2023.06.02更新

弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。
神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

 

1.夫の方が経済力があるというケースは非常に多い


 夫婦共働きというケースでも、奥様の方が収入が高いというケースは少数で、旦那側の収入の方が高額だというケースの方が多いと思います。
 また、結婚を機に、仕事を辞めて、専業主婦をしているという場合には、あなた自身の収入はゼロ、もしくは、パート勤務なので、大した収入がないというケースも多いと思います。
 このように、夫側の方が経済力が高い場合、特に、あなたが専業主婦で、ほとんど収入が無いような場合、親権者を決める時に、どのように影響するのでしょうか。

 

 

2.同居中、夫から散々言われていたので不安


 特にあなたが専業主婦の場合には、同居中に、夫側から「生活力がないから、お前が育てていけるはずがない」とか「仕事を辞めてこんなに立っているんだから、誰もお前のことを雇ってくれるはずがない」とか、散々に言われているケースもあります。
 そもそも、あなたが専業主婦になったのは、結婚や出産といった出来事があって、夫側とも相談しての結果なので、これを責められる謂れはなく、夫の発言そのものがモラハラ発言と言えるものです。
 ただ、夫からそのように言われていると、今後のことが不安になるのもよく分かるお話ですので、専業主婦であることが不利に働くのかという視点も踏まえて解説していきます。

 

 

3.キーポイントは家計が維持できていること


 監護者指定事件で重視されるのは、別居後の家計が維持できていることです。
 例えば、実家に転居し、実家の支援を受けることで、お子様の生活費も含めて家計を維持できているようでしたら、そのことで、不利に扱われることはほとんどありません。
 また、今は、貯蓄を切り崩して生活しているという場合でも、貯蓄が少なくなった段階で生活保護を申請して、生活保護費で暮らしていく予定だということでも、そのことで家計を維持できるのであれば、それほど大きく不利になるケースは少ないです。

 

 

4.家計維持にあたっては、婚姻費用も考慮して良い?


(1)夫側から婚姻費用が支払われている場合
 現在夫側から任意に婚姻費用の支払いがあり、今後の支払も期待できるような場合には、このような婚姻費用も家計維持にあたって考慮して差し支えありません。
 ただ、あなたが、夫との離婚を希望する場合、離婚した後は、養育費しかもらえなくなりますので、養育費しかもらえなくても家計を維持できるのか、といった点は考慮しておく必要があります。その際、児童扶養手当や児童育成手当等、行政の支援が期待できるような場合には、どのような支援が期待できるのか、いくらぐらい貰えるのかといった点を確認しておくと、より安心かと思います。


(2)夫側から婚姻費用が支払われていない場合
 これは、夫側の勝手な言い分ですが、「勝手に出て行ったやつには一銭も払わない」といったことを言ってくる夫もいます。
 そうやって婚姻費用がなかなか支払われない場合には、一旦は、婚姻費用の支払いが期待できないことを前提に家計を維持できるかを確認する必要があります。
 もちろん、婚姻費用は夫側に支払い義務がありますし、いずれは支払わなければならないものなのですが、現段階で支払われていないという場合には、「今は、今月分の婚姻費用も入ってきていませんが、いずれ、今月分も後から払われるから、その後払い分も考慮して下さい」と主張しても、現実に「今」あなたの手元に入ってきていない収入なので、家計維持にあたって考慮することは難しいです。

 

 

5.いつまでに就職すればよいか?


 たまに監護者指定等で有利に話を進めたいということで、就職活動に熱心に取り組んでくださる方もいます。
 もちろん、あなた自身がしっかりと稼いで、家計の状況がもっと良くなるようであればプラス材料にはなります(但し、前述のように現状でも家計を維持できているのであれば、あまり無理をする話ではありません)。しかし、一つ気を付けなければならない点があります。
 それは、就職活動や仕事をすることによって、お子様の世話や家事が疎かにならないかという点です。
 親権の争いでは、現在のお子様に対するケアが行き届いているかどうかという点を重視することが多く、あなたが就職しているかどうかという点よりも重要性が断然高いです。
 そのため、就職活動や業務開始に伴って、お子様へのケアが疎かにならないようにして下さい。

 

 

6.将来の教育の充実等は、そこまで重視されない


 夫の方が経済力がある場合には、夫側から、「自分が育てていくのであれば、私立の小学校に入学させ、小学校時代から、遠足で海外に行かせたり、小学校高学年からは英語学習にも力を入れ、グローバルな教育を受けさせられる」というように、教育面で充実させられるといったことが主張されることがあります。逆に、あなたの元では、小学校受験や中学校受験をするだけの費用も出せないといったことを批判してくるのです。
 確かに、経済力の差がある場合、ある程度教育を受けさせる資金面での差は否定できません。
 ただ、裁判所が重視するのは、これまで誰がお子様の面倒を見て来て、今後もお子様のケアをしっかりと行っていくことができるのか、という点でして、教育を充実させられるかどうかといった点は「二の次」というように考えることが多いです。

 

 

7.お子様も充実した教育に期待してしまっている場合


 同居中、あまりに夫側がバラ色の教育のように話をするので、お子様の方も、詳しいところは分からないまでも、そのような「バラ色の教育」に期待してしまうというケースもあります。
 ただ、お子様の年齢からして、その「バラ色の教育」の詳しい内容が分からないまま、「なんとなくパパが言ってたから、そっちの方が良いと思っていました」という程度の話であれば、そのことが影響することはほとんどありません。
 また、お子様がもう中学生や高校生で、そのような教育に期待している面があったとしても、普段の生活面では、母親であるあなたとの生活でないと、生活が成り立たないと考えているのであれば、やはり、教育面よりも普段の生活面の方が重視されます。

 

 

8.まとめ


・妻側よりも夫側の方が経済力があるケースの方が多い。
・だからと言って、それだけで夫側が有利になるというわけではない。
・むしろ、普段の生活のケアを夫と妻どちらの方が担えるのかということの方が重要なので、経済面は「二の次」とされることの方が多い。
・経済面で重視されるのは、こちらの家計が維持できているかどうか、である。
・あまり就職を焦って、お子様へのケアが疎かにならないよう注意が必要である。
・現に婚姻費用が支払われているのであれば、婚姻費用が支払われることで家計が維持できていれば、それで差し支えない。
・お子様が将来の充実した教育に期待していても、普段の生活の方が重要性が高い。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

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