2021.04.19更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。「しっかりと戦って、しっかりと勝つ」をモットーに、以下詳しく解説していきます。

 



1.そもそも「監護者」って何だ?


 

(1)監護権というワードは馴染みが薄い。
 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。

 

(2)親権の意味のおさらい
 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。


 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。
1)身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)
2)財産管理権(お子様の財産を管理する権限のことです)
3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)


(3)要するに監護権って?
 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。


(4)監護者指定審判とは?
 離婚が正式に成立するまでは、お子様の親権は夫婦の共同親権になるのですが、このような共同親権の中でも監護権のみを切り出して、監護権を取得するものを夫婦どちらかに指定して欲しいという審判が監護者指定審判の手続きになります。
 「審判」というと聞き慣れないかもしれませんが、調停のように話し合いの手続きではなく、裁判官が強制的に監護者を指定する手続きになります。

 

 

2.子供が不登校になってしまっていると、どの程度不利になるのか?


 お子様が不登校になっておりますと、まず第1にお子様の今後のことで不安が大きいと思います。そのことに加え、夫側から監護者指定審判が申し立てられていると、不登校になっていることがこちらに不利になるのではないかと余計不安になると思います。
 不登校の問題は、別居前から不登校だったケースと別居後に不登校になってしまったケースとでは状況が異なってきますので、場合分けして解説していきます。


(1)別居前から不登校だったケース
 別居前から不登校で、別居後も不登校の状態が続いてしまっているというケースです。
 この場合、別居前から不登校の状態だったのですから、特に別居の影響や別居後の養育の問題ではありませんので、お子様の不登校がこちらに不利に働く可能性は高くないと思います。


 ただ、この場合でも、例えば、こちらが専業主婦だったような場合ですと、夫側から「専業主婦なのに子供をまともに学校に行かせることもできなかった」などと責め立ててくる危険性もありますので、不登校の原因究明と、その後のケアについては、しっかりとあなたの言い分を裁判所に伝えていく必要が出てきます。


(2)別居後に不登校になってしまったケース
 別居前は通常通り登校できていたのに、別居後に不登校になってしまったという場合、夫側は、こちらの養育能力を厳しく追及してくると思います。
 ただ、不登校になってしまったのが別居後だったとしても、こちらに不利に働くかどうかは、その原因次第というところではないかと思います。


 例えば、別居後こちらがパート時間を長くした関係で、お子様が一人で自宅にいる時間が長くなり、そのことでお子様の情緒が不安定になってしまっているというようなケースですと、こちらに不利になってしまうことは避けられないと思います。
 他方で、同居中は、夫からの暴言をしきりに受けていたが、別居して暴言被害がなくなったので、お子様が伸び伸びと生活できるようになって、一時的に不登校のような形になっているということでしたら、あまりこちらに不利にはならないと思います。


 また、監護者指定審判手続きにおいては、その後の不登校解消に向けた取り組みの内容が非常に重要になってくると思います。これは、お子様を無理にでも学校に登校させればそれで良いというわけではありません。無理に学校に登校させようとした結果、余計にお子様が反発してしまうこともあるからです。
 例えば、お子様を心療内科等に連れて行き、原因究明・原因除去に努めていくこと、学校の担任の先生やスクールカウンセラーと連携していくこと等が重要になってくるのです。

 

 

3.お子様が不登校の場合、審判手続きにおいてどのような準備が重要になるか


 

(1)まずは通知表の準備

 前述の通り、お子様が別居前から不登校だったのか、別居後に不登校になってしまったのかという点は非常に重要なポイントになりますので、どちらかだったのかについて証拠で明らかにしていく必要があります。具体的には、お子様の通知表を見れば、登校状況が端的にわかりますので、まずは、通知表を準備するということになります。

 

(2)現状の不登校の原因究明

 次に重要になってきますのが、現状の不登校の原因究明と、それに対する対処という部分になります。お子様を心療内科等に連れて行き、どのような問題を抱えているのかの把握、その問題を踏まえての対応を学校の担任の先生やスクールカウンセラー等と相談していくという作業が非常に重要になります。

 たまに、「しばらく子供の様子を見守りたい」とおっしゃる親御さんもいらっしゃいますが、このような形ですと「何ら抜本的な対策を取っていない」と評価されてしまうリスクもありますので、得策ではないと思います。

 

(3)同居中の旦那側からの言動の影響が大きい場合

 いわゆる同居中旦那側から虐待を受けていたというようなケースです。そのような場合には、虐待を示す証拠を準備することが重要になります。お子様が殴られて怪我をしたといった事情がある場合には、診断書や痣の写真などがあると、非常に有効な証拠になります。

 

 

4.まとめ


・別居前から不登校だった場合、こちらに不利になる可能性は高くない。
・別居後から不登校になってしまった場合、こちらに不利に働くかはその原因が大きく影響する。
・別居後の不登校の問題については、不登校解消に向けた取り組みの内容が重要になってくる。

・これらを踏まえた審判向けの準備を整えていく必要がある。

 

 

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