2024.04.08更新

 弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。
神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

 

1.児童虐待とは?


 どのような行為が児童虐待に該当するかについては、児童虐待防止法に定めがあり、①身体的虐待、②性的虐待、③ネグレクト、④心理的虐待・面前DVが児童虐待に該当するものとされています。簡単にご説明いたしますと以下の通りです。
①身体的虐待…殴る、蹴るといった身体的暴力
②性的虐待…お子様への性的行為や性的行為を見せる行動等
③ネグレクト…食事を与えない、衛生状態を非常に悪くするといった行動等
④心理的虐待…お子様への脅し、暴言等

 

 


2.離婚に踏み切る前に考えるべきこと



 離婚を考えた場合、通常まず一番に離婚後の生活、離婚後の育児環境のことが頭に思い浮かぶと思います。
 ただ、今後相手と離婚するかしないかという点で争っていくことも考えますと、他にも色々と考えておかなければならないことがあります。
 詳しくは後述しますが、考えなければならない点をすべて同時に検討しようとしてしまいますと、精神的な負担が大きくなってしまうと言うこともありますので、徐々に、かつ優先順位をつけて検討することもお考え下さい。

 



3.今後「やり直せない」かどうかは客観的に見極めた方がよい


 当たり前のことなのですが離婚する場合、離婚後法律上、夫は「他人」ということになります。裏を返すと離婚を切り出すと言うことは他人になって欲しいと切り出すことと同じなので、今後「やり直す」ということが無理だと言えるほどの状況でこそ、離婚を切り出すべきだと言えます。


 ただし、児童虐待のケースですと、頻繁にお子様が虐待被害を受け続けた結果、その様な状況に順応してしまっているという方もいます。そうしますと、ご自身で自分の置かれている状況を客観的に判断できないと言うこともありますので、夫婦生活の中で、「これって子供への虐待なんじゃ?」と感じることが増えてきたという場合には、身近な人に相談してみるのも良いと思います。
 そのようにして、ご自身の状況を客観的に見て、虐待夫とは別れた方が自分の幸せになる、または、お子様の幸せになると言う覚悟を決めることができたのなら、離婚をためらう必要はないと思います。 
 なお「即離婚」にすべきか悩んでいるという場合には、いきなり離婚ではなく、一旦別居を選択するという方法もあります。

 

 

4.まずは、お子さんの幸せをよく考える



 お子様への児童虐待が現在進行形で行われている場合、「虐待夫との別居や離婚がお子様の幸せになる」という発想が当然浮かんでくると思います。
 ただ、虐待と言ってもモラハラに近いとか、頻度が少なく、もめていない時には、お子様と夫との仲も非常に良いという場合には、離婚がお子様の幸せに結びつくのか、慎重に検討したほうが良いケースもあります。
また、こんな父親でも、お父さんとお母さんが揃っている方が良いというお子さんもかなりの数いると思います。

① 虐待行為の深刻さ
いくらお子様がお父さん・お母さんの両方と一緒に暮らしたいと希望していたとしても、虐待行為が深刻な場合には、お子様の身の安全のためにも別居・離婚を選択すべき場合もあると思います。
既に、お子様への虐待について警察や児童相談所が関与している場合には、警察や児童相談所から、虐待の深刻さ等についてもアドバイスがあると思いますので、そのアドバイスを大いに参考にしながら検討したほうが良いと思います。
まだ警察や児童相談所が関与していない場合には、あなたの両親や身内など身近な人に虐待被害の内容を伝えて、どのような反応なのかという点を参考にしてみると、より客観的な判断が可能なことが多いです。

②お子さんの意思の確認
 お子さんが小学校高学年くらいの年齢の場合、直接お子さんの意見を聞いてみるのが良いと思います(但し、お子様がそのことを夫側に話してしまいそうな場合には、タイミングを慎重に見極める必要があります)。
 お子さんがそのくらいの年齢に達しない場合でも、お子さんが家庭内の状況等をしっかりと理解している場合には、直接意見を聞いてみるので良いと思いますし、それが難しい場合には、普段のお子様の表情や様子を確認してみて下さい。
 お子さんは年齢が上がれば、その地域での友達や小学校などを踏まえて、生活環境を変えたくないという意見が出ることも多いので、お子さんがどのような意見なのかは確認しておく必要があります。

 


5.相手が争ってきた場合の備えをする



①虐待夫の財産の在処を把握しておく
 離婚の際には婚姻期間に増加した財産については財産分与という形で折半するのが通常です。
 しかし、離婚を切り出すと、虐待夫は財産を取られたくないために、財産の在処を隠してしまう場合があります。

 そのため、虐待夫が財産の在処を隠すことも想定して、どのような財産をどの程度持っているのかについては予め把握しておいた方が良いです。
 このようにしておくと、財産分与でいくらもらえそうなのかの見込みが立ちますので、離婚後の生活設計にも役立ちます。

② 虐待夫の収入を把握しておく
 相手の収入は家庭裁判所の調停などになれば、隠匿していくことは非常に難しいのが実情です。
 ただ、相手の収入を早めに把握しておけば、離婚するまでに生活費としてどの程度のお金をもらうことができ、離婚後養育費としてどの程度のお金がもらえそうかという見込みを立てることができます。

 なお、同居中、虐待夫が口頭で話していた収入の金額と、実際にもらっていた給料の金額が違うと言うこともありますので、可能な限り給料明細書や源泉徴収票で相手の収入は把握しておくのが無難です。

③離婚原因の証拠の確保
 虐待夫は、自分勝手な考え方がすべて正しいと考えている人もおり、また、これまでの虐待行為が悪いことだという認識が薄い人が多いです。
 そのため、いざ離婚の手続きに突入しても、夫側から「どうして妻が離婚したいというのかが理解できない」とか「うちの妻は我慢が足りないだけだ」と言い始める人もいます。
 相手が離婚に猛反発した場合は勿論ですが、こちらが主張する離婚の理由について納得できないということで手続が大幅に遅延してしまうと言うこともありますので、相手の反論や言い逃れを封じる証拠があれば、あらかじめ収集し、準備しておいた方がよいと思います。




6.今後の生活基盤の確保



 前述の今後の養育費の金額等とも関わってくるのですが、離婚した後の住まい、収入を得る手段については事前に目処を付けておく必要があります。
 ただ、別居を開始し始めた時期は、虐待夫がどこまで離婚を争ってくるのか見通せない面もありますので、当面実家のお世話になるとか、パート勤務を開始するといった程度にとどめるケースも多くあります。

 


7.まとめ


・ 今後「やり直せない」かどうかは身近な人と相談するなどしつつ客観的に判断した方がよい。

・ 離婚に伴うお子様への影響を考える
・ 相手が離婚に反対してきた場合の備えをする。
・ 今後の生活基盤を確保する。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

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