2023.06.02更新

弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。
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1.同居中、子供の勉強は主に夫が見ていた


 同居中は、お子様の勉強は主に夫側が見ており、あなたが同水準で勉強を見ることができるかというと難しい場合もあろうかと思います。特に、夫がモラハラ夫だという場合には、同居中、あなたに対して「お前じゃ子供の算数を教えることはできないから、中学受験で不合格になるぞ」とか「お前はただでさえ日本語が下手だから、子供に国語などを教えられるはずがない。子供に変な日本語が身についてしまうと困るから教えないでくれ」などと発言している場合もあり、不安に感じるケースも多いと思います。
 ただ、皆さん、別居後は、夫がいない状況でも、お子様の教育面をケアできている方が大半だと思いますので、過剰に不安にならない方が良いと思います。

 

 

2.親権争いでの「勉強面」の位置付け


 親権争いでは、お子様の衣食住にどの程度親御さんが関わってきたのか、という点が重視されることが多いです。
 「衣」というのは、お子様がまだ小さい年齢の時には、おむつ替えや着替えの補助、もう少し年齢が上がったお子様の場合には、季節に合った服装をさせること、そのような洋服を購入すること、および身だしなみや清潔さの確保を意味します。
 次に「食」というのは、お子様の食事の支度を意味し、お子様の栄養バランスを確保し、少なくとも平均的な健康状態や成長を保つことができているのかどうかという点です。お子様が持病を持っていたり、アレルギーを持っているような場合には、それに対してどのようにケアしているのかという点も重要な要素になります。


 最後に「住」というのは、お子様の安心できるような清潔かつ整理整頓された住環境が確保されていることを意味しますが、この中には、お子様の躾や教育面も含めた意味で使うこともあります。
 このように、お子様の勉強面・教育面は、上記の「住」に関連する項目なのですが、衣食住全体が考慮されますので、あくまでその中の「一つの項目」という扱いになります。

 

 

3.対策の基本的な視点


 このような場合の対策の基本的な視点は「同居の時と同じ成績順位を維持すること」とか「同居時の志望校にしっかり合格すること」ではありません。
 お子様の教育面には関心が高い方も多いので、「成績が落ちてしまうと夫から何を言われるか分からない」とか「息子にはこの学校に合格させてあげたい」といったことをおっしゃる方もいます。
 ただ、監護者指定事件で重視されるのは、学校で問題となるような成績・素行ではないことです。簡単に言いますと、同居時学年トップの成績で、別居後にある程度成績が落ちたとしても、「担任教師が問題視するような悪い成績ではない」ということなら、ほとんど問題視されることはありません。

 

 

4.夫の教育熱心さがお子様の負担になっていた場合には、それを逆用すると効果的


 夫側が非常に教育熱心で、自宅でも熱心に指導・教育してきたというケースもあります。
 ただ、そのような熱心さは、お子様のためというよりも、夫自身のため(自分の子供なので、このくらいの成績は取ってもらわないと困るとか、自分と同じくらいの社会的地位を確保するために、この学校に行かせる必要があるとか)であるというケースも多くあります。
 そうすると、夫が目指す目標に、お子様の意識がついて行っていないというケースも往々にしてあります。


 そのことで、時に夫がお子様に対して暴言を吐いたり、果ては暴力を振るっているような場合には、勉強を見ることはプラス要素ではなく、むしろマイナス要素と言えます。
 そのような場合には、夫の勉強の面倒が、逆にお子様の大きな心の負担になっていたこと、モラハラやDVに陥っていた場合には、明らかな有害行為であることをしっかりと指摘して対抗していくことになります。

 

 

5.あなた自身の学歴等はあまり重視されない


 お子様の勉強面との兼ね合いでは、教育面を重視する夫側は、あなたの学歴と夫の学歴を比較して、夫側の方が学歴が上で、お子様の教育面を充実させられるといったことを強調してくることもあります。このような学歴の差から、お子様の教育のケアは夫側が見た方が良いなどと主張してくるのです。
 しかし、学歴の差といった点は、監護者指定事件であまり重視されませんので、この点であまり不安にならない方が良いと思います。

 

 

6.重要なのは教育資源をしっかりと活用すること


 むしろ、今は、様々な教育資源がありますので、それをしっかりと活用することの方が重要です。あなたが自分で勉強を教えるということに固執し、無理をし過ぎてしまいますと、逆にそのことで家事・育児が疎かになるなど、悪影響を生じかねませんので、そうであれば、教育資源を活用した方が良いのです。
 例えば、学校の宿題のケアは、学童がしっかりと確認してくれるところもありますし、受験に関しても、課題が多くない塾に通塾させることで対応できることも多いです。
 お子様の心理面のケアなどは、スクールカウンセラーや子ども家庭支援センターに助言を受けるといった方法もあります。
 このように教育資源をしっかりと活用して、少なくとも学校教育に遅れがなく、宿題や課題もしっかりと提出できていれば、教育面で、あなたのケアが不十分だと指摘される可能性は低いと思います。

 

 

7.まとめ


・親権争いの場面では、お子様の衣食住の面倒を誰が見ていたかが重要であるが、教育面は「住」に関連する要素として考慮されることがある。
・基本的には、別居後、学校で問題になるような成績・素行でなければ問題ない。
・夫の教育熱心さが逆にお子様の心理的負担になっていた場合には、その点をしっかりと指摘していくのが良い。
・あなた自身の学歴等はあまり重視されない。
・現在は教育資源が充実しているので、それを活用することも重要である。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

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