2018.12.31更新

弁護士秦 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 

 

1.重婚的内縁の要件を満たすことが大きな関門



  重婚的内縁とは、内縁夫婦の一方または双方に法律上の婚姻関係が存在する場合のことを言います。内縁の夫が既婚者のため、離婚してくれないと正式に入籍届を出せない状況といったケースなどが、これにあたります。

 

 まず、重婚的内縁も内縁の一種ですので、内縁の要件を満たす必要があります。

内縁関係とは、婚姻届を提出していないけれども、婚姻意思を持って、夫婦共同生活を営んでいる関係などと言われたりします。事実上夫婦としての生活を送っているため「事実婚」と言われることもあります。

 要するに、①婚姻意思を持って(要するに「結婚するつもりがあって」)、②夫婦共同生活を営んでいる(同居して夫婦同様の生活を営んでいる)事が必要になります。

 

 ここまでが、通常の内縁の要件でして、重婚的内縁の場合には、これらに加えて、③法律上の婚姻関係が事実上離婚状態にあることが必要とされています。

 日本法が一夫一妻制度を採用しているため、法律上の婚姻関係と内縁関係両方を法律的に保護することはできませんので、重婚的内縁が保護されるためには、法律上の婚姻が実態を失っているところまで必要になるのです。 

 

 

2.権利の分類



 前述のように、重婚的内縁の要件を満たすことが大きな関門なのですが、この関門をクリアすると、重婚的内縁の妻には、通常の内縁の妻と同様の法律上の権利が認められることになります。

 

一口に内縁の妻の権利と言いましても、様々なものがありますが、概観してみますと、以下のように分類できます。

①結婚に準じて保護される権利

②交通事故等のケースで保護される権利

③内縁の相手が死亡した場合に遺族給付金等の関係で保護される権利

 

 今回は、上記の「①結婚に準じて保護される権利」の中でも、内縁(事実婚)解消までの生活費の問題、相手が浮気をした場合の慰謝料請求の問題、財産分与の問題に焦点を当ててご説明致します。

 

 

3.そもそも結婚に準じて保護されるって、どういうこと?



 もちろん、内縁関係は、入籍しておりませんので、戸籍上相手の氏を名乗ると言うことは原則としてできませんし、内縁相手の両親等を法律上義母や義父とすることもできません。

 但し、内縁関係の実態は、婚姻関係と同様の実質を備えていますので、基本的に結婚している夫婦同様の権利を与えるべきとされています。

 特にあなたの生活に直結する権利としては、①内縁解消までの婚姻費用(生活費)の請求、②相手が浮気した場合の慰謝料請求、③内縁解消時の財産分与請求がありますので、以下具体的に解説していきます。

 

 

4.婚姻費用分担請求権


 

 結婚している夫婦は、お互いに協力し扶助する義務がありますので(民法752条)、婚姻時に要する費用の分担を請求することができます(民法760条)。内縁夫婦においても、この民法の規定が準用されますので、結婚している夫婦同様お互いに協力し扶助する義務があり、婚姻費用を請求することができます。

 そのため、あなたの収入が内縁の夫の収入よりも低い場合には、同等の生活を保障するように婚姻費用分担請求権を有することになります。

 

 ただ、婚姻費用分担請求は、何らかの事情で内縁夫婦が別居を始めた後に問題になることも多く、その場合には、相手から以下のような主張が行われることがあります。

①最初から結婚するつもりがなかったから内縁関係ではない。

②内縁関係が解消したから別居しているので、別居後の生活の面倒を見る必要がない。

 

 このような相手の主張のうち、①については、いずれにせよ内縁関係の有無はこちらから証明しなければ行けませんので、その中で証明していくことになります。

 

 これに対して、②については、別居の経緯が重要になります。内縁関係が成立している場合、相手が一方的にこれを解消することはできないのですが、相手が「そっちも別れることには同意してくれた」といった話をしてくるケースがあるのです。

法律上の結婚の場合には、離婚届が受理されていない限り、婚姻関係は継続していることになりますから、戸籍謄本を取得すれば、現在婚姻しているのかどうかははっきりと分かります。他方、内縁関係については、これを明確に証明する公的書類は存在しませんので、別居イコール内縁解消ではないと言うことを証明していく必要が出てきます。

 

 そのため、相手から別れ話を切り出された場合等には、早めに相手との会話を録音しておく必要があると思います。もちろん、会話の中であなたとしては内縁解消という話が一方的な話であると主張しておく必要があります。

 

 

5.相手が浮気した場合の慰謝料請求権


 

 結婚している夫婦は、お互いに貞操義務があります(民法752条)。内縁夫婦においても、この民法の規定が準用されますので、内縁の夫が浮気したような場合には慰謝料責任が発生します。

 問題はこの慰謝料の金額ですが、法律上の夫婦の場合よりも慰謝料請求額は多少下がると言われております。

 

 なお、慰謝料額は以下のような要素を考慮して決定します。

①浮気の悪質性

 より具体的に言いますと、不倫の発端・不倫期間や頻度・不倫相手の人数・こちらを裏切った回数(例えば、一度目の不倫発覚時に今後一切不倫をしない旨誓約したのに何度もその誓約に違反した等)・不倫後の生活状況(不倫相手の自宅に入り浸りになるとか、不倫相手に生活費の大半を貢ぐようになったとか)等が考慮されることになります。

 

 ②内縁の夫の反省の程度等

 特に内縁の夫が頑強に浮気を否認し、謝罪も一切しないと言うことになりますと、慰謝料額は増額傾向になります。

 

③こちらが受けた精神的苦痛や肉体的苦痛の程度

 この点は、内縁の夫の不貞でこちらが精神疾患になったと言った事情があれば、慰謝料額は増額傾向になります。

 

 ④内縁期間の長さ・破綻の有無等

  内縁関係の長さに加え、お子様の有無・人数等も考慮されることになります。また、今回の不貞が原因で内縁関係が解消されたような場合には、慰謝料は増額傾向になります。

 

 なお、浮気の問題とは別の問題になりますが、内縁期間中に内縁の夫から暴力を受けて怪我をしたという場合には、DV慰謝料を要求できるケースもあります。

 

 

6.内縁解消時の財産分与請求


 

(1)財産分与というのはそもそもどんな話なのか

 財産分与というのは、内縁期間中に内縁夫婦で築いた財産をどのように分けるのかを取り決めると言うことです。

 内縁生活中は、別れることを見越して準備しているという内縁夫婦はいないと思いますので、通常内縁夫婦の財産は均等ではないことが多いと思います。例えば、内縁の奥様が専業主婦で、内縁の夫が仕事をしているという場合、内縁の夫名義の預金はそれなりの額貯まっているとしても、内縁の奥様の預金はそれほど貯まっていないというケースもあると思います。

 

 そんなときに、内縁の夫側が「これは俺の名義の預金だから離婚の時には、びた一文お前には渡さない」としてしまいますと、内助の功があった内縁の奥様にとって酷な話になってしまいます。

 そこで、別れる時には、内縁夫婦どちらの名義になっているかを問わず、内縁中に築いた財産は半分ずつに清算すべきだというのが財産分与の基本的な考え方になります。

 

(2)慰謝料とは別問題なのでご注意

離婚に伴うまとまったお金の問題と言うことで、慰謝料の問題と混同している方が多いのですが、財産分与と慰謝料は別の問題とお考え下さい。

即ち、慰謝料というのは、相手に浮気や暴力といった一方的有責性がある場合に、こちらが受けた精神的苦痛を慰謝させるものになるのに対して、財産分与は、このような有責性の問題を抜きにして、夫婦の財産を清算しようという話になりますので、別次元の話と言うことになるのです。

(一昔前には、「財産分与の慰謝料的要素として、慰謝料分も考慮する」といった議論をすることもありましたが、最近は、財産分与は財産分与、慰謝料は慰謝料として話し合うのがオーソドックスです)。

 

(3)実際問題どのような手順で話をすべきか

 厳密に財産分与の計算をする場合には、①対象財産の特定→②財産の評価→③総合計額の算出→④分与方法の検討という手順を踏むことになります。

 

 以下具体的に解説いたします。

①対象財産の特定

 財産分与は内縁夫婦で築いた財産を分ける仕組みですので、内縁夫婦で築いた財産以外の財産は対象外になります。

 例えば、独身時代に貯めていた預金や相続で取得した財産は対象外になります。

 対象財産として代表的なものは、内縁生活の中で購入したご自宅、自動車、預貯金、生命保険や学資保険、株式等になります。

 まずは、内縁夫婦で築いた財産としてどのようなものがあるかを割り出して行く作業をすることになります。

 

②財産の評価

 預貯金などは金額が明らかなので問題は少ないのですが、例えば自宅などはいくらになるのかおおよその評価額を調べる必要があります(住宅ローンが残っている場合、通常はローン残高は差し引いて評価することが多いです)。

 他にも、生命保険等については今解約したらいくらになるのかを保険会社に問い合わせる必要があります(実際には解約しませんが、いくらの価値があるかを確認するために、保険会社に「今解約した場合いくらになるか教えて下さい」と電話するのです。

 

③総合計額の算出

 上記のように各財産の価値を算出することができた場合、それらの数字を全て足し算して総合計額を算出していくことになります。

 

 例えば、内縁の夫名義の資産がご自宅(評価額3000万円、ローン残高2400万円)、学資保険(解約返戻金額200万円)、預金(3つの通帳の残高合計が300万円)で、内縁の奥さん名義の資産が預金のみ(2つの通帳の残高合計が100万円)というケースですと、総合計額は(3000万円-2400万円)+200万円+300万円+100万円で、総合計は1200万円になります。

 この総合計額を算出する際には、内縁の夫側の資産だけではなく、あなたの資産分も加算する必要がありますので、ご注意下さい。

 

④分与方法の検討

 前述の例ですと、総合計額が1200万円になりますので、あなたの取り分は半額の600万円になります。

 

 このような600万円の取り分で何を取得するか、あなたの希望を検討することになります。

 即ち、自宅の価値が600万円なので、自宅を取得し、同時に住宅ローンの名義もあなたに変更するという方法もあり得ますし、逆に、自宅は内縁の夫側に渡して、内縁の夫名義の学資保険をこちらに名義変更し、旦那さんの預金額全額を取得するという方法もあります。

 要するに、取り分の範囲で何を要求していくのかという問題です。

 

 

7.まとめ


・重婚的内縁のケースでは、重婚的内縁としての要件を満たすことが大きな関門となる。

・重婚的内縁としての要件を満たすと、通常の内縁の妻同様の権利が保障される。

・内縁の妻には、大別すると①結婚に準じて認められる権利、②交通事故等で認められる権利、③遺族給付等に関する権利が認められる。

・特に内縁の妻の生活に直結する権利としては、①婚姻費用分担請求権、②慰謝料請求権、③財産分与請求権がある。

・慰謝料請求権は、相手が浮気した場合や、相手から暴力被害を受けた場合などに認められる。

・逆に財産分与は相手に何か責任(有責性)がなくとも認められる権利である。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2018.12.17更新

弁護士秦 

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 

 

1.重婚的内縁って何だ?


 

 重婚的内縁とは、内縁夫婦の一方または双方に法律上の婚姻関係が存在する場合のことを言います。内縁の夫が既婚者のため、離婚してくれないと正式に入籍届を出せない状況といったケースなどが、これにあたります。

 

 

2.重婚的内縁は民法に違反する?


 

 日本法は、一夫一妻制度を採用しておりますので、既婚者が複数の配偶者を持つことは出来ません。このように正式な婚姻ですら重婚が禁止されているのだから、婚姻に準ずる内縁だけ重婚が認められるのはおかしいのではないかというのが問題の所在になります。

 この点に関しては、法律上の婚姻関係が形骸化し、逆に内縁関係の方が夫婦としての実態を備えている場合にまで、内縁関係を法律で保護しないのはおかしいので、一定の条件を満たす限り、重婚的内縁も認められるものとされています。

 

 

3.重婚的内縁が認められる要件は?


 

(1)重婚的内縁関係特有の要件

 そもそも、重婚的内縁の要件以前に、男女の関係が法律上の「内縁」といえる必要があるのですが、この点は後述することにして、「重婚的」内縁として保護されるための特有の要件について解説していきます。

 前述の通り重婚的内縁も一定の条件を満たす限り保護されますが、日本法が一夫一妻制度を取る以上、法律上の婚姻関係と内縁関係の両方を保護するというわけには行きません。そして、一度入籍し、正式に離婚が成立していない以上、法律上の婚姻関係が内縁関係に優先して保護されるのが原則になります。

 

 そのため、重婚的な内縁も認められるためには、法律上の婚姻関係が事実上の離婚状態(実態を失って形骸化し、かつ、その状態が固定化して近い将来解消される見込みのないような状態)にあることが必要とされています。

 このような場合であれば、内縁関係を保護し、法律上の婚姻関係を保護しなくても良いと言えるのです。

 

(2)事実上の離婚状態とはどう判断するのか?

 このように重婚的内縁関係が保護されるためには、法律婚の側が「事実上の離婚状態」に陥っている必要があります。ただ、「事実上の離婚状態」と言うだけでは、抽象的で分かりにくいと思いますので、どのような要素を考慮して判断されるのかについて解説していきます。

 この点、判例は、①別居の経緯、②別居の期間、③婚姻関係を維持または修復するための努力の有無、④別居後における経済的依存の状態、⑤別居後における婚姻当事者間の音信及び訪問の状態、⑥重婚的内縁関係の固定性等を総合的に考慮して判断しています。

 以下詳しく見ていきます。

 

①別居の経緯

 重婚的内縁のケースでは、婚姻夫婦間では別居期間が長期に及び、同時に内縁夫婦間での同居が長期間続いていると思います。ここでの「別居の経緯」とは、婚姻夫婦が別居を始めた経緯ということになります。

 例えば、夫婦お互いが感情的になってしまっているので、お互い落ち着いて話ができるようにということで別居をスタートしたのと、夫の行動に嫌気がさして、離婚届と結婚指輪を叩きつけて別居を始めるのとでは、別居スタートの持つ意味合いが異なってくると思います。このような別居スタートの経緯も、事実上の離婚と言えるかの判断にあたって重要な要素になります。

 

②別居の期間

 別居の期間が長期間に及べば及ぶほど、その夫婦がヨリを戻す可能性はなくなっていきますので、重要な要素になります。

 なお、遺族厚生年金受給者としての条件として、厚生労働省年金局長通達は、婚姻夫婦の別居が概ね10年以上に及ぶことを掲げていますので、別居期間判断の一つの目安になると思います。

 

③婚姻関係を維持または修復するための努力の有無

 別居の前後を問わず、婚姻夫婦としての関係を維持または修復する努力や行動がなされてきたのかという点です。

 例えば、夫が勝手に家を出たが、妻が足繁く夫の別居先に足を運んで、元の生活への復帰を懇願したり、そのために、自分の悪いところを改善する努力をしたりしていた場合には、事実上の離婚状態とは評価しにくくなると思います。

 

④別居後における経済的依存の状態

 特に婚姻夫婦の妻の側が別居後経済的に自立した生活を送れているのかという点です。夫から生活費の支給が継続していたり、家賃を夫が負担しているという場合には、別居後も経済的依存が続いているということになります。

 別居後も現在まで経済的依存関係が継続しているという場合には、事実上の離婚状態とは認めにくくなります。

 

⑤別居後における婚姻当事者間の音信及び訪問の状態

 要するに、別居後、婚姻夫婦間でメール、LINEや電話等にて直接の会話をしたことがあるのか、その頻度等、直接相手の家を訪れたり、直接会って話をしたことがあるのか、その頻度等が考慮されることになります。

 別居後数年しても断続的に電話等でやり取りをしているといった場合には、事実上の離婚状態とは認められにくくなります。

 

⑥重婚的内縁関係の固定性

 婚姻夫婦としての別居スタートと内縁夫婦としての同居スタートが時期的に一致しないことも多くあります。例えば、夫婦の別居スタートは15年前だが、今の内縁の妻との交際開始は5年ほど前というケースもあり得ます。

 そうすると、夫婦の別居期間が長くても、内縁関係についての生活基盤がきちんと調っていないというケースもあります。

「重婚的内縁関係の固定性」というのは、内縁関係がきちんと夫婦共同生活としての基盤を調えており、流動的な関係ではないと言い切れる状況なのかということです。

 

(3)内縁関係が認められることの要件とは?

 前述の通り、重婚的内縁も内縁の一種ですから、内縁の要件を満たす必要もあります。

 内縁関係とは、婚姻届を提出していないけれども、婚姻意思を持って、夫婦共同生活を営んでいる関係などと言われたりします。事実上夫婦としての生活を送っているため「事実婚」と言われることもあります。

 要するに、①婚姻意思を持って(要するに「結婚するつもりがあって」)、②夫婦共同生活を営んでいる(同居して夫婦同様の生活を営んでいる)事が必要になります。

 

 なお、この同居生活の期間については、1週間でも同居していれば内縁と認められるということではなく、3年程度が一つの目安とされています(あくまで目安ですので、内縁生活スタートの経緯や内縁生活の実態等を考慮して、より短い期間で内縁関係が認められることもあれば、逆に、より長期間を要するケースもあります)。

ちなみに、前述の通り婚姻夫婦の別居期間は概ね10年程度が目安とされていますので、この点はご注意下さい(要するに、婚姻夫婦の別居開始が10年前で、夫は実家に7年間身を寄せ、内縁夫婦の同居開始が3年ほど前という場合には、婚姻夫婦の別居10年、内縁夫婦の同居3年を両方満たすことになります)。

 

 

4.まとめ


・重婚的内縁関係も条件を満たせば、法律的に保護される。

・重婚的内縁が法律的に保護されるためには、①法律上の婚姻関係が事実上離婚状態にあること、②内縁夫婦同士が婚姻意思を持って、③夫婦同然の生活を送っていることが必要になる。

・事実上の離婚状態になっているかどうかは以下のような要素から判断される。

①別居の経緯

②別居の期間

③婚姻関係を維持または修復するための努力の有無

④別居後における経済的依存の状態

⑤別居後における婚姻当事者間の音信及び訪問の状態

⑥重婚的内縁関係の固定性

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

2018.12.10更新

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こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

 

1.内縁(事実婚)って?


 

 内縁関係とは、婚姻届を提出していないけれども、婚姻意思を持って、夫婦共同生活を営んでいる関係などと言われたりします。事実上夫婦としての生活を送っているため「事実婚」と言われることもあります。

 要するに、①婚姻意思を持って(要するに「結婚するつもりがあって」)、②夫婦共同生活を営んでいる(同居して夫婦同様の生活を営んでいる)事が必要になります。

 内縁関係の成立が認められますと、正式な婚姻に準じて法律上の保護が認められます(但し、正式に入籍していない関係で、婚姻と全く同じ保護を受けることはできません)。

 

 

2.内縁破棄の問題は最終的には慰謝料で調整せざるを得ない問題になってしまう。



 

 内縁関係にあるにもかかわらず、相手が一方的に内縁を破棄した生活を開始した場合、内縁という婚姻に準ずる関係を破綻に陥れているわけですから、このような責任を作った側には慰謝料責任が発生します。

 そもそも、内縁の夫の身勝手な行動そのものを防止できればよいのですが、「理想的な内縁の夫として行動せよ」ということは抽象的な内容になってしまいますし、強制に馴染まないため、相手の身勝手な行動を直接防止する手段はありません。

 従って、内縁破棄の問題は、最終的には慰謝料という金銭的な問題として解決するしかないと言うことになります。

 

 

3.では慰謝料はいくらもらえるの?


 

 内縁破棄のケースは、内縁期間や破棄理由、経緯等を含めて多様ですので、一概にいくらぐらいという相場をお話しすることは難しいのが実情です。

 但し、相手に明らかな問題点(浮気や暴力)がないケースですと100万円前後とされることが多いように思われます。繰り返しになりますが、内縁破棄の慰謝料額はケースによって千差万別ですので、「100万円程度はもらえる」と誤解しないようにして下さい。100万円前後というのはあくまで目安の一つに過ぎないとお考え下さい。

 

 また、判例を見ておりますと、相手の浮気や暴力等大きな問題があるケースですと100万円以上の高額な慰謝料額を認めたものもあります。

 

 

4.慰謝料の金額はどのような要素から決定するの?


 

 上記の通り、慰謝料の金額はケースによって様々ですが、判例上、どのような点が重視されるのかというポイントはあります。以下では、その様なポイントについて解説していきます。

 

(1)相手に重大な有責性があるかどうか

 この点はおそらく慰謝料額算出にあたって最も重視される項目ではないかと思います。

 なお、相手の行動や言動が原因で内縁解消になったというだけでは足らず、明らかに相手の行動に大きな問題がある必要があります。

 

 より分かりやすく言いますと、相手が浮気をしたとか相手が頻繁に暴力をふるってきて怪我させられたことがあるといったケースです。

 これらのケースですと明らかに相手に大きな問題点がありますので、内縁破棄の慰謝料増額の事情となります。

 

(2)妊娠等お子様に関連する事情

 あなたが相手男性との間で妊娠した場合や中絶・流産してしまったケース、出産したものの、それをきっかけに相手が疎遠になったというような場合、あなたには身体的な負担も生じておりますので、慰謝料増額事由になり得ます。

 

(3)内縁破棄によってあなたの体調に変化等があったかどうか

 相手からの一方的な婚約破棄によって、あなたもショックで体調を崩してしまうと言うこともあると思います。

 その様な場合に、あなたが心療内科等に通い始め、心療内科等から正式な診断を受けたという場合には、慰謝料増額事由になり得ます。

 

 なお、心理的な不調については、医学的には原因の特定が難しいと言われることもありますが、内縁破棄と時期を近くしてあなたが心療内科に通わざるを得なくなったといったケースでは、内縁破棄が原因の可能性が高まると思います。

 

(4)内縁生活の状況

 特に重視される傾向がありますのは内縁期間の長短になります。

また、内縁夫婦のいずれが共同生活維持のためにどのような努力をしてきたのか、逆に、いずれが共同生活西庄を来すような行動や言動をしてきたのか、といった内縁生活の実態も、慰謝料に影響を及ぼしうる事情になります。

その他、内縁の妻の経済的依存度も考慮されることがあります。即ち、内縁生活開始にあたって内縁の妻が仕事を辞めて家庭に入ったという場合には、多少慰謝料増額事由として考慮され得るのに対し、内縁生活中も互いに経済的に自立した生活を送っていたという場合には、多少慰謝料減額事由として考慮され得ることになります。

 

 

5.裁判も視野に入れるならば証拠が必要


 

 相手が過去の経緯等について自分に都合よく話してくる可能性があるようでしたら、こちらとしては裏付けを取っておく必要があります。

 内縁破棄の慰謝料で考慮すべき事情は上記の通りですので、それに沿うような資料を準備しておく必要があります。

 

 なお、相手男性との間のLINEのやり取りやメールも証拠になることがありますので、機種変更前の携帯電話のデータ等を確認する必要がでてくることもあります。

 

 

6.相手が、内縁が成立していないと言ってきた場合の証拠の準備も


 

 内縁破棄のケースでは、相手から①そもそも内縁関係ではない(俗な言い方になってしまいますが、セフレでしかない)とか、②一度は内縁関係にあったがこちらも同意して解消している、既に自然消滅しているといった反論が出されることがあります。

 そのため、内縁破棄の前提として、内縁が成立していること、その内縁関係が相手の破棄直前まで続いていたことを主張し、裏付けていく必要があります。

 

 

7.その他


 

 上記の通り、内縁破棄によってあなたが請求できる「慰謝料」の問題について解説してきましたが、慰謝料以外にも相手に損害賠償できるケースもあります。

 例えば、結婚式直前に相手の浮気が判明して破談になったというような場合には、結婚式のキャンセル料等も損害として相手に請求するといったケースです。このような挙式費用を損害として請求できるかは内縁破棄の時期や事情によるところが大きいと思います。

 

 

8.まとめ


・内縁破棄で相手に請求できる慰謝料額に相場のようなものはない。

・慰謝料額決定にあたっては以下のような要素が考慮される。

 ①(暴力や浮気など)相手に重大な有責性があるかどうか

 ②妊娠等の事情があるかどうか

 ③内縁破棄によるあなたの体調変化

 ④内縁生活の状況

・相手に慰謝料を請求して行くにあたっては、上記考慮要素についての裏付けを準備する必要がある。

 

 

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