所の運用上、調停を経ずにいきなり審判を行うということは難しいのが実態です。

 いずれにせよ、面会交流調停を経ても話し合いがうまくいかない場合には、手続きは審判手続きに移行しますので、この「審判」という手続がどのようなものなのか、調停と比較しながら解説していきます。

 



2.審判と調停の違い




 審判と調停との間にはいくつもの違いがあるのですが、大きな違いとしては以下のような点が挙げられます。

①審判手続は審判を目指すものであるのに対して、調停は当事者間の合意を目指す。

②審判は原則法廷で行われますが、調停は調停室(会議室)で行われます。

③審判には即時抗告という不服申立ができますが、成立した調停に対する不服申立はできません。

④審判は書類の提出をメインで行い、調停のような口頭での説明がメインではありません。

⑤審判では当事者本人の出席が不要な場合もありますが、調停では基本的に当事者本人が出席する必要があります。

 それぞれについて具体的に説明して行きます。

 

(1)審判手続は審判を目指す
 冒頭でも説明しましたとおり、審判手続は審判を得ることを目的としており、審判が言い渡されて、その内容が確定すると、不満のある当事者も審判の内容に従わざるを得なくなります(そのため、イメージとしては「判決」に近いです)。
 調停の場合には、相手の提案に納得が行かない場合には、納得いかない旨を述べれば調停は成立しませんので、相手の言い分を強要されることはありませんので、この点が審判と調停の一番大きな違いと言えます。

(2)審判は原則法廷で行われる
 調停は調停室という会議室のような部屋で行われるのですが、審判は原則として法廷(テレビドラマなどに出てくるのは通常この「法廷」になります)で行われます。
 そのため、調停室(イメージとしては打合室に近いです)よりも厳粛なムードで行われます。


(3)審判に対しては即時抗告という不服申立ができる
 審判手続の結論として審判が言い渡された場合でも、その審判内容に不満がある当事者は、即時抗告をして、その内容を争うことができます。
 これに対して、調停が成立した場合、後で気持ちが変わったとしても調停の内容を覆すことはできません(不服申立手段がありません)。
 なお、審判手続の中で当事者間の話し合いが上手くいった場合には、裁判官が審判手続きを調停手続に変更した上で、調停が成立することがありますが、この調停に対しても不服申立ができませんので、注意が必要です。

(4)審判では書類のやり取りが中心になる
 審判では、最終的には裁判官が審判を書くことになりますので、当事者の言い分が不正確にならないように、お互いの言い分は主張書面といった書面に書き起こして主張してゆくことになります。
 面会交流調停の場合には、特に調停委員が希望する場合を除いて、言い分は調停室内で口頭にて述べられますので、この点も審判との違いになります。
 このように審判では本人の言い分が裁判官にきちんと届くように書面をまとめることが非常に重要になりますので、審判期日当日というよりも当日よりも前の主張書面の準備が重要になります。

 なお、面会交流審判事件では、最終的には調査官の調査報告書が作成されますので、書面提出のみではなく、調査報告書の内容、調査報告作成に当たって調査官が確認した内容も重要なポイントになります。
 ただ、このような調査官調査に入る前に、しっかりとこちらの言い分を裁判官や調査官にぶつけ、必要な裏付け資料は全て提出しておくことが最重要になりますので、いずれにしましても、口頭のやり取りではなく、書類のやり取り、特に裏付けのやり取りが重要であるという点は調停との大きな違いです。

(5)審判には本人は出席しなくて良い場合もあります
 調停手続の場合、仮に弁護士が代理人に就いたとしても、本人が調停手続に出席する必要があります(弁護士も同席します)。
 これに対して、面会交流審判の場合も、本人の出席が必要なときもありますが、不要とされるケースもあります(ただ、面会交流審判のケースですと、実際のところは、審問を行うなどの理由から、裁判所から、本人の出席を求められるケースも多いです)。




3.審判の具体的イメージは?




 審判というと、よくドラマでやる様な相手を証言台に立たせて尋問することをイメージする方も多いと思いますが、実際の審判は大きく異なります。
 面会交流審判においては、家庭裁判所調査官の調査結果が、重要な意味を持ちますので、こちらに有利な調査報告を得られるように、お互いのが書面や資料を提出するという形が多いです。
 また、裁判官が必要な審問(当事者に直接質問をする手続き)を行う場合もありますが、一般の証人尋問のように代理人弁護士には質問権がありません。

 

 

4.まとめ



・審判手続は調停と比較してみてみると分かりやすい。

・比較の結果の大きな相違点は以下のようなものである。

①審判手続は審判を目指すものであるのに対して、調停は当事者間の合意を目指す。

②審判は原則法廷で行われますが、調停は調停室(打ち合わせ室)で行われます。

③審判には即時抗告という不服申立ができますが、成立した調停に対する不服申立はできません。

④審判は書類の提出をメインで行い、調停のような口頭での説明がメインではありません。

⑤審判では当事者本人の出席が不要とされるケースもあるのに対し、調停では基本的に当事者本人が出席する必要があります。

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2020.11.30更新

弁護士秦
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 神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 今回は、これから面会交流調停を申し立てようと考えている方を対象に、面会交流調停というものがどのような手続きなのかを解説していきます。

 

1.面会交流調停って何だ?



 面会交流調停とは、一般的には、夫婦(元夫婦)が当人同士でお話し合うことが難しい時に、家庭裁判所の調停委員を間に入れて面会交流の当否、条件等について話し合いをする手続などと言われたりします。
 しかし、この説明だけでは漠然としていてイメージを掴むことは難しいと思いますので、できる限り具体的に面会交流調停というものがどのようなものなのかをご説明します。




2.そもそもこの調停は何を目指す調停なのか?




 通常この調停を起こす場合、これまではお子様と会うことが出来ていたのに突如家内が会わせたくないと言ってきたとか、離婚した途端会えなくなったといった場合に、お子様との面会を求めるとともに、その条件について話し合いをする手続になります。


 調停の席での話し合いが順調に進めば、面会交流の条件等を調えることができます。
 ただ、相手が頑なに面会交流を拒否するような場合、調停では解決しないという場合はあります。

 



3.調停を申し立てる前にすべきこと



(1)できる限り相手との交渉努力をする
 いきなり調停を起こしますと、裁判所からの封書が来て相手は驚いてしまうと思います。そのため、まずは、お子様と会えないことに不満があること、どうして急に会えなくなったのかといった点を相手に尋ねて、話し合いの努力をした方が良いです。


 仮に、どうしても話し合いがうまくいかない場合には、当人同士ではなくお互いの両親を交えて話をするなど、交渉スタイルを変えてみることも検討してみてください。
 そのような交渉スタイルの変更をしても話し合いがつかない場合でも、可能な限り、相手への最後通告を行ったほうが良いです。そうすることによって、相手が話し合いに応じてくる可能性があるからです。

(2)調停を起こすタイミングを見計らう
 前述のような交渉努力をしても相手が頑なに面会交流を拒否してくるような場合には、いよいよ調停申し立ても検討していかなければいけなくなります。
 基本的に裁判所は面会交流の実施について積極的ではありますが、調停はあくまで話し合いの手続きですので、実際の面会交流実現までに時間がかかってしまうケースが多いです。そのため、実際に調停を申し立てる際には、これから相当期間の面会交流調停手続きを経ていく必要があるという覚悟を決める必要があります。


 また、お子様の進学時期など、タイミングが悪い時期に調停を起こすと相手の反発が一層高まる危険性があります。そのため、お子様の行事等から、必要以上に相手を刺激しないタイミングで調停を起こした方が無難かもしれません。




4.調停委員ってどんな人?




 面会交流調停は、裁判官1名と調停委員2名(男性1名、女性1名)の合計3名が間に入って執り行われます。と言っても、裁判官は複数の事件を担当していますので、実際に調停室で直接話をするのは基本的に調停委員2名と言うことになります。また、これは裁判官の裁量によりますが、家庭裁判所調査官が調停の席に加わって手続を進めるケースもあります(本格的な調査実施前までには必ず調査官が立ち会うのですが、初回や2回目から調査官が立ち会うかは裁判官の裁量・調査官の都合(要するに調査官が抱える別事件の期日出頭の必要があるかどうか)によって決められます)。

では、この調停委員というのはどういう人なのかと言うことですが、原則として40歳以上70歳未満の人で、社会生活上の豊富な知識経験や専門的知識を有する裁判所職員になります。弁護士、大学教授や裁判所書記官OBなどが調停委員になるなどしています。

 


5.面会交流調停ってどこで行うの?




 面会交流調停は家庭裁判所の建物内の一室で行われます。調停委員に、こちらの自宅などに出向いてもらって話し合いをするということはできません。

 テレビのドラマなどを見ていますと、いわゆる裁判所の法廷の場面が映し出されていますが、調停が行われるのは一般的な法廷ではなく、イメージとしては会議室のような場所で行われます。
 会議室と言っても何十人も座れるような広い会議室ではなく、6人掛け(いわゆる誕生日席2席を加えると8名が座れる程度)のテーブルが入って多少余裕がある程度の部屋とイメージしていただければ分かりやすいと思います。

 




6.面会交流調停って何時行うの?




 調停が開催される期日は完全事前予約制なので、予め日時を決定しておき、その日に裁判所に足を運ぶという方式になります。
 調停が行われるのは平日の日中ということになりますので、土日祝日や夜間に調停を行うことはできません。そのため、平日お仕事をされている方は、調停の日はお仕事を休むか早退するなどして出席することになります。

 この調停期日は一方的に裁判所から決められることはなく、基本的にはご本人の都合を聞いて日時が決定されます(但し、第1回調停期日については、相手方の都合は聞かずに日時が決定されます)。

 ただ、担当調停委員によって担当曜日が決まっているのが一般的ですので、その曜日の中から日時を選択するという形式が一般的です。つまり、担当曜日が月曜日と木曜日というように決まっているという場合、月曜日か木曜日の中から期日を選択して行くことになります(逆に言うと水曜日を希望しても水曜日に調停を開催することは難しいということになります)。

 



7.1回の調停はどのくらいの時間がかかるの?



 1回の調停は2時間程度で終わります。ただ、話し合いの状況に応じて2時間よりも長くなったり短くなったりすることもありますので、2時間というのは一つの目安だと考えて下さい。

 




8.当日の調停の流れは?




 調停の流れは裁判所や調停委員によって差があるので画一的ではないのですが、一般的には以下のような流れで進むケースが多いです。
①夫婦(元夫婦)はそれぞれ別々の待合室で待機
        ↓
②調停委員に事件番号(またはお名前)を呼ばれるので、調停委員の案内で調停室に入室
        ↓
③夫婦双方が揃った調停室にて調停委員から調停手続の概要を説明(第2回目の場合、前回の調停での話し合いのおさらい及びその日の調停での目標等の確認)(弁護士を立てている場合は、夫婦双方ではなく、別々に入室する形になります)
        ↓
④申立人のみが調停室に残って調停委員と話し合い(30分程度が目安)(相手方は待合室で待機)
        ↓
⑤申立人が調停室を退室し、入れ替わりで相手方が調停室に入室、相手方のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(申立人は待合室で待機)
        ↓
⑥相手方が調停室を退室し、入れ替わりで申立人が調停室に入室、申立人のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(相手方は待合室で待機)
        ↓
⑦申立人が調停室を退室し、入れ替わりで相手方が調停室に入室、相手方のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(申立人は待合室で待機)
        ↓
⑧夫婦双方が揃った調停室にて調停委員と次の調停の日時を決定し、同時に次回までの宿題などの確認をする。(弁護士を立てている場合は、夫婦双方ではなく、別々に入室する形になります)

 



9.調停室内に入れるのは誰?




 よく自分一人で調停室に入っても上手に話ができるか不安があるので、ご自身のお兄様やお母様も同席させて欲しいとおっしゃる方もいます。
 しかし、調停の手続は非公開の手続(御本人以外の方の傍聴などが認められていないということです)ですので御本人以外が入室することはできません。
 なお、弁護士に事件を依頼した場合には、弁護士も調停室に同席することができますので、その点では安心です。

 




10.調停が開催される頻度は




 調停の期日の間隔は1か月程度になります。ただ、夏期や年末年始は調停を行わない時期がある関係で、この時期の調停の間隔は1か月以上空くことが多いです。

 



11.そもそも相手は調停に来るか?




 調停はあくまで裁判所を利用した話し合いの場になりますので、相手が法律的な出席義務を課されることはありません。
そうすると、相手が欠席するのではないかと不安に思われる方もいますが、家庭裁判所から封書が届きますので、相手も出席してくることの方が多いと思います。そのため、最初から「相手が出てこないかもしれない」と考えて調停を起こさないのではなく、相手も来る可能性が高いものとして調停は活用して行ければと思います。

 


12.調停が成立した場合の拘束力は?




 よく「調停が成立すると判決と同様の拘束力がある」と言われたりします。
ただ、面会交流については、法律的に強制することに馴染みませんので、ルールが守られなかったりしたとしても、強制執行等は難しいことが多いです(そのような場合には履行勧告等でルールに沿った面会交流を実現していくことになります)。

 



13.まとめ



・面会交流調停は、面会交流の条件等を取り決めるための手続である。
・調停委員は40歳以上70歳以下の学識経験者等が就任する。
・面会交流調停は、裁判所建物の中の会議室のような場所で行われる。
・調停は平日の午前または日中に行われる。
・1回の調停は合計2時間程度で終わる。
・2時間の調停では最初に手続の説明、その後交互に調停委員が本人から話を聞くなどし、最後に次回までの宿題等の確認を行うという手順で進むことが多い。
・調停室には本人しか入れない(弁護士が就いている場合は弁護士も入れる)
・調停は1か月に1回程度の頻度で開催される。
・相手は調停の席に出席する義務はないが、大体の人は出席してくることが多い。
・調停が成立した場合には判決と同じ効力が認められる。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2020.11.23更新

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今回コロナ離婚に関わる問題として解説していきますが、令和2年6月現在、当職の担当事件で直接コロナ離婚を扱っている事件はごく少数です。おそらく、今は、緊急事態宣言発令が解除したばかりで、外出を自粛しているという事情もあって、別居や離婚という大きなアクションを起こしていないからではないかと思います。
ただ、当職は長くモラハラ離婚をはじめとして様々な離婚のケースを取り扱ってまいりましたので、そのような経験から予測できるところを踏まえ、解説していく次第です。

 

 

1.家内が「コロナ離婚」という言葉を使い始めた



 最近、報道でもコロナ離婚というフレーズが使われる頻度も増えてきていますので、奥様が軽率にそのフレーズを使った可能性も十分にあります。
 ただ、奥様がその様な言葉を発し始めたときの対応を誤ってしまいますと、離婚に向かって大きく話が進み始めてしまうリスクがありますので、この点は十分に注意する必要があります。
 そこで、奥様がコロナ離婚というフレーズを使い始めた場合の対処方法について以下で解説していきます。

 




2.初期の段階の対応



 奥様がコロナ離婚という言葉を口にし始めた初期の段階では、通常の夫婦の間で生じるような多少の行き違い等の話の可能性もあり、そうであれば、奥様の話を聞くだけで奥様も気持ちが晴れるということもあると思います。

 ただ、奥様がこのように言い始めることには何らかの発端があるのが通常ですから、奥様の話をないがしろにすることは厳禁です。
 「在宅勤務で業務中なのが見て分からないのか」
 「こっちも家事を手伝っているのになんなんだ」
 「そんなことを言っている暇があったら、ちゃんと子供の面倒を見ろ」
 といった返答は避けた方が良いでしょう。

まずは、奥様がそのような話を始めたシチュエーションや状況、話しぶり等から、どこまで本気なのかといった点を推測してみたほうが良いと思います。

 また、奥様とのコミュニケーションが円滑に取れているケースで、奥様の言い分がもっともだという場合には、あなたも多少の範囲で改善等をする必要も出てくると思います。
 確かに、あなたとしては、コロナウイルスの関係で不仲になったのは一過性の問題なのに、納得できないという面もあると思いますが、感情的になってしまうことは得策ではありません。




3.家内が離婚を強く要求してきた



 これまで奥様が離婚と言った言葉を口にしてきたことはないのに、急に「別居したい」「別れたい」「離婚したい」といった言葉を口にし始めた場合、あなたもしっかりと対応していく必要があります。

(1)基本姿勢は、冷静にメリハリを付けて対応すること
 奥様がどのようにしてコロナ離婚などと言い始めたのかは分かりませんが、コロナの問題で強い閉塞感を感じている可能性もありますハラ被害者であるということで気持ちが盛り上がってしまっている場合があります。
 これに対して過剰に反応してしまいますと、夫婦関係はぎくしゃくしていき、いずれは離婚という方向に話が進んでしまいます。

 他方で、相手が理不尽な要求をしてきたのに、その全てに付き合ってもいられません。
 そこで、奥様からの離婚要求に対する基本的な姿勢は、「冷静にメリハリを付けて対応すること」ではないかと思います。あなたが奥様よりも一歩大人になって、冷静に対応するというのが夫婦円満の秘訣ではないかと思います。具体的には以下の通りになりますので、参考になさって下さい。



(2)まずは、奥様の言い分をしっかりと聞く
 奥様が離婚したいがために、事実と異なる話や事実を誇張した話をしてくることがあります。
 その様な場合、あなたとしてはすぐさま反論したくなると思いますが、すぐには反論せず、まずはしっかりと奥様の話を聞くようにして下さい。
 奥様の言い分が複数に上るような場合には、こちらもメモを取るなどした方が良いでしょう。

 何故、先に奥様に一通り話をさせるのかというと、後から奥様に以下のように言われることを防止するためです。
 ①夫が最初から喧嘩腰だったのでほとんど話をできなかった。
 ②少し話し始めた途端、夫が長々と言い訳を始めたので、「この人には何を言っても無駄」だと思って、話すのをやめた。
 ③こちらが真剣に相談しているのに、夫に怒鳴りつけられて、もう離婚するしかないと決断した

 もちろん、「奥様の話を一通り聞く」ということは、あなたが反論してはいけないと言うことでは決してありません。一通り聞いた後に、あなたの方で必要な反論をするようにして下さい。奥様が誤った認識を持っている場合には、しっかりと誤解を解く必要があります。但し、その際にもあまり感情的にならずに、冷静に話をするように努めて下さい。



(3)奥様が隠し録音をしているかもしれないということに注意
 最近はスマートフォンの性能が良いため、簡単にスマートフォンで夫婦間の会話を録音することができます。
 奥様が真剣に離婚を決意している場合には、あなたとの会話を録音している可能性もあります。

 そのため、録音されている可能性も考慮して以下の点には最低限注意して下さい。
 ①感情的になって話をしないこと(怒鳴ったり、大声を出すことは厳禁)
 ②相手が言う離婚理由を安易に認めないこと(後で、奥様から「あの時の会話で夫は認めていた」と揚げ足を取ってくる危険性があります)
 ③こちらが離婚に応じても良いというような発言は控えること



(4)あなたとしても非があるようなら、その点だけは改善する
 奥様の言い分のうち、虚偽や誇張に関しては、あまり真剣に取り合う必要もないと思いますが、事実としてあなたが反省すべき点があるようなら、時には謝罪し、時には改善していく必要もあると思います。
 奥様の方も、あなたが誠実に対応するようならば、離婚に突き進むのではなく、考え直す可能性もあるのではないでしょうか。



(5)改善が難しい点はその旨を伝える
 残念ながら、コロナウイルス感染拡大で、奥様が強い閉塞感を感じ、感情に走って、何でもかんでも直せと要求してくることも考えられます。

 そこで、あなたの仕事の関係上応じることが難しい事項等については、しっかりと「改善できない」と相手に伝える必要があります。
 なお、奥様からの要求が理不尽なもののため、ついあなたも感情的になってしまいそうですが、冷静になって落ち着いた口調で話をした方が良いと思います。



(6)奥様が離婚話に固執し冷静な話し合いができない場合
 奥様が感情的になって、離婚以外の選択肢がないような発言を繰り返す場合、夫婦2者間での話し合いには限界があるかもしれません。
 その様な場合には、奥様も冷静になって話ができるような身内の方や友人の方を間に入れる方法を検討してみて下さい。

 



4.夫婦なので「お互い様」が基本的な考え方



 夫婦関係には通常波がありますので、関係が非常に良好なときもあれば、多少険悪化してしまうときもあります。ただ、険悪化した原因が全てあなたにあるのかというと、通常は様々な経緯や状況・環境があってのことだと思います。
 特に現在はコロナウイルスの影響で、常にお子様がいる、夫婦が顔を合わせる機会が増える、旅行やレジャーに出かけることも難しいため家族で楽しむイベントを企画しにくいなど、夫婦関係・家族関係に悪影響を及ぼす環境が揃ってしまっています。
 そのため、お互いにギスギスしてしまうのも無理はないのですが、このことは夫婦どちらかの問題というよりも環境の問題という側面が強く、夫婦関係としては「お互い様」ということが多いと思います。

 ただ、あなたが一方的に悪者扱いされていることに対して感情的に対立してしまっては、円満な夫婦生活を送っていくことは難しくなります。
 そこで、前述のように、冷静にメリハリを付けて対応することが肝要かと思われます。

 



5.まとめ


・奥様が「コロナ離婚」と叫んでも、その時のシチュエーション等を考慮して対応する必要がある。
・奥様が強く離婚を切り出し始めたような場合には慎重な対応が必要になる。
・基本姿勢は、冷静にメリハリを付けて対応する姿勢が大事
・まずは、奥様の言い分をしっかりと聞くこと
・あなたに非がある部分は改善し、対応困難な点は対応できないとしっかりと伝えること
・冷静な話し合いが難しい場合には、身内や友人を間に入れることも検討する。




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投稿者: 弁護士秦真太郎

2020.11.09更新

弁護士秦
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1.まずは調停申立書を読み解くこと



 調停申立書は簡単に目を通しただけでは見落としてしまうような項目も複数ありますので、しっかりと読み解く必要があります。
 この調停申立書をしっかりと読み解くことが答弁書等作成の大前提になるからです。




2.まず何を裁判所に提出すればよいかを把握する



 裁判所から送られた書類には色々な書類が入っているため、整理する必要があるのですが、あなたが提出しなければいけないのは、①答弁書(夫婦関係調整)、②進行に関する照会回答書(相手方用)、③連絡先等の届出書の3つになります。



 それぞれの書類の意味合いについて概説しますと以下の通りになります。
 まず、答弁書は、奥様からの離婚調停申立に対してどのように考えるかを記載する書類になりまして、あなたが提出する書類の中で一番重要な書類になります。

 「進行に関する照会回答書」は、今後の調停事件の進め方について、あなたの意見を記載する書面になります。裁判所としては、あなたに裁判所に出席してもらわないことには調停を進められないわけですから、あなたが調停に出席できるか、出席できない場合、いつなら出席できるのか等について、あなたの意見を求めているのです。

 最後に「連絡先等の届出書」は、裁判所からの今後のあなたへの連絡方法を記入する書類になります。
 このように「進行に関する照会回答書」と「連絡先等の届出書」は、事務連絡文書ですので、そこまで重要な書類ではありません。ただ、裁判所としても事件の整理にあたって必要な書類ですので、必ず調停期日の1週間前までには提出するようにして下さい。




3.答弁書の書き方



(1)そもそも答弁書は出した方が良いのか
 たまに私が質問を受ける中には「調停の日に裁判所に行って話をすればいいから、こんなもの出す必要ありますか?」とか「相手は弁護士を付けているから素人が書面を書くと揚げ足を取られそうだから、出さない方が良いんじゃないですか?」とか、「そもそも、調停は家内の我が儘で始まったことなので、調停の日に行く必要はないし答弁書なんか出す必要もないですよね?」といった意見を聴くことがあります。

 ただ、弁護士としては「極力答弁書は提出した方が良いですよ」という返答になります。と言いますのは、答弁書を提出しないと、調停委員は、あなたがどのように考えているのかがさっぱり分からないということになってしまいますし、裁判所としては、1週間前までに答弁書を提出して欲しいと要請しているわけですから、答弁書を提出しないという行動は、「裁判所の要請には従えない」という誤ったメッセージを送ることになりかねません。当然調停委員の印象も悪くなってしまいます。

 なお、調停手続に一切欠席すると言う人もいるようですが、調停の席に着かないと、相手の言い分が分からなくなってしまいますし、奥様は蔑ろにされたと感じてしまいますので、得策とは思えません。
 いずれにせよ、答弁書を提出しないと言うことにはデメリットしかないので、必ず事前に裁判所に提出するようにして下さい。



(2)答弁書を書き始める前に
 あなたの人生にとって裁判所から書類が届くという事態は稀な経験だと思いますので、調停申立書を受け取った瞬間に、焦ってしまう、何も考えられなくなってしまうだとか、逆に奥様に対する怒りの感情を抑えられないと感じてしまうなど、冷静でいられなくなってしまうことは普通のことです。
 ただ、だからといって、そのときの感情にまかせて答弁書を記載しては絶対にいけません。
 答弁書は裁判所に提出する書類で、奥様側も目にする可能性が高い書類ですので、慎重に記載する必要があるのです。

 そして、離婚はあなたの人生にとって1回や2回しかない重要な出来事ですので、答弁書を書き始める前に、冷静になってじっくりと離婚した方が良いのか、復縁した方が良いのかを考えてみて下さい。
 そのときには奥様への愛情がどのくらい残っているのか、これまでの夫婦の接し方、家族行事の様子、お子様との関係性等に色々と考えを巡らせた上で、結論を出して下さい。
 そして、その結論が出てから、答弁書を書き始めて下さい。ただ、いつまでも結論が出ないからといって答弁書を裁判所に提出しないわけには行きませんので、どうしても結論が出ない場合でも答弁書は提出して下さい。その場合の書き方についても後述します。



(3)答弁書の書き方
 1)まずは、離婚するかどうかにチェックを入れる。
  離婚で構わないと考えるか、離婚したくないと考えるかについては慎重に検討してもらうとして、その結論が出た場合には、答弁書の最初の項目である「円満に調整してほしい」「離婚したい」「検討中」のいずれかのチェックボックスにチェックを入れる必要があります。
  なお、離婚するか迷っている場合には、絶対に「離婚したい」にチェックは入れないで下さい。たまに、家内がここまで強く離婚を求めてくるなら「仕方ないかな」と諦めてしまって、「離婚したい」にチェックしてしまう人もいるのですが、そうすると、調停手続は、離婚の条件を決めるだけの手続になってしまいます。
  迷っていて結論が出ていないという場合には、最低限「検討中」にチェックして下さい。

 2)意見覧の記載
 「円満に調整してほしい」「離婚したい」「検討中」のチェックボックスのすぐ下に「意見」の覧があります。1行だけしか記載できない仕様になっていますが、あなたの意見があれば記載して下さい。
 例えば、円満に調整してほしい場合「コロナウイルス感染拡大の影響で、私も在宅勤務になりましたが家内への配慮が足りなかったと思いますので、改善して円満な家庭を築いていきたいです」や「コロナの関係でギスギスしていましたので、当分はこのまま別居で構いませんが、コロナの問題が収まった後は一緒に生活していきたいと思います」といった形で簡潔に記載します。

 なお、調停委員に伝えたい項目が沢山ある場合には、答弁書に「別紙」を設けて、円満調整に向けての意見等を記載する方法や、答弁書とは別に陳述書を作成するといった方法もあります。ただ、あまり詳しい事情を記載してしまいますと、逆に奥様を刺激するという危険性もありますので、別紙を作成するにしても1,2ページ程度にとどめるべきでしょう。記載に当たりましては、長々とコロナの影響ばかりを記載してしまいますと、逆効果になりかねませんので(奥様はそれ以前から夫婦仲は良くなかったと言ってきそうなので)、その点には留意してください。

 3)円満に調整してほしい場合
  この場合、「(付随申立について)」と書かれている以降の(1)から(7)については特に記載せず、大きく斜線を引いてもらう形で結構です。
  親権や養育費等は、離婚することが決まった場合に決定する事項ですので、あなたが離婚を希望しないのに親権等について意見を述べるというのは行動として矛盾してしまいます。ですので、(1)から(7)の箇所には斜線を引いておくのです(なお、空欄で提出してしまうと、裁判所の方から「書き漏れですか?」という問い合わせが来てしまうことがありますので、斜線を引いておいた方が良いでしょう)

 4)こちらも離婚に応じる場合
  この場合、「(付随申立について)」と書かれている以降の(1)から(7)についてもしっかりと記載する必要があります。
  奥様がお子様を育てていくことに不安がある場合には、あなた自身が親権者になるという意見を出すべきかもしれませんし、お子様と会えていない場合には、面会交流についての意見等も述べる必要があります。

  ただ、考えなければいけない項目が多すぎて整理が付かないという場合には、「検討中」にチェックを入れて、とりあえずは調停の席で話を聞きながら考えると言うことでも良いと思います。
  一番大事なのは、離婚の条件もあなたの人生にとって非常に重要な事項ですので、安易に妥協せず、投げやりにもならず、今後あなたが後悔しない選択をすべきということです。

 5)離婚するかどうか「検討中」の場合
  この場合、円満に調整してほしいという気持ちの方が優勢の場合、現時点では「検討中」にチェックせず「円満に調整してほしい」にチェックを入れた方が良いと思います。
  「検討中」としてしまうと、「条件次第では離婚も考える」と読めてしまいますので、円満に調整してほしいという気持ちがどちらかというと強いという場合「円満に調整してほしい」にチェックした方が、あなたの心境により近い表現になるからです。

  逆に、離婚の気持ちの方が優勢という場合でも、離婚という決断を決めかねているという場合には、現時点では「検討中」と記載して下さい。
  先ほども説明しましたように、現時点で「離婚したい」にチェックしてしまいますと、調停の場では離婚の付随条件を決めていくという流れになってしまうからです。離婚の気持ちが優勢だとしても決めかねているという場合には「検討中」にチェックするのがあなたの心境により近い表現になると思います。

 6)「2 申立書の『申立ての理由』について」の覧
  まず、同居日と別居日は、離婚原因や財産分与にも絡む重要な日付ですので、奥様が記載してきた同居日と別居日の記載に誤りがないかしっかりと確認して下さい。
  皆さん離婚するかどうかや離婚の付随条件にばかり頭がいってしまい同居日と別居日については「だいたいこんなもんでしょ」と簡単に回答してしまうこともあるのですが、重要な日付ですのでしっかりと確認する必要があります。

  次に「申立の動機」に対する意見については、奥様の主張が事実無根だという場合には、簡潔にあなたの意見を記載して下さい。例えば、暴力を振るったことがないのに調停申立書に「暴力を振るう」とチェックされている場合には、そのような事実がないことを記載することになります。
  なお、あなたの希望として夫婦円満を希望する場合、あまり奥様の申立動機に対して詳しい反論をしてしまいますと、そのことが夫婦不和の原因にもなりかねませんので、いわゆる「書き過ぎ」には注意して下さい。

 7)「3 その他」の覧について
  ここには、これまで記載した中で記載しきれなかった事項について記載することになります。
  よくありますのは、夫婦として円満を希望しているけれども、お子様と面会できていないことだけは不満があるので、お子様との面会について協議させてほしいとか、お子様の登校や学業成績について心配しているので、確認したい、といった要望を記載することになります。



(4)「進行に関する照会回答書」の書き方
 1)「1 別紙期日通知書の期日に出席できますか」
  まず、期日通知書の日時に出席できるか、あなたの日程を確認して記入して下さい。
  なお、「第1回期日には出席した方が良いですか?」という質問をよく受けますが、あなたの方でも弁護士を立てる予定で、弁護士の都合がつかないような場合には、第1回期日は欠席にして下さい(弁護士だけ欠席で、あなた本人のみは出席ということは通常せず、あなたも弁護士も欠席することになります)。
  逆に、あなたの仕事の都合がつき、調停期日にはあなた自身でまずは対応してみたいと考えているような場合、第1回期日は出席するようにして下さい。

 2)「2 最初の期日に欠席する場合、その後の期日について希望曜日をお書き下さい」
  あなたが第1回期日に出席できる場合、この「2」は空欄のままで大丈夫です。
  あなたが第1回期日に出席できない場合には、なるべく沢山候補日を記入して下さい。なお、調停の時間は、午前中は午前10時(但し、相手方は10時30分集合の場合あり)から12時頃まで(延長の可能性あり)、午後は午後1時30分(但し、相手方は2時00分集合の場合あり)から3時30分頃まで(延長の可能性あり)になりますので、その時間帯を視野に、出席できる日付を複数記入して下さい。

 3)「調停での話合いは円滑に進められると思いますか」
  この覧は参考程度の記載項目ですので、あまり神経質にならずに記載してもらって大丈夫かと思います。
  なお、離婚するかどうかや、その付随条件で意見対立が激しいようであれば「進められないと思う」にチェックして下さい。
  奥様の言い分が今一はっきりしない場合には「分からない」にチェックする形で問題ありません。

 4)「4 申立人の暴力等がある場合には、記入して下さい」
  あなた自身が奥様から暴力を受けた経験がある場合には記入して下さい。夫婦喧嘩がヒートアップして多少お互いに手を出し合う形になったというような話であれば、とりたてて記載しなくてもよいと思います。
  この記載項目は、例えば妻側が凶器を持参してくる危険性等もあるという場合には、調停委員も身の安全を考えなければならないといった問題もありますし、あなた自身に危害が加わらないような配慮も検討しなければならないので、設けられている項目だからです。

 5)「5 裁判所に配慮を求めることがあれば、その内容をお書き下さい」
  これは、前述の「4」の延長なのですが、相手からの暴力を受ける危険性等がある場合に、集合時間を相手とずらすなどの配慮を求めるといった記載をします。



(5)「連絡先等の届出書」の書き方
 あなたが裁判所からの書類を受け取りたい場所と、電話番号を記載する書類になります。
 通常は「申立書記載の住所のとおり」にチェックを入れ、あなたの携帯電話番号を記入することになると思います。




4.まとめ



・答弁書を書き始める前に、まず調停申立書を読み解く必要がある。
・答弁書を書き始める前に、「あなたにとって」離婚した方が良いかをしっかりと考える必要がある。
・答弁書には、離婚で後悔しないと決断しきっている場合以外には「離婚したい」とは記載しない。
・離婚したい場合と夫婦円満を目指す場合とで答弁書の書き方は異なるので注意しながら記載する必要がある。
・「同居日」と「別居日」の覧は軽視されがちだが、重要な日付なのでしっかりと確認して記載する必要がある。
・調停期日の1週間前までに届くように、答弁書、「進行に関する照会回答書」、「連絡先等の届出書」を提出する必要がある。




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1.突如裁判所から離婚調停の書類が届いた。



 こちらとしては、一旦冷却期間を置いた上で、または、他の身内等を交えた上で今後の夫婦関係についてしっかりと議論しようと考えていたのに、無断で奥様が調停の申立をしており、裁判所から調停期日のお知らせが届いてしまうと大きなショックを受けることと思います。
 なかなか、奥様の調停申立という現実を受け入れられないという方も多いかもしれません。
 ただ、「過去こうしておけばよかった」と後悔ばかりをしていても、今後の夫婦関係にとってメリットは少ないと思いますので、まずは、奥様が申立をした調停申立書の内容を読み解く必要があります。




2.まずは、調停申立書を取り出す。



 裁判所から送られてきた書類は何枚もの紙が入っており理解しにくいかと思います。そこの中からまずは、調停申立書を取り出す必要があります。
 右上の方に「夫婦関係等調整調停申立書 事件名(離婚)」と書いてある書類が入っていると思いますが、それがいわゆる離婚調停申立書になります。奥様か、奥様が雇った弁護士の(赤い)判子が押されている書類が離婚調停申立書です。
参考までに、最高裁判所ホームページ上の調停申立書記載例等はこちらになりますので、必要に応じてご参照下さい(なお、こちらの最高裁のサイトは、離婚調停を申し立てる側からの記載方法の解説になりますので、ご留意下さい)。




3.離婚調停申立書を読み解く



 離婚調停申立書に記載されている情報は限られているのですが、そこから読み取ることができる情報はありますので、読み取れる情報は全て読み取っておく必要があります。以下では、離婚調停申立書を読み解く上でのチェックポイントについて解説します。

(1)奥様が弁護士を雇っているかどうかのチェック
 調停申立書を見れば、奥様が現時点で弁護士を雇っているのか雇っていないのかを知ることができます。
 調停申立書1頁目の右上の方に(赤い)判子が押されている箇所があると思うのですが、①その判子が奥様のものであれば、現時点で弁護士を雇っていない、②その判子が弁護士のものであれば、既に弁護士を雇っているということが分かります。
 相手が弁護士を雇っているという場合、こちらも弁護士を雇うことを考えた方が良いので、まず最初に確認しておきたい項目になります。



(2)申立人の住所欄
 奥様が自身の居場所をこちらに秘密にしているケースですと、調停申立書の申立人(奥様)の住所欄を見れば、奥様の居場所を探ることができると考える方も多いのですが、残念ながらほとんどの場合、現在の居場所を書いていることはありません(もちろん、こちらに奥様の居場所を明かしているケースでは、現住所を住所欄に記載することの方が多いです)。
 そのため、申立人住所欄を見ても、奥様の住所は分からないことが多いです。

 実際上の記載方法としては、夫婦が一緒に住んでいたときの自宅住所が記載されていることが多く、「虚偽記載」ではないかと思われる方もいると思いますが、裁判所の実務ではこのような便法が認められておりますので、この点を追求してもあまり効果がないのが実情と言えます。
 なお、申立人が希望すれば、申立書に現住所を記載しないという手法について、裁判所は特に綿密な審査等はせずに認める扱いですので、「妻の住所欄に現住所が書かれていない」イコール「裁判所が、妻の言い分をそのまま認めた」ということはありませんので、この点はご安心下さい。



(3)2頁目の「申立の趣旨」
 調停申立書の2頁目を開きますと、上から中央あたりまで縦線が一本伸びており、その右側に何箇所かチェックが入っていると思います。このチェック部分に書かれている項目が、奥様が調停の「議題」にしたいと考えている項目になります。合わせて、奥様のご意見もそこに書かれていますので、これを見れば、奥様の要望の概要をつかむことができます。

 以下詳しく各項目に対して解説していきます。
①離婚について
奥様は今回の調停で離婚を求めていますので、そのことに対してあなたがどのように返答するかについては慎重に検討する必要があります。
奥様が調停まで申し立てているので「諦めます」とおっしゃる方もいますが、離婚はあなたの人生にとっても1度や2度しかないような重要な事柄ですので、後で後悔しないよう離婚すべきかどうかは慎重に検討する必要があります。

なお、あなたが調停の席で一度でも「離婚も仕方ないと思います」と発言してしまうと、離婚することが前提で話がドンドン進んでいってしまいますので、この点の発言は慎重さが求められます。
また、あなたとして離婚に断固反対ということでしたら、調停の場では親権や養育費・財産分与の議論はしないというスタンスになります。親権や養育費・財産分与は、離婚する場合に決定すべき事項なのであって、離婚しない場合には決める必要がない項目になるからです。
お子様のことについて

②調停申立書の「申立の趣旨」「(1)」~「(3)」にはお子様のことが書かれています。
   奥様が親権獲得を希望しているのであれば、親権を獲得することを前提として、あなたに養育の支払いを求める内容になっていると思いますので、親権を奥様に渡してよいのか、養育費の金額は、あなたの収入から支払い可能な金額なのかどうか等について検討する必要があります。
   なお、養育費に関しては「相当額」の覧にチェックが入っている場合がありますが、これは、「裁判所の実務で一般的に用いられる算定表の数字で構わない」と言う意味になりますので、あなたの方でもインターネット等にて算定表の数字を確認して、支払い可能な数字なのかを確認してみて下さい。
   ちなみに、奥様側が積極的にお子様とあなたとの面会を希望していない場合には「(2)」の項目に何もチェックが入っていません。そのため、逆にあなたの希望としてお子様に会いたいという希望が強い場合には、調停の場などで強く面会交流を求めていくことになります。

③財産分与について
 財産分与とは、夫婦として同居生活を送っている間に蓄えた財産を折半するというものです。
 この点の奥様の要望は「申立の趣旨」の「(4)」に記入されます。ただ、この項目には「相当額」にチェックが入っていることが多いです。「相当額」の意味合いについては、通常「別居時の夫婦の財産を半分にして欲しい」という趣旨で用いられることが多いです。
 財産分与はお互いが財産状況を開示しないと正確な数字を算出できないため、「相当額」と記入することが多いのが実態です。

④慰謝料について
   慰謝料とは、夫婦として同居生活を送っている間に精神的苦痛を受けた場合、それを慰謝すべき金額として要求するものです。通常は、あなたが不倫をしたり、奥様に暴力を振るったような場合にのみ発生するものになります。
   この点の奥様の要望は「申立の趣旨」の「(5)」に記入されます。
   この慰謝料額については、500万円だとか1000万円だとかの高額の金額が記入されていることもありますが、奥様側が感情的に金額を記載しているというケースも多くありますので、そのような場合、こちらとしてすぐに金策に走らなければいけないと言うことはありません。

⑤年金分割について
   年金分割とは、離婚するまでの婚姻期間中の年金加入記録を折半するというもので、実務的には0.5で折半することが定着しておりますので、「申立書の趣旨」の「(6)」にも「0.5」の覧にチェックが入っていることが通例かと思います。

(4)2頁目の「申立の理由」
①上段について
 「申立の理由」の上段には「同居を始めた日」と「別居をした日」の覧があります。これらの日付は財産分与の判断等にあたって重要な日付になりますので、奥様の記入に間違いがないかしっかりと確認して下さい(こちらが離婚に応じないという場合、財産分与の議論に応じる必要はないのですが、こちらが答弁書を作成するにあたっても「同居を始めた日」と「別居をした日」に間違いがないかはいずれにせよ記入が不可欠になりますので、これらの日付が正確かはしっかりと確認しておく必要があります)。

②下段について
 ここに「申立ての動機」の動機がチェックされていますが、これらが「奥様が離婚したいと考えている理由」の部分になります。
 普段あまり聞き慣れないものとして「8 精神的に虐待する」という項目がありますが、これは、いわゆるモラハラ行為等を指しており、代表的なものは暴言や物を壊すといった行動になります。

 いずれにしましても、このチェック項目だけでは、奥様の不満の概要は分かっても、いつのどのような行動が問題になっているのかといった具体的内容が何も分かりません。なぜこのような簡単な記入に限定しているのかというと、あまり詳しい内容を記載してしまうと、夫婦間の感情的対立が激化する危険性がありますので、簡略な記載に限定しているのです。

 なお、この「離婚の動機」についてどこまでの検討を要するかは、あなたが①離婚でもよいのか、または、②復縁を目指すのかによって大きく異なってきます。あなたが離婚に応じてよいと考えているのでしたら、調停委員も離婚理由について突っ込んだ議論はあまりしてこないことが多いと思いますから、必ずしもしっかりとした検討は必要ないことの方が多いです。他方で、あなたが復縁を目指すのであれば、奥様が主張する離婚理由についてしっかりとした事情説明が必要になりますから、事前に十分検討しておく必要があります。

 ちなみに、コロナ離婚のケースでは、コロナウイルス感染拡大という異常事態の影響で夫婦仲が一時的に非常に険悪になってしまったというケースも多いとは思います。もちろん、そのことで、あなた自身「奥様に愛想が尽きた」ということなら別ですが、復縁を目指す場合には、奥様の訴えを軽視しない方が良いと思います。

 


4.まとめ



・調停申立書の1頁目の赤い判子が押されている箇所を見れば、奥様が弁護士を雇ったか雇っていないかが分かる。
・調停申立書2頁目の「申立の趣旨」を見ると、奥様が希望する離婚条件が分かる。
・調停申立書2頁目の「申立の動機」上段の同居開始時期と別居日は重要な日にちなのでしっかりと確認する必要がある。
・調停申立書2頁目の「申立の動機」下段に、奥様が離婚を希望する理由が書かれているが、抽象的なので、詳しい内容は調停期日まで分からない。

 



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 本年(令和2年)は、コロナウイルス感染拡大の影響で、夫婦関係が悪化し、離婚が増えるのではないかとの予測も出ています。そこで、奥様から離婚等の申し出があったケースを前提として、改めて、あなたが置かれた状況を踏まえた復縁難易度の一つの目安とすべく、整理をいたしました。

 

1.ケース別復縁難易度って?



 私は、旦那様の側から復縁のご相談を受けることも多いのですが、ご相談を受けた時点で、どこまで状況が悪化しているのか、一定のケース分けができることに気付きました。
 もちろん、以下は、ケースごとの難易度を一つの目安としてお示しするものであって、「このケースであれば復縁確実」などと保障するものではありませんので、この点はご留意の上ご覧いただければと思います。

 




2.ケース分け




 あなたが起こっている事態に応じて、離婚に向けての深刻度を類型化することができますので、具体的には以下のようにケース分けして解説していきます。

①家内から別居の提案があった(実際にはまだ別居していない)
②家内から離婚の提案があった(まだ家内は別居もしていない)
③家内から別居の提案があって、こちらも応じたので、家内は現在別居中
④家内から別居の提案があって、話し合いが決裂、家内が突如別居を開始した
⑤家内から何の提案もなく突如別居を開始した
⑥家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(家内は弁護士を付けていない)
⑦別居中の家内の弁護士を名乗る人物から書留郵便(内容証明)が届いた
⑧家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(家内は弁護士を付けている)



 なお、これら①から⑧は奥様が順を追ってこのような手続きを踏むというわけではなく、いきなり⑤と⑧から手続が進むと言うこともあります。そのため、現在あなたが置かれている状況が①から⑧のどの状況なのかを確認して、該当の解説をご覧下さい。

 




3.【ケース①または②】家内から・別居または離婚の提案があった



 上記のケース分けで①または②に該当するケースです。実際に奥様が別居を開始していない段階ですので、上記のケース分けの中では深刻度が一番低い類型になります。
 上記の③から⑧にまで発展していない段階ですので、あなたが対応を誤らなければ十分奥様との仲直りも期待できる段階と言えます。



 ただ、この段階でも、真剣に奥様が離婚を切り出してきている場合や、奥様が両親等も交えた話し合いを提案してきているような場合には、あなたも奥様の声に真剣に耳を傾けないと、奥様は別居を実行してしまうリスクもありますので、その意味では慎重な対応が必要になります。
 また、ここでのあなたの対応が奥様を更に傷つけてしまいますと、奥様が別居や離婚を決断する引き金になってしまう可能性もありますので、その点に注意する必要があります。



 なお、奥様から別居の提案が出されただけというケース(①のケース)と、更に踏み込んで離婚の提案までなされたケース(②のケース)とでは、②の方が多少深刻度が高いということになります。
 また、奥様からこのような提案がなされるのが今回が初めてではない、という場合には、深刻度は増しますので、この点にも注意が必要です。

 

 本年は、コロナウイルス感染拡大の影響で、夫婦が一緒にいる時間が長くなった結果、奥様がストレスを貯めやすいと言われることもあります。そのため、奥様が別居や離婚という言葉を言い放ったものの、本気ではないというケースも出てくると思います。
ただ、安易にコロナウイルスのせいにしてしまいますと、奥様側からは「反省していない」とか「真剣に聞いてくれない」と感じてしまい、奥様は次のアクションを起こす危険性が高まりますので、そのようなことがないよう注意する必要があろうかと思います。

 

4.【ケース③】家内から別居の提案があって、こちらも応じたので、家内は現在別居中



 何か別居の引き金になるような出来事が起こって、お互いに冷却期間を置いた方が良いということで、あなたも承諾して奥様が別居を開始したというケースです。
 本年はコロナウイルス感染拡大の影響で、夫婦が一緒にいる時間が長くなる結果お互い窮屈に感じるとか、ストレスを抱えやすいということも多くなっているかと思います。そのようなこともあって、一時的に奥様が実家で暮らすことにしたというようなケースがこれに当たります。
 いわゆる「コロナの問題が一段落するまで別居する」という内容ですので、あなたが対応を誤らなければ奥様との仲直りも期待できる段階と言えます。

 ただ、奥様の方も表向きはコロナウイルスを理由にしていたとしても、実際には、長期別居を予定しているというケースもありますので、これまでの奥様の言動等をしっかりと振り返り、本当の別居の理由が何なのか思い返してみたほうが良いケースもあります。




5.【ケース④】家内から別居の提案があって、話し合いが決裂、家内が突如別居を開始した



 このケースは、奥様から別居の提案があったという点ではケース③と同じですが、話し合いが上手く行かず、奥様が別居を独断で実行したケースになります。
 このような奥様の行動心理としては、「旦那と話をしていても埒があかないので、最終的には旦那の承諾を得ずに別居を始めた」という心理だと思いますので、上記ケース①から③よりも慎重な対応が必要になります。

 このようなケースでは、あなたが直接奥様と話をすることが奥様を刺激する危険性もありますので、奥様のご両親や共通の知人と話をするなど交渉窓口を変更することも視野に入れた方が良いかもしれません。
 もちろん、別居後も奥様から連絡があり、あなたからの連絡に対して奥様からの返答もあるようでしたら、奥様との直接の話し合いを模索してみても良いかもしれません。それが逆効果になりそうな場合や、奥様との直接の話し合いを模索してみたけれども、なかなか難しいという段階で他の方を間に入れることを検討してみて下さい。




6.【ケース⑤】家内から何の提案もなく突如別居を開始した



 このケースは、奥様が突如別居を始めたという点はケース④と同じですが、奥様が事前に別居の提案をしてこなかったケースになります。
 このような奥様の行動心理としては、「旦那と話をしていても埒があかないので、最終的には旦那の承諾を得ずに別居を始めた」という心理だと思いますので、上記ケース④よりも慎重な対応が必要になることが多いと思います。

 ただ、ケース④よりも深刻度が高いかというと、事前に話し合いをするかは、奥様の性格やこれまでのご夫婦での話し合いや夫婦関係等による影響もありますので、あまり深刻度はケース④と変わらないというケースもあります。
 このケースでも、あなたが直接奥様と話をすることが奥様を刺激する危険性もありますので、奥様のご両親や共通の知人と話をするなど交渉窓口を変更することも視野に入れた方が良いかもしれません。

 なお、あなたとしては、奥様が何の相談もなく勝手に出ていったことに対する怒りの感情を持つかもしれませんが、そのような怒りの感情に支配されて行動してしまいますと、夫婦仲はより一層悪化してしまうと思いますので、冷静な対応が必要かと思われます。

 



7.【ケース⑥】家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(家内は弁護士を付けていない)



 このケースは、あなたが普段通りに生活していたところ、突如離婚調停の通知が郵便で届いてしまったというケースになります。
 このケースは更に、①奥様が別居した上で、暫くしてから裁判所の書類が届いたケースと、②奥様が同居しながら(家庭内別居のまま)裁判所の書類が届くケースに分けることができます。このケース⑥-①の方が、⑥―②よりも深刻度が高いことの方が多いのですが、奥様としては色々な事情があってケース⑥-②を選ばざるを得なかったということもあります。例えば、別居資金が不足しているとか、お子様の学区を変更しない場所で別居先を見付けることができなかった当時宅に住み続けたいとの要望が強いといった事情が考えられます。そのような事情がある場合には、ケース⑥-①もケース⑥-②も深刻度はあまり変わらないと思います。

 このケースでは奥様が弁護士を立てていないものの、裁判所での話し合いを希望している段階ですので、離婚意思が強いケースが多いと思います。
 この段階にまで発展してしまっていますと夫婦のヨリを戻すことの難易度はかなり高いと思いますので、夫婦円満を希望するのであれば、誠意をもって調停に臨むことをオススメします。

 なお、奥様が調停の申し立てまでしているケースでは、コロナウイルスの問題のみならず、コロナウイルスの問題以前から不満等を持っていたケースの方が多いと思いますので、調停申立書2ページ目下の方の「申立の理由」の欄をしっかりと確認して、思い当たるところがないかを思い起こす必要があります。

 

 

8.【ケース⑦または⑧】家内が弁護士を付けた



 奥様が弁護士を付けて離婚を要求してきたケースです。弁護士が手紙を送ってくるケース(ケース⑦)と、弁護士の判子が押された調停書類が裁判所から届くケース(ケース⑧)とがあります。
 ケース⑦とケース⑧どちらの深刻度が高いのかという点ですが、一般的にはケース⑧の方が深刻度が高いのですが、事件の方針として交渉から着手するか調停から着手するかは弁護士の普段の事件処理方法によるところも大きいので、必ずしも深刻度に差があるとは限りません(より分かりやすく言いますと、弁護士によっては「離婚事件は常に離婚調停の申立からスタートする」という事件処理をしている弁護士もいるということです)。

 このケース⑦または⑧になりますと、奥様は弁護士にお金を払ってでも離婚したいという決意を持っているわけですから、離婚の覚悟は相当固いと考えた方が良いと思います。
 また、この段階にまで発展してしまっていますと、奥様が専門家である弁護士を付けているので、あなたとしてもミスが起きないよう弁護士を立てることを考えた方が良いと思います。

 この段階になってしまっておりますと、復縁の難易度は非常に高くなってしまっていますが、離婚するかどうかはあなたの人生に関わる重要な話ですから、離婚に応じてよいかは慎重に検討してみてください。

 

 


9.まとめ


・夫婦関係の悪化の状況に応じて復縁難易度には差が生じる。
・一般的には以下の数字が大きくなるほど復縁難易度は上がる傾向がある。
①家内から別居の提案があった(実際にはまだ別居していない)
②家内から離婚の提案があった(まだ家内は別居もしていない)
③家内から別居の提案があって、こちらも応じたので、家内は現在別居中
④家内から別居の提案があって、話し合いが決裂、家内が突如別居を開始した
⑤家内から何の提案もなく突如別居を開始した
⑥家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(家内は弁護士を付けていない)
⑦別居中の家内の弁護士を名乗る人物から書留郵便(内容証明)が届いた
⑧家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(家内は弁護士を付けている)
・上記の①から⑧はあくまで目安なので、ご家庭の状況によっては復縁難易度に差が生じ得る。




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投稿者: 弁護士秦真太郎

2020.08.17更新

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1.面会交流のトピックスの重み


 

 例えば、奥様が突如お子様を連れて別居を開始し、お子様と自由に会うこともできなくなったとした場合、あなたとしては今すぐにでもお子様の元気な姿を確認したいと思うかもしれません。

 このようにあなたにとってお子様のことが非常に大事だとしても、奥様が離婚の調停を起こしたようなケースでは、面会交流は離婚の一つの条件としてしか議論されなくなってしまいます。

 他方で、面会交流の議論にばかり時間を割いてしまうと離婚するかどうかという問題の議論が疎かになりかねません。

 そこで、今回は、あなたが離婚に応じても良いというケースと離婚には応じられないというケースで場合分けした上で、面会交流の問題への取り組み方について解説します。

 

 

2.離婚に応じる意向の場合


 

(1)まずは離婚に応じて良いか慎重に検討すること

 まず、離婚に応じるかどうかはあなたの人生にとっても大変大事な話題ですので、離婚に応じて良いかはじっくりと検討してみて下さい。

 このようにじっくり検討してみた結果、離婚に応じても良いという場合で、お子様と定期的にしっかりと会っていきたいという場合には、面会交流の問題については早急に議論の対象とした上で協議を行っていくべきです。

 

(2)こちらから面会交流の調停を起こす

 離婚の調停がスタートしても、まずは、奥様の生活費である婚姻費用の議論は避けられませんし、離婚に関係して親権や養育費、財産分与等の他の関連する問題の整理も必要になります。

 そのため、こちらが離婚に応じて良いとしても、すぐにお子様に会えるかどうかは別問題です。

 

 もちろん相手が当初から面会交流に応じる姿勢の場合には敢えて面会交流調停を申し立てるメリットは大きくないかもしれませんが、相手が拒否姿勢の場合には、早急に面会交流調停を起こすことを推奨しています。

 このように調停を起こすと、調停手続の中に「面会交流」という大きなテーマを打ち立てることができますので、今後の調停の流れに大きな影響を与えます。また、面会交流調停を起こすと、当初から調査官が調停手続に参加してくれることも多く、調査官が面会交流実現のために奥様を説得してくれることもあります。

 

(3)面会交流しなくて良いから養育費を払わないと言うことは難しい

 たまに私のところにご相談に来られる方の中には、「今後向こうにも新しい生活があるだろうから、子供とは会わなくて良いので、養育費も支払わない」とおっしゃる方もいます。

 しかし、例え離婚しても、父子関係がなくなるわけではありませんから、養育費を払う責任を免れることは難しいです。また、養育費の問題と面会交流の問題は別問題ですので、会わなくて良いから払わなくて良いと言うことにはなりません。

 

 

3.夫婦円満を目指す場合(離婚に応じない場合)


 

 夫婦円満を目指すケースでも、面会交流を強く希望する場合には、面会交流調停を起こすことを私は推奨しています。

 但し、夫婦円満を最終ゴールとする場合には一定の配慮が必要です。

 

(1)【配慮1】奥様を置き去りにしないこと

 お子様に会いたいという気持ちが逸ることは致し方ないと思いますが、そのことばかりを話題にしてしまいますと奥様が置き去りになってしまいます。そうしますと、当然、奥様からも、夫婦円満の真剣度を疑われることになってしまいます。

 そのため、まずは、奥様と子供達が自宅に戻ってきてもらうこと、元の生活に戻ってきてもらうことを強く希望していることをしっかりと伝え、奥様が今すぐ戻ることが難しいという場合には、まずお子様だけでも会わせて欲しいという伝え方をするのがベターです。

 要するに、夫婦円満を第一目標にしていると言うことを言葉でしっかりと調停委員や奥様に向けて表明しておくことが重要です。

 

(2)【配慮2】調停を起こす前に奥様側の意向・事情を確認しておく

 こちらから面会交流調停を起こす場合には、事前に奥様側の意向を確認した方が望ましいのは当然ですが、そのことに加え、仮に今会わせたくないという場合には、会わせたくない理由も合わせて確認しておくのがベターです。

 そもそも、先方が面会交流について拒否姿勢ではない場合、敢えてこちらから調停を起こす必要性は薄まりますし、また、いきなり調停を起こすと相手も反発してくる危険性もありますので、これらの確認をしておいた方が良いです。

 

(3)【配慮3】面会交流頻度

 ケースによっては毎週末面会交流するというケースもなくはないのですが、限られた例外的なケースです。一般的には面会交流頻度は月1回程度というのがオーソドックスですので、当初はこれ以上の頻回を求めない方が、相手の生活に配慮している姿勢を示すことができて良いことが多いです。

 もちろん、奥様によっては、お子様をこちらに預ける方が自由な時間ができて都合がよいと考える方もいますので、そのような場合には、出来る限り面会交流に応じた方が良いと言うこともあります。

 

 

4.まとめ


・離婚に応じるかどうかを問わず、離婚調停を申し立てられているケースではこちらも面会交流調停を起こした方が良いケースが多い。

・但し、夫婦円満を目指す場合には、以下の点に配慮した方が良い。

 1)夫婦円満が第一目標であることをしっかりと調停の場で示すこと

 2)事前に相手の意向をしっかりと確認すること

 3)あまり頻回を求めないこと

 

 

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2020.08.10更新

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1.法律上支払義務がある


 

 民法760条は、婚姻中の生活費の支払義務を明確に定めておりまして、これを婚姻費用分担と言ったりします。

 このように法律上は、明確に収入の多い方(通常は旦那様)に奥様の生活費を負担すべきと言うことが決めっています。

 

 

2.それでも心情的に生活費を支払いたくないんだが…


 

 このように法律上は婚姻費用の支払義務があると分かってはいても、生活費を支払うことに割り切れないと考える旦那様もいると思います。

 奥様が別居を開始する前に夫婦でしっかりとした話し合いがなされていればまだしも、しっかりとした話し合いがなされていないとすると、「勝手に出て行っておきながら生活費を要求してくるのには納得が行かない」とか「離婚を口にするなら、しっかりと自分の収入だけで暮らしていくだけの覚悟を持つべきだ」と考える方もいます。

 また、そもそも、こちらも離婚に応じるという姿勢の場合、お互いに離婚という結論が一致している以上、婚姻費用を支払う必要性を感じないという方もいると思います。

 

 

3.婚姻費用を支払わなくて良いという判例があると聞いたが?


 

 たまに私のところにご相談に来られる方の中には、「婚姻費用を支払わなくて良いと判断した判例があるようなので、私も婚姻費用は支払いたくありません」とおっしゃる方もいます。

 確かに、そのような判例もありますが、奥様が浮気をして家庭を棄てた上で、浮気相手と一緒に生活しているような極めて特殊なケースですので、特殊な事情がない限り、婚姻費用の支払義務を免れることはないと考えてもらった方が良いと思います。

 

 

4.現実問題払った方が良いのか


 

 結論から申しますと支払った方が良いです。

(1)離婚するケース

 まず、離婚するケースですが、婚姻費用を出し渋りますと、奥様側は、離婚した後の養育費の支払いを強く危惧することが多いです。

 そのため、今後の生活のことを考え、財産分与や慰謝料でまとまった金額を得ようとする傾向が強まり、離婚の条件でもめる要因になりかねません。

 そのため、婚姻費用を支払った方が円滑な離婚に結びつきやすいです。

 

(2)夫婦円満を希望するケース

 夫婦円満を希望する場合、婚姻費用を出し渋りますと、奥様側の態度をより一層硬化させかねないため、一定額を支払った方が良いでしょう。

 確かに、奥様側が勝手に出ていき、例えばお子様の面会交流も否定的という場合には、直ちに婚姻費用を支払うことに納得行かないというのも分からなくはないですが、相手との信頼関係を築いていかないと、夫婦円満の道は閉ざされてしまいますので、ある程度懐の広さを見せた方が良いケースが多いです。

 

 

5.いくら払うか


 

(1)(改定)算定表が一つの目安

 裁判所の実務で一般的に用いられている算定表が令和元年12月23日に改定されたことをご存じの方は多いと思いますが、今後の調停等での婚姻費用の支払いについては、この改定後の算定表を目安として話し合いをすることが主流になると強く見込まれます。

そのため改定表での数字が一つの交渉の目安になるとお考え下さい。

>>改定表はこちら<<

 

(2)実際の支払額は応相談

 このように改定表の数字が一つの目安であることは事実ですが、だからといって、その額を支払わなければならないと言うことではありません。

 相手の生活もあることなので、一切支払わないというのは対応方法として強硬すぎるとしても、手放しで満額を支払うことは慎重にしても良いと思います。

 即ち、例えば、相手が面会交流を強行に拒否姿勢であるとか交渉の糸口を探るためにも、満額は支払わないと言うことも考えられます。そのような場合には、例えば、①養育費の算定表の数字のみを支払うとか、②同居生活中に渡していた小遣いの金額のみ払うと言った方法も考えられます。

 ただ、このように現状満額の支払いを拒否したとしても、実際婚姻費用分担審判になった際には、満額の支払いを命じられる可能性が高いですし、未払分についての精算を求められることが多いと言うことには注意が必要です。

 

(3)口座引落分は差し引いて良い

 別居後も、あなたの口座から奥様の携帯電話代や保険料、お子様の給食費や習い事代等が引き続き自動引落になっている場合、それらの金額は、本来奥様の方で婚姻費用の中でやり繰りすべきお金になりますので、当該引落額は差し引いて問題ありません。

 

 

6.いつの分から支払うか


 相手もしっかりと生活費を要求したい場合には、早期に婚姻費用分担調停を申し立ててきますので、その申立月以降の分を支払うのが一つの目安と言えます。要するに、例えば、別居を開始したのが令和元年7月、婚姻費用分担調停を申し立てたのが令和元年8月、調停の書類がこちらに届いたのが令和元年9月だとすると、調停申立月である令和元年8月分以降の生活費を支払うと言うことになります。

 ただし、調停を申し立てる前に正式な書面等にて明確な数字を明記した上で婚姻費用の支払いを請求しているような場合には、その月の分から支払うべき場合もあります。

 

 

7.お子様の学費負担


 お子様の学費については、お子様が公立校に通っている場合には、婚姻費用の中に含まれていますので、別途負担の問題は基本的に発生しません。

 他方、私立校の学費については、通常婚姻費用でカバーされている額を超えていますので、別途負担の問題が生じます。

 一般的には、公立校でかかる学費分を差し引いた額について、お互いの収入額で按分計算することがオーソドックスですが、学費の支払いについては通常の月々の婚姻費用とは別途協議を行うことが多いです。

 なお、同居中から、お子様の私立校への進学に反対していたことが明確に証明できる場合には、学費負担をゼロとすべきケースもあります。

 

 

8.まとめ


・婚姻費用の支払いは法律上の義務である。

・無断別居などのケースでは納得しにくいのは分かるが、婚姻費用は支払った方が良い。

・支払額は(改定)算定表が目安になる。

・ただ、今後の調停の進行を見極めながら、一部支払いにとどめるケースもある。

・婚姻費用は調停申立時以降の分を支払うケースが多い。

・学費の負担については別途協議事項である。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2020.05.27更新

弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.なぜ弁護士が夫婦円満の秘訣の話をするのか?


 私は、様々な夫婦問題のケースを担当し、一握りではありますが、夫婦円満という形で事件を決着させられたケースもあります。

 夫婦円満のためには、コミュニケーションを増やした方が良い、旦那の前でも美しさを保った方が良いとか、こういうことをすると夫は興ざめするだとかいろいろなサイトを見かけますが、いずれも抽象的過ぎる気がしますし、ご家庭の状況は皆様様々なので、型にはまったやり方だとうまくいかないことも多いと思います。

 

 そのため、今回は、私が無事円満に導くことが出来たケースをもとに、一度は離婚に瀕した家庭で何が一番大事なのか、どのようなことに特に注意しなければいけないのかといったお話をさせて頂きます。

 

 

2.【ポイント1】必殺技や奥の手はない


 私のところに夫婦円満を目指してご相談に来られる方の中には、私が夫婦円満のための必殺技や奥の手を知っていると誤解されていらっしゃる方もいます。
 そのため、最初にお話しておきますが、私の経験上、夫婦円満のための必殺技や奥の手はありません。
 ご相談に来られた方には、奥の手はないので、地道に信頼回復に努めていきましょうというお話をすることが多いです。

 

 

3.【ポイント2】状況に応じた対応の場合分け


 詳しくは>>【弁護士が解説】ケース別復縁難易度<<のブログをご覧いただきたいのですが、あなたが置かれている状況によって深刻度が異なります。ケース別復縁難易度はあくまで対応の目安となりますので、絶対の指標ではないのですが、あなたが今置かれている状況の深刻度を考える一つの目安になると思います。
 もちろん、深刻度が高いケースですと、より一層慎重な対応が必要になります。

 

 

4.【ポイント3】反省と謝罪


 このブログをご覧になられている方は、奥様(旦那様)から離婚の話を切り出されたり、別居されてしまったという方が大半かと思います。
 そのような場合には、相手から離婚を切り出される引き金となった出来事、別居の引き金となった出来事があると思います。
 ご夫婦なので様々な経緯があってのことだとは思いますが、相手にそこまでの決意をさせたということは変わりありませんので、まずは、反省と謝罪の気持ちを示すことが重要なケースが多いです。

 

 

5.【ポイント4】感謝


 前述のように、相手の行動の直接の引き金があるのであれば、そのことへの反省と謝罪の気持ちを示すことが一番大切になります。
 そのことと合わせて、普段の相手の仕事ぶり、家事・育児などへの感謝の気持ちを示すことも、同様に大切なことになります。
 夫婦喧嘩中ですと、感謝の気持ちを示すことに抵抗感を持つ方も多いのですが、意固地になっていますと状況は悪化していく一方というケースも多いので、感謝の気持ちは早めに示しておいた方が良いケースが多いです。


 特に、相手が弁護士を立ててしまいますと、相手と直接話をする機会すら奪われてしまうことも多いです。そのようなケースですと、せめて直接会って反省の気持ち・感謝の気持ちを伝えたいと願っても、それすらかなわないということになりかねません。

 

 

6.【ポイント5】間に誰かをはさむ



 夫婦が直接話をすると冷静な話し合いができない、余計にこじれそうだというような場合には、あなたのご両親や身内の方、仲人の方その他友人・知人の方などに間に入ってもらって話をするということが有益です。
 なお、間に入ってくれそうな適任者がいないというときには、弁護士に間に入ってほしいとおっしゃる方も多いのですが、夫婦円満を目指す場合には、安易に弁護士に依頼せず、極力ご本人同士の話し合いかどなたかを挟んだ話し合いを強くオススメすることが多いです。

 

 

7.【ポイント6】簡単に諦めない


 私のところにご相談に来られる方は、「実際夫婦円満で解決したケースはどのくらいあるのでしょうか?」と聞いてくることも多いです。
 これに対する私の回答は「残念ですが私が担当したケースでも一握りしかありません」ということになります。
 特に、相手が弁護士をつけていたり、調停を申し立てているケースですと難易度はグッと上がるとイメージしてください。


 ただ、難易度が高いことと復縁を諦めることとはイコールではありません。
 あなた自身の今後の人生、お子様の今後の人生のことも考えて、復縁こそがベストな選択肢だと考えるのであれば、簡単に諦めずに突き進んだ方が良いケースが多いと思います。

 

 

8.まとめ


・【夫婦円満のポイント1】必殺技や奥の手はない
・【夫婦円満のポイント2】状況に応じて対応を場合分けしてみるとよい
・【夫婦円満のポイント3】直前の出来事への反省と謝罪の気持ちを示す
・【夫婦円満のポイント4】感謝の気持ちを示す
・【夫婦円満のポイント5】直接当人同士の話し合いが望ましくない場合には、誰かに間に入ってもらうことを考えてもよい。
・【夫婦円満のポイント6】簡単に復縁を諦めない

 

 

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